はじめに
第52回理学療法士・作業療法士国家試験は平成29年2月26日(日)に実施され,合格者は平成29年3月29日に厚生労働省より発表されました.本年度の出願者数,受験者数,合格者数および合格率は以下の通りでした.
出願者数 受験者数 合格者数 合格率
理学療法士 14,379人 13,719人 12,388人 90.3%
(うち新卒者) 11,300人 10,721人 10,319人 96.3%
作業療法士 6,150人 5,983人 5,007人 83.7%
(うち新卒者) 5,432人 5,303人 4,800人 90.5%
受験者数は昨年に比べて,理学療法士は1,204人増(昨年:12,515人),作業療法士は119人減(昨年:6,102人)となりました.合格率は昨年と比べると,理学療法士は16.2ポイント増(昨年:74.1%),作業療法士が3.9ポイント減(昨年:87.6%)となりました.
理学療法士の合格基準は,一般問題を1問1点(160点満点),実地問題を1問3点(120点満点)とし,次のすべてを満たしている者を合格としています.
総得点 168点以上/280点
実地問題 43点以上/120点
作業療法士の合格基準は,一般問題を1問1点(160点満点),実地問題を1問3点(117点満点)とし,次のすべてを満たしている者を合格としています.
総得点 167点以上/277点
実地問題 41点以上/117点
なお,今回の試験で採点除外等の取り扱いとなった問題は,
[作業療法士]
午前 問題1
[専門基礎(共通)]
午前 問題70
午後 問題55
の3問でした.
第52回の試験問題は,全体として基本的な問題が多く出題されていました.また,過去問題が少し姿を変えて出題されているものが多いのも従来通りです.問題形式については,相対的に難易度が高いとされるX2タイプの問題がやや増加していることから,このタイプの問題にもよく慣れておく必要があります.
理学療法専門領域の問題は,全体として基本的で解きやすい問題が多く出題されており,結果として近年では極めて高い合格率となっております.問題の出題順が,近年は例外なく関節可動域測定や徒手筋力測定から始まっていたものが,呼吸,歩行分析などから始まる構成になっており,目新しさを感じた学生も多かったでしょう.また,基本的な評価法に関しても,単に評価の仕方のみを問うのではなく,結果を解釈できる力を求める形式の問題が増えているのも特徴的でした.とくに実地問題においては,従来は全体的に下肢の障害や脳血管障害に重点が置かれていましたが,今回は上肢の障害や内部障害など幅広い範囲から平均的に出題されています.緩和ケアや視覚障害者など,より広範なテーマを扱う問題の出題は今後も続くものと思われます.ICFに関する問題はひところに比べて出題数は少なくなっていますが,現時点では受験生が押しなべて学習しているとは言いがたい領域(ICFのcore set)からの出題もみられました.昨年から適用されている新しい国家試験出題基準に沿った問題は,予防・健康維持,介護保険制度,産業理学療法などに関するものが引き続き出題されており,この傾向は今後も続くものと思われます.
作業療法専門領域の問題は,高度な細かいことを問うており受験生には解答が難しかったであろう問題も数問含まれていましたが,全体的には昨年度と同様に標準的で比較的平易な問題が多くみられました.合格のためには,焦らずに解ける問題を間違いなく得点することが肝要になります.従来も必ず出題されていましたが,研究法や統計の理解を問う問題が今回も複数出題されています.今後もコンスタントに出題されると予想されますので,あらかじめ学習しておくことが必要です.今回は連続2問セットで問われる連続問題が1問も含まれていませんでしたが,従来の傾向を踏まえて,連続問題への対応も十分に練習しておきたいところです.
専門基礎領域の問題についても,一部に比較的難易度が高い問題もありましたが,ほとんどが十分に学習していれば解決できる問題で,従来通りの出題傾向でありました.解剖学,生理学,運動学など基本的な知識を確実に整理しておくことは言うまでもなく必須の事柄であります.
本書は第48回から第52回までの5年間の理学療法士・作業療法士国家試験全問題を掲載しております.本書の構成は,問題,解答,解説からなります.
問題は,可能な限り原文に則して記載し,図や写真は縮小しています.
解答は,基本的には厚生労働省が公表したものとしています.一部,厚生労働省の解答と見解が異なる問題については,その旨を明記しました.
解説は,解答を導き出すのに参考となる事柄を限られたスペースのなかにメモ程度に記載しました.
パーソナルコンピュータで学習できるように,付録にCD-ROM(第42回から第51回分を収録)を添付しました.対応機種と操作方法は巻末のマニュアルをご覧下さい.CD-ROMでは出題ジャンルによって問題を分類しています.この分類は,平成28年出題基準に対応しています.出題ジャンルの詳細は,巻末「CD-ROM取扱説明書」の12〜13ページをご覧ください.
本書の解答,解説,CD-ROM等でお気づきの点,また本書の構成などについてご意見がございましたら,編集部宛にご教示下さいますようお願い申し上げます.
来る第53回の理学療法士・作業療法士国家試験には,どうか本書を存分に活用されて,見事全員が合格されますよう,編集部一同,心からお祈り申し上げます.
2017年5月
医歯薬出版編集部
第52回理学療法士・作業療法士国家試験は平成29年2月26日(日)に実施され,合格者は平成29年3月29日に厚生労働省より発表されました.本年度の出願者数,受験者数,合格者数および合格率は以下の通りでした.
出願者数 受験者数 合格者数 合格率
理学療法士 14,379人 13,719人 12,388人 90.3%
(うち新卒者) 11,300人 10,721人 10,319人 96.3%
作業療法士 6,150人 5,983人 5,007人 83.7%
(うち新卒者) 5,432人 5,303人 4,800人 90.5%
受験者数は昨年に比べて,理学療法士は1,204人増(昨年:12,515人),作業療法士は119人減(昨年:6,102人)となりました.合格率は昨年と比べると,理学療法士は16.2ポイント増(昨年:74.1%),作業療法士が3.9ポイント減(昨年:87.6%)となりました.
理学療法士の合格基準は,一般問題を1問1点(160点満点),実地問題を1問3点(120点満点)とし,次のすべてを満たしている者を合格としています.
総得点 168点以上/280点
実地問題 43点以上/120点
作業療法士の合格基準は,一般問題を1問1点(160点満点),実地問題を1問3点(117点満点)とし,次のすべてを満たしている者を合格としています.
総得点 167点以上/277点
実地問題 41点以上/117点
なお,今回の試験で採点除外等の取り扱いとなった問題は,
[作業療法士]
午前 問題1
[専門基礎(共通)]
午前 問題70
午後 問題55
の3問でした.
第52回の試験問題は,全体として基本的な問題が多く出題されていました.また,過去問題が少し姿を変えて出題されているものが多いのも従来通りです.問題形式については,相対的に難易度が高いとされるX2タイプの問題がやや増加していることから,このタイプの問題にもよく慣れておく必要があります.
理学療法専門領域の問題は,全体として基本的で解きやすい問題が多く出題されており,結果として近年では極めて高い合格率となっております.問題の出題順が,近年は例外なく関節可動域測定や徒手筋力測定から始まっていたものが,呼吸,歩行分析などから始まる構成になっており,目新しさを感じた学生も多かったでしょう.また,基本的な評価法に関しても,単に評価の仕方のみを問うのではなく,結果を解釈できる力を求める形式の問題が増えているのも特徴的でした.とくに実地問題においては,従来は全体的に下肢の障害や脳血管障害に重点が置かれていましたが,今回は上肢の障害や内部障害など幅広い範囲から平均的に出題されています.緩和ケアや視覚障害者など,より広範なテーマを扱う問題の出題は今後も続くものと思われます.ICFに関する問題はひところに比べて出題数は少なくなっていますが,現時点では受験生が押しなべて学習しているとは言いがたい領域(ICFのcore set)からの出題もみられました.昨年から適用されている新しい国家試験出題基準に沿った問題は,予防・健康維持,介護保険制度,産業理学療法などに関するものが引き続き出題されており,この傾向は今後も続くものと思われます.
作業療法専門領域の問題は,高度な細かいことを問うており受験生には解答が難しかったであろう問題も数問含まれていましたが,全体的には昨年度と同様に標準的で比較的平易な問題が多くみられました.合格のためには,焦らずに解ける問題を間違いなく得点することが肝要になります.従来も必ず出題されていましたが,研究法や統計の理解を問う問題が今回も複数出題されています.今後もコンスタントに出題されると予想されますので,あらかじめ学習しておくことが必要です.今回は連続2問セットで問われる連続問題が1問も含まれていませんでしたが,従来の傾向を踏まえて,連続問題への対応も十分に練習しておきたいところです.
専門基礎領域の問題についても,一部に比較的難易度が高い問題もありましたが,ほとんどが十分に学習していれば解決できる問題で,従来通りの出題傾向でありました.解剖学,生理学,運動学など基本的な知識を確実に整理しておくことは言うまでもなく必須の事柄であります.
本書は第48回から第52回までの5年間の理学療法士・作業療法士国家試験全問題を掲載しております.本書の構成は,問題,解答,解説からなります.
問題は,可能な限り原文に則して記載し,図や写真は縮小しています.
解答は,基本的には厚生労働省が公表したものとしています.一部,厚生労働省の解答と見解が異なる問題については,その旨を明記しました.
解説は,解答を導き出すのに参考となる事柄を限られたスペースのなかにメモ程度に記載しました.
パーソナルコンピュータで学習できるように,付録にCD-ROM(第42回から第51回分を収録)を添付しました.対応機種と操作方法は巻末のマニュアルをご覧下さい.CD-ROMでは出題ジャンルによって問題を分類しています.この分類は,平成28年出題基準に対応しています.出題ジャンルの詳細は,巻末「CD-ROM取扱説明書」の12〜13ページをご覧ください.
本書の解答,解説,CD-ROM等でお気づきの点,また本書の構成などについてご意見がございましたら,編集部宛にご教示下さいますようお願い申し上げます.
来る第53回の理学療法士・作業療法士国家試験には,どうか本書を存分に活用されて,見事全員が合格されますよう,編集部一同,心からお祈り申し上げます.
2017年5月
医歯薬出版編集部
はじめに
第48回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
理学療法(午前)
理学療法(午後)
作業療法(午前)
作業療法(午後)
専門基礎(午前)
専門基礎(午後)
第49回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
理学療法(午前)
理学療法(午後)
作業療法(午前)
作業療法(午後)
専門基礎(午前)
専門基礎(午後)
第50回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
理学療法(午前)
理学療法(午後)
作業療法(午前)
作業療法(午後)
専門基礎(午前)
専門基礎(午後)
第51回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
理学療法(午前)
理学療法(午後)
作業療法(午前)
作業療法(午後)
専門基礎(午前)
専門基礎(午後)
第52回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
理学療法(午前)
理学療法(午後)
作業療法(午前)
作業療法(午後)
専門基礎(午前)
専門基礎(午後)
付録 CD-ROM取扱説明書
第48回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
理学療法(午前)
理学療法(午後)
作業療法(午前)
作業療法(午後)
専門基礎(午前)
専門基礎(午後)
第49回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
理学療法(午前)
理学療法(午後)
作業療法(午前)
作業療法(午後)
専門基礎(午前)
専門基礎(午後)
第50回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
理学療法(午前)
理学療法(午後)
作業療法(午前)
作業療法(午後)
専門基礎(午前)
専門基礎(午後)
第51回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
理学療法(午前)
理学療法(午後)
作業療法(午前)
作業療法(午後)
専門基礎(午前)
専門基礎(午後)
第52回 理学療法士/作業療法士 国家試験問題 解答と解説
理学療法(午前)
理学療法(午後)
作業療法(午前)
作業療法(午後)
専門基礎(午前)
専門基礎(午後)
付録 CD-ROM取扱説明書

















