やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

2014 年版(第17版)推薦のことば
 卒後35 年になる私が知っていて今でも改訂されている医書といえば『ハリソン内科学』『ベッドサイドの神経の診かた』など少数に限られる.26 年間で17 回目の改訂は素晴らしい快挙である.基本必修3カ月間の救急を含む2 年間の初期研修では救急研修の充実が全体の達成度に影響することは,30年前からわかっていた.
 本書は「救急マニュアル」でなく『当直医マニュアル』と銘うっているが,急性疾患診療の実践の場である一人当直を念頭に置いて書かれている.まず生命に関わる致死的疾患(critical)を,主訴とバイタルサインから優先的に除外する.経験に裏打ちされた正しい蘇生処置,素早い全体の病態把握が最初のステップである.次に最初の1 時間(golden one hour)で症状からの鑑別診断,初期病名の想定,簡単な検査を実施して,ありふれた(common)疾患から鑑別して,治療可能(curable)なものからケアする3 Cの過程とdispositionの判断はすべての臨床に共通する醍醐味がある.
 本書は見落としを最小にするために,ポイントとチェックリストが冒頭に列挙されている.当直の第一線にいる研修医で本マニュアルを頻用する若手の編集委員がEBMで作られたガイドラインを紙面に反映させ,有用性を高めている.最多数の読者である研修医からフィードバックの意見を得て,17版でも新たな改訂がなされている.成人の発疹を伴う伝染性疾患,脳血管障害の治療,肝炎・肝不全の整理,ARDSの見直し,婦人科急性腹症,妊娠・授乳中の投薬などである.
 当直帯での疲れ,多忙さ,経験の未熟さによって,医師は誰でもエラーを犯す危険がある.常に謙虚に最新の知見,患者の病状から学ぶ姿勢で診療に当たりたい.
 高度専門医療はますます医師と患者の情報非対称性を拡大させるが,私たち医師は情報開示や医療安全の努力を通して患者・市民の信任をうけた代理者役割を常に果たさなくてはならない.当直医は近接性,包括性,協調性,説明責任といった役割が求められ,継続性がないことを除けばプライマリケア医そのものである.病院総合医のひとつの姿といってもよい.リスクマネジメントの観点でいえば当直医は病院長を代行するものである.
 本書は表紙に“ER”と掲げており,このような当直医業務をすべての病院で救急医が指導できる体制が理想である.北米では35,000 人の救急医がその理想を実現している.救急医が4,000人と不足しているわが国では手が届かないが,第一線の医療機関で経験を重ねた指導医と研修医が作り上げた本書を導きとして,みずからの病院の救急外来がより適切により安全に運用されるようにマネジメントしてもらいたい.とりあえず急場をしのげる臨床力をもった総合医が増えるのが地域における医療崩壊の防波堤になるはずだ.
 EBMで作られたガイドラインも整い,ACLSのような普及コースが開催されている.医療の標準化は院内のクリニカルパス,電子カルテ化,第三者評価,DPCといった形で進んでいる.診療のプロセス,アウトカムを含めた情報の透明性を高める努力が常に求められる.1 人当直に代弁される過酷な診療環境で病棟医も外来医も果たさなければならない当直業務は臨床医を鍛える機会の一つと前向きにとらえよう.
 赤本を筆頭に『外来医マニュアル』『研修医手技マニュアル』『医療禁忌ポケットマニュアル』とともに本書を研修医の白衣によくみかける.clinical pearlsをたくわえながら改訂を重ねる本書が,研修医や自分の専門外もカバーしなくてはならない当直医を支え,日本型ERの発展にも寄与することを期待している.
 2013年12月
 聖マリアンナ医科大学救急医学教授/救命救急センター長/臨床研修センター長
 箕輪良行

2014年版(第17版)の序
 『当直医マニュアル第17 版』をお届けします.本マニュアルの編集委員第1世代が初期研修を開始して,30年が経ちました.30年前の初期研修は,大学医局でのストレート研修が主体で,たとえば耳鼻科に入局すれば耳鼻科以外のことは研修をしないというのが一般的でした.我々のようにいきなり市中病院に就職し,来た患者はすべて診るという研修がマイノリティだったのです.
 しかし,研修中の経済的保障も不十分だったので多くの初期研修医が市中病院で(他科領域も含めた)当直のアルバイトをしていました.大学病院にストレート入局した同期生からは,「当直バイトではお前の本にお世話になっている」とよく言われたものです.
 臨床研修制度が2004 年に改正されました.当初は2年間で「プライマリケアへの理解を深め患者を全人的に診ることができる基本的な診療能力を獲得」することが新医師臨床研修の原則とされましたが,2010年の改悪で期間が1 年間に削られ,到達目標の実現性が不透明になりました.私たちは少なくとも2004 年当時のように2年以上かけて基幹科をローテートする総合的医師初期研修という研修制度を再構築すべきだと思います.そして総合的な基礎診療能力を持つ医師の育成なくして医師配置(ひいては医療レベル)の格差是正は困難でしょう.
 今回の主要改訂項目は以下のとおりです.
 まず内科疾患全体の構成を見直し,従来の臓器別構成から臓器横断性のカテゴリーである感染症の新たな章を起こすことを次年度以降に目指しつつ,今年度は成人風疹の多発に対応するため「成人の発疹を伴う伝染性疾患」を新設しました.同項は,今年度は皮膚科疾患に編入されています.続いて,(1)血管内治療の進歩や,脳梗塞において一次予防の進歩や梗塞範囲を縮小させる治療の進歩など,「脳血管障害」には大幅な書き換えがあります.(2)また長らく改訂が不十分であった「肝炎・肝不全」の項目を2013年版から2 年かけて「急性肝炎・急性肝障害」「急性肝不全」「慢性肝不全」3 項目に整理し,brush upしました.(3) ALIという用語を使わなくなった「ALI/ALDS」の項目の内容をタイトル変更とともに改訂しました.さらに(4)婦人科急性腹症の充実と,(5)妊娠中だけでなく,授乳中の投薬処方の注意をまとめて「妊娠・授乳中の投薬」という項を新設しました.
 引き続き診療ガイドライン・EBM重視の改訂を行っています.全薬物に関して使用法・副反応・相互作用について薬剤師と臨床医でのダブルチェックをこれまでどおり行いました.
 本書は当直時間帯に現場で参照する実践的なマニュアルだからこそ,ユーザーからの声を重視したいと考えています.今回の改訂でもヘビーユーザーである,月6〜10 回の当直業務をこなす初期研修医から意見を求めました.同時に研修指導医世代によるシニアチェックを全ページにわたり施行しました.今後とも多くの方々から率直なご意見・ご批判を是非お寄せ頂きたいと思います.
 一般外来診療については2013 年6 月に改訂した姉妹版『外来医マニュアル第3 版』をご活用下さい.また,良き臨床医を目指すには,本書に示すto do listの背景にある,病態生理・疫学・治療法をめぐる論議についても学ぶことが不可欠です.それらを約1800 ページにまとめた『臨床医マニュアル第4 版』(2008 年2 月刊)を併せ,マニュアル3 部作をご愛用頂ければ幸甚です.さらに,マニュアル3 部作では「成書を参照」して頂くこととしてきた研修上必修である診療手技をポケットサイズにまとめた2010年9 月刊の『研修医手技マニュアル』も引き続きご愛顧願います.また在宅医療に携わる医師の技能・知識に関するminimum requirementをまとめた『在宅医マニュアル』を2013年5 月に上梓しました.これを含めた新マニュアル5部作を是非ご愛用下さい.
 またいつも通り,私たちを励まし,出版に尽力下さった医歯薬出版に深く感謝いたします.最後に,2008 年以来5 マニュアルの出版社担当として,特に後発の2つのマニュアル発刊に向けて我々編集委員を励まし,支えて下さった齋藤和博氏が,定年まで1 週間を残すのみとなった2013年9 月,出張先で急逝されました.ここに哀悼の意を表し,本書2014年版を,同氏に捧げます.
 2013年12 月
 執筆・編集者一同

2001年版の序
 本書第5 版より年度版(2001年版)にしました.
 本書は最新の医学知識に関する書物でないにもかかわらず,これまでも大改訂を3 年に一度,細かな改訂は半年〜1 年ごとに行ってきました.近年医療事故がマスコミを賑わすことが多くなり,医療の安全性に対する関心が高まっています.臨床に影響を与え得る,薬品の安全性や新規薬効に関する情報は絶え間なく次々に出てくる情勢です.そこで近年の情勢に合わせた改訂を行うため,今改訂より,年度版に移行することにしました.
 第一線医療を守る当直医に必要な情報を取捨選択し,わが国初の胸のポケットに携帯できるユニークなサイズにまとめた本書も,初版出版以後12年を経過しました.この間にわが国の保健・医療をめぐる状況は大きく変化しました.また臨床研修指定病院での研修義務化を契機として,わが国における医師養成のあり方の是非が問われています.臨床医として,当直帯での一面ではありますが,本書がその医師養成上のminimum requirementに関する具体的提案となるよう今回の改訂にも取り組みました.
 具体的には,(1)まず,実際に第一線医療現場で当直医を担っている多くの若手医師に執筆協力者・執筆者・編集者として大いにかかわっていただき,全編にわたって原稿を見直し,随所に工夫を凝らしてもらいました.また,(2)救急蘇生に関し,AHA(米国心臓学会)が出した,Guidelines2000for cardiopulmonary Resuscitation andEmergency Cardiovascular Careを取り入れて改訂しました.(3)大動脈解離の項を起こし,虚血性心疾患,肺血栓塞栓症,不整脈の改訂など,循環器救急に関し,より実践的に「現場で使える」マニュアルを目指しました.(4)気管支炎・肺炎,SIRSの項を起こし,(5)EBM(evidencebased medicine)実践に有用な情報を与えてくれるCochrane Library(http://cochrane.umin.ac.jp/)で検索することが役立つ項目については目次に■印を付けました.
 また,同様にEBM実践の観点からThe use of essentialdrugs:Seventh report of the WHO Expert Committee.World Health Organization 1997.を本書採用薬に盛り込んでいくことも検討しましたが,現時点では時期尚早と判断し,今後も検討していくことにしました.
 今後とも多くの方々からのご意見やご批判をいただき,最新の内容を取捨選択しつつ導入して,引き続き現場で役立つ実践的マニュアル書であることを目指したいと思います.
 なお,2000年12月には,本書と姉妹版である『プライマリケアマニュアル』の内容を包含し,その背後にある病態生理や臨床疫学的情報をも整理した『臨床医マニュアル』を発行しました.現場での対応を終えた後にその理論的背景や知識の整理を目的とした『臨床医マニュアル』を本書同様ご愛用いただければ幸いです.
 本書の初版以来ご協力いただいている民医連(全日本民主医療機関)の先生方,出版にご尽力いただいた医歯薬出版株式会社に深く感謝の意を表したいと思います.
 2001年1 月
 編者・執筆者一同

初版の序
 本書は,当直医が担当するプライマリケアに焦点を絞った実践的マニュアルです.
 執筆者らが研修し勤務した病院は中小病院ではありますが,年間数百から千台以上の救急車を受け入れ,夜間にはその数倍に及ぶ救急車以外で来院する患者の診療を行っている第一線の病院です.
 そこでの当直業務に必要なポイントを,みずから得た教訓と多数の文献を参考として整理し,下記の特色をもたせました.
 (1) 時間的猶予のない場面でも,その場で役立つ携帯性と実践性を備えた
 (2) 頻度の多い疾患を診療科を越えて網羅した
 (3) 専門医と連絡をとるべき基準を示した
 (4) 臨床経験の乏しい医師,看護婦をはじめとするcomedicalにも使いやすいよう配慮した
 (5) 各自が書き込むメモスペースを確保した
 本書は,抽象的論議にとどまりがちなプライマリケアの技術的基準について,第一線医療の現場から提案するひとつの試みでもあります.
 しかし,あふれる医学情報を集積することではなく,プライマリケアに必要な情報を選択しコンパクトにまとめる作業は予想以上に困難でした.いまだ不十分な個所を残していると思われます.今後さらに多くの人々から御意見をいただき,第一線医療の現場で役立つ実践的マニュアルにしていきたいと思います.
 最後に,推薦の言葉をお書きいただいた浜松医科大学の植村研一教授,執筆・推敲の段階で御協力いただいた全日本民主医療機関連合会の先生方,そして出版に御尽力くださった医歯薬出版株式会社に深く感謝いたします.また,88〜93頁の項につきましては,日本福祉大学の二木立教授(前代々木病院リハビリテーション科医長)に御指導いただきました.厚くお礼申し上げます.
 1988年3月
 東京都リハビリテーション病院 太田喜久夫
 京都民医連中央病院 小畑達郎
 耳原総合病院 小松孝充
 船橋二和病院 近藤克則
 2014(第17版)推薦のことば(箕輪良行)
 2014(第17版)の序
 編集・執筆・執筆協力者一覧
 2001年版の序
 初版の序
 本マニュアル使用の前に

第1章 当直医のために
 当直医の心得
 高齢患者への接し方
 災害・非常時の対応
  災害・非常時の院内の被害状況の把握(表)
  災害・非常時の情報源の例(表)
  START法(図)
  CSCATTT(表)
 針刺し事故など血液曝露事故時の対応
  HIV曝露事故後対応フローチャート(緊急対応用)(図)
 ホームレス患者への対応
第2章 救命救急処置
 救命救急処置
  全身管理に必要なモニタリングと応急処置/バイタルサイン/気道確保/呼吸状態
  循環/心電図/尿量
  血液・尿検査/腹部エコー
 心肺蘇生法
  BLS(basic life support)
  ACLS(advanced cardiovascular life support)
  心室細動(図)/無脈性心室頻拍(図)/無脈性電気活動(図)/心静止(図)
  ACLSのアルゴリズム(図)
 AED(自動体外式除細動器)
 小児の心肺蘇生法(PBLS,PALS)
  PBLS(pediatric basic life support)
  PALS(pediatric advanced life support)
  NCPR(neonatal cardio pulmonary resuscitation)
  PALSのアルゴリズム(図)
  新生児蘇生アルゴリズム(図)
 外傷患者の初期診療
  ABCDEアプローチ(表)
  FAST法(図)
 ショック
  ショックアルゴリズム(図)
  心原性ショック
  循環血漿量減少性ショック
  閉塞性ショック
  アナフィラキシーショック
  敗血症性ショック
  神経原性ショック
  ショック類似状態(内分泌クリーゼなど)
 SIRS(全身性炎症反応症候群)
 DIC(播種性血管内凝固症候群)
  急性期DIC診断基準(表)
  各種治療法の病態別推奨度(表)
 熱中症
  熱中症の分類(表)
 偶発性低体温
  低体温症の深部体温による分類(表)
 急性アルコール中毒
  血中エタノール濃度と中枢神経症状の目安(表)/血中エタノール濃度の推定式(表)
 急性薬物中毒
  トライエージDOATM結果判定略語(表)
  CO-Hb濃度と臨床症状の目安(表)
  血液透析適応の薬毒物(表)/血液吸着が考慮される薬毒物(表)
 緊急対応を要する感染症
  緊急処置を要する疾患(表)
  バイタルが安定していても急変する可能性がある感染症(表)
  破傷風
  壊死性筋膜炎
 救命のための手技
  気管挿管
  薬剤投与路確保
  輪状甲状靱帯穿刺
  緊張性気胸の脱気
  緊急心嚢穿刺
第3章 多臓器系統の鑑別を要する症候
 失神
  主な失神と病歴の特徴(表)
 意識障害
  Japan Coma Scale(JCS)(表)
  Glasgow Coma Scale(GCS)(表)
  AIUEOTIPS(アイウエオティプス)(表)
 頭痛の初期対応
  主な頭痛の鑑別診断(表)
 めまい
  回転性めまい(表)
  めまい診療の流れ(図)
 痙攣
 胸痛
 動悸
 咽頭痛
 咳,痰
 血痰,喀血
  喀血と吐血の鑑別(表)
  血痰・喀血の原因疾患(表)
  喀血時の体位(図)
 呼吸困難
 悪心・嘔吐
  一般的な悪心・嘔吐の原因(表)
 腹痛(急性腹症)
  腹痛部位と主な疾患(図)
 腰背部痛
 発熱
 異物(気道・食道など)
  ハイムリック法(腹部突き上げ法)(図)
  背部叩打法(図)
第4章 内科
 ≪脳神経系≫
 頭痛(二次性を除く)
 脳血管障害
  ABCD2スコア(表)
  TIA後の脳梗塞発症率(表)
  脳梗塞急性期の薬物療法の推奨グレード(表)
  アルテプラーゼ静注療法のチェックリスト(表)
  NIHSS(National Institute of Health Stroke Scale)(表)
  アルテプラーゼ静注療法のアルゴリズム(図)
 髄膜炎
  髄膜炎のCSFによる鑑別診断(表)
  各髄膜刺激症状の感度・特異度(表)
 ヘルペス脳炎
 Guillain-Barre症候群(GBS)
  GBS治療ガイドライン(表)
  Hughesの機能尺度(表)
 ≪循環器系≫
 高血圧緊急症
 不整脈
  救急の現場で知っておきたい不整脈/不整脈診断のコツ
  心室細動(Vf),無脈性心室頻拍(pulseless VT)
  致死的心室性不整脈に移行しやすい不整脈
  ペースメーカー治療を要する徐脈性不整脈
  発作性上室性頻拍(PSVT)
  発作性心房細動(PAf)
  心房粗動(AF)
  心室頻拍(VT)
  心房性期外収縮(PAC),心室性期外収縮(PVC)
 急性心筋梗塞
  心筋梗塞の心電図経過(図)
  急性心筋梗塞後の心筋マーカーの推移(図)
  Forresterの分類(図)
  緊急および早期PCIの適応(表)
  緊急手術の適応(表)/ STEMIの診断アルゴリズム(図)
  初期評価項目のチェックリスト(表)
  緊急PCIが施行可能な施設におけるSTEMIへの対応アルゴリズム(図)
  緊急PCIが施行できない施設におけるSTEMIへの対応アルゴリズム(図)
 狭心症
  TIMIリスクスコア(表)
 急性心不全
  Killip分類:身体所見より心機能を評価する分類(表)
  急性心不全の臨床病型(Nohria-Stevenson分類)(図)
  慢性心不全の急性増悪治療のフローチャート(図)
  急性心原性肺水腫治療のフローチャート(図)
  心原性ショック治療のフローチャート(図)
  入院早期における急性心不全患者の管理アルゴリズム(クリニカルシナリオ)(表)
  心不全治療のフローチャート(図)
 大動脈解離
 急性動脈閉塞
 肺血栓塞栓症
  Wellsスコア(表)
 ≪呼吸器系≫
 咳,痰
 過換気症候群
 インフルエンザ
  抗インフルエンザ薬の使用方法(表)
  鳥インフルエンザAを疑った場合の対応手順(表)
 気管支炎・肺炎
  肺炎重症度分類(A-DROP)(表)/細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別(表)
  市中肺炎
  原因菌と選択すべき抗菌薬(表)
  院内肺炎
  院内肺炎の解析に基づく新たな重症度分類の設定(図)
 気管支喘息急性増悪
  気管支喘息とうっ血性心不全,COPDの違い(表)
  喘息発作(急性増悪)の強度に対応した管理法(表)
  wheezeのJonsson分類(表)
 COPD(慢性閉塞性肺疾患)急性増悪
  COPDの病期分類(安定期)(表)
  COPD急性増悪患者のフローチャート(図)
 気胸
  虚脱度の算出法(図)
 胸水
 呼吸不全
  酸素投与法とFiO2概算値(表)
 ARDS(急性呼吸促迫症候群)
  ARDSの診断基準2012(表)
 人工呼吸器
  fighting時のチェック項目と対応(表)
  鎮静・鎮痛の判定基準(表)
  鎮静・鎮痛に使用される薬物(表)
  SBTプロトコール(表)
  非侵襲的人工呼吸(NPPV)
 ≪消化器系≫
 下痢
  細菌性食中毒(表)
 便秘
 下血
  急性・大量下血の初期対応アルゴリズム(図)
 上部消化管出血
  S-Bチューブ(図)
 急性胃・十二指腸粘膜病変(AGML)(胃アニサキス症を含む)
 虫垂炎
  Alvarado's score(表)
 イレウス(腸閉塞)
 急性腸管虚血
 急性肝炎・急性肝障害
  急性期の肝炎ウイルスマーカーの解釈(表)
  急性肝障害時にチェックすべきウイルスマーカー(表)
  自己免疫性肝炎診断指針(表)
  自己免疫性肝炎の診断のためのスコアリングシステム(表)
  自己免疫性肝炎簡易版スコアリング(表)
 急性肝不全
  肝性脳症の昏睡度分類(表)
  劇症肝炎の肝移植適応ガイドライン(表)
  急性肝不全のモニタリング(表)
  急性肝不全の成因分類と行うべき検査(表)
  日本臓器移植ネットワーク:肝臓(表)
  ウイルス性劇症化予知式(与芝の式)
 慢性肝不全
  浮腫・腔水症(腹水・肝性胸水)
  肝性脳症
  特発性細菌性腹膜炎(SBP)
  黄疸
 薬物性肝障害
  JDDW2004 薬物性肝障害ワークショップのスコアリング(表)
  薬物性肝障害診断基準の使用マニュアル(表)
  中毒性肝障害の分類と代表的起因薬剤(表)
 アルコール性肝炎
  CAGEテスト(表)
 閉塞性黄疽(胆管炎,胆嚢炎)
  急性胆管炎診断基準(表)
  急性胆嚢炎診断基準(表)
  急性胆管炎重症度判定基準(表)
  急性胆嚢炎重症度判定基準(表)
 急性膵炎
  急性膵炎の診断基準(表)
  新たな急性膵炎重症度判定基準2008(表)
  急性膵炎の処置例(図)
 ≪代謝系≫
 糖尿病性昏睡
  低血糖
  糖尿病ケトアシドーシス(DKA)
  DKAの成因(表)
  インスリンの調節例(表)
  高浸透圧高血糖症候群
 甲状腺クリーゼ
  甲状腺クリーゼの診断基準(表)
 急性副腎不全(副腎クリーゼ)
 痛風
  急性単関節炎の鑑別(表)
 ≪腎・電解質異常≫
 血尿
 乏尿,無尿,尿閉
  無尿(乏尿)の原因部位別検査所見(表)
  無尿(乏尿)の原因(表)
 急性腎不全
  急性血液浄化療法
  AKIに対する血液浄化療法(RRT)の導入基準(表)
  AKI(急性腎障害)
  RIFLE criteria(表)
  AKIを引き起こす代表的な薬物(表)
 電解質異常
  高ナトリウム血症
  低ナトリウム血症
  低ナトリウム血症へのアプローチ(図)
  高カリウム血症
  血清K+異常時のECG変化(図)
  低カリウム血症
  低カリウム血症へのアプローチ(図)
  高カルシウム血症
  低カルシウム血症
  高リン血症
  低リン血症
  高マグネシウム血症/低マグネシウム血症
 アシドーシス,アルカローシス
  血液ガス分析法(表)
  酸塩基平衡障害で予測される代償性変化(表)
第5章 小児疾患
 小児患者への接し方
 発熱
 脱水
  脱水症の程度と臨床症状(表)
  体重毎の維持輸液量に対するHoliday-Segarの式(表)
 下痢
  病原性大腸菌(O157など)による出血性大腸炎
  溶血性尿毒症症候群(HUS)
 嘔吐
  年齢による嘔吐の鑑別(図)
 腹痛
 痙攣
 呼吸困難
 予防接種の副反応
  生ワクチンでの副反応(表)
 髄膜炎
 気管支喘息(喘息発作)
  発作強度の判定基準(表)
  アミノフィリン投与量の目安:2〜15歳(表)
 上気道炎,扁桃炎,気管支炎・肺炎,マイコプラズマ肺炎,百日咳
  上気道炎(かぜ症候群)/扁桃炎
  気管支炎・肺炎
  マイコプラズマ肺炎
  百日咳
 急性細気管支炎,クループ症候群(仮性クループ)
 発疹,伝染性疾患
  学校感染症の種類(表)
  出席停止の期間(表)
  登校許可の目安(表)
  突発性発疹
  突発性発疹の経過(図)
  水痘
  水痘の経過(図)
  流行性耳下腺炎(ムンプス)
  手足口病
  A群溶連菌感染症
  Modified Centor Criteria(表)
  伝染性紅斑(りんご病)
  伝染性単核症(EBウイルス感染症)
  麻疹/麻疹の経過(図)
  風疹
  風疹の経過(図)
  咽頭結膜熱(プール熱)
  川崎病(MCLS)
 アセトン血性嘔吐症(自家中毒,周期性嘔吐症)
  周期性嘔吐症の診断基準(表)/発作時治療薬(表)
 腸重積
 異物誤飲
  気道異物/消化管異物
  誤飲
 肘内障,ヘルニア嵌頓
  肘内障
  肘内障の整復法(図)
  ヘルニア嵌頓
 児童虐待(Child abuse)
第6章 外傷・外科的処置
 外傷患者への接し方
 受傷部位による観察ポイント
  頭部外傷
  顔面外傷
  胸部外傷
  腹部外傷
  脊椎・骨盤・四肢外傷
  Gustiloの分類(表)/切断指保存法(図)
 挫滅症候群(クラッシュ症候群)
 創傷処置
  擦過傷など(表皮欠損を伴う創)
  創傷被覆剤の使用例(表)
  裂創・その他の創傷
  Oberst麻酔法(図)
  破傷風対策
  消毒薬の種類と特徴
 軟部組織感染症
 熱傷
  Artzの診断基準(表)
  熱傷の深度の判定(表)
  9の法則(図)/ Lund&Browderの図表(図)
 捻挫,骨折,脱臼
  外傷評価のためのXpオーダー法(表)
  良肢位(機能肢位)と安全肢位(表)
  捻挫
  マレット指(図)
  突き指損傷の外固定法(図)
  脱臼・骨折/顎関節前方脱臼整復法(図)
  鎖骨固定帯(図)
  Stimson法(図)
  デゾー固定(図)
第7章 精神疾患
 精神的問題をもつ患者への接し方
 パニック発作
 自殺企図・自傷行為
 せん妄
  身体拘束を行う場合(表)
 アルコール離脱症状
 うつ状態
 不眠
第8章 女性疾患
 女性患者への接し方
 不正性器出血
 婦人科急性腹症
  婦人科急性腹症
  骨盤内炎症性疾患(PID)
  異所性妊娠
  卵巣腫瘤茎捻転
  卵巣出血
 乳腺炎
  うっ滞性乳腺炎(乳汁うっ滞症)/急性化膿性乳腺炎
 妊娠・授乳中の投薬
 ドメスティック・ヴァイオレンス(DV)
 レイプ(強姦)被害女性の診察
第9章 眼疾患
 眼科患者への接し方
 眼科救急疾患
  コンタクトレンズによる角膜障害/結膜下出血
  流行性角結膜炎
  化学外傷
  紫外線角膜炎/結膜・角膜異物
  穿孔性角膜・強膜外傷および眼内異物
  眼瞼裂傷
  急性原発閉塞隅角緑内障(緑内障発作)
  Posner-Schlossman症候群/裂孔原性網膜剥離
  原田病
  網膜中心動脈閉塞症・網膜動脈分枝閉塞症
  網膜中心静脈閉塞症・網膜静脈分枝閉塞症
  眼内炎
  眼窩蜂窩織炎/外傷性視神経症(視束管骨折)
  眼窩吹き抜け骨折,眼窩壁骨折/視神経炎・視神経症
第10章 耳鼻咽喉疾患
 鼻出血
 耳痛
  急性中耳炎の鼓膜所見(左)(図)
  急性中耳炎の診療スコアシート(表)
 難聴
 末梢性めまい
第11章 泌尿器疾患
 尿路結石
 尿路疾患
  膀胱炎
  腎盂腎炎
  急性前立腺炎
  尿道炎
  尿閉
  亀頭包皮炎
 精巣捻転症,急性精巣上体炎
  精巣捻転症と急性精巣上体炎の鑑別(表)
第12章 皮膚疾患
 皮膚・粘膜病変
  水疱
  皮膚の糜爛
  皮膚と粘膜の糜爛
  膨疹(蕁麻疹)/湿疹様発疹(紅斑,丘疹)
  その他の皮膚症状
 成人の発疹を伴う伝染性疾患
  水平感染の感染経路と対策/ TORCH症候群
 咬傷,虫さされ
  犬,猫,人,ネズミなどの咬傷
  蛇咬傷
  虫さされ
第13章 当直医に必要な資料
 救急薬剤の使い方
  カテコラミン/ニトログリセリン
  ミリスロール(R)の用量(表)
  カルペリチド/リドカイン塩酸塩/アトロピン硫酸塩
  プロタミン硫酸塩/ビタミンK/アミオダロン塩酸塩
  ニカルジピン塩酸塩/ジルチアゼム塩酸塩/ミタゾラム/プロポフォール
  ベクロニウム臭化物/ロクロニウム/ジゴキシン
 カテコラミンの使い方
  ドパミン塩酸塩/ドブタミン塩酸塩
  ノルアドレナリン/アドレナリン
  ドパミンとドブタミンの薬理作用(表)
  ドパミン,ドブタミンの用量(1)輸液ポンプの場合(表)
  ドパミン,ドブタミンの用量(2) シリンジポンプの場合(表)
  ノルアドレナリンの用量(表)
 ステロイドの使い方
  ステロイド投与の適応となる疾患の例(表)
  ステロイドの主な副作用(表)
  ステロイド薬の力価比較(表)
  ステロイド外用薬の強弱(表)
  ステロイドパルス療法
 輸液剤の選択と投与法
  輸液剤の種類と適応(表)
  1 日維持必要水分量(表)
 中心静脈カテーテル(CVC)使用中のトラブル
  CVC使用中のトラブルとして考えられる事態(表)
  CVCの使用目的の例(表)
  培養検体として採取すべきもの(表)
 輸血療法・血液製剤の使用指針
  赤血球濃厚液(RCC)
  血小板製剤(血小板濃厚液:PC)
  新鮮凍結血漿(FFP)
  アルブミン製剤
 抗凝固薬,抗血小板薬使用時の注意点
 <抗凝固薬(注射薬)>
  未分画ヘパリン(=標準ヘパリン)
  低分子量ヘパリン
  抗トロンビン薬
 <抗凝固薬(内服薬)>
  ワルファリンカリウム
 <新規抗凝固薬(内服薬)>
  ダビガトラン
  リバーロキサバン
  各新規抗凝固薬の特徴(表)
  アピキサバン
 <抗血小板薬>
  アスピリン
  チクロピジン塩酸塩
  各抗血小板薬の特徴(表)
  クロピドグレル塩酸塩
  シスタゾール
 抗菌薬・抗ウイルス薬選択と投与法
  感染症治療における抗菌薬選択の原則
  抗菌薬投与を直ちに開始すべき疾患(表)/抗菌薬のアレルギー
  各種感染症のempiric therapyとde-escalation/抗菌薬の臓器移行性
  髄液への移行(表)/前立腺への移行(表)
  各種感染症の選択(empiric therapy)の例(表)
  嫌気性菌に感受性のある抗菌薬
  小児における抗菌薬選択の注意点/新生児および小児に投与禁忌または慎重投与の抗菌薬
  妊婦,授乳中の患者における抗菌薬の選択/肝不全における抗菌薬使用の注意点/腎不全における抗菌薬使用の注意点
  Ccrの推定法(表)
  バンコマイシンの血中濃度(表)/テイコプラニンの(TEIC)投与量(表)
  主な抗菌薬・抗ウイルス薬の腎不全時の投与量(内服薬)(表)
  主な抗菌薬・抗ウイルス薬の腎不全時の投与量(注射薬)(表)
  主な抗真菌薬の腎不全時の使用量(表)
 細菌学的検査
  塗抹検査における良質の痰の判定(図)/ Gecklerの分類(図)
  グラム染色塗抹検査で予測可能な菌種と抗菌薬の選択(図)
 感染症の迅速検査キット
  主な感染症の迅速検査キット(表)
 注射薬の配合変化
  主な配合禁忌(表)
 腎不全,透析患者に対する薬物投与
 小児薬用量と常用処方
  救急薬品/抗菌薬(表)
  鎮咳・去痰薬/鎮痛・解熱薬/気管支拡張薬(表)
  抗ヒスタミン薬/整腸薬/制吐薬/鎮静薬(表)
 オピオイドの使用方法
  代表的なオピオイドの比較・換算表(表)
 検査基準値―緊急検査を中心に
  血液(表)
  尿/髄液(表)
 届け出が必要な感染症
 死亡診断書,死体検案書の書き方

 事項索引
 薬剤索引