やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 第55回理学療法士・作業療法士国家試験は令和2年2月23日(日)に実施され,合格者は令和2年3月23日に厚生労働省より発表されました.本年度の出願者数,受験者数,合格者数および合格率は以下の通りでした.
         出願者数 受験者数 合格者数 合格率
 理学療法士   12,831人 12,283人 10,608人 86.4%
 (うち新卒者) 11,223人 10,749人 10,019人 93.2%
 作業療法士   6,590人  6,352人  5,548人  87.3%
 (うち新卒者) 4,980人  4,795人  4,515人  94.2%

 受験者数は昨年に比べて,理学療法士は322人減(昨年:12,605人),作業療法士は6人減(昨年:6,358人)となりました.合格率は昨年と比べると,理学療法士が0.6ポイント増(昨年:85.8%),作業療法士が16.0ポイント増(昨年:71.3%)となりました.

 理学療法士の合格基準は,一般問題を1問1点(157点満点),実地問題を1問3点(120点満点)とし,次のすべてを満たしている者を合格としています.
 総得点 167点以上/277点
 実地問題 43点以上/120点

 作業療法士の合格基準は,一般問題を1問1点(157点満点),実地問題を1問3点(120点満点)とし,次のすべてを満たしている者を合格としています.
 総得点 167点以上/277点
 実地問題 43点以上/120点

 なお,今回の試験で採点除外等の取り扱いとなった問題は,
 [理学療法士]
 午前 問題5
 午後 問題28
 [作業療法士]
 午後 問題35
 [専門基礎(共通)]
 午前 問題53,78,83,84
 の7問でした.

 第55回の試験問題は,全体として基本的な問題が多く出題されました.過去問題が少し姿を変えて出題されているものが多いのも従来通りです.5〜10年分ほどの過去問題をチェックしておくことは必須といえます.また,相対的に難易度が高いとされるX2タイプの形式が,全体の1割程度出題されています.「2つ選べ」の問題形式に十分に慣れておく必要があります.
 理学療法専門領域は,スタンダードな問題構成で,基本をおさえていれば十分に合格圏内に入ることができる内容でした.6分間歩行テスト(PT午前36)やTimed Up and Go Test(PT午後27)といったバランス評価や,運動負荷試験の読み取り(PT午後11,39)など,近年よく問われる領域から引き続き多く出題されました.頻出問題とその周辺の知識をしっかりとおさえておきましょう.また,症例問題において設問文の長い問題が出題されるようになってきています.設問文の中から重要な内容を選択する力が求められます.
 作業療法専門領域は,高度な細かいことを問う問題が数問含まれていましたが,全体的には比較的平易な問題が多くみられました.合格のためには,焦らずに解ける問題を間違いなく得点することが肝要になります.また,第54回に引き続き第55回でも,連続問題が1問も含まれていませんでしたが,連続問題への対応も十分に練習しておきたいところです.従来も出題されていましたが,研究法(OT午前21),統計の理解(OT午前22,OT午後21),ICF(OT午後28),地域作業療法に関する制度や法律(OT午前38,OT午後38など)が出題されており,必須の知識です.また,精神障害領域の問題を中心に,設問文の長い問題が比較的多く出題されました.設問文の中で重要な言葉や記述を把握する練習をしておく必要があります.
 専門基礎領域の問題については,例年より良性腫瘍・悪性腫瘍(専基午前76,92,専基午後76,78,93)に関する問題が多く,また脳血管障害の外科的治療(専基午前88)や解離性障害の治療(専基午後99)など,一部に見慣れない問題もありましたが,ほとんどが十分に学習していれば解決できる問題で,おおよそ従来通りの出題傾向でした.解剖学,生理学,運動学など基本的な知識を確実に整理しておくことは言うまでもなく必須の事柄です.
 本書は第51回から第55回までの5年間の理学療法士・作業療法士国家試験全問題を掲載しております.本書の構成は,問題,解答,解説からなります.
 問題は,可能な限り原文に則して記載し,図や写真は縮小しています.
 解答は,基本的には厚生労働省が公表したものとしています.一部,厚生労働省の解答と見解が異なる問題については,その旨を明記しました.
 解説は,解答を導き出すのに参考となる事柄を限られたスペースの中にメモ程度に記載しました.
 パーソナルコンピュータで学習できるように,特典としてデスクトップアプリ(第45回から第54回分を収録)を用意しました.対応機種とインストール方法は巻末の「デスクトップアプリのご使用にあたって」をご覧ください.アプリでは出題ジャンルによって問題を分類しています.この分類は,平成28年出題基準に対応しています.出題ジャンルの詳細は,インストール後,展開(解凍)したフォルダ内のユーザーズマニュアル(11〜13ページ)をご参照ください.
 本書の解答,解説,アプリなどでお気づきの点,また本書の構成などについてご意見がございましたら,編集部宛にご教示くださいますようお願い申し上げます.
 来る第56回の理学療法士・作業療法士国家試験には,どうか本書を存分に活用されて,見事全員が合格されますよう,編集部一同,心からお祈り申し上げます.
 2020年5月
 医歯薬出版編集部
 はじめに
第51回 理学療法士 作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第52回 理学療法士 作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第53回 理学療法士 作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第54回 理学療法士 作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)
第55回 理学療法士 作業療法士 国家試験問題 解答と解説
 理学療法(午前)
 理学療法(午後)
 作業療法(午前)
 作業療法(午後)
 専門基礎(午前)
 専門基礎(午後)

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