序
医療に携わるスタッフは,患者に安全な医療を提供するために,医療の質と安全を保つ努力を重ねている.WHOにより2011年に「The Multi-professional Patient SafetyCurriculum Guide」が発行された.医療安全管理学は,そうした医療スタッフの経験や知識を体系的に整理し,医学,心理学・人間工学・理工学などの多様な学問をも取り込んで研究をすることによって発展した安全な医療を実現するための学問である.当然ながら,各施設で医療を安全に行うためにさまざまな取組みをしているが,それらを学問体系にまで発展させまとめることは,経験の積み重ねや的確な分析,新しい医療における安全のための対応方法の検討などもあり簡単ではなかった.本書は,放射線診療における医療安全について記述された教科書であるが,その著者は,滋慶医療科学大学院大学,大阪大学医学部附属病院,大阪大学大学院,森ノ宮医療大学,京都府立医科大学附属病院,高清会高井病院放射線科,および都島放射線科クリニック看護部の各分野の専門家で構成されており,非常に優れた内容になっている.なお,患者被ばくについては放射線安全管理学という専門の科目が存在するため本書にはその内容は含まない.
医療安全管理学は,診療放射線技師を育成するうえで欠かせない学問であるのに,これまで,診療放射線技師養成指定校の必須単位ではなかった.しかしながら,平成27年4月1日施行の診療放射線技師法改正を受けて,厚生労働省は,診療放射線技師の責任および業務の範囲を理解し,感染管理および医療安全に配慮して,造影剤の投与など適切に検査に伴う行為ができる能力を身につけることを求めるとともに,造影剤の投与に伴う危険因子を認識し,特にアナフィラキシーなど重篤な合併症の発生時に適切に対処するため,速やかに医師等に連絡し,自らが一次救命処置を適切に実施できる能力を修得することを義務づけ,医療安全管理学を必要単位とするよう養成校に指示した.そこで,私たちは,医療安全管理学を体系的に整然と学べる教科書をまとめることにした.
このような背景のもと,本書「医療安全管理学」を発行することになったが,医療安全を統括する立場や日頃医療安全を守っている立場の先生方の多くの経験をふまえ,各モダリティ別の医療事故事例に対して,原因,対処,そして管理の方法などが論理的かつ具体的に述べられており,医療安全管理学の教育での使用はもとより,臨床現場のスタッフの方々にもぜひ読んでいただきたい本に仕上がっている.現在就学している学生諸君やすでに医療現場で働いている医療スタッフの皆様が真剣に医療安全管理学に向き合い学んでいくことは,医療安全を保つための最も効果的な方法の一つであり,医療安全管理学の発展にもつながっていくことと信じている.
2022年4月から診療放射線技師養成所指定規則が改正されるのに伴い,診療放射線技師教育における医療安全管理学が,現行の1単位から2単位に増える.さらに,実践臨床画像学という科目が加わり,安全管理に関する能力の実践的な学習が必修化される.これらから,診療放射線技師教育の中で,医療安全管理学の重みが増しているといえる.医療安全管理学は,医療の進歩に伴いアップデートが必要な科目といえる.初版から5年目となった本書は,日進月歩の医療現場で活躍する著者らにより,今の医療においても安心して使える本に改訂された.是非,多くの診療放射線技師と学生の皆様に活用して学んで頂き,安心安全な医療を提供して頂きたいと願っている.
2021年1月
大阪大学大学院教授
石田隆行
医療に携わるスタッフは,患者に安全な医療を提供するために,医療の質と安全を保つ努力を重ねている.WHOにより2011年に「The Multi-professional Patient SafetyCurriculum Guide」が発行された.医療安全管理学は,そうした医療スタッフの経験や知識を体系的に整理し,医学,心理学・人間工学・理工学などの多様な学問をも取り込んで研究をすることによって発展した安全な医療を実現するための学問である.当然ながら,各施設で医療を安全に行うためにさまざまな取組みをしているが,それらを学問体系にまで発展させまとめることは,経験の積み重ねや的確な分析,新しい医療における安全のための対応方法の検討などもあり簡単ではなかった.本書は,放射線診療における医療安全について記述された教科書であるが,その著者は,滋慶医療科学大学院大学,大阪大学医学部附属病院,大阪大学大学院,森ノ宮医療大学,京都府立医科大学附属病院,高清会高井病院放射線科,および都島放射線科クリニック看護部の各分野の専門家で構成されており,非常に優れた内容になっている.なお,患者被ばくについては放射線安全管理学という専門の科目が存在するため本書にはその内容は含まない.
医療安全管理学は,診療放射線技師を育成するうえで欠かせない学問であるのに,これまで,診療放射線技師養成指定校の必須単位ではなかった.しかしながら,平成27年4月1日施行の診療放射線技師法改正を受けて,厚生労働省は,診療放射線技師の責任および業務の範囲を理解し,感染管理および医療安全に配慮して,造影剤の投与など適切に検査に伴う行為ができる能力を身につけることを求めるとともに,造影剤の投与に伴う危険因子を認識し,特にアナフィラキシーなど重篤な合併症の発生時に適切に対処するため,速やかに医師等に連絡し,自らが一次救命処置を適切に実施できる能力を修得することを義務づけ,医療安全管理学を必要単位とするよう養成校に指示した.そこで,私たちは,医療安全管理学を体系的に整然と学べる教科書をまとめることにした.
このような背景のもと,本書「医療安全管理学」を発行することになったが,医療安全を統括する立場や日頃医療安全を守っている立場の先生方の多くの経験をふまえ,各モダリティ別の医療事故事例に対して,原因,対処,そして管理の方法などが論理的かつ具体的に述べられており,医療安全管理学の教育での使用はもとより,臨床現場のスタッフの方々にもぜひ読んでいただきたい本に仕上がっている.現在就学している学生諸君やすでに医療現場で働いている医療スタッフの皆様が真剣に医療安全管理学に向き合い学んでいくことは,医療安全を保つための最も効果的な方法の一つであり,医療安全管理学の発展にもつながっていくことと信じている.
2022年4月から診療放射線技師養成所指定規則が改正されるのに伴い,診療放射線技師教育における医療安全管理学が,現行の1単位から2単位に増える.さらに,実践臨床画像学という科目が加わり,安全管理に関する能力の実践的な学習が必修化される.これらから,診療放射線技師教育の中で,医療安全管理学の重みが増しているといえる.医療安全管理学は,医療の進歩に伴いアップデートが必要な科目といえる.初版から5年目となった本書は,日進月歩の医療現場で活躍する著者らにより,今の医療においても安心して使える本に改訂された.是非,多くの診療放射線技師と学生の皆様に活用して学んで頂き,安心安全な医療を提供して頂きたいと願っている.
2021年1月
大阪大学大学院教授
石田隆行
序(石田隆行)
第1編 医療安全総論
第1章 医療安全概論(江原一雅)
1)医療安全の基本
1-1)はじめに
1-2)医療における安全の歴史
2)ヒューマンエラーを防ぐ
2-1)報告・学習文化の醸成
2-2)スイスチーズモデル
2-3)認知心理学的アプローチによる失敗のタイプ分類
2-4)ヒューマンファクターズ―エラー発生,増強要因
2-5)エラーに対する防御機構と再発防止策
2-6)潜在的要因
3)チーム医療とノンテクニカルスキル
3-1)ノンテクニカルスキルとは
3-2)チームワークの訓練法―チームステップス
4)医療の質の評価と向上
4-1)医療の質とその評価
4-2)医療の質の向上策
4-3)質の向上のための前向きの取組み
第2章 医療事故とヒヤリ・ハット(土井 司)
1)医療に必要な人材
1-1)国が求める医療者
1-2)企業が求める人材
2)診療放射線技師の役割
3)放射線部における医療安全とは
3-1)安全とは
3-2)事故の原因
3-3)医療安全への姿勢
4)インシデントの実態
4-1)経験年数別エラーの発生件数
4-2)エラーの原因分析
5)インシデントを起こさないために
6)診療放射線技師に求められるスキル
6-1)患者サービス
6-2)求められる能力
6-3)医療人としての心得
7)医療安全への道
第3章 患者の権利とインフォームド・コンセント(土井 司)
1)患者の心理
2)患者の権利
3)患者に理解を得る説明
3-1)手術における説明と同意
3-2)CTやMRIなどの造影剤について
3-3)放射線部における診療放射線技師の説明
3-4)放射線検査のリスクとベネフィット
4)説明不足が招くトラブル
4-1)情報伝達と安心感
4-2)痛みの伝達
4-3)緊急ブザー
4-4)患者の不当な要求
5)最善の接遇とは
第4章 公衆衛生と衛生管理(長谷川多恵)
1)保健と福祉
1-1)疫学指標,健康指標
1-2)国による施策
2)産業保健
2-1)労働基準法
2-2)労働安全衛生法
3)感染症対策
3-1)感染症とは
3-2)感染症サーベイランス
3-3)院内感染対策
第5章 造影剤の薬理作用と副作用(山本浩一)
1)造影剤とは
2)造影剤の種類と特徴
2-1)X線造影剤
2-2)MRI造影剤
2-3)超音波造影剤
3)造影剤の化学的・物理的特徴
3-1)イオン性造影剤,非イオン性造影剤
3-2)モノマー,ダイマー
3-3)浸透圧
3-4)粘稠度
4)造影剤で生じる作用
4-1)主作用,副作用
4-2)即時型有害反応
4-3)血管外漏出,コンパートメント症候群
4-4)便秘
4-5)遅発型有害反応
4-6)造影剤腎症
4-7)腎性全身性線維症
4-8)造影剤脳症
5) その他有害反応が現れやすい条件・基礎疾患患者
5-1)脊髄腔造影検査での使用法における造影剤の危険性
5-2)経口糖尿病治療薬との併用
5-3)鎮痙剤との併用
5-4)鎮静剤との併用
5-5)局所麻酔薬との併用
第2編 モダリティ別各論
第1章 一般撮影系(山本由香理)
1)機器の始業点検・終業点検
2)スタッフコミュニケーション
3)患者確認
4)妊娠確認
5)胸部・腹部撮影
6)骨撮影
7)小児撮影
8)乳房撮影
9)病室・手術室(ポータブル)撮影
10)患者動作介助
第2章 血管系造影検査と血管系IVR(山口和也)
1)スタッフの医療安全
1-1)専門性の高い領域,かつ多職種でのチーム医療
1-2)職業感染対策
1-3)職業被ばく対策
2)患者の医療安全
2-1)血管造影・IVRの合併症,副作用など患者の容態急変に対処できる環境整備
2-2)血管系造影検査と血管系IVRの各ステップでの安全手順と留意点
2-3)患者観察,副作用と臨床症状
2-4)副作用・合併症発生時の対応
3)インシデント事例と対応
NOTE 国際放射線防護委員会
第3章 非血管造影検査系(非IVR含む)(前田大助,永吉 誠)
1)TV透視装置の動き
2) 非血管造影検査における診療放射線技師の役割
2-1)検査前
2-2)検査中
2-3)検査後
3)おもな非血管造影検査
3-1)気管支鏡下肺生検
3-2)中心静脈栄養ルート
3-3)脊髄腔造影
3-4)泌尿器系検査
3-5)非血管系IVR:肝胆道系ドレナージ,膿瘍腔ドレナージ,局所治療
4)事故事例,対処事例
第4章 消化器系透視検査系(長谷川浩典(1-3)除く),福地一樹(1-3)))
1)胃透視・注腸検査
1-1)バリウム投与
1-2)鎮痙薬
1-3)注腸検査用カテーテル
2)消化管内視鏡検査
2-1)鎮静薬投与下検査のリスク
2-2)気道確保困難の既往
2-3)身体的観察
2-4)リドカイン(キシロカイン(R))ショック
2-5)消化管穿孔
2-6)消化管出血
2-7)バルーン拡張術のリスク
2-8)金属ステント・金属クリップ
3)内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
4)イレウスチューブ留置
4-1)身体的情報
4-2)リドカイン(キシロカイン(R))ショック
4-3)イレウスチューブ
4-4)合併症
4-5)チューブアレルギー
5)経腸栄養チューブ留置
6)その他
6-1)術後解剖の熟知
6-2)身体拘束
6-3)トータルマネージメント
7)医療過誤裁判の事例
NOTE 添付文書の記載内容に反した診療行為は違法?
第5章 MRI検査(土井 司)
1)MR装置の安全基準
1-1)静磁場の安全規格
1-2)高周波磁場(ラジオ波)の安全規格
1-3)傾斜磁場の安全規格
1-4)騒音の安全規格
1-5)クエンチに関する安全基準
2)MR装置の原理に関わる危険性
2-1)静磁場による力学的作用
2-2)RFによる発熱
2-3)変動磁場による神経刺激
2-4)傾斜磁場コイルによる騒音
2-5)クエンチによる窒息
3)MRI検査の安全対策
3-1)環境整備
3-2)検査実施にかかわる確認
3-3)体内金属への対応
3-4)体外装着品
3-5)入室と撮影体位
3-6)MRI検査中の監視
3-7)妊娠
3-8)火災
4)MRI検査における安全管理の視点
第6章 CT検査(山口 功)
1)安全管理,危機管理
1-1)検査マニュアルの整備
1-2)患者誤認の防止対策
1-3)CT検査における安全対策
1-4)転倒・転落の防止対策
1-5)CT検査における感染対策
2)造影CT検査の安全対策
2-1)造影剤血管内投与の安全対策
2-2)インフォームドコンセントと危険因子の把握
2-3)即時性副作用,遅発性副作用の対策
2-4)ヨード造影剤との併用使用による薬剤の相互作用
2-5)血管留置カテーテル操作,静脈注射抜針
3)その他のCT検査で発生する有害事象
第7章 核医学検査(藤埜浩一)
1)管理区域における安全管理
1-1)管理区域内の放射線管理
1-2)放射性同位元素ならびに汚染物の取扱いに関する安全管理
2)核医学診断装置の安全管理
2-1)核医学診断装置の規格
2-2)検査中の患者の動きへの対応
3)放射性医薬品に関する安全管理
4)核医学検査システムにおける安全管理
4-1)誤投与防止のための安全管理
4-2)再発防止の観点に立った安全確認の見直し
5)まとめ
第8章 放射線治療(太田誠一)
1)放射線治療のプロセス
1-1)患者評価と治療方針の決定
1-2)放射線治療の管理
2)放射線治療のチーム医療
2-1)放射線腫瘍医の役割
2-2)医学物理士の役割
2-3)診療放射線技師の役割
2-4)看護師の役割
2-5)放射線治療チーム内での役割
3)放射線治療における安全とは
3-1)放射線治療における品質管理の体制
3-2)放射線治療の手順のリスク評価と対策
参考文献
索引
和文索引
欧文索引
第1編 医療安全総論
第1章 医療安全概論(江原一雅)
1)医療安全の基本
1-1)はじめに
1-2)医療における安全の歴史
2)ヒューマンエラーを防ぐ
2-1)報告・学習文化の醸成
2-2)スイスチーズモデル
2-3)認知心理学的アプローチによる失敗のタイプ分類
2-4)ヒューマンファクターズ―エラー発生,増強要因
2-5)エラーに対する防御機構と再発防止策
2-6)潜在的要因
3)チーム医療とノンテクニカルスキル
3-1)ノンテクニカルスキルとは
3-2)チームワークの訓練法―チームステップス
4)医療の質の評価と向上
4-1)医療の質とその評価
4-2)医療の質の向上策
4-3)質の向上のための前向きの取組み
第2章 医療事故とヒヤリ・ハット(土井 司)
1)医療に必要な人材
1-1)国が求める医療者
1-2)企業が求める人材
2)診療放射線技師の役割
3)放射線部における医療安全とは
3-1)安全とは
3-2)事故の原因
3-3)医療安全への姿勢
4)インシデントの実態
4-1)経験年数別エラーの発生件数
4-2)エラーの原因分析
5)インシデントを起こさないために
6)診療放射線技師に求められるスキル
6-1)患者サービス
6-2)求められる能力
6-3)医療人としての心得
7)医療安全への道
第3章 患者の権利とインフォームド・コンセント(土井 司)
1)患者の心理
2)患者の権利
3)患者に理解を得る説明
3-1)手術における説明と同意
3-2)CTやMRIなどの造影剤について
3-3)放射線部における診療放射線技師の説明
3-4)放射線検査のリスクとベネフィット
4)説明不足が招くトラブル
4-1)情報伝達と安心感
4-2)痛みの伝達
4-3)緊急ブザー
4-4)患者の不当な要求
5)最善の接遇とは
第4章 公衆衛生と衛生管理(長谷川多恵)
1)保健と福祉
1-1)疫学指標,健康指標
1-2)国による施策
2)産業保健
2-1)労働基準法
2-2)労働安全衛生法
3)感染症対策
3-1)感染症とは
3-2)感染症サーベイランス
3-3)院内感染対策
第5章 造影剤の薬理作用と副作用(山本浩一)
1)造影剤とは
2)造影剤の種類と特徴
2-1)X線造影剤
2-2)MRI造影剤
2-3)超音波造影剤
3)造影剤の化学的・物理的特徴
3-1)イオン性造影剤,非イオン性造影剤
3-2)モノマー,ダイマー
3-3)浸透圧
3-4)粘稠度
4)造影剤で生じる作用
4-1)主作用,副作用
4-2)即時型有害反応
4-3)血管外漏出,コンパートメント症候群
4-4)便秘
4-5)遅発型有害反応
4-6)造影剤腎症
4-7)腎性全身性線維症
4-8)造影剤脳症
5) その他有害反応が現れやすい条件・基礎疾患患者
5-1)脊髄腔造影検査での使用法における造影剤の危険性
5-2)経口糖尿病治療薬との併用
5-3)鎮痙剤との併用
5-4)鎮静剤との併用
5-5)局所麻酔薬との併用
第2編 モダリティ別各論
第1章 一般撮影系(山本由香理)
1)機器の始業点検・終業点検
2)スタッフコミュニケーション
3)患者確認
4)妊娠確認
5)胸部・腹部撮影
6)骨撮影
7)小児撮影
8)乳房撮影
9)病室・手術室(ポータブル)撮影
10)患者動作介助
第2章 血管系造影検査と血管系IVR(山口和也)
1)スタッフの医療安全
1-1)専門性の高い領域,かつ多職種でのチーム医療
1-2)職業感染対策
1-3)職業被ばく対策
2)患者の医療安全
2-1)血管造影・IVRの合併症,副作用など患者の容態急変に対処できる環境整備
2-2)血管系造影検査と血管系IVRの各ステップでの安全手順と留意点
2-3)患者観察,副作用と臨床症状
2-4)副作用・合併症発生時の対応
3)インシデント事例と対応
NOTE 国際放射線防護委員会
第3章 非血管造影検査系(非IVR含む)(前田大助,永吉 誠)
1)TV透視装置の動き
2) 非血管造影検査における診療放射線技師の役割
2-1)検査前
2-2)検査中
2-3)検査後
3)おもな非血管造影検査
3-1)気管支鏡下肺生検
3-2)中心静脈栄養ルート
3-3)脊髄腔造影
3-4)泌尿器系検査
3-5)非血管系IVR:肝胆道系ドレナージ,膿瘍腔ドレナージ,局所治療
4)事故事例,対処事例
第4章 消化器系透視検査系(長谷川浩典(1-3)除く),福地一樹(1-3)))
1)胃透視・注腸検査
1-1)バリウム投与
1-2)鎮痙薬
1-3)注腸検査用カテーテル
2)消化管内視鏡検査
2-1)鎮静薬投与下検査のリスク
2-2)気道確保困難の既往
2-3)身体的観察
2-4)リドカイン(キシロカイン(R))ショック
2-5)消化管穿孔
2-6)消化管出血
2-7)バルーン拡張術のリスク
2-8)金属ステント・金属クリップ
3)内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
4)イレウスチューブ留置
4-1)身体的情報
4-2)リドカイン(キシロカイン(R))ショック
4-3)イレウスチューブ
4-4)合併症
4-5)チューブアレルギー
5)経腸栄養チューブ留置
6)その他
6-1)術後解剖の熟知
6-2)身体拘束
6-3)トータルマネージメント
7)医療過誤裁判の事例
NOTE 添付文書の記載内容に反した診療行為は違法?
第5章 MRI検査(土井 司)
1)MR装置の安全基準
1-1)静磁場の安全規格
1-2)高周波磁場(ラジオ波)の安全規格
1-3)傾斜磁場の安全規格
1-4)騒音の安全規格
1-5)クエンチに関する安全基準
2)MR装置の原理に関わる危険性
2-1)静磁場による力学的作用
2-2)RFによる発熱
2-3)変動磁場による神経刺激
2-4)傾斜磁場コイルによる騒音
2-5)クエンチによる窒息
3)MRI検査の安全対策
3-1)環境整備
3-2)検査実施にかかわる確認
3-3)体内金属への対応
3-4)体外装着品
3-5)入室と撮影体位
3-6)MRI検査中の監視
3-7)妊娠
3-8)火災
4)MRI検査における安全管理の視点
第6章 CT検査(山口 功)
1)安全管理,危機管理
1-1)検査マニュアルの整備
1-2)患者誤認の防止対策
1-3)CT検査における安全対策
1-4)転倒・転落の防止対策
1-5)CT検査における感染対策
2)造影CT検査の安全対策
2-1)造影剤血管内投与の安全対策
2-2)インフォームドコンセントと危険因子の把握
2-3)即時性副作用,遅発性副作用の対策
2-4)ヨード造影剤との併用使用による薬剤の相互作用
2-5)血管留置カテーテル操作,静脈注射抜針
3)その他のCT検査で発生する有害事象
第7章 核医学検査(藤埜浩一)
1)管理区域における安全管理
1-1)管理区域内の放射線管理
1-2)放射性同位元素ならびに汚染物の取扱いに関する安全管理
2)核医学診断装置の安全管理
2-1)核医学診断装置の規格
2-2)検査中の患者の動きへの対応
3)放射性医薬品に関する安全管理
4)核医学検査システムにおける安全管理
4-1)誤投与防止のための安全管理
4-2)再発防止の観点に立った安全確認の見直し
5)まとめ
第8章 放射線治療(太田誠一)
1)放射線治療のプロセス
1-1)患者評価と治療方針の決定
1-2)放射線治療の管理
2)放射線治療のチーム医療
2-1)放射線腫瘍医の役割
2-2)医学物理士の役割
2-3)診療放射線技師の役割
2-4)看護師の役割
2-5)放射線治療チーム内での役割
3)放射線治療における安全とは
3-1)放射線治療における品質管理の体制
3-2)放射線治療の手順のリスク評価と対策
参考文献
索引
和文索引
欧文索引














