第3版の序文
本書は1993(平成5)年に発行して以来23年の月日が過ぎた.この間にわが国の脊髄損傷(疾病)に対する学問・研究の発展とともに,この分野のリハビリテーション医療も著しい進化がみられた.
初版から脊髄の解剖,脊髄損傷の理学療法評価および理学療法を中心に記述したが,時代とともにその内容も深化し変遷したため,世の実情に合わせて大きく改訂せざるをえなくなった.
今回の大改訂の主要な項目は,第1章では脊髄の解剖を脊髄損傷の基礎的知識に,第2章の理学療法評価では褥瘡の深さによる分類を図で示し,また座位バランス評価に動画を加え,いずれも理解しやすくした.第3章の呼吸理学療法では,呼吸・排痰手技と各種用具・器具を用いた理学療法に関して写真で示し,理論・実技ともに大改編をした.第4章の車いす処方と練習では,各損傷レベル別(C5,C6,C7)の駆動と移動動作を動画で示した.第5章の理学療法では,回復初期からの基本的な理学療法として「背臥位から立位に至るまでの運動療法」を動画で示し解説した.また,急性期,回復初期に自立(律)に影響するため「精神・心理的適応とアプローチ」や「障害受容」の重要性を鑑み,第1,2版の内容をより充実させるために単独の章(第6章)とした.第7章の排尿・尿路障害,第8章の性機能障害では内容は改編せず,わかりづらい箇所には説明を補足した.第9章の脊損損傷とスポーツに関しては,障がい者スポーツと各種障害区分(クラス分け)により,障がい者が平等な条件で競技に参加できることがわかるよう表で示した.第10章の脊髄損傷と自動車運転では,とくに機能レベルと補助機器の変化に対応した最新のものを取り入れた.
本書は脊髄損傷のリハビリテーションに携わる読者のよき指針として座右において活用されんことを願うものである.
最後に,本書の改訂に当たり,心血を注いだ執筆者の方々,動画撮影にご協力いただいた脊髄損傷の方々および撮影協力者の方々,完成まで一方ならぬご尽力をいただいた医歯薬出版編集部に深甚の謝意を表す次第である.
2016年12月
武田 功
第2版の序文
脊髄損傷者の欧米におけるリハビリテーション医療は第二次世界大戦を境に急速に発展した.わが国においては,昭和30年代にそれが確立されている.その後,現在に至るまでの脊髄損傷者のリハビリテーション医療の進歩は,生存率を高め,通常の余命を期待できるまでになった.また社会的には,生活環境や労働条件の整備により,社会復帰が可能なものや生産活動にまで参加し,社会人として活躍できるまでになった.
本書の特徴は,脊髄損傷の理学療法の科学性を追求することにある.すなわち,評価・治療においては回復の法則性とそれに立脚した予後予測を見極め,その科学性に裏付けられた治療のあり方を主眼とした手技により,非麻痺部位と麻痺部位との連携による麻痺部位の残存機能を最大限に引き出すことや,過去になかった痙性の治療の考え方など創意・工夫を加え,その理学療法治療の進歩に役立たせることである.そして今回は,さらに脊髄損傷者のヒューマニズムの観点から重要な要素として,脊髄損傷者の性機能の援助,スポーツ,自動車運転を新しく加え,彼らのADLおよびQOLの向上を目指すものである.
最後に,本書「脊髄損傷の理学療法」が関係諸氏の座右に置かれ,日常,広く脊髄損傷の理学療法に役立てば著者らの限りない喜びである.
2005年12月
武田 功
第1版の序文
脊髄損傷は悲惨な不治の傷病として,すでにその記録が紀元前5000年頃のエジプトのパピルスにある1).この不治の傷病も第二次世界大戦を境に,急性期からの一貫したリハビリテーションの進歩に伴い,医学的には多くの未解決な問題を残しながらも適切な治療によって生存率を高め,通常の余命を期待できるようになった.また社会的にもいまだ多くの問題点を抱えながら,生活環境や労働条件の整備により,社会復帰可能なものや生産活動にまで参加可能となり,社会人として活躍できるまでになった29).こうした脊髄損傷における理学療法においても,その対象疾患は多岐にわたり,年齢層も乳幼児から成人までと幅広く,さらに多様化,重度化,重複化,高齢化が進み社会のニーズの変化に伴い脊髄損傷者自身のニーズも変化してきた.そのため従来のimpairmentレベルに対する治療に偏重した理学療法の理念からdisabilityそしてhandicapに至るまでのチーム・アプローチを実現することが重要となってきた2).
本書はこうした脊髄損傷の病態や評価そして理学療法について,教育および臨床の現場において即,役立つ技術書としてもっとも基礎的なことを解説した.
1993年8月
武田 功
監修者のことば
わが国の理学療法という領域が正式に誕生したのは,1965年に法律137号として「理学療法士及び作業療法士法」が制定されたときである.これがわが国の医学的リハビリテーションはもとより,理学療法自体の発展の布石になったことはいうまでもない.
当然とはいえ,当初は理学療法に関する情報のほとんどが欧米のものであり,この現象は10年以上続いたと思われる.また,理学療法関係の書物は訳本か,米国でリハビリテーション医学を修めた医師などによって執筆されたものが主であった.
しかし,近年では,徐々にではあるが,わが国の理学療法士による出版物が増え,やっと自前の弁当で空腹を満たす段階になりつつあることは,たいへん喜ばしい限りである.
数年前,医歯薬出版株式会社より,「PTマニュアル」シリーズを出版したい旨の話があり,その監修依頼を受けていた.
ここにその一編として,武田 功氏による「脊髄損傷の理学療法」をお届けできることを嬉しく思う次第である.
脊髄損傷は理学療法の対象疾患の一つとして,種々の角度からその対応が工夫されてきた.そして社会環境,福祉制度などが整備されつつあるなかで,その成果は顕著になった.それと並行して,車いすスポーツも盛んになり,脊髄損傷者の社会参加は活発になってきた.
しかし一方では,近年の高齢化に伴い,高齢者の脊髄損傷・疾患が増えている.これについては,若年・実年層への対応と基本論は同じでも,特殊な対応を工夫する必要があり,今後の課題である.
1993年8月
広島大学医学部保健学科 奈良 勲
(現・金城大学大学院リハビリテーション学研究科,広島大学名誉教授)
本書は1993(平成5)年に発行して以来23年の月日が過ぎた.この間にわが国の脊髄損傷(疾病)に対する学問・研究の発展とともに,この分野のリハビリテーション医療も著しい進化がみられた.
初版から脊髄の解剖,脊髄損傷の理学療法評価および理学療法を中心に記述したが,時代とともにその内容も深化し変遷したため,世の実情に合わせて大きく改訂せざるをえなくなった.
今回の大改訂の主要な項目は,第1章では脊髄の解剖を脊髄損傷の基礎的知識に,第2章の理学療法評価では褥瘡の深さによる分類を図で示し,また座位バランス評価に動画を加え,いずれも理解しやすくした.第3章の呼吸理学療法では,呼吸・排痰手技と各種用具・器具を用いた理学療法に関して写真で示し,理論・実技ともに大改編をした.第4章の車いす処方と練習では,各損傷レベル別(C5,C6,C7)の駆動と移動動作を動画で示した.第5章の理学療法では,回復初期からの基本的な理学療法として「背臥位から立位に至るまでの運動療法」を動画で示し解説した.また,急性期,回復初期に自立(律)に影響するため「精神・心理的適応とアプローチ」や「障害受容」の重要性を鑑み,第1,2版の内容をより充実させるために単独の章(第6章)とした.第7章の排尿・尿路障害,第8章の性機能障害では内容は改編せず,わかりづらい箇所には説明を補足した.第9章の脊損損傷とスポーツに関しては,障がい者スポーツと各種障害区分(クラス分け)により,障がい者が平等な条件で競技に参加できることがわかるよう表で示した.第10章の脊髄損傷と自動車運転では,とくに機能レベルと補助機器の変化に対応した最新のものを取り入れた.
本書は脊髄損傷のリハビリテーションに携わる読者のよき指針として座右において活用されんことを願うものである.
最後に,本書の改訂に当たり,心血を注いだ執筆者の方々,動画撮影にご協力いただいた脊髄損傷の方々および撮影協力者の方々,完成まで一方ならぬご尽力をいただいた医歯薬出版編集部に深甚の謝意を表す次第である.
2016年12月
武田 功
第2版の序文
脊髄損傷者の欧米におけるリハビリテーション医療は第二次世界大戦を境に急速に発展した.わが国においては,昭和30年代にそれが確立されている.その後,現在に至るまでの脊髄損傷者のリハビリテーション医療の進歩は,生存率を高め,通常の余命を期待できるまでになった.また社会的には,生活環境や労働条件の整備により,社会復帰が可能なものや生産活動にまで参加し,社会人として活躍できるまでになった.
本書の特徴は,脊髄損傷の理学療法の科学性を追求することにある.すなわち,評価・治療においては回復の法則性とそれに立脚した予後予測を見極め,その科学性に裏付けられた治療のあり方を主眼とした手技により,非麻痺部位と麻痺部位との連携による麻痺部位の残存機能を最大限に引き出すことや,過去になかった痙性の治療の考え方など創意・工夫を加え,その理学療法治療の進歩に役立たせることである.そして今回は,さらに脊髄損傷者のヒューマニズムの観点から重要な要素として,脊髄損傷者の性機能の援助,スポーツ,自動車運転を新しく加え,彼らのADLおよびQOLの向上を目指すものである.
最後に,本書「脊髄損傷の理学療法」が関係諸氏の座右に置かれ,日常,広く脊髄損傷の理学療法に役立てば著者らの限りない喜びである.
2005年12月
武田 功
第1版の序文
脊髄損傷は悲惨な不治の傷病として,すでにその記録が紀元前5000年頃のエジプトのパピルスにある1).この不治の傷病も第二次世界大戦を境に,急性期からの一貫したリハビリテーションの進歩に伴い,医学的には多くの未解決な問題を残しながらも適切な治療によって生存率を高め,通常の余命を期待できるようになった.また社会的にもいまだ多くの問題点を抱えながら,生活環境や労働条件の整備により,社会復帰可能なものや生産活動にまで参加可能となり,社会人として活躍できるまでになった29).こうした脊髄損傷における理学療法においても,その対象疾患は多岐にわたり,年齢層も乳幼児から成人までと幅広く,さらに多様化,重度化,重複化,高齢化が進み社会のニーズの変化に伴い脊髄損傷者自身のニーズも変化してきた.そのため従来のimpairmentレベルに対する治療に偏重した理学療法の理念からdisabilityそしてhandicapに至るまでのチーム・アプローチを実現することが重要となってきた2).
本書はこうした脊髄損傷の病態や評価そして理学療法について,教育および臨床の現場において即,役立つ技術書としてもっとも基礎的なことを解説した.
1993年8月
武田 功
監修者のことば
わが国の理学療法という領域が正式に誕生したのは,1965年に法律137号として「理学療法士及び作業療法士法」が制定されたときである.これがわが国の医学的リハビリテーションはもとより,理学療法自体の発展の布石になったことはいうまでもない.
当然とはいえ,当初は理学療法に関する情報のほとんどが欧米のものであり,この現象は10年以上続いたと思われる.また,理学療法関係の書物は訳本か,米国でリハビリテーション医学を修めた医師などによって執筆されたものが主であった.
しかし,近年では,徐々にではあるが,わが国の理学療法士による出版物が増え,やっと自前の弁当で空腹を満たす段階になりつつあることは,たいへん喜ばしい限りである.
数年前,医歯薬出版株式会社より,「PTマニュアル」シリーズを出版したい旨の話があり,その監修依頼を受けていた.
ここにその一編として,武田 功氏による「脊髄損傷の理学療法」をお届けできることを嬉しく思う次第である.
脊髄損傷は理学療法の対象疾患の一つとして,種々の角度からその対応が工夫されてきた.そして社会環境,福祉制度などが整備されつつあるなかで,その成果は顕著になった.それと並行して,車いすスポーツも盛んになり,脊髄損傷者の社会参加は活発になってきた.
しかし一方では,近年の高齢化に伴い,高齢者の脊髄損傷・疾患が増えている.これについては,若年・実年層への対応と基本論は同じでも,特殊な対応を工夫する必要があり,今後の課題である.
1993年8月
広島大学医学部保健学科 奈良 勲
(現・金城大学大学院リハビリテーション学研究科,広島大学名誉教授)
第3版の序文
第2版の序文
第1版の序文
監修者のことば
第1章 脊髄損傷の基礎的知識
(武田 功)
1 脊髄の解剖
1)脊髄 2)脊髄節
2 脊髄損傷の原因
1)原因 2)発生原因と損傷高位 3)年代的推移
3 脊髄損傷者の死亡率と死因
1)死亡率 2)死因
第2章 理学療法評価
(武田 功)
1 評価
1)概説 2)障害評価 3)評価とは 4)情報収集と評価項目
5)理学療法診療記録 6)損傷高位の診断 7)高位診断の臨床応用
8)脊髄不全損傷の特殊型 9)脊髄完全損傷
2 自律神経障害
1)自律神経過反射および集合反射 2)体温調節障害 3)異常高体温
4)血管運動神経障害 5)知覚脱失性疼痛(異常疼痛) 6)異所性骨化
7)静脈血栓 8)長管骨病的骨折 9)外傷後脊髄空洞症
3 痙性麻痺
1)痙性の評価 2)痙性の治療
4 褥瘡
1)物理的要因 2)身体的要因 3)感染 4)好発部位
5)評価 6)予防と治療 7)医学的管理
5 座位バランスの評価
1)バランスとは 2)座位バランスの評価
動画で確認しよう!〜座位バランス評価〜
第3章 呼吸理学療法
(武田 功)
1 急性期の呼吸理学療法
1)呼吸の病態
2 高位頸髄損傷者の人工呼吸器による急性期呼吸管理
1)急性期呼吸管理 2)呼吸練習の目的 3)人工呼吸器の種類
4)人工呼吸器からの離脱(weaning)
3 呼吸の評価
4 呼吸練習
1)オリエンテーション(患者教育) 2)リラクセーション練習 3)腹式呼吸
4)横隔膜呼吸 5)部分呼吸 6)呼吸補助筋の強化
5 体位排痰法
1)評価 2)前準備 3)体位排痰療法の手技
4)排痰練習の実際 5)治療回数
6 吸引操作
1)オリエンテーション(患者教育) 2)吸引操作
7 胸郭拡張練習
1)急性期の胸郭可動性の維持練習 2)慢性期の胸郭可動性の維持練習
8 skin rolling
第4章 理学療法(治療指導)
(武田 功,羽田晋也)
1 治療指導
2 理学療法の目的
3 理学療法プログラム
1)急性期における理学療法(2カ月前後)
2)回復初期から回復後期における理学療法(3カ月前後〜6カ月)
3)慢性期における理学療法(6カ月以降)
4)社会的リハビリテーション
4 急性期における理学療法(2カ月前後)
1)全身再調整練習
5 回復初期から回復後期(3カ月前後〜6カ月)
1)床上動作練習期 2)臥位練習期 3)座位練習期
4)基本動作練習の目的(羽田晋也) 5)基本動作練習の実施
6 回復後期
1)立位練習と歩行練習 2)四肢麻痺の立位練習
3)対麻痺の立位・歩行練習
7 手術療法後の理学療法プログラム
1)頸髄損傷の手術療法後の理学療法プログラム
2)胸・腰髄損傷の手術療法後の理学療法プログラム
動画で確認しよう!〜基本動作練習/立位練習・歩行練習〜
第5章 車いす処方と練習
(水野智仁,川村和之,武田 功)
1 車いす練習と開始時期(水野智仁)
2 車いす処方(川村和之)
1)分類 2)処方の一応の基準 3)損傷レベル別の車いすの特徴
3 車いす練習(武田 功)
1)起立性低血圧への対処 2)車いす動作 3)基本動作
4)移動動作(駆動動作) 5)車いす前輪上げ練習 6)階段昇降
7)移乗動作 8)応用動作
動画で確認しよう!〜車いす駆動練習/移乗動作〜
第6章 精神・心理的適応とアプローチ
(武田 功)
1 障害受容と受容の過程
1)障害受容 2)受容の過程(段階)
3)障害受容の大まかな(主観的な)目安
2 受傷後の障害受容に及ぼす心理的な要因
1)受傷(病)原因 2)受傷(病)前の性格
3)障害の程度 4)経済的・社会的要因
5)リハビリテーション・プロセスにおける家族と友人,リハスタッフの役割
第7章 排尿・尿路障害
(武田 功)
1 排尿の生理
2 尿路管理
1)急性期の尿路管理 2)回復期の尿路管理 3)慢性期の尿路管理
第8章 性機能障害への援助
(武田 功)
1 脊髄損傷者と性機能
2 性機能
1)性機能と異性との関係 2)性欲
3 男性脊髄損傷者の性の問題
1)正常勃起のメカニズム 2)勃起障害
3)脊髄損傷者の勃起障害の分類
4 男性の性機能で重要な要素
1)ペニスの勃起現象 2)射精のメカニズム 3)射精能力
5 男性の性機能障害
1)勃起障害の診断 2)勃起障害に対する主な治療法
3)射精障害の検査 4)射精障害の治療法 5)人工授精
6 女性脊髄損傷者の性の問題
1)女性の性機能 2)妊娠・出産の問題
第9章 脊髄損傷とスポーツ
(奥田邦晴)
1 障害区分(classification system)
2 主なスポーツ種目
1)車いすバスケットボール 2)車いすツインバスケットボール
3)ウィルチェアーラグビー 4)車いすテニス 5)水泳
6)陸上競技 7)スキー 8)スレッジホッケー
3 障がい者のスポーツの多面的意義
4 障がい者のスポーツと理学療法
第10章 脊髄損傷と自動車運転
(岩ア 洋)
1 なぜ自動車が必要なのか
2 運転に必要な条件
1)自動車運転免許 2)身体機能と自動車運転
3 運転操作と補助装置
1)運転操作 2)動作練習 3)補助装置
4 乗車と降車(乗降と車いすの積み下ろし)
1)自動車用車いすの条件 2)身体的条件 3)方法:頸髄損傷者の場合
4)車いす収納装置
5 注意すべき走行条件
1)なぜ注意しなければならないか 2)体幹が倒れる原因
3)体幹傾倒の対策
6 車両の改造
1)改造の考え方 2)運転操作の問題点と対策
3)改造例:腕神経損傷を伴った胸髄損傷者の場合 4)ジョイバン
7 介助用自動車
1)介助用自動車の考え方 2)乗車方法による選択 3)選択方法
8 自動車運転での褥瘡予防
9 自動車に関した福祉サービス
文献
索引
付録動画コンテンツについて
第2版の序文
第1版の序文
監修者のことば
第1章 脊髄損傷の基礎的知識
(武田 功)
1 脊髄の解剖
1)脊髄 2)脊髄節
2 脊髄損傷の原因
1)原因 2)発生原因と損傷高位 3)年代的推移
3 脊髄損傷者の死亡率と死因
1)死亡率 2)死因
第2章 理学療法評価
(武田 功)
1 評価
1)概説 2)障害評価 3)評価とは 4)情報収集と評価項目
5)理学療法診療記録 6)損傷高位の診断 7)高位診断の臨床応用
8)脊髄不全損傷の特殊型 9)脊髄完全損傷
2 自律神経障害
1)自律神経過反射および集合反射 2)体温調節障害 3)異常高体温
4)血管運動神経障害 5)知覚脱失性疼痛(異常疼痛) 6)異所性骨化
7)静脈血栓 8)長管骨病的骨折 9)外傷後脊髄空洞症
3 痙性麻痺
1)痙性の評価 2)痙性の治療
4 褥瘡
1)物理的要因 2)身体的要因 3)感染 4)好発部位
5)評価 6)予防と治療 7)医学的管理
5 座位バランスの評価
1)バランスとは 2)座位バランスの評価
動画で確認しよう!〜座位バランス評価〜
第3章 呼吸理学療法
(武田 功)
1 急性期の呼吸理学療法
1)呼吸の病態
2 高位頸髄損傷者の人工呼吸器による急性期呼吸管理
1)急性期呼吸管理 2)呼吸練習の目的 3)人工呼吸器の種類
4)人工呼吸器からの離脱(weaning)
3 呼吸の評価
4 呼吸練習
1)オリエンテーション(患者教育) 2)リラクセーション練習 3)腹式呼吸
4)横隔膜呼吸 5)部分呼吸 6)呼吸補助筋の強化
5 体位排痰法
1)評価 2)前準備 3)体位排痰療法の手技
4)排痰練習の実際 5)治療回数
6 吸引操作
1)オリエンテーション(患者教育) 2)吸引操作
7 胸郭拡張練習
1)急性期の胸郭可動性の維持練習 2)慢性期の胸郭可動性の維持練習
8 skin rolling
第4章 理学療法(治療指導)
(武田 功,羽田晋也)
1 治療指導
2 理学療法の目的
3 理学療法プログラム
1)急性期における理学療法(2カ月前後)
2)回復初期から回復後期における理学療法(3カ月前後〜6カ月)
3)慢性期における理学療法(6カ月以降)
4)社会的リハビリテーション
4 急性期における理学療法(2カ月前後)
1)全身再調整練習
5 回復初期から回復後期(3カ月前後〜6カ月)
1)床上動作練習期 2)臥位練習期 3)座位練習期
4)基本動作練習の目的(羽田晋也) 5)基本動作練習の実施
6 回復後期
1)立位練習と歩行練習 2)四肢麻痺の立位練習
3)対麻痺の立位・歩行練習
7 手術療法後の理学療法プログラム
1)頸髄損傷の手術療法後の理学療法プログラム
2)胸・腰髄損傷の手術療法後の理学療法プログラム
動画で確認しよう!〜基本動作練習/立位練習・歩行練習〜
第5章 車いす処方と練習
(水野智仁,川村和之,武田 功)
1 車いす練習と開始時期(水野智仁)
2 車いす処方(川村和之)
1)分類 2)処方の一応の基準 3)損傷レベル別の車いすの特徴
3 車いす練習(武田 功)
1)起立性低血圧への対処 2)車いす動作 3)基本動作
4)移動動作(駆動動作) 5)車いす前輪上げ練習 6)階段昇降
7)移乗動作 8)応用動作
動画で確認しよう!〜車いす駆動練習/移乗動作〜
第6章 精神・心理的適応とアプローチ
(武田 功)
1 障害受容と受容の過程
1)障害受容 2)受容の過程(段階)
3)障害受容の大まかな(主観的な)目安
2 受傷後の障害受容に及ぼす心理的な要因
1)受傷(病)原因 2)受傷(病)前の性格
3)障害の程度 4)経済的・社会的要因
5)リハビリテーション・プロセスにおける家族と友人,リハスタッフの役割
第7章 排尿・尿路障害
(武田 功)
1 排尿の生理
2 尿路管理
1)急性期の尿路管理 2)回復期の尿路管理 3)慢性期の尿路管理
第8章 性機能障害への援助
(武田 功)
1 脊髄損傷者と性機能
2 性機能
1)性機能と異性との関係 2)性欲
3 男性脊髄損傷者の性の問題
1)正常勃起のメカニズム 2)勃起障害
3)脊髄損傷者の勃起障害の分類
4 男性の性機能で重要な要素
1)ペニスの勃起現象 2)射精のメカニズム 3)射精能力
5 男性の性機能障害
1)勃起障害の診断 2)勃起障害に対する主な治療法
3)射精障害の検査 4)射精障害の治療法 5)人工授精
6 女性脊髄損傷者の性の問題
1)女性の性機能 2)妊娠・出産の問題
第9章 脊髄損傷とスポーツ
(奥田邦晴)
1 障害区分(classification system)
2 主なスポーツ種目
1)車いすバスケットボール 2)車いすツインバスケットボール
3)ウィルチェアーラグビー 4)車いすテニス 5)水泳
6)陸上競技 7)スキー 8)スレッジホッケー
3 障がい者のスポーツの多面的意義
4 障がい者のスポーツと理学療法
第10章 脊髄損傷と自動車運転
(岩ア 洋)
1 なぜ自動車が必要なのか
2 運転に必要な条件
1)自動車運転免許 2)身体機能と自動車運転
3 運転操作と補助装置
1)運転操作 2)動作練習 3)補助装置
4 乗車と降車(乗降と車いすの積み下ろし)
1)自動車用車いすの条件 2)身体的条件 3)方法:頸髄損傷者の場合
4)車いす収納装置
5 注意すべき走行条件
1)なぜ注意しなければならないか 2)体幹が倒れる原因
3)体幹傾倒の対策
6 車両の改造
1)改造の考え方 2)運転操作の問題点と対策
3)改造例:腕神経損傷を伴った胸髄損傷者の場合 4)ジョイバン
7 介助用自動車
1)介助用自動車の考え方 2)乗車方法による選択 3)選択方法
8 自動車運転での褥瘡予防
9 自動車に関した福祉サービス
文献
索引
付録動画コンテンツについて








