やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第2版序文
 1990年半ば頃から摂食・嚥下障害の重要性が認識され始めたなか,日本嚥下障害臨床研究会9年間の集大成として1998年9月に初版が刊行されました.嚥下障害に直接関連する各職種が今までの経験を生かした臨床的な考え方をまとめた初版は,他に類をみない画期的な書籍であったと思っています.この書籍が発刊されたあとも嚥下障害に対する研究の進歩は目覚ましく,診断・評価の発展,臨床経験の積み重ねからの発見など,新しい概念や知見が多数出てきました.こうした現状を考慮した結果,初版にこれらを盛り込み改訂しようという気運が研究会のなかで高まり,このたび第2版の出版となりました.初版から10年の歳月を経ています.
 さて,第2版の特徴としては,1)10年の歳月を経た現在でも重要と思われる基本的な考え方は初版内容を極力踏襲したこと,2)この10年間で定着してきた嚥下障害に対する新しい概念や評価を取り入れたこと,3)研究会のワーキンググループがまとめ上げ冊子にまでなった「嚥下障害の臨床における各職種の役割と業務内容のガイドライン」の内容を盛り込んだこと,などがあげられます.とくにガイドラインとは,嚥下訓練を行うにさいし「指示を出す側」と「指示を受ける側」の役割と業務内容を理解し,嚥下障害を診るための必須事項としての一般的基準,より深く専門的に診るための努力目標としての専門的基準を設定したものです.チームアプローチを考えるうえでの手引きとして活用いただけると,より深くチーム内の各職種を理解でき実力のあるチームを形成できるのではないかと思っています.さらに,嚥下障害領域での認定看護師制度が発足してから,嚥下を専門的に扱う看護師が最近少しずつ増えてきています.他の職域でも嚥下障害の専門家を養成しようとする動きがあります.嚥下障害は各職種のチームアプローチが大切ではありますが,各職種のいわゆる「棲み分け」はまだ明確ではありませんし,明確にすべきかどうかという議論も一方では存在します.こうした棲み分け,どの職種がどこまで実践していくのかを考える意味でもガイドラインは役に立つのではないかと考えています.
 「摂食・嚥下障害って何ですか」という時代から,現在は「摂食・嚥下障害は扱えて当然です」のようになってきました.関連各職種の認知度は大変高くなり実践も含めてこの10年間で随分裾野は広がってきたと思っています.今後この領域はどのようになるのでしょうか.咀嚼と嚥下の関係が発見されたように摂食・嚥下関連事項のメカニズムや基礎的研究はさらに発展し,我々にまた新しい知見をもたらしてくれるでしょう.これらを積極的に取り入れて日常臨床に生かしていくことがこの研究会のメンバーに課せられた課題となってくると思います.一方,臨床的な現場では,摂食・嚥下障害に対する取り組みが本当に役に立っているのかどうかのエビデンスを求められる取り組みが必要になってくると思います.役に立っているのかどうかの検証は大変大切です.検証の手法や考え方を研究会でも身につけていく必要性があるでしょう.また,本当にきちんとした実践ができているかどうかの自省も必要でしょう.摂食・嚥下障害のリーダーとなる医師・歯科医師の取り組みの実際はどうでしょう.きちんと指示や明確な方針が出せているでしょうか.さらに,認知症における摂食・嚥下障害の領域はまだまだ十分な対応ができていないのも現実です.この領域を深めていくことも時代の要請であると思います.また,各職種がどこまで内容的に嚥下訓練を担っていくかの“職種の棲み分け”についての議論が出てくるかもしれません.そうしたことを考えていくうえでのひとつの土台を第2版ではまとめることができたのではないかと思います.紙面も限られているので十分な内容を網羅できなかったところもあると思います.手にとって読んでいただいた先生方の忌憚のないご意見やご批判をいただければ幸いと思っております.
 最後になりましたが,編集委員は初版に関与した清水先生・谷本先生・本多が残り,新編集委員として苅安先生・津田先生に入っていただいて編集にあたりました.
 また,発刊にあたっては医歯薬出版の関係諸氏には大変なお力添えをいただきました.深く御礼申し上げます.
 2008年4月
 本多知行

第1版序文
 昭和から平成に代わった1989年6月,私達は同好の士を募って,静岡県の熱海市において第1回の嚥下障害臨床研究会を開催した.参加者は9名で,それがわずか9年を経て本書を産む端緒になるとは,誰も予想しなかった.
 当時は,宿舎のふすまを外してスクリーン代わりにし,持参のスライド映写機で発表を行った.演題は,1)嚥下障害患者へのチームアプローチ,2)X線映画法による口蓋裂術後患者の嚥下に関する研究,3)X線ビデオ撮影による嚥下動態の観察,といったものであった.
 発表後は,浴衣を着て酒を酌みかわしながら夜遅くまで議論に花が咲いた.気取らずに,なんでもわからないこと,知らないことがあれば,膝つき合わせて遠慮なしに聞くことができるというのは,このときからの我が研究会の良き伝統である.
 当時,アメリカで言語病理学を学び,帰国後,福井医療技術専門学校で教鞭をとっていた苅安 誠(言語聴覚士)は,摂食・嚥下障害のリハビリテーションへの関心が高く,本研究会が始まった当時から日本リハビリテーション医学会などで研究発表を行っていた.その苅安から研究会開催の提案を受けて,有馬温泉病院で成人の言語障害の臨床に携わっていた熊倉勇美(言語聴覚士)は,すぐに当時広島大学歯学部附属病院で口蓋裂の臨床と研究に取り組む武内和弘(言語聴覚士)に声をかけたのである.
 このようにして言語聴覚士3名が世話人となってスタートした研究会も2回目以降,参加者の数は口コミで徐々に増え,さまざまな関連職種に人脈が広がっていった.苅安はリハビリテーション医学会のポスターセッション会場で出会った佐賀県社会保険病院の本多知行先生(リハビリテーション医),島根県立中央病院の木佐俊郎先生(リハビリテーション医),それに聖隷三方原病院の藤島一郎先生(リハビリテーション医)を,熊倉は音声治療の仲間であった「みぞじりクリニック」の溝尻源太郎先生(耳鼻咽喉科医)を,武内は同じ広島大学歯学部に籍を置く谷本啓二先生(歯科放射線科医)をというふうに,研究会への参加をお願いし,現在の研究会を支える主要メンバーが揃っていったのである.
 その後,1993年10月には神奈川リハビリテーション病院の伊藤裕之先生(耳鼻咽喉科医)を迎えて特別講演会を開き,平成7年7月の広島市での第8回研究会では『嚥下障害・治療におけるVF検査』という企画ものに初めて取り組んだ.これを大会会長の谷本啓二教授が冊子としてまとめ,これが医歯薬出版の編集担当者の目にとまり,本書を刊行するきっかけともなったのである.
 このように研究会発足の頃からの流れを振り返ってみると,最近の摂食・嚥下障害リハビリテーションに対する関心の高さには目を見はるものがある.研究会やセミナーが開かれれば,どこも満員の盛況で,ちょっとしたブームといってよいような雰囲気である.
 アメリカの言語病理学の強い影響のもとで育ってきたわが国の言語聴覚療法は,基本的に摂食・嚥下障害のリハビリテーションに関心が高い.1997年12月に「言語聴覚士法」が成立し,言語聴覚士は「診療の補助として,医師または歯科医師の指示の下に嚥下訓練‥を行う」と,具体的な業務が盛り込まれた.このことから,突然,しかも十分な指示なしに嚥下訓練が行われる恐れはないだろうか,リスク管理の不十分なまま訓練が実施されることはないだろうか,などなど現場での混乱の発生が心配される.指示を出す立場と具体的に訓練を行う立場の真剣な取り組みが厳しく要求されるであろう.いずれにしても摂食・嚥下障害のリハビリテーションに言語聴覚療法という立場から関わっていきたいと願うのはわれわれ三人の共通の気持ちである.
 本書の編集にあたっては,編集委員の先生方に大変なご苦労をお願いした.というのも,苅安は再びアメリカKansas大学に留学中であり,熊倉は病院内外の雑多な業務に追われ,武内は新たに大学で教鞭をとるようになるなど,時間的に大変窮屈な状況であった.それを見かねて谷本・溝尻両先生がご配慮くださったものである.
 この本は我が嚥下障害臨床研究会発足から9年目の総集編であり,私達が臨床で学んだことのすべてが記されている.おそらく数年のうちに本書の内容は改訂しなければならなくなるに違いない.それくらいこの分野ではまだ末知のことが多い.
 年ごとに新しい知見が積み重ねられてゆく摂食・嚥下のリハビリテーションを単なるブームで終わらせることなく,本書を試金石として,本研究会は今後もこの領域の着実な進歩に貢献し続けていきたいと願っている.
 1998年8月
 熊倉勇美
 武内和弘
 苅安 誠
 カラーグラビア
 第2版序文(本多知行)
 第1版序文(熊倉勇美・武内和弘・苅安 誠)
 本書で扱う範囲(本多知行)
 本書で使用する主な用語(苅安 誠)
第1章 摂食・嚥下機能(解剖と生理)とその障害
 第1章のあらまし(清水充子)
 1.先行期(巨島文子)
  1.先行期とは
  2.先行期異常の病態と障害部位・原因疾患
   ・高次脳機能障害 ・姿勢保持機能 ・口に食物を搬送する機能 ・感覚障害 ・嚥下障害を伴わない摂食障害
  3.まとめ
 2.準備期・口腔期(谷本啓二)
  1.準備期・口腔期とは
  2.準備期・口腔期の解剖と生理
   ・準備期・口腔期の解剖 ・準備期・口腔期での摂食・嚥下の流れ ・食塊形成の場所
  3.準備期・口腔期異常の病態と原因疾患
   ・準備期の静的障害 ・準備期の動的障害 ・口腔期の障害
 3.咽頭期・食道期(益田 慎)
  1.咽頭期の仕事
  2.咽頭期に関連した解剖の基礎知識
   ・反射運動としての嚥下運動 ・嚥下に関連した筋肉 ・蠕動運動と蠕動様運動
  3.咽頭期の嚥下運動の目的と実際
   ・逆流防止弁は正常に働いているか ・咽頭の絞り出し ・誤嚥をしないために
  4.食道期
   ・食道期の目的 ・逆流防止弁 ・食塊はスムースに流れるか
第2章 重症度に関連する諸因子と臨床の流れ
 第2章のあらまし(溝尻源太郎)
 1.重症度に関連する諸因子とその分類(本多知行)
  1.重症度分類を考えた経緯
  2.重症度分類に関連する因子
   ・年齢 ・疾患特異性と障害部位 ・全身状態 ・意識レベル ・認知・知的機能 ・嚥下障害のステージ ・誤嚥の程度
  3.重症度分類
  4.新しい重症度分類:才藤の分類
 2.諸因子への対応の優先度と臨床の流れ(木佐俊郎)
  1.誤嚥リスクを優先した臨床の流れ
  2.臨床的フロー・チャート作成の試み
  3.臨床的流れと基本的姿勢
  4.急性状態における臨床の流れ
  5.慢性状態(在宅,施設)での臨床の流れ
 3.治療の組み立て(溝尻源太郎・津田豪太)
  1.取り組みの基本
   ・目標指向的な取り組み ・予後予測の問題 ・摂食・嚥下障害の治療の目的
  2.摂食・嚥下障害の治療目標の設定
   ・患者自身の問題 ・患者を支援する家族の介護能力や支援体制 ・治療を提供する医療機関や担当者の問題
  3.治療の進め方
   ・治療はいつから開始するか ・他の訓練との兼ね合い ・嚥下障害に影響を与える他の症状との兼ね合い ・間接訓練,直接訓練 ・歯科補綴的アプローチ ・手術 ・全身管理 ・リスク管理
第3章 検査と診断(評価)
 第3章のあらまし(谷本啓二)
 1.疑診から診断へ
  1.嚥下障害のスクリーニング(藤島一郎)
   ・疑うこと ・ていねいにみて,重みづけをする ・油断をしない ・変化に気づく ・誰が診るか ・スクリーニング検査
  2.摂食・嚥下の精査(木佐俊郎)
   ・問診 ・理学的所見
  3.摂食・嚥下障害の危険因子(矢守麻奈)
   ・摂食・嚥下障害患者数 ・摂食・嚥下障害の原因疾患 ・脳血管疾患の場合
 2.診断への手がかり
  1.摂食・嚥下障害に直結している症候(河崎寛孝)
   ・摂食・嚥下障害の原因疾患の診断 ・とくに注意すべき症候
  2.他の症状との関わり
   ・高次脳機能障害(熊倉勇美) ・発声・構音器官の障害(武内和弘) ・嚥下障害と発声発語障害の関連(苅安 誠) ・その他の身体所見(太田清人)
 3.ベッドサイドで行う検査(木佐俊郎)
  1.疑うことの重要性と検査所見
  2.「水飲みテスト」の有用性と限界
   ・咽頭反射のチェックの重要性 ・「着色水飲みテスト」 ・「唾液飲みテスト」との関連 ・「水飲みテスト」とVF適応 ・「水飲みテスト変法」
 4.詳細な検査
  1.ビデオ嚥下造影法(videofluorography of swallowing:VF)(谷本啓二)
   ・検査に必要な装置 ・画像情報以外のデータの記録 ・検査の目的 ・検査の方法 ・造影剤と安全性 ・検査食(模擬食品) ・検査手順 ・X線被曝 ・評価表 ・嚥下造影正常解剖学
  2.ビデオ内視鏡検査(VEまたはFEES)(溝尻源太郎・津田豪太)
   ・VEの実際 ・内視鏡解剖と基本的観察事項 ・フードテスト ・VEの長所・短所
  3.その他の検査(谷本啓二)
   ・頸部聴診法 ・超音波検査法 ・筋電図法 ・舌圧検査法 ・嚥下圧(咽頭・食道内圧)検査法 ・その他の画像検査(CT,MRIなど)
 5.総合評価
  1.総合的な見地から(本多知行)
   ・総合的評価を誰が行うのか? ・総合評価と治療方針 ・評価・治療で注意しないといけないことは何か
  2.手術介入の立場から(津田豪太)
   ・耳鼻咽喉科へ紹介のさいに必要な情報 ・評価のポイント ・手術療法の適応
第4章 リハビリテーションの実際
 第4章のあらまし(本多知行)
 1.リハビリテーションプログラムの立案(本多知行)
  1.嚥下訓練とは
   ・間接訓練 ・直接訓練 ・直接訓練での注意点
  2.どんなかたちで嚥下訓練を施行していくのか
   ・嚥下障害をとりまく要因 ・嚥下障害に関する直接要因 ・嚥下障害に関する客観的要因
  3.摂食・嚥下障害のゴールをどのように考えるか?
 2.患者管理の実際
  1.気管カニューレ管理と嚥下障害(津田豪太)
   ・気管切開術と嚥下機能 ・気管切開術の高さ ・カニューレ ・カニューレ装着例での嚥下訓練
  2.経管栄養法(カテーテル)の問題(木佐俊郎)
   ・経鼻と経口の使い分け ・胃瘻 ・胃瘻の適応とIOCとの使い分け ・IOCが胃瘻の注入速度に与えた影響
  3.その他の補助的栄養法(木佐俊郎)
  4.訓練中のリスク管理(木佐俊郎)
  5.嚥下障害患者のMRSA対策(海老原 覚・海老原孝枝)
  6.誤嚥性肺炎の問題(海老原 覚・海老原孝枝)
 3.心理・社会面への配慮
  1.障害の理解と訓練の受け入れ(清水充子)
  2.疾患により異なる対応(清水充子)
   ・脳卒中や頭部外傷等による脳損傷などに起因する摂食・嚥下障害への対応 ・進行性疾患による摂食・嚥下障害への対応
  3.社会との関わり―外で食べることを含めて―(川岸 惠)
  4.患者会の役割(川岸 惠)
   ・嘆願書“経口摂取のお願い”(TK生) ・患者体験記(斎藤和博)
 4.間接訓練(食物を用いない訓練)
  1.間接訓練の適応と導入(岡田澄子)
   ・間接訓練の適応と目的 ・間接訓練の導入 ・間接訓練の進め方 ・間接訓練の留意点
  2.全身への配慮
   ・全身への配慮の留意点(本多知行) ・呼吸・気道に関係すること(本多知行) ・口腔衛生(口腔ケア)(足立了平) ・咽頭衛生,気管切開例に対して(溝尻源太郎・津田豪太) ・食前の総合的準備―嚥下体操およびグループ訓練―(清水充子)
  3.先行期・準備期・口腔期
   ・意識レベル・認知面に対するアプローチ(東嶋美佐子) ・口腔内形態の機能的意義と摂食・嚥下リハにおける歯科補綴的アプローチ(小野高裕) ・口腔器官の運動性の改善(椎名英貴)
  4.咽頭期における間接訓練
   ・咽頭期の役割と咽頭期障害の訓練目標(清水充子) ・thermal tactile stimulation(苅安 誠) ・Shaker(シャキア)法(清水充子) ・Mendelsohn(メンデルゾーン)法(清水充子) ・pushing法(プッシング法:押し訓練,声帯の内転訓練)(清水充子) ・supraglottic swallow(息こらえ嚥下,声門越え嚥下,声門閉鎖嚥下法)(清水充子) ・chin down法(岡田澄子)
  5.IOC(間欠的経口経管栄養法)(木佐俊郎)
  6.バルーン法(北條京子)
   ・バルーン法の適応判断 ・実施方法 ・バルーン法のプログラム ・バルーン法の効果判定と継続期間 ・バルーン法の効果
 5.直接訓練(食物を用いる訓練)
  1.直接訓練の概要(清水充子)
   ・直接訓練の適応とリスク管理 ・直接訓練の導入
  2.直接訓練の一般的事項(清水充子)
   ・食べさせる物 ・食べさせ方
  3.摂食・嚥下障害の各期における直接訓練(小島千枝子)
   ・先行期障害 ・準備期I(口への取り込み)障害 ・準備期II(咀嚼と食塊形成)障害 ・口腔期(咽頭への送り込み)障害 ・咽頭期(咽頭通過,食道への送り込み)障害 ・食道期(食道通過)障害 ・各期共通の工夫 ・段階的摂食訓練の重要性
  4.段階的な摂食訓練と効果判定
   ・摂食訓練の開始条件(塩谷由美子) ・摂食訓練の基本的な流れ(塩谷由美子) ・段階的摂食訓練を構成する要素(矢守麻奈) ・一口量(矢守麻奈) ・経口摂取の回数(矢守麻奈) ・食物形態(矢守麻奈) ・段階的摂食訓練の留意点(矢守麻奈)
 6.NST(仙田直之)
  1.NSTとは
  2.NSTの目的・役割
  3.栄養障害と摂食・嚥下障害
  4.栄養管理手順
   ・栄養のスクリーニングとアセスメント ・栄養療法のプランニング ・栄養モニタリング
  5.NST導入の効果
  6.地域一体型NST
 7.手術的介入(津田豪太)
  1.手術の実際
  2.嚥下機能改善手術
   ・準備期障害に対する手術 ・口腔期障害に対する手術 ・咽頭期障害に対する手術 ・食道期障害に対する手術療法 ・その他の障害に対する手術療法
  3.誤嚥防止手術
  4.気管切開術の取り扱い
  5.術後のリハビリテーション(高嶋絵里)
 8.摂食・嚥下障害患者の食事(金谷節子)
  1.栄養必要量と所要量
  2.食物形態と物性的特徴
  3.嚥下食の進め方
  4.季節感のある楽しい食事のための工夫
  5.嚥下食の調理法
  6.緑茶による水分摂取と「とろみ茶」
  7.嚥下造影用検査食
  8.栄養補助食品
 9.フォローアップ(藤島一郎)
  1.フォローアップのポイント
  2.検査
   ・全身状態のチェック ・神経学的検査 ・精神的な要因 ・嚥下機能の変動
  3.指導
   ・ノートへの記載 ・注意事項の徹底 ・栄養指導 ・口腔衛生,口腔疾患の治療 ・服薬指導 ・嚥下機能が改善してきた場合
  4.問題が起こったときの対処
   ・緊急の場合 ・食事がとれないとき
第5章 チームアプローチの実践
 第5章のあらまし(溝尻源太郎・谷本啓二)
 1.業務分担(藤島一郎)
  1.医師
  2.リハビリテーション科
  3.看護部門
  4.栄養科
  5.歯科
  6.放射線科
  7.薬剤師
 2.各職種の役割と業務内容のガイドライン―チームアプローチへの手引き―[日本嚥下障害臨床研究会ワーキンググループ(WG)]
  1.各職種の役割と業務分担の考え方
  2.リスク管理
  3.指示を出す側の役割と業務内容
   ・医師・歯科医師の役割と業務内容
   ・主治医・リハ科医の役割と業務内容
    1) 主治医の役割と業務内容
    2) リハ科医の役割と業務内容
   ・協力医の役割と業務内容
    1) 神経内科医の役割と業務内容
    2) 脳神経外科〔リハ科併任〕医の役割と業務内容
    3) 小児科医の役割と業務内容
    4) 消化器科(内科・外科)医の役割と業務内容
    5) 耳鼻咽喉科医の役割と業務内容
    6) 歯科医の役割と業務内容
  4.指示を受ける側の役割と業務内容
   ・言語聴覚士の役割と業務内容 ・看護師の役割と業務内容 ・理学療法士の役割と業務内容 ・作業療法士の役割と業務内容 ・歯科衛生士の役割と業務内容 ・管理栄養士の役割と業務内容 ・診療放射線技師の役割と業務内容
 3.チームアプローチの実践例
  1.聖隷三方原病院(藤島一郎・小島千枝子・北條京子)
  2.埼玉県総合リハセンター(清水充子)
  3.福井県済生会病院(津田豪太)

 文献
 あとがき(谷本啓二)
 索引