やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

2006-07(第10版)推薦のことば
 初版から18年,第10版と記念すべき版となった.2004年に始まった新臨床研修では内科・外科とともに救急医療も基本必修化に位置づけられた.本書は「救急マニュアル」でなく『当直医マニュアル』と銘うっているが,急性疾患診療の実践の場である1人当直を念頭に置いて書かれている.まず生命にかかわる致死的疾患を,主訴とバイタルサインから優先的に除外しなくてはならない.経験に裏打ちされた正しい蘇生処置,素早い全体の病態把握が最初のステップである.次に最初の1時間(golden one hour)で症状からの鑑別診断,初期病名の想定,簡単な検査の実施を行って,臨床推論,問題解決へ至る過程はすべての臨床に共通する醍醐味がある.
 本書には見落としを最少にするためのdo'sやdont's,pitfalls,ポイントが随所に列挙されている.何よりも充実している点は,全編を通してBMJの「Clinical Evidence(13ed.)」を点検してEBMが得られるものを明示していることにある.当直帯で疲れていたり多忙であったり,経験が未熟であったりして,私たち医師は誰でもエラーを犯す危険がある.常に謙虚に最新の知見,患者の病状から学ぶ姿勢で診療に当たりたい.
 高度専門医療はますます医師と患者との情報の非対称性を拡大させるが,信任の時代といわれる現在,医師は情報の開示や医療安全の努力を通してその役割を常に果たさなくてはならない.当直医は近接性,包括性,協調性,説明責任といった役割が求められている意味でプライマリケアの5つの特徴のうち4つを期待されている病院内でも大切な仕事である.リスクマネジメントの観点でいえば当直医は病院長を代行するものである.
 本当は,このような当直医業務をすべての病院で救急医が指導できる体制が理想である.北米では24,000人の救急医がその理想をめざしているが,わが国では2,500人といまだ不足している.本書は表紙にERをかかげている.当面はわが国の第一線の医療機関で経験を重ねた医師が作りあげた本書を導きとして,みずからの病院のERがより適切により安全に運用されるようにマネジメントしてもらいたい.
 EBMに基づいたガイドラインも整い,ACLSのような普及コースが開催されている.医療の標準化は院内の電子カルテ化,第三者評価,DPCといったトレンドとともに強まるだろう.患者,市民から信任を受けた医師として診療のプロセス,アウトカムを含めた情報の透明性を高める努力を求められている.このようななかで,1人当直に代弁されるように苛酷な診療環境で院内の数少ないジェネラリストの役割を果たさなければならない当直医業務は臨床医を鍛える機会の一つともいえる.
 白衣のポケットに入る小冊子ながらclinical pearlsのつまった宝箱が,11版,12版と発展し,研修医や自分の専門外もカバーしなくてはならない当直医を支え,日本型ERの誕生にも寄与することを期待している.
 2005年12月
 聖マリアンナ医科大学救急医学教室教授/救命救急センター長/臨床研修センター長
 箕輪良行

2006-07(第10版)の序
 臨床研修必須化後3年目を迎え,救急医療現場ではいよいよ新制度のもとでの研修医が第一線に立つようになりました.本書の2006-'07年版でも,新制度のもとで研修する若手医師を編集委員に加え,ユーザー側からの視点を今改訂に盛り込みました.
 今回の主要改訂項目は,(1)救急初期治療にあたって留意すべき心得・理念(第1章)を書き換え,タイトルも「当直医のために」と改めました.(2)第2章救命救急処置も大幅に書き換え,新規項目として「体外式電気除細動機(AED)」と「外傷の初期対応」の項を起こしました.(3)より救急現場に対応したマニュアルとするため,「甲状腺クリーゼ」,「急性副腎不全」の項目を設け,(4)「抗生物質の選択と投与法」,「主要抗菌剤」の各項目の重複を避け,内容も一新して「抗菌薬・抗ウイルス剤の選択と投与法」という項目にしました.(5)当直医の業務として,職業的感染(血液感染曝露事故―針刺し事故など)にも遭遇しますので,AIDS時代に合わせて事故対応のプライマリな対策を盛り込みました.(6)動脈硬化性疾患が増加した時代に,抗凝固剤などを服用中の患者さんに観血的処置を行う場面が増えていることから,「抗凝固剤・抗血小板剤使用時の注意」という項目を設け,(7)2005年6月に厚生労働省が出した輸血療法・血液製剤使用指針(改訂)に準拠して「輸血療法」,「血液製剤の使用指針」の項を新設・改訂しました.(8)2005年10月に「成人市中肺炎診療ガイドライン」が改定されたことに伴い,「気管支炎・肺炎」の当該の項目を改訂しました.
 以上のように,今期,ほぼ全面改訂と言える内容でお届けしますが,これまでどおりClinical Evidence 13(BMJ)に該当項目があれば★印で明示し,薬剤師と臨床医が全ての薬剤についてダブルチェックしています.
 今後とも多くの方々からのご意見・ご批判をいただき,最新の内容を取捨選択しつつ導入して引き続き救急現場でも大いに役立つコンパクトな実践的マニュアルであることを目指したいと思います.一般外来については2005年10月に上梓した姉妹版『外来医マニュアル』をご活用ください.さらに良い臨床医になるには,背景にある疫学,病態,治療法の選択をめぐる論議などについて学ぶことも不可欠です.それらを1544ぺージにまとめた『臨床医マニュアル』(第3版:2004年刊)を併せ,マニュアル三部作をご愛用いただければ幸いです.
 最後に,改訂にあたって忌憚なきご意見・ご批判を頂きました読者のみなさん,出版にご尽力くださった医歯薬出版株式会社に深く感謝の意を表したいと思います.
 2005年12月
 編者・執筆者一同

2001年版の序
 本書第5版より年度版(2001年版)にしました.
 本書は最新の医学知識に関する書物でないにもかかわらず,これまでも大改訂を3年に一度,細かな改訂は半年〜1年ごとに行ってきました.近年医療事故がマスコミを賑わすことが多くなり,医療の安全性に対する関心が高まっています.臨床に影響を与え得る,薬品の安全性や新規薬効に関する情報は絶え間なく次々に出てくる情勢です.そこで近年の情勢に合わせた改訂を行うため,今改訂より,年度版に移行することにしました.
 第一線医療を守る当直医に必要な情報を取捨選択し,わが国初の胸のポケットに携帯できるユニークなサイズにまとめた本書も,初版出版以後12年を経過しました.この間にわが国の保健・医療をめぐる状況は大きく変化しました.また臨床研修指定病院での研修義務化を契機として,わが国における医師養成のあり方の是非が問われています.臨床医として,当直帯での一面ではありますが,本書がその医師養成上のminimum requirementに関する具体的提案となるよう今回の改訂にも取り組みました.
 具体的には,(1)まず,実際に第一線医療現場で当直医を担っている多くの若手医師に執筆協力者・執筆者・編集者として大いにかかわっていただき,全編にわたって原稿を見直し,随所に工夫を凝らしてもらいました.また,(2)救急蘇生に関し,AHA(米国心臓学会)が出した,Guidelines2000for cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Careを取り入れて改訂しました.(3)大動脈解離の項を起こし,虚血性心疾患,肺血栓塞栓症,不整脈の改訂など,循環器救急に関し,より実践的に「現場で使える」マニュアルを目指しました.(4)気管支炎・肺炎,SIRSの項を起こし,(5)EBM(evidence based medicine)実践に有用な情報を与えてくれる Cochrane Library(http://cochrane.umin.ac.jp/)で検索することが役立つ項目については目次に★印を付けました.
 また,同様にEBM実践の観点からThe use of essen-tial drugs:Seventh report of the WHO Expert Commi-ttee.World Health Organization 1997.を本書採用薬に盛り込んでいくことも検討しましたが,現時点では時期尚早と判断し,今後も検討していくことにしました.
 今後とも多くの方々からのご意見やご批判をいただき,最新の内容を取捨選択しつつ導入して,引き続き現場で役立つ実践的マニュアル書であることを目指したいと思います.
 なお,2000年12月には,本書と姉妹版である『プライマリケアマニュアル』の内容を包含し,その背後にある病態生理や臨床疫学的情報をも整理した『臨床医マニュアル』を発行しました.現場での対応を終えた後にその理論的背景や知識の整理を目的とした『臨床医マニュアル』を本書同様ご愛用いただければ幸いです.
 本書の初版以来ご協力いただいている民医連(全日本民主医療機関)の先生方,出版にご尽力いただいた医歯薬出版株式会社に深く感謝の意を表したいと思います.
 2001年1月
 編集・執筆者一同

序文
 本書は,当直医が担当するプライマリケアに焦点を絞った実践的マニュアルです.
 執筆者らが研修し勤務した病院は中小病院ではありますが,年間数百から千台以上の救急車を受け入れC夜間にはその数倍に及ぶ救急車以外で来院する患者の診療を行っている第一線の病院です.
 そこでの当直業務に必要なポイントを,みずから得た教訓と多数の文献を参考として整理し,下記の特色をもたせました.
 (1)時間的猶予のない場面でも,その場で役立つ携帯性と実践性を備えた
 (2)頻度の多い疾患を診療科を越えて網羅した
 (3)専門医と連絡をとるべき基準を示した
 (4)臨床経験の乏しい医師,看護婦をはじめとするcomedicalにも使いやすいよう配慮した
 (5)各自が書き込むメモスペースを確保した
 本書は,抽象的論議にとどまりがちなプライマリケアの技術的基準について,第一線医療の現場から提案するひとつの試みでもあります.
 しかし,あふれる医学情報を集積することではなく,プライマリケアに必要な情報を選択しコンパクトにまとめる作業は予想以上に困難でした.いまだ不十分な個所を残していると思われます.今後さらに多くの人々から御意見をいただき,第一線医療の現場で役立つ実践的マニュアルにしていきたいと思います.
 最後に,推薦の言葉をお書きいただいた浜松医科大学の植村研一教授,執筆・推敲の段階で御協力いただいた全日本民主医療機関連合会の先生方,そして出版に御尽力くださった医歯薬出版株式会社に深く感謝いたします.また,88〜93頁の項につきましては,日本福祉大学の二木立教授(前代々木病院リハビリテーション科医長)に御指導いただきました.厚くお礼申し上げます.
 1988年3月
 東京都リハビリテーション病院 太田喜久夫
 京都民医連中央病院 小畑達郎
 耳原総合病院 小松孝充
 船橋二和病院 近藤克則
 2006-07(第 10 版)推薦のことば…箕輪良行
 2006-07(第 10 版)の序
 2001年版の序
 序文
 本マニュアル使用の前に
 本マニュアル 2006-07(第10版)の主な改訂・追加項目一覧
  ★印は Clinical Evidence 13(2005,June)に出ている項目
第1章 当直医のために
 ・当直医の心得
 ・小児患者への接し方
 ・高齢患者への接し方
 ・女性患者への接し方
 ・外傷患者への接し方
 ・精神的問題をもつ患者への接し方
 ・眼疾患患者への接し方
 ・針刺し事故など血液曝露事故時の対応
第2章 救命救急処置
 ・救命救急処置
  全身管理に必要なモニタリング/バイタルサイン/血圧/中心静脈圧
  心電図/呼吸状態
  救命救急処置のモニタリング(図)
  尿量/血液・尿検査/腹部エコー/その他
 ・心肺蘇生法
  BLS(basic life support)
  心室細動(図)/無脈性心室頻拍(図)/無脈性電気活動(図)/心静止(図)
  ACLS(advanced cardiovascular life support)
  気管内挿管
  静脈路確保
 ・自動体外式除細動器(AED)
 ・外傷患者の初期診療
 ・ショック
  心原性ショック
  循環血液量減少性ショック/出血量の推定(表)
  アナフィラキシーショック
  敗血症性ショック
  神経原性ショック
 ・全身性炎症反応症候群(SIRS)
  SIRSの診断基準(表)
 ・播種性血管内凝固症候群(DIC)
  DIC診断基準(表)
 ・熱中症
  熱中症の分類(表)
 ・急性アルコール中毒
 ・急性薬物中毒
第3章 内科
 脳神経系
  ・失神
   失神の鑑別診断(図)
  ・意識障害
   Japan Coma Scale(表)
   Glasgow Coma Scale(表)
   AIUEOTIPS(アイウエオティプス)(表)
  ・頭痛★
   主な頭痛の鑑別診断(表)
   頭痛の国際分類(表)/片頭痛の診断基準(表)
   緊張型頭痛の診断基準(表)
  ・めまい
   回転性めまい(表)
  ・痙攣★
  ・脳血管障害★
   脳梗塞の薬物療法の推奨グレード(表)
  ・髄膜炎★
   髄膜炎のCSFによる鑑別診断(表)
  ・ヘルペス脳炎
  ・Guillain-Barre症候群
   GBS治療ガイドライン(表)
   Hughesの機能尺度(表)
 循環器系
  ・胸痛
   鑑別疾患(表)
  ・高血圧緊急症
  ・不整脈
   救急の現場で知っておきたい不整脈/不整脈診断のコツ
   心室細動(Vf),pulseless VT
   致死的心室性不整脈に移行しやすい不整脈
   ペースメーカー治療を要する徐脈性不整脈
   発作性上室性頻拍(PSVT)
   発作性心房細動(PAf)★
   心房粗動(AF)/心室頻拍(VT)
   心房性期外収縮(PAC),心室性期外収縮(PVC)
  ・急性心筋梗塞★
   心筋梗塞の心電図経過(図)
   急性心筋梗塞後の臨床検査値の推移(図)
   Forresterの分類(図)
   血栓溶解療法の適応と禁忌(表)
   Primary PCIの指針(表)
  ・狭心症★
   急性心不全★
   Killip分類:身体所見より心機能を評価する分類(表)
   大動脈解離
   急性動脈閉塞
   肺血栓塞栓症★
 呼吸器系
  ・咽頭痛★
  ・咳,痰
  ・血痰,喀血
   喀血と吐血の鑑別(表)
   血痰・喀血の原因疾患(表)
  ・喀血時の体位(図)
  ・呼吸困難
  ・過換気症候群
  ・インフルエンザ★
   抗インフルエンザウイルス薬の概要(表)
  ・気管支炎・肺炎★
   肺炎の重症度分類(表)/細菌性肺炎群と非定型肺炎の鑑別(表)
   市中肺炎★
   原因菌と選択すべき抗菌剤(表)
   院内肺炎
  ・気管支喘息急性増悪★
  ・喘鳴の程度の表現(表)/気管支喘息と心臓喘息の違い(表)
  ・重症度に応じた治療管理(表)
   COPD(慢性閉塞性肺疾患)急性増悪★
   COPDの病期分類(表)
   COPD急性増悪患者の管理のためのフローチャート(図)
  ・気胸★
   虚脱度の算出法(図)
  ・胸水,胸膜炎
  ・呼吸不全
   酸素投与法とFiO↓2↓概算値(表)
  ・急性肺傷害・急性呼吸促迫症候群(ARDS)
  ・人工呼吸器
   人工呼吸器の一般的適応基準/人工呼吸器のモードと一般的な初期条件設定
   設定変更
   アラームへの対応/fighting時の対応
   鎮静・鎮痛の判定基準(表)
   鎮静・鎮痛に使用される薬物(表)
   非侵襲的人工呼吸(NIPPV)
   SARSの初期対応
 消化器系
  ・悪心・嘔吐
   一般的な悪心・嘔吐の原因(表)
  ・下痢★
   細菌性食中毒(表)
  ・便秘★
  ・下血
  ・腹痛
  ・急性腹症
   腹痛部位と主な疾患(図)
  ・上部消化管出血
   S-Bチューブ(図)
  ・急性胃・十二指腸粘膜病変(胃アニサキス症を含む)
  ・虫垂炎★
   McBurney点と Lanz点(図)
  ・イレウス
  ・上腸間膜動脈血栓症
  ・肝障害(肝炎★),肝不全
   劇症肝炎の診断基準(表)
   肝性昏睡の重症度分類(表)
  ・アルコール性肝炎
  ・胆石症,胆道感染症★
  ・急性膵炎
   急性膵炎の臨床診断,重症度スコアと Stage分類(表)
   重症急性膵炎の ICUにおける集中治療(表)
 代謝系
  ・糖尿病性昏睡
   アニオンギャップ(AG) 算出式/血漿浸透圧の
   予測式/鑑別のポイント(表)
   低血糖
   糖尿病性ケトアシドーシス
   糖尿病性高浸透圧性非ケトン性昏睡
  ・甲状腺クリーゼ
   甲状腺クリーゼの診断基準(表)
  ・急性副腎不全(副腎クリーゼ)
 腎・電解質異常
  ・血尿
  ・乏尿,無尿,尿閉
   無尿(乏尿)の原因部位別検査所見(表)
   無尿(乏尿)の原因(表)
  ・急性腎不全★
  ・電解質異常
   高ナトリウム血症/高ナトリウム血症(表)
   低ナトリウム血症
   低ナトリウム血症(表)
   高カリウム血症
   血清K↑+↑異常時の ECG変化(図)
   低カリウム血症
   高カルシウム血症/高カルシウム血症の症状と所見(表)
  ・アシドーシス,アルカローシス
   動脈血液ガス分析法(表)
   酸塩基平衡障害で予想される代償性変化(表)
   酸塩基平衡障害判定のためのノモグラム(図)
   呼吸性アシドーシス/呼吸性アルカローシス/代謝性アシドーシス
   HCO↓3↓ 不足量算定式/代謝性アルカローシス
第4章 小児疾患
 ・発熱
 ・脱水★
  脱水の重症度判定(表)
 ・下痢★
  病原性大腸菌O-157による出血性大腸炎
  溶血性尿毒症症候群(HUS)
 ・嘔吐
  年齢による嘔吐の鑑別(図)
 ・腹痛★
 ・痙攣★
 ・N呼吸困難
 ・予防接種
  ワクチン別の副作用の起こり方
 ・髄膜炎
 ・気管支喘息(喘息発作)★
 ・上気道炎★,扁桃炎,気管支炎★,肺炎,マイコプラズマ肺炎,百日咳
  上気道炎(かぜ症候群)/扁桃炎/気管支炎,肺炎
  マイコプラズマ肺炎
  百日咳
 ・急性細気管支炎,クループ症候群(仮性クループ)★
  急性細気管支炎/クループ症候群(仮性クループ)
 ・発疹,伝染性疾患
  突発性発疹/突発性発疹の経過(図)
  麻疹★/麻疹の経過(図)
  風疹/風疹の経過(図)
  水痘★/水痘の経過(図)/流行性耳下腺炎(ムンプス)
  伝染性紅斑(りんご病)/伝染性単核症(EBウイルス感染症)
  溶連菌感染症(猩紅熱)/手足口病/咽頭結膜熱(プール熱)
  川崎病(MCLS)
 ・アセトン血性嘔吐症(自家中毒,周期性嘔吐症)
 ・腸重積
 ・異物誤飲
  中毒情報センターの電話番号/気道異物/消化管異物
  誤飲
 ・肘内障,ヘルニア嵌頓★
  肘内障/ヘルニア嵌頓
  肘内障の整復法(図)
第5章 外傷・外科的処置
 ・受傷部位による観察ポイント
  頭部外傷
  顔面外傷
  胸部外傷/腹部外傷
  脊椎・四肢外傷
  砂嚢固定(図)
  切断指保存法(図)
 ・挫滅症候群(crush syndrome)
  創傷処置
  創傷の評価,止血/洗浄,消毒による創の清浄化
  擦過傷など(表皮欠損を伴う創)/Debridement(壊  ・死組織の切除)/麻酔/縫合
  Oberst麻酔法(図)
  縫合の仕方(図)
  創の被覆・保護/感染予防
  対症療法
 ・軟部組織感染症★
 ・咬傷,虫さされ
  咬傷★/虫さされ
 ・熱傷★
  熱傷の重症度判定(表)/熱傷の深度の判定(表)
  9の法則(図)/Lund & Browderの図表(図)
 ・捻挫★,骨折★,脱臼
  シーネ固定(図)
  捻挫★
  マレット指(図)
  アルミシーネ固定(図)/隣接指とのテープ固定(図)
  脱臼・骨折/顎関節前方脱臼整復法(図)
  鎖骨固定帯(図)
  Hippocrates法(図)
  デゾー固定(図)
第6章 精神疾患
 ・パニック発作★
 ・自殺企図・自傷行為★
 ・せん妄
  身体拘束をする場合(表)
 ・アルコール離脱症状
 ・うつ状態★
 ・不眠★
  睡眠剤一覧(表)
第7章 女性疾患
 ・不正性器出血★
 ・産婦人科急性腹症,急性骨盤腹膜炎
  産婦人科急性腹症/重症度の目安(表)
  急性骨盤腹膜炎(付属器炎,子宮傍結合織炎)★
 ・子宮外妊娠★,卵巣腫瘤の茎捻転,卵巣出血,妊娠と合併した虫垂炎
  子宮外妊娠/卵巣腫瘤の茎捻転
  卵巣出血/妊娠と合併した虫垂炎
 ・乳腺炎
  うっ滞性乳腺炎(乳汁うっ滞症)/急性化膿性乳腺炎
 ・妊婦と薬
第8章 眼疾患
 ・眼の異物
 ・結膜充血★
 ・急性隅角閉塞性緑内障発作★
 ・眼打撲,鈍傷
 ・コンタクトレンズによる角膜障害
第9章 耳鼻咽喉疾患
 ・鼻出血
 ・耳痛★
  正常鼓膜と病的鼓膜(図)
 ・難聴
 ・耳・鼻・のどの異物
  ハイムリッヒ(Heimlich) 法(図)
第10章 泌尿器疾患
 ・尿路結石★
 ・尿路疾患
  膀胱炎★
  亀頭包皮炎/尿閉
  腎盂腎炎★/尿道炎
 ・精巣捻転症,急性精巣上体炎
  精巣捻転症/急性精巣上体炎
第11章 皮膚疾患
 ・発疹
  細菌感染を伴ったもの/真菌感染(白癬症)★
  ウイルス性発疹/蕁麻疹,薬疹
  接触皮膚炎,虫刺症/紫斑
第12章 当直医に必要な資料
 ・救急薬剤の使い方
  カテコラミン/ジギタリス(ジゴキシン○R)/ミリスロール○R(ニトログリセリン)
 ・ミリスロール○Rの用量(表)
  静注用キシロカイン○R(リドカイン)/硫酸アトロピン
  プロタノールL○R(イソプロテレノール)/プロタミン
 ・カテコラミンの使い方
  イノバン○R(ドパミン)/ドブトレックス○R(ドブタミン)
  ノルアドレナリン/ボスミン○R(エピネフリン)
  イノバン○Rとドブトレックス○Rの薬理作用(表)
  ドパミン,ドブタミンの用量 (1) 輸液ポンプの場合(表)
  ドパミン,ドブタミンの用量 (2) シリンジポンプの場合(表)
 ・ノルアドレナリンの用量(表)
 ・輸液剤の選択と投与法
  輸液剤の選択/輸液剤の種類と適応(表)
  輸液量と投与速度日維持必要水分量(表)
 ・高カロリー輸液(IVH) の実際
  高カロリー輸液に伴う合併症(表)
  必要な定期検査(表)/輸液に必要な各成分量
  高カロリー輸液用キット製品(表)
  高カロリー輸液用基本液
  皮下注時の sliding scaleの一例(表)
 ・血液製剤の使用指針
  赤血球濃厚液(MAP)
  血小板濃厚液(PC)
  新鮮凍結血漿(FFP)
  アルブミン製剤
 ・輸血療法
  抗凝固剤,抗血小板剤使用時の注意点
  ヘパリンナトリウム
  ワルファリン/PT-INRとTTとの関係(表)
  アスピリン
  チクロピジン
 ・抗菌剤・抗ウイルス剤の選択と投与法
  感染症治療における抗菌剤選択の原則/抗菌剤投与を直ちに開始すべき疾患(表)
  抗菌剤のアレルギー/アレルギー反応の出現頻度/アレルギーの交差反応
  アレルギー反応の種類/各種感染症の第1選択薬/抗菌剤の臓器移行性
  各種感染症の第1選択薬(表)
  嫌気性菌に感受性のある抗菌剤/小児における抗菌剤選択の注意点
  妊婦,授乳中の患者における抗菌剤の選択/肝不全における抗菌剤使用の注意点
  腎不全における抗菌剤使用の注意点/Ccrの推定法(表)
  バンコマイシンの血中濃度(表)
  テイコプラニンの投与量(表)
  主な抗菌剤・抗ウイルス剤の腎不全時の投与量(内服薬)(表)
  主な抗菌剤・抗ウイルス剤の腎不全時の投与量(注射薬)(表)
  主な抗真菌剤の腎不全時の使用量(表)
 ・細菌学的検査
  細菌塗抹検査(グラム染色)/各種迅速診断方法
  グラム染色の方法(表)
  塗抹検査における良質の痰の判定(図)/白血球などの炎症細胞の所見(図)
  グラム染色塗抹検査で診断可能な菌(図)
 ・注射薬の配合変化
  主な配合禁忌(表)
 ・腎不全,透析患者に対する薬物投与
 ・小児薬用量と常用処方
  呼吸数・脈拍・体温(表)/尿量/救急薬品(表)
 @抗菌剤(表)/鎮痛・解熱剤(表)/鎮咳・去痰剤(表)
  気管支拡張剤(表)
  抗ヒスタミン剤/止痢剤/鎮吐剤(表)
 ・検査基準値―緊急検査を中心に
  血液(表)
  尿(表)/髄液(表)
 ・届け出が必要な感染症
 ・死亡診断書,検案書の書き方

 ・事項索引
 ・薬剤索引