2005年版推薦のことば
2005年版では,今までと同様に,「Clinical Evidence(BMJ)」に該当があれば*印で明示するなどの工夫をはじめEBMを重視した編集方針が採られている.
本書は,1988年の初版以来,第一線病院の若い当直医を念頭において版を重ねてきた.白衣のポケットに収まるこの小さな宝物は,皆さんの先輩からの貴重な贈り物である.救急外来や準夜帯・深夜帯の病棟で直面する状況や病態に則して,患者さんとの接し方,まず何を考え,何をなすべきか,さらに「これだけは決してやってはいけない」など,貴重な「とっさのアドバイス」がぎっしり詰まっている.勿論,マニュアルに書かれていることはあくまでも指針(ガイドライン)であり,実践の場では経験ある看護師,薬剤師,技師の助言に耳を傾ける謙虚さが大きな失敗から自分を守ることになる.
卒後臨床研修が必修化され,多くの研修病院で指導体制の充実が図られているが,研修途上の若い当直医のとっさの判断が患者さんの生死を左右しかねないのも現実である.時には過大とも思える責任を進んで引き受ける積極性とともに,常に「患者さんから学ばせて頂いている」という慎みの気持ちを忘れないでほしい.
医療技術の飛躍的進歩と裏腹に初歩的な医療ミスが社会問題化している.自立した市民の自己決定権を基本とする新しい医師・患者関係は,組織としての医療機関に高い「技術水準」と患者の「安全」を実現する「質改善」のためのマネジメントを強く求めるだけでなく,情報技術の普及と相侯って,一人一人の医師に患者のQOL向上を「アウトカム」の指標とする「根拠に基づく医療(Evidence-Based Medicine:EBM)」の実践を強く促している.時代の潮流は医療界全体に「説明責任」と「透明性」を厳しく求めている.
当然のことながら,若い当直医の肩にもこの重い責任はずっしりとのしかかってくる.次第に近づいてくる救急車のサイレンに不安が募るのも故なしとしない.
臨床医の仕事とは,患者の問題解決(Problem Solving)のために行う刻々の決断(Decision Making)と行動の連鎖であり,そこに医師としての責任がついて回る.研修医の皆さんには,検査であれ,処置であれ,処方であれ,当直医として自分が下した判断について振り返る習慣を,是非,身に付けて頂きたい.さっき自分のやったことは正しかったか,いま自分のやっていることは適切か,これからやろうとしていることは本当に患者さんの役に立つだろうか,と常に自問自答する習慣をつけることはEBMの「ステップ1:疑問の定式化」にそのままつながる.こうして暖めておいた疑問について,時間の余裕を見つけて教科書や文献(エビデンス)を探すなり,上級医に質問するなり,納得のゆく答えを自分自身で見つけてゆくことによって,不安な気持ちで過ごした当直での体験を臨床医としての実力の向上に反映させることができる.
第一線臨床医の情熱から生まれたこのマニュアルが今後も改版を重ね,後輩医師のための手引書として更に誘実してゆくことを期待している.
2004年12月
佐賀大学医学部附属病院総合診療部教授・副病院長
小泉俊三
2005年版の序
卒後臨床研修が必須化され,第一線の救急医療の現場で,多くの研修医が研修に取り組むようになりました.そのニーズに応えるべく,『当直医マニュアル2005年度版(第9版)』をお届けします.
本マニュアルが年度版に移行して,早くも5年目になります.年度版に移行したことで,医学・医療の進歩を,より迅速に取り込むことが可能になりました.今回の改訂で言えば,(1)2004年度に発表された脳卒中ガイドラインをはじめ最新のEBM(evidence based medicine,根拠に基づいた医療)の反映に努めました.それらの結果,(2)循環器,呼吸器,精神科などの項目は大幅に改訂し,(3)ARDS・プール熱など新規項目を加え,(4)他の項目でも診断分類や薬などを新しいものに差し替えるなど,全面的に見直しました.今までと同様に,Clinical evidence(BMJ)に該当項目があれば★印で明示し,薬剤師と臨床医が,すべての薬剤についてダブルチェックしました.
本マニュアルは,携帯性を重視し,当直医に必要な最低限の内容に紋り込んであります.慢性疾患を中心とする外来診療については,姉妹版の『プライマリケア・マニュアル(第5版)』をご活用ください.また,良い臨床医になるには,背景にある疫学,病態,治療法の選択を巡る論議などについて学ぶことが不可欠です.それらを1,544ページにまとめた『臨床医マニュアル』も,2004年に改訂第3版になりました.これらマニュアル3部作を合わせて使っていただき,ご意見ご批判いただければ幸です.
初版以来ご協力いただいている全日本民主医療機関連合会(民医連)の先生方,編集・出版の労をとっていただいている医歯薬出版に深謝します.
2004年12月
編者一同
2001年版の序
本書第5版より年度版(2001年版)にしました.
本書は最新の医学知識に関する書物でないにもかかわらず,これまでも大改訂を3年に一度,細かな改訂は半年〜1年ごとに行ってきました.近年医療事故がマスコミを賑わすことが多くなり,医療の安全性に対する関心が高まっています.臨床に影響を与え得る,薬品の安全性や新規薬効に関する情報は絶え間なく次々に出てくる情勢です.そこで近年の情勢に合わせた改訂を行うため,今改訂より,年度版に移行することにしました.
第一線医療を守る当直医に必要な情報を取捨選択し,わが国初の胸のポケットに携帯できるユニークなサイズにまとめた本書も,初版出版以後12年を経過しました.この間にわが国の保健・医療をめぐる状況は大きく変化しました.また臨床研修指定病院での研修義務化を契機として,わが国における医師養成のあり方の是非が問われています.臨床医として,当直帯での一面ではありますが,本書がその医師養成上のminimum requirementに関する具体的提案となるよう今回の改訂にも取り組みました.
具体的には,(1)まず,実際に第一線医療現場で当直医を担っている多くの若手医師に執筆協力者・執筆者・編集者として大いにかかわっていただき,全編にわたって原稿を見直し,随所に工夫を凝らしてもらいました.また,(2)救急蘇生に関し,AHA(米国心臓学会)が出した,Guidelines 2000 for cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Careを取り入れて改訂しました.(3)大動脈解離の項を起こし,虚血性心疾患,肺血栓塞栓症,不整脈の改訂など,循環器救急に関し,より実践的に「現場で使える」マニュアルを目指しました.(4)気管支炎・肺炎,SIRSの項を起こし,(5)EBM(evidence based medicine)実践に有用な情報を与えてくれる Cochrane Library(http://cochrane.umin.ac.jp/)で検索することが役立つ項目については目次に★印を付けました.
また,同様にEBM実践の観点からThe use of essential drugs:Seventh report of the WHO Expert Committee.World Health Organization 1997.を本書採用薬に盛り込んでいくことも検討しましたが,現時点では時期尚早と判断し,今後も検討していくことにしました.
今後とも多くの方々からのご意見やご批判をいただき,最新の内容を取捨選択しつつ導入して,引き続き現場で役立つ実践的マニュアル書であることを目指したいと思います.
なお,2000年12月には,本書と姉妹版である『プライマリケアマニュアル』の内容を包含し,その背後にある病態生理や臨床疫学的情報をも整理した『臨床医マニュアル』を発行しました.現場での対応を終えた後にその理論的背景や知識の整理を目的とした『臨床医マニュアル』を本書同様ご愛用いただければ幸いです.
本書の初版以来ご協力いただいている民医連(全日本民主医療機関)の先生方,出版にご尽力いただいた医歯薬出版株式会社に深く感謝の意を表したいと思います.
2001年1月
編集・執筆者一同
序文
本書は,当直医が担当するプライマリケアに焦点を絞った実践的マニュアルです.
執筆者らが研修し勤務した病院は中小病院ではありますが,年間数百から千台以上の救急車を受け入れ,夜間にはその数倍に及ぶ救急車以外で来院する患者の診療を行っている第一線の病院です.
そこでの当直業務に必要なポイントを,みずから得た教訓と多数の文献を参考として整理し,下記の特色をもたせました.
(1)時間的猶予のない場面でも,その場で役立つ携帯性と実践性を備えた
(2)頻度の多い疾患を診療科を越えて網羅した
(3)専門医と連絡をとるべき基準を示した
(4)臨床経験の乏しい医師,看護婦をはじめとするcomedicalにも使いやすいよう配慮した
(5)各自が書き込むメモスペースを確保した
本書は,抽象的論議にとどまりがちなプライマリケアの技術的基準について,第一線医療の現場から提案するひとつの試みでもあります.
しかし,あふれる医学 アを集積することではなく,プライマリケアに必要な情報を選択しコンパクトにまとめる作業は予想以上に困難でした.いまだ不十分な個所を残していると思われます.今後さらに多くの人々から御意見をいただき,第一線医療の現場で役立つ実践的マニュアルにしていきたいと思います.
最後に,推薦の言葉をお書きいただいた浜松医科大学の植村研一教授,執筆・推敲の段階で御協力いただいた全日本民主医療機関連合会の先生方,そして出版に御尽力くださった医歯薬出版株式会社に深く感謝いたします.また,88〜93貢の項につきましては,日本福祉大学の二木 立教授(前代々木病院リハビリテーション科医長)に御指導いただきました.厚くお礼申し上げます.
1988年3月
東京都リハビリテーション病院 太田喜久夫
京都民医連中央病院 小畑達郎
耳原総合病院 小松孝充
船橋二和病院 近藤克則
2005年版では,今までと同様に,「Clinical Evidence(BMJ)」に該当があれば*印で明示するなどの工夫をはじめEBMを重視した編集方針が採られている.
本書は,1988年の初版以来,第一線病院の若い当直医を念頭において版を重ねてきた.白衣のポケットに収まるこの小さな宝物は,皆さんの先輩からの貴重な贈り物である.救急外来や準夜帯・深夜帯の病棟で直面する状況や病態に則して,患者さんとの接し方,まず何を考え,何をなすべきか,さらに「これだけは決してやってはいけない」など,貴重な「とっさのアドバイス」がぎっしり詰まっている.勿論,マニュアルに書かれていることはあくまでも指針(ガイドライン)であり,実践の場では経験ある看護師,薬剤師,技師の助言に耳を傾ける謙虚さが大きな失敗から自分を守ることになる.
卒後臨床研修が必修化され,多くの研修病院で指導体制の充実が図られているが,研修途上の若い当直医のとっさの判断が患者さんの生死を左右しかねないのも現実である.時には過大とも思える責任を進んで引き受ける積極性とともに,常に「患者さんから学ばせて頂いている」という慎みの気持ちを忘れないでほしい.
医療技術の飛躍的進歩と裏腹に初歩的な医療ミスが社会問題化している.自立した市民の自己決定権を基本とする新しい医師・患者関係は,組織としての医療機関に高い「技術水準」と患者の「安全」を実現する「質改善」のためのマネジメントを強く求めるだけでなく,情報技術の普及と相侯って,一人一人の医師に患者のQOL向上を「アウトカム」の指標とする「根拠に基づく医療(Evidence-Based Medicine:EBM)」の実践を強く促している.時代の潮流は医療界全体に「説明責任」と「透明性」を厳しく求めている.
当然のことながら,若い当直医の肩にもこの重い責任はずっしりとのしかかってくる.次第に近づいてくる救急車のサイレンに不安が募るのも故なしとしない.
臨床医の仕事とは,患者の問題解決(Problem Solving)のために行う刻々の決断(Decision Making)と行動の連鎖であり,そこに医師としての責任がついて回る.研修医の皆さんには,検査であれ,処置であれ,処方であれ,当直医として自分が下した判断について振り返る習慣を,是非,身に付けて頂きたい.さっき自分のやったことは正しかったか,いま自分のやっていることは適切か,これからやろうとしていることは本当に患者さんの役に立つだろうか,と常に自問自答する習慣をつけることはEBMの「ステップ1:疑問の定式化」にそのままつながる.こうして暖めておいた疑問について,時間の余裕を見つけて教科書や文献(エビデンス)を探すなり,上級医に質問するなり,納得のゆく答えを自分自身で見つけてゆくことによって,不安な気持ちで過ごした当直での体験を臨床医としての実力の向上に反映させることができる.
第一線臨床医の情熱から生まれたこのマニュアルが今後も改版を重ね,後輩医師のための手引書として更に誘実してゆくことを期待している.
2004年12月
佐賀大学医学部附属病院総合診療部教授・副病院長
小泉俊三
2005年版の序
卒後臨床研修が必須化され,第一線の救急医療の現場で,多くの研修医が研修に取り組むようになりました.そのニーズに応えるべく,『当直医マニュアル2005年度版(第9版)』をお届けします.
本マニュアルが年度版に移行して,早くも5年目になります.年度版に移行したことで,医学・医療の進歩を,より迅速に取り込むことが可能になりました.今回の改訂で言えば,(1)2004年度に発表された脳卒中ガイドラインをはじめ最新のEBM(evidence based medicine,根拠に基づいた医療)の反映に努めました.それらの結果,(2)循環器,呼吸器,精神科などの項目は大幅に改訂し,(3)ARDS・プール熱など新規項目を加え,(4)他の項目でも診断分類や薬などを新しいものに差し替えるなど,全面的に見直しました.今までと同様に,Clinical evidence(BMJ)に該当項目があれば★印で明示し,薬剤師と臨床医が,すべての薬剤についてダブルチェックしました.
本マニュアルは,携帯性を重視し,当直医に必要な最低限の内容に紋り込んであります.慢性疾患を中心とする外来診療については,姉妹版の『プライマリケア・マニュアル(第5版)』をご活用ください.また,良い臨床医になるには,背景にある疫学,病態,治療法の選択を巡る論議などについて学ぶことが不可欠です.それらを1,544ページにまとめた『臨床医マニュアル』も,2004年に改訂第3版になりました.これらマニュアル3部作を合わせて使っていただき,ご意見ご批判いただければ幸です.
初版以来ご協力いただいている全日本民主医療機関連合会(民医連)の先生方,編集・出版の労をとっていただいている医歯薬出版に深謝します.
2004年12月
編者一同
2001年版の序
本書第5版より年度版(2001年版)にしました.
本書は最新の医学知識に関する書物でないにもかかわらず,これまでも大改訂を3年に一度,細かな改訂は半年〜1年ごとに行ってきました.近年医療事故がマスコミを賑わすことが多くなり,医療の安全性に対する関心が高まっています.臨床に影響を与え得る,薬品の安全性や新規薬効に関する情報は絶え間なく次々に出てくる情勢です.そこで近年の情勢に合わせた改訂を行うため,今改訂より,年度版に移行することにしました.
第一線医療を守る当直医に必要な情報を取捨選択し,わが国初の胸のポケットに携帯できるユニークなサイズにまとめた本書も,初版出版以後12年を経過しました.この間にわが国の保健・医療をめぐる状況は大きく変化しました.また臨床研修指定病院での研修義務化を契機として,わが国における医師養成のあり方の是非が問われています.臨床医として,当直帯での一面ではありますが,本書がその医師養成上のminimum requirementに関する具体的提案となるよう今回の改訂にも取り組みました.
具体的には,(1)まず,実際に第一線医療現場で当直医を担っている多くの若手医師に執筆協力者・執筆者・編集者として大いにかかわっていただき,全編にわたって原稿を見直し,随所に工夫を凝らしてもらいました.また,(2)救急蘇生に関し,AHA(米国心臓学会)が出した,Guidelines 2000 for cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Careを取り入れて改訂しました.(3)大動脈解離の項を起こし,虚血性心疾患,肺血栓塞栓症,不整脈の改訂など,循環器救急に関し,より実践的に「現場で使える」マニュアルを目指しました.(4)気管支炎・肺炎,SIRSの項を起こし,(5)EBM(evidence based medicine)実践に有用な情報を与えてくれる Cochrane Library(http://cochrane.umin.ac.jp/)で検索することが役立つ項目については目次に★印を付けました.
また,同様にEBM実践の観点からThe use of essential drugs:Seventh report of the WHO Expert Committee.World Health Organization 1997.を本書採用薬に盛り込んでいくことも検討しましたが,現時点では時期尚早と判断し,今後も検討していくことにしました.
今後とも多くの方々からのご意見やご批判をいただき,最新の内容を取捨選択しつつ導入して,引き続き現場で役立つ実践的マニュアル書であることを目指したいと思います.
なお,2000年12月には,本書と姉妹版である『プライマリケアマニュアル』の内容を包含し,その背後にある病態生理や臨床疫学的情報をも整理した『臨床医マニュアル』を発行しました.現場での対応を終えた後にその理論的背景や知識の整理を目的とした『臨床医マニュアル』を本書同様ご愛用いただければ幸いです.
本書の初版以来ご協力いただいている民医連(全日本民主医療機関)の先生方,出版にご尽力いただいた医歯薬出版株式会社に深く感謝の意を表したいと思います.
2001年1月
編集・執筆者一同
序文
本書は,当直医が担当するプライマリケアに焦点を絞った実践的マニュアルです.
執筆者らが研修し勤務した病院は中小病院ではありますが,年間数百から千台以上の救急車を受け入れ,夜間にはその数倍に及ぶ救急車以外で来院する患者の診療を行っている第一線の病院です.
そこでの当直業務に必要なポイントを,みずから得た教訓と多数の文献を参考として整理し,下記の特色をもたせました.
(1)時間的猶予のない場面でも,その場で役立つ携帯性と実践性を備えた
(2)頻度の多い疾患を診療科を越えて網羅した
(3)専門医と連絡をとるべき基準を示した
(4)臨床経験の乏しい医師,看護婦をはじめとするcomedicalにも使いやすいよう配慮した
(5)各自が書き込むメモスペースを確保した
本書は,抽象的論議にとどまりがちなプライマリケアの技術的基準について,第一線医療の現場から提案するひとつの試みでもあります.
しかし,あふれる医学 アを集積することではなく,プライマリケアに必要な情報を選択しコンパクトにまとめる作業は予想以上に困難でした.いまだ不十分な個所を残していると思われます.今後さらに多くの人々から御意見をいただき,第一線医療の現場で役立つ実践的マニュアルにしていきたいと思います.
最後に,推薦の言葉をお書きいただいた浜松医科大学の植村研一教授,執筆・推敲の段階で御協力いただいた全日本民主医療機関連合会の先生方,そして出版に御尽力くださった医歯薬出版株式会社に深く感謝いたします.また,88〜93貢の項につきましては,日本福祉大学の二木 立教授(前代々木病院リハビリテーション科医長)に御指導いただきました.厚くお礼申し上げます.
1988年3月
東京都リハビリテーション病院 太田喜久夫
京都民医連中央病院 小畑達郎
耳原総合病院 小松孝充
船橋二和病院 近藤克則
2005年版推薦のことば(小泉俊三)
2005年版の序
2001年版の序
序文
本マニュアル使用の前に
本マニュアル 2005 年版の主な改訂・追加項目一覧
★印は Clinical Evidence 11(2004,June)に出ている項目
第1章 研修医のために
・当直医の心得
・小児患者への接し方
・高齢患者への接し方
・女性患者への接し方
・外科患者への接し方
・精神的問題をもつ患者への接し方
・眼疾患患者への接し方
第2章 救命救急処置
・救命救急処置
全身管理に必要なモニタリング/バイタルサイン
救命救急処置のポイント(図)
中心静脈圧(CVP)/血圧/尿量/PaO2,SaO2
PaCO/base excess(BE)/心電図/その他
・心肺蘇生法
BLS(primary ABCD)
心室細動(図)
無脈性電気活動(図)/心静止(図)/ACLS(advanced cardiovascular life support)
心静止/気管内挿管
静脈路確保
・ショック
心原性ショック/循環血液量減少性ショック/アナフィラキシーショック
敗血症性ショック/神経原性ショック
・心原性ショック
・循環血液量減少性ショック
出血量の推定(表)
・アナフィラキシー・敗血症性・神経原性ショック
アナフィラキシーショック
敗血症性ショック
神経原性ショック
・全身性炎症反応症候群(SIRS)
SIRSの診断基準(表)
・播種性血管内凝固症候群(DIC)
DIC診断基準(表)
・熱中症
熱中症の分類(表)
・急性アルコール中毒
第3章 内科
■脳神経系
・失神
・意識障害
3-3-9度分類(Japan coma scale)(表)
・頭痛★
主な頭痛の鑑別診断(表)
頭痛の国際分類(表)/片頭痛の診断基準(表)
緊張型頭痛の診断基準(表)
・めまい
回転性めまい(表)
・痙攣
・脳血管障害★
・髄膜炎★
髄膜炎の鑑別診断(図)
・ヘルペス脳炎
・Guillain-Barre´ 症候群
■循環器系
・胸痛
鑑別疾患(表)
・高血圧緊急症
・不整脈
救急の現場で知っておきたい不整脈/不整脈診断のコツ
心室細動(Vf),pulseless VT
致死的心室性不整脈に移行しやすい不整脈
ペースメーカー治療を要する徐脈性不整脈
発作性上室性頻拍(PSVT)
発作性心房細動(PAf)
心房粗動(AF)
心室頻拍(VT)
心房性期外収縮(PAC),心室性期外収縮(PVC)
・急性心筋梗塞★
心筋梗塞の心電図経過(図)
急性心筋梗塞後の臨床検査値の推移(図)
Forresterの分類(図)
血栓溶解療法の適応と禁忌(表)
Primary PTCA/STENTの指針(表)
・狭心症★
・急性心不全★
Killip分類:身体所見より心機能を評価する
分類(表)
・大動脈解離
・急性動脈閉塞
・肺血栓塞栓症★
■呼吸器系
・咽頭痛
・咳,痰
・血痰,喀血
喀血の鑑別疾患(表)
喀血時の体位(図)
・呼吸困難
O2 流量と呼吸マスクの選択(表)
・過換気症候群
・インフルエンザ★
抗インフルエンザウイルス薬の概要(表)
・気管支炎・肺炎★
胸部 X線写真および身体所見による肺炎の重症度判定(表)/ 検査成績による肺炎の重症度判定(表)
市中肺炎
細菌性肺炎群と非定型肺炎群の鑑別(表)
院内肺炎
・気管支喘息急性増悪★
気管支喘息と心臓喘息の違い(表)/ 喘鳴の程度の表現(表)
喘息症状(急性増悪)の管理(治療)(表)
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)急性増悪★
COPD急性増悪患者の一般病棟入院の適応(表)
COPD急性悪化の ICU入室の適応(表)
COPD急性増悪患者の管理のためのフローチャート(図)
・気胸★
虚脱度の算出法(図)
・胸水,胸膜炎
漏出液と滲出液の鑑別(表)/ 滲出性胸水の鑑別(表)
・呼吸不全
低酸素血症の酸素投与法(図)
動脈血ガス分析のハンディルール(表)
・急性肺傷害・急性呼吸促迫症候群(ARDS)
・人工呼吸器
人工呼吸器の一般的適応基準/人工呼吸器の一般的初期条件/略語一覧
PaO2 を上げたいとき/PaCO2 を下げたいとき
自発呼吸で換気(PaCO2)が安定してきたとき/アラームへの対応/fighting時の対応
鎮静・鎮痛の判定基準(表)
鎮静・鎮痛に使用される薬物(表)
非侵襲的人工呼吸(NIPPV)
・SARSの初期対応
■消化器系
・嘔気,嘔吐
・下痢★
・細菌性食中毒(表)
・便秘★
・下血 ・腹痛
・急性腹症
腹痛部位と主な疾患(図)
・上部消化管出血
S-Bチューブ(図)
・急性胃・十二指腸粘膜病変(胃アニサキス症を含む)
・虫垂炎★
McBurney点と Lanz点(図)
イレウス
・上腸間膜動脈血栓症
・肝障害(肝炎★),肝不全
肝性昏睡の重症度分類(表)
・胆石症,胆道感染症★
急性膵炎
急性膵炎の臨床診断,重症度スコアとStage分類(表)
重症急性膵炎の ICUにおける集中治療(表)
■代謝系
・糖尿病性昏睡
アニオンギャップ(AG) 算出式/血漿浸透圧の予測式/鑑別のポイント(表)
低血糖
糖尿病性ケトアシドーシス
糖尿病性高浸透圧性非ケトン性昏睡
■腎・電解質異常
・血尿
・乏尿,無尿,尿閉
無尿(乏尿)の診断手順(図)
無尿(乏尿)の原因部位別検査所見(表)
・腎不全★
急性腎不全の尿所見からの鑑別(表)
緊急透析
・電解質異常
高 Na血症/高 Na血症(表)
低 Na血症
低 Na血症(表)
高K血症
血清K+異常時の ECG変化(図)
低K血症
高 Ca血症/高 Ca血症の症状と所見(表)
・アシドーシス,アルカローシス
動脈血液ガス分析法(表)
酸塩基平衡障害で予想される代償性変化(表)
酸塩基平衡障害判定のためのノモグラム(図)
呼吸性アシドーシス/呼吸性アルカローシス /代謝性アシドーシス
HCO3不足量算定式/代謝性アルカローシス
第4章 小児疾患
・発熱
・脱水★
脱水の重症度判定(表)
・下痢
病原性大腸菌O-157による出血性大腸炎
溶血性尿毒症症候群(HUS)
・嘔吐
年齢による嘔吐の鑑別(図)
・腹痛
・痙攣
・呼吸困難
・予防接種
ワクチン別の副作用の起こり方
・髄膜炎
・気管支喘息(喘息発作)★
・上気道炎★,扁桃炎,気管支炎★,肺炎,マイコプラズマ肺炎,百日咳
上気道炎(かぜ症候群)/扁桃炎/気管支炎,肺炎
マイコプラズマ肺炎
百日咳
・急性細気管支炎,クループ症候群(仮性クループ)★
急性細気管支炎/クループ症候群(仮性クループ)
・発疹,伝染性疾患
突発性発疹/突発性発疹の経過(図)
麻疹★/麻疹の経過(図)
風疹/風疹の経過(図)
水痘★/水痘の経過(図)/流行性耳下腺炎(ムンプス)
伝染性紅斑(りんご病)/伝染性単核症(EBウイルス感染症)/溶連菌感染症(猩紅熱)
手足口病/咽頭結膜熱(プール熱)
川崎病(MCLS)
・アセトン血性嘔吐症(自家中毒,周期性嘔吐症)
・異物誤飲
中毒情報センターの電話番号/気道異物/消化管異物
誤飲
・腸重積
・肘内障,ヘルニア嵌頓
肘内障/ヘルニア嵌頓
肘内障の整復法(図)
第5章 外傷・外科的処置
・受傷部位による観察ポイント
頭部外傷
顔面外傷
胸部外傷/腹部外傷
脊椎・四肢外傷
砂嚢固定(図)
切断指保存法(図)
・挫滅症候群(crush syndrome)
・創傷処置
止血,創傷の評価/洗浄,消毒による創の清浄化/De´bridement(壊死組織の切除)
Oberst麻酔法(図)/麻酔
縫合/縫合の仕方(図)
創の被覆・保護/感染予防
対症療法
・軟部組織感染症★
・咬傷,虫さされ
咬傷★/虫さされ
・熱傷
熱傷の重症度判定(表)/熱傷の深度の判定(表)
2005年版の序
2001年版の序
序文
本マニュアル使用の前に
本マニュアル 2005 年版の主な改訂・追加項目一覧
★印は Clinical Evidence 11(2004,June)に出ている項目
第1章 研修医のために
・当直医の心得
・小児患者への接し方
・高齢患者への接し方
・女性患者への接し方
・外科患者への接し方
・精神的問題をもつ患者への接し方
・眼疾患患者への接し方
第2章 救命救急処置
・救命救急処置
全身管理に必要なモニタリング/バイタルサイン
救命救急処置のポイント(図)
中心静脈圧(CVP)/血圧/尿量/PaO2,SaO2
PaCO/base excess(BE)/心電図/その他
・心肺蘇生法
BLS(primary ABCD)
心室細動(図)
無脈性電気活動(図)/心静止(図)/ACLS(advanced cardiovascular life support)
心静止/気管内挿管
静脈路確保
・ショック
心原性ショック/循環血液量減少性ショック/アナフィラキシーショック
敗血症性ショック/神経原性ショック
・心原性ショック
・循環血液量減少性ショック
出血量の推定(表)
・アナフィラキシー・敗血症性・神経原性ショック
アナフィラキシーショック
敗血症性ショック
神経原性ショック
・全身性炎症反応症候群(SIRS)
SIRSの診断基準(表)
・播種性血管内凝固症候群(DIC)
DIC診断基準(表)
・熱中症
熱中症の分類(表)
・急性アルコール中毒
第3章 内科
■脳神経系
・失神
・意識障害
3-3-9度分類(Japan coma scale)(表)
・頭痛★
主な頭痛の鑑別診断(表)
頭痛の国際分類(表)/片頭痛の診断基準(表)
緊張型頭痛の診断基準(表)
・めまい
回転性めまい(表)
・痙攣
・脳血管障害★
・髄膜炎★
髄膜炎の鑑別診断(図)
・ヘルペス脳炎
・Guillain-Barre´ 症候群
■循環器系
・胸痛
鑑別疾患(表)
・高血圧緊急症
・不整脈
救急の現場で知っておきたい不整脈/不整脈診断のコツ
心室細動(Vf),pulseless VT
致死的心室性不整脈に移行しやすい不整脈
ペースメーカー治療を要する徐脈性不整脈
発作性上室性頻拍(PSVT)
発作性心房細動(PAf)
心房粗動(AF)
心室頻拍(VT)
心房性期外収縮(PAC),心室性期外収縮(PVC)
・急性心筋梗塞★
心筋梗塞の心電図経過(図)
急性心筋梗塞後の臨床検査値の推移(図)
Forresterの分類(図)
血栓溶解療法の適応と禁忌(表)
Primary PTCA/STENTの指針(表)
・狭心症★
・急性心不全★
Killip分類:身体所見より心機能を評価する
分類(表)
・大動脈解離
・急性動脈閉塞
・肺血栓塞栓症★
■呼吸器系
・咽頭痛
・咳,痰
・血痰,喀血
喀血の鑑別疾患(表)
喀血時の体位(図)
・呼吸困難
O2 流量と呼吸マスクの選択(表)
・過換気症候群
・インフルエンザ★
抗インフルエンザウイルス薬の概要(表)
・気管支炎・肺炎★
胸部 X線写真および身体所見による肺炎の重症度判定(表)/ 検査成績による肺炎の重症度判定(表)
市中肺炎
細菌性肺炎群と非定型肺炎群の鑑別(表)
院内肺炎
・気管支喘息急性増悪★
気管支喘息と心臓喘息の違い(表)/ 喘鳴の程度の表現(表)
喘息症状(急性増悪)の管理(治療)(表)
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)急性増悪★
COPD急性増悪患者の一般病棟入院の適応(表)
COPD急性悪化の ICU入室の適応(表)
COPD急性増悪患者の管理のためのフローチャート(図)
・気胸★
虚脱度の算出法(図)
・胸水,胸膜炎
漏出液と滲出液の鑑別(表)/ 滲出性胸水の鑑別(表)
・呼吸不全
低酸素血症の酸素投与法(図)
動脈血ガス分析のハンディルール(表)
・急性肺傷害・急性呼吸促迫症候群(ARDS)
・人工呼吸器
人工呼吸器の一般的適応基準/人工呼吸器の一般的初期条件/略語一覧
PaO2 を上げたいとき/PaCO2 を下げたいとき
自発呼吸で換気(PaCO2)が安定してきたとき/アラームへの対応/fighting時の対応
鎮静・鎮痛の判定基準(表)
鎮静・鎮痛に使用される薬物(表)
非侵襲的人工呼吸(NIPPV)
・SARSの初期対応
■消化器系
・嘔気,嘔吐
・下痢★
・細菌性食中毒(表)
・便秘★
・下血 ・腹痛
・急性腹症
腹痛部位と主な疾患(図)
・上部消化管出血
S-Bチューブ(図)
・急性胃・十二指腸粘膜病変(胃アニサキス症を含む)
・虫垂炎★
McBurney点と Lanz点(図)
イレウス
・上腸間膜動脈血栓症
・肝障害(肝炎★),肝不全
肝性昏睡の重症度分類(表)
・胆石症,胆道感染症★
急性膵炎
急性膵炎の臨床診断,重症度スコアとStage分類(表)
重症急性膵炎の ICUにおける集中治療(表)
■代謝系
・糖尿病性昏睡
アニオンギャップ(AG) 算出式/血漿浸透圧の予測式/鑑別のポイント(表)
低血糖
糖尿病性ケトアシドーシス
糖尿病性高浸透圧性非ケトン性昏睡
■腎・電解質異常
・血尿
・乏尿,無尿,尿閉
無尿(乏尿)の診断手順(図)
無尿(乏尿)の原因部位別検査所見(表)
・腎不全★
急性腎不全の尿所見からの鑑別(表)
緊急透析
・電解質異常
高 Na血症/高 Na血症(表)
低 Na血症
低 Na血症(表)
高K血症
血清K+異常時の ECG変化(図)
低K血症
高 Ca血症/高 Ca血症の症状と所見(表)
・アシドーシス,アルカローシス
動脈血液ガス分析法(表)
酸塩基平衡障害で予想される代償性変化(表)
酸塩基平衡障害判定のためのノモグラム(図)
呼吸性アシドーシス/呼吸性アルカローシス /代謝性アシドーシス
HCO3不足量算定式/代謝性アルカローシス
第4章 小児疾患
・発熱
・脱水★
脱水の重症度判定(表)
・下痢
病原性大腸菌O-157による出血性大腸炎
溶血性尿毒症症候群(HUS)
・嘔吐
年齢による嘔吐の鑑別(図)
・腹痛
・痙攣
・呼吸困難
・予防接種
ワクチン別の副作用の起こり方
・髄膜炎
・気管支喘息(喘息発作)★
・上気道炎★,扁桃炎,気管支炎★,肺炎,マイコプラズマ肺炎,百日咳
上気道炎(かぜ症候群)/扁桃炎/気管支炎,肺炎
マイコプラズマ肺炎
百日咳
・急性細気管支炎,クループ症候群(仮性クループ)★
急性細気管支炎/クループ症候群(仮性クループ)
・発疹,伝染性疾患
突発性発疹/突発性発疹の経過(図)
麻疹★/麻疹の経過(図)
風疹/風疹の経過(図)
水痘★/水痘の経過(図)/流行性耳下腺炎(ムンプス)
伝染性紅斑(りんご病)/伝染性単核症(EBウイルス感染症)/溶連菌感染症(猩紅熱)
手足口病/咽頭結膜熱(プール熱)
川崎病(MCLS)
・アセトン血性嘔吐症(自家中毒,周期性嘔吐症)
・異物誤飲
中毒情報センターの電話番号/気道異物/消化管異物
誤飲
・腸重積
・肘内障,ヘルニア嵌頓
肘内障/ヘルニア嵌頓
肘内障の整復法(図)
第5章 外傷・外科的処置
・受傷部位による観察ポイント
頭部外傷
顔面外傷
胸部外傷/腹部外傷
脊椎・四肢外傷
砂嚢固定(図)
切断指保存法(図)
・挫滅症候群(crush syndrome)
・創傷処置
止血,創傷の評価/洗浄,消毒による創の清浄化/De´bridement(壊死組織の切除)
Oberst麻酔法(図)/麻酔
縫合/縫合の仕方(図)
創の被覆・保護/感染予防
対症療法
・軟部組織感染症★
・咬傷,虫さされ
咬傷★/虫さされ
・熱傷
熱傷の重症度判定(表)/熱傷の深度の判定(表)