やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

監訳者序文
 本書は“Mobilization Notes−A rehabilitation specialist's pocket guide”の翻訳書です.
 本書の副題にポケットガイドとあるように,四肢・脊柱に対するモビライゼーションテクニックの概要が一目瞭然となるよう,写真をふんだんに取り入れた構成となっています.また冒頭にはモビライゼーションの定義や禁忌,治療戦略決定のためのアルゴリズム,そして臨床予測尺度などがわかりやすく列記されています.
 本書はモビライゼーションの理論的背景や実証研究による介入効果などを詳述したものではないため,モビライゼーション技術に精通した方にとっては不向きかもしれませんが,これからモビライゼーションを始めてみようと思っている初学者や臨床家,学生にとっては便利な書籍だと思います.また,そのような方にとっては,英語で書かれた原著よりも翻訳書のニーズが高いと思い,監訳を引き受けました.本書を手にする方のお役にたてれば幸いです.
 2012年1月
 監訳者 玉利光太郎,芳川晃久
Introduction
 定義
 関節の動きとモビライゼーションの方向
 関節運動の連続性
 関節モビライゼーションの目的
 関節モビライゼーションの効果
 関節モビライゼーションの禁忌
 腰椎に対する不適切な関節モビライゼーションによって起こりうる合併症
 運動機能障害治療戦略決定のためのアルゴリズム
 関節抵抗感(stiffness)と可動域の関係図
 症状と可動域の関係図
 抵抗感,症状,可動域の関係図
 モビライゼーションのグレード
 モビライゼーションの選択ステップ
 振幅運動の種類
 モビライゼーションの実施
 腰椎のスタビライゼーションに関する臨床予測尺度(clinical prediction rule:CPR)
 腰痛に対する腰椎骨盤高速スラストの臨床予測尺度(CPR)
 頸部痛に対する胸椎高速スラストの臨床予測尺度(CPR)
 頸部痛に対する頸椎高速スラストの臨床予測尺度(CPR)
 腰痛患者のためのFear-Avoidance Beliefs Questionnaire(FABQ:不安回避信念質問紙)
 脊柱へのモビライゼーションの前に行うべき4段階スクリーニング
 臨床的スクリーニング法
 関節モビライゼーションにおける一般的推奨事項
1章 肩関節
 肩の解剖
 肩関節の生理的(骨運動学的)運動
 肩関節の副(関節運動学的)運動
 肩甲胸郭関節のモビライゼーションテクニック
 胸鎖関節のモビライゼーションテクニック
 臼蓋上腕関節のモビライゼーションテクニック
2章 肘関節
 肘の解剖
 肘関節の生理的(骨運動学的)運動
 肘関節の副(関節運動学的)運動
 肘関節のモビライゼーションテクニック
3章 手関節と手部
 手関節と手部の解剖
 手関節と手部の生理的(骨運動学的)運動
 手関節と手部の副(関節運動学的)運動
 手・橈尺関節のモビライゼーションテクニック
4章 股関節
 股関節の解剖
 股関節の生理的(骨運動学的)運動
 股関節の副(関節運動学的)運動
 股関節のモビライゼーションテクニック
5章 膝関節
 膝の解剖
 膝の生理的(骨運動学的)運動
 膝の副(関節運動学的)運動
 膝のモビライゼーションテクニック
6章 足関節と足部
 足関節と足部の解剖
 足関節と足部の生理的(骨運動学的)運動
 足関節と足部の副(関節運動学的)運動
 足関節と足部のモビライゼーションテクニック
7章 顎関節と頸椎・胸椎
 顎関節の解剖
 顎関節の生理的(骨運動学的)運動
 顎関節の副(関節運動学的)運動
 顎関節のモビライゼーションテクニック
 頸椎および胸椎の解剖
 頸椎および胸椎の生理的(骨運動学的)運動
 頸椎および胸椎の副(関節運動学的)運動
 頸椎のモビライゼーションテクニック
 胸椎のモビライゼーションテクニック
8章 腰椎・骨盤
 腰椎・骨盤の解剖
 腰椎・骨盤の生理的(骨運動学的)運動
 連動した関節運動
 腰椎・骨盤の生理的(骨運動学的)運動
 腰椎・骨盤の副(関節運動学的)運動
 腰椎・骨盤のモビライゼーションテクニック

 文献
 索引