やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 第57回理学療法士・作業療法士国家試験は令和4年2月20日(日)に実施され,合格者は令和4年3月23日(水)に厚生労働省より発表されました.本年度の出願者数,受験者数,合格者数および合格率は以下の通りでした.
         出願者数 受験者数 合格者数 合格率
 理学療法士   13,377人 12,685人 10,096人 79.6%
 (うち新卒者) 11,141人 10,549人  9,296人 88.1%
 作業療法士    5,920人  5,723人  4,608人 80.5%
 (うち新卒者)  5,013人  4,861人  4,311人 88.7%
 受験者数は昨年に比べて,理学療法士は739人増(昨年:11,946人),作業療法士は174人増(昨年:5,549人)となりました.合格率は昨年と比べると,理学療法士が0.6ポイント増(昨年:79.0%),作業療法士が0.8ポイント減(昨年:81.3%)となりました.
 理学療法士の合格基準は,一般問題を1問1点(158点満点),実地問題を1問3点(114点満点)とし,次のすべてを満たしている者を合格としています.
 総得点 164点以上/272点
 実地問題 40点以上/114点

 作業療法士の合格基準は,一般問題を1問1点(158点満点),実地問題を1問3点(117点満点)とし,次のすべてを満たしている者を合格としています.
 総得点 165点以上/275点
 実地問題 41点以上/117点

 なお,今回の試験で採点除外等の取り扱いとなった問題は,
 [理学療法士]
 午前 問題9
 午後 問題4,10,15,16,31
 [作業療法士]
 午前 問題28
 午後 問題2,25
 [専門基礎(共通)]
 午前 問題51,71,85,100
 午後 問題68,99
 の15問でした.

 第57回の試験問題は,全体として基本的な問題が多く出題されました.過去問題が少し姿を変えて出題されているものが多いのも従来通りです.5年分ほどの過去問題をチェックしておくことは必須といえます.また,相対的に難易度が高いとされるX2タイプの形式が,専門領域では1割強,専門基礎領域では2割弱出題されています.「2つ選べ」の問題形式に十分に慣れておく必要があります.
 理学療法専門領域は,標準型車椅子の適合判定基準の問題(PT午後10)と電気刺激療法の刺激部位の問題(PT午後16)が採点除外となり,その他4題が複数正答等の扱いとなりました.一部に,血液検査の結果を統合して病態を考える応用問題(PT午前1),認知症患者(PT午前48)や失語症患者(PT午後17)への対応を問う問題など,より踏み込んだ知識・思考が求められる問題もありましたが,それ以外の頻出問題で確実に得点できれば,十分に合格圏内に入ることのできる問題構成でした.また,心電図の問題が2題,その他画像問題が7題出題され,VE・VFに関連した問題(PT午後37)もあるなど,画像評価の重要性が増しています.
 作業療法専門領域は,スタンダードな問題が多く過去問題に沿った内容のものが多くみられました.合格のためには,焦らずに解ける問題を間違いなく得点することが肝要になります.全体的に疾患の知識や評価法を問うものが多く出題されましたが,精神障害領域の実地問題では,作業療法や患者への対応を問う発展的な問題が多く出題されました.また,「就労支援」に関する問題(OT午前8,OT午後49など)は年々増加傾向にあり,法律や制度だけではなく,疾患別の就労支援についてもしっかり学習しておく必要があります.
 専門基礎領域は,脳波検査(午前76)が数年ぶりに出題され,リエゾン精神医学(午前80),イネイブラー〈enabler〉(午後96)など,耳慣れないkeywordに言及する問題が出されました.しかし,ほとんどが十分に学習していれば解決できる問題で,おおよそ従来通りの出題傾向でした.解剖学,生理学,運動学など基本的な知識を確実に整理しておくことは言うまでもなく大切ですが,内部障害などと結びつけ,単語レベルではなく横断的に深く理解しておくことが得点アップの肝となります.
 本書は第53回から第57回までの5年間の理学療法士・作業療法士国家試験全問題を掲載しております.本書の構成は,問題,解答,解説からなります.
 問題は,可能な限り原文に則して記載し,図や写真は縮小しています.
 解答は,基本的には厚生労働省が公表したものとしています.一部,厚生労働省の解答と見解が異なる問題については,その旨を明記しました.
 解説は,解答を導き出すのに参考となる事柄を限られたスペースの中にメモ程度に記載しました.
 本書の解答・解説などでお気づきの点,また本書の構成などについてご意見がございましたら,編集部宛にご教示くださいますようお願い申し上げます.
 来る第58回の理学療法士・作業療法士国家試験には,どうか本書を存分に活用されて,見事全員が合格されますよう,編集部一同,心からお祈り申し上げます.
 2022年5月
 医歯薬出版編集部
 はじめに
第53回 理学療法士 作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第54回 理学療法士 作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第55回 理学療法士 作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第56回 理学療法士 作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第57回 理学療法士 作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)