やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社


 私たち医師とコメディカルスタッフとのチーム医療は,社会に対し多大な貢献を果たしています.私たち医師は,いつも「仁の心をもって,患者さんの視線にあわせた医療の実践」を行っているにもかかわらず,医師・患者関係が十分に成熟していないことも一因となり,医療訴訟裁判は増加しています.また,医療ミスでは,診療体制そのものの不備や医療スタッフのささやかなミスの積み重ねが,大きな事故につながっています.診療体制の不備は,医療スタッフ間の連携を十分にとれるようにするなどの工夫により修正が可能です.
 しかし,依然としてさまざまな薬害問題や起きてはいけない医療ミスが起こり,社会的に大きな問題となっています.医療スタッフのごく些細なミス(ヒヤリハット)は,大きな医療ミスに繋がる危険性を秘めており,リスクマネージメントの取り組みが強化されなければなりません.つまり,これまで以上に,患者さんや家族からの信頼に応えうる医療体制の再整備が急がれているのです.
 今回,これまで刊行し医療スタッフ・学生にご愛読いただいた『医療禁忌マニュアル 第3版』と『医療禁忌 診療科別マニュアル』をもとに,5年ぶりにその内容を見直し,新たに『医療禁忌ポケットマニュアル』を上梓いたしました.
 本書の特徴は,検査・治療・配合禁忌の3部門に分け,診療科ごとに禁忌項目を提示したことです.医療スタッフ,特に医師においては,医療上決して行ってはならない絶対的禁忌と,やむなく行ってしまった医行為がどうにか致死的にならずにすむ相対的禁忌があります.医師国家試験においても,禁忌肢を間違った場合には,総合点がいくら良い点であっても不合格になるとの方針が出されています.本書では絶対的禁忌と相対的禁忌について,色地をつけ,分けて示しましたので,禁忌事項の理解に役立つと思います.さらに,より携帯しやすいように,判型を変更しポケッタブル化を図りました.
 本書も『医療禁忌マニュアル 第3版』,『医療禁忌 診療科別マニュアル』と同様に医療スタッフの方々に,ご一読いただきたいと願っています.特に,医学生や臨床研修医,看護学生にご一読いただければ望外の喜びです.しかし,不十分な点も多々あろうかと思われますので,読者の皆さんの忌憚のないご意見をお待ちしています.
 本書の刊行にあたり,ご尽力いただいいた医歯薬出版の遠山邦男氏,ならびに関係各位に厚くお礼申し上げます.
 2011年神田川のほとりにて
 富野康日己
 序
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 呼吸器内科
 消化器内科
 肝・胆・膵・腹膜疾患内科
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 感染症および寄生虫疾患
 老年病科
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 脳神経外科
 呼吸器外科
 消化器外科
 心臓・血管外科
 小児外科
 整形外科
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 麻酔科・ペインクリニック
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治療編
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 索引