やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第2版の序
 近年,医療施設における,いわゆる「チーム医療」の重要性が唱えられ,診療放射線技師には画像検査について,より高度な知識・能力が要求されるようになっている.多くの読者より,このような医療環境の急速な展開と,画像技術の高度な発達に合わせた,本書の改訂を強く要望されていた.今回,石田隆行教授(大阪大学大学院医学系研究科)が参加し,本書の企画・編集をした.本書の伝統である「中身が濃く,レベルが高い」は維持しており,新たに「眼底検査装置」を加え,診療画像機器のほぼすべてを記述している.
 なお,内視鏡検査は診療放射線技師の担当職務ではない.しかし,消化管造影写真を見ながら内視鏡検査をする,あるいは,この逆を実施して,より正確で深い診断をすることが普遍的に行われている.診療放射線技師は内視鏡検査の装置,画像,手法を理解しておくことが望まれる.また,診療放射線技師の職務に「眼底検査装置」が指定されており,国家試験にも出題されている.これについては本書で新たに執筆されているので,ご参照願いたい.
 近年,放射線技術を学ぶ学生が大学院に進学し,または企業に就職して,画像診断法や診療画像機器の開発・研究を目指す例が増加している.また,医療福祉工学部など,医療技術者の育成を専門とする工学系の設置も増えている.これらの施設で学ぶ学生は,ぜひ,新医用放射線科学講座「医用画像工学」を併せて読み,診療画像機器全般の物理と工学を身につけていただきたい.
 「医療専門学校では本書のレベルが高すぎ,教員・学生ともども消化しきれない」と言う声に配慮して平易にした.診療画像技術の拡大と進歩は大学・企業の研究者,医療関係者も驚くほど早い.本書を読まれた読者には,記述が古く適切さを欠くと感じる箇所もあると思われる.ご指摘いただき,本書をより良いものにして行きたいと切望している.
 2016 年7月
 岡部哲夫


 1997 年10 月に発行した「放射線診断機器工学」(医用放射線科学講座・第13 巻)は,幸いにして多くの医療系大学,医療専門学校で教科書に採用していただき,毎年,増刷を重ねて,2003 年4 月には第2 版を出版した.教員,学生,読者の皆様に深く御礼申し上げる.今回,改訂版を出版するにあたり,新・医用放射線科学講座「診療画像機器学」と改題した.これは,厚生労働省が実施する診療放射線技師資格の国家試験で,「放射線診断機器工学」が「診療画像機器学」に変更されたのに対応したものである.
 近年,医療施設における,いわゆる「チーム医療」の重要性が唱えられ,診療放射線技師には画像検査について,より高度な知識・能力が要求されるようになっている.多くの読者より,このような医療環境の急速な展開と,画像技術の高度な発達に合わせた,本書の改訂を強く要望されていた.今回,気鋭の小倉敏裕教授(群馬県立県民健康科学大学)が参加し,本書の企画・編集をした.本書の伝統である「中身が濃く,レベルが高い」は維持しており,新たに「IVR」と「内視鏡検査装置」を加え,診療画像機器のほぼすべてを記述している.
 なお,内視鏡検査は診療放射線技師の担当職務ではない.しかし,消化管造影写真を見ながら内視鏡検査をする,あるいは,この逆を実施して,より正確で深い診断をすることが普遍的に行われている.診療放射線技師は内視鏡検査の装置,画像,手法を理解しておくことが望まれる.また,診療放射線技師の職務に「眼底検査装置」が指定されており,国家試験にも出題されている.これについては医用放射線科学講座・第12 巻「医用工学」第2 版(岡部ほか編)に詳述しているので,ご参照願いたい.
 近年,放射線技術を学ぶ学生が大学院に進学し,または企業に就職して,画像診断法や診療画像機器の開発・研究を目指す例が増加している.また,医療福祉工学部など,医療技術者の育成を専門とする工学系の設置も増えている.これらの施設で学ぶ学生は,ぜひ,医用放射線科学講座・第12 巻「医用工学」,第14 巻「医用画像工学」を併せて読み,診療画像機器全般の物理と工学を身につけていただきたい.
 「医療専門学校では本書のレベルが高すぎ,教員・学生ともども消化しきれない」と言う声に配慮して平易にした.診療画像技術の拡大と進歩は大学・企業の研究者,医療関係者も驚くほど早い.本書を読まれた読者には,記述が古く適切さを欠くと感じる箇所もあると思われる.ご指摘いただき,本書をより良いものにして行きたいと切望している.
 2008 年8月
 岡部哲夫
第1編 画像診断装置
第1章 画像診断装置の概要
 1 はじめに(岡部哲夫)
 2 画像診断装置の発展(稲本一夫)
   1)レントゲンのX線発見
   2)軍陣医学でのX線の利用
   3)結核対策,間接撮影の出現
   4)胃癌対策,X線テレビの出現
   5)X線CTの出現
   6)MRI
   7)分子イメージング・PETの登場
   8)CADの出現
   9)電子カルテの出現
   10)将来の予測
 3 規格,関連法規(細羽実)
  1.はじめに
  2.医療機器と法規制
  3.プログラム医療機器
  4.画像品質の維持と安全性を確保する規格,ガイドライン
   1)画像診断機器の品質維持の規格
   2)画像表示装置の品質管理
  5.画像情報の安全管理
   1)医療情報システムの安全管理に関するガイドラインの構成
   2)電子保存
   3)運用管理について
第2章 一般X線撮影装置
 1 はじめに(小倉敏裕)
 2 汎用撮影装置
 3 胸部撮影装置
 4 腹部撮影装置
 5 小児用撮影装置(上原真澄)
 6 頭部専用撮影装置
第3章 消化管透視撮影装置
 (田中秀明)
 1 概要
 2 装置構成
   1)透視撮影台
   2)天板
   3)スポット撮影装置(速写撮影装置)
   4)デジタルラジオグラフィ装置(TVカメラ,FPD,画像処理装置)
   5)X線管およびX線可動絞り
 3 透視撮影装置の分類
  1.近接式透視撮影装置と遠隔式透視撮影装置
   1)近接式透視撮影装置
   2)遠隔式透視撮影装置
  2.オーバーテーブルチューブタイプとアンダーテーブルチューブタイプ
   1)オーバーテーブルチューブタイプ
   2)アンダーテーブルチューブタイプ
  3.多方向タイプ
 4 透視撮影装置のおもな動作
 5 今後の展望
第4章 消化管内視鏡検査装置
 1 内視鏡の原理と種類(小井戸薫雄)
 2 内視鏡検査の特徴,利点
  1.上部消化管用内視鏡
  2.下部消化管用内視鏡
  3.超音波内視鏡
  4.内視鏡治療
  5.内視鏡画像ファイリング
  6.内視鏡検査の課題と問題点
   1)消毒
   2)偶発症
  7.インフォームドコンセント
  8.最近の内視鏡診断の話題
 3 X線造影検査との比較
  1.胃腫瘍性病変におけるX線造影検査との比較
  2.胃炎症性病変におけるX線造影検査との比較
  3.H.pylori陽性胃炎におけるX線造影検査との比較
  4.大腸腫瘍性病変におけるX線造影検査との比較
  5.食道腫瘍におけるX線造影検査との比較
  6.小腸癌におけるX線造影検査との比較
  7.胆膵におけるさまざまなモダリティを用いた検査(小倉敏裕)
第5章 循環器撮影装置
 1 装置の構成と種類(佐藤直高)
  1.頭部用システム
  2.腹部用システム
  3.心血管用システム
  4.四肢用システム
 2 X線装置
  1.X線管
  2.高電圧発生装置
 3 X線映像装置
  1.平面検出器(FPD)を用いた撮像系
  2.イメージインテンシファイアを用いた映像系
 4 X線機械装置
  1.撮影系保持装置
  2.循環器用X線撮影台
 5 DF装置
 6 デジタルサブトラクションアンギオグラフィ(DSA)
 7 IVR(インターベンショナルラジオロジー)(田島廣之)
  1.血管系IVR
   1)薬剤の局所投与,血栓の破砕吸引,ポート
   2)血管塞栓術
   3)血管形成術・弁形成術
   4)その他の血管系IVR
  2.非血管系IVR
   1)生検(バイオプシ)
   2)エタノール治療,ラジオ波治療,凍結治療
   3)ドレナージ
   4)ステント
   5)その他
 8 付属装置(佐藤直高)
  1.造影剤自動注入器(インジェクタ)
  2.心電図モニタ,圧記録機器
  3.麻酔器,吸引装置,除細動装置
 9 最近のX線システム
第6章 特殊X線撮影装置
 1 外科用X線装置(山岸順一,川又雅次)
  1.はじめに
  2.用途
   1)整形外科領域
   2)整形外科以外の領域
  3.構成
   1)基本構成
   2)組み合わせ装置
  4.各部の仕様・性能
   1)X線発生装置
   2)X線制御装置
   3)移動形本体
   4)I.I. およびTV装置
   5)画像メモリ装置
   6)ほかの媒体への記録装置
   7)カセッテホルダおよび撮影用ハンドスイッチ
   8)透視用スイッチ
   9)手術室以外で外科用X線装置を使用する場合のスイッチ(遠隔操作用スイッチ)
   10)モニタ台車
   11)DSA機能付き外科用X線装置
  5.環境条件
   1)電源条件
   2)周囲条件
  6.装置使用上の注意
  7.今後の動向
 2 乳房用X線装置(根岸徹)
  1.乳房用X線装置の物理的特性
  2.乳房用X線装置の構成
  3.乳房用X線装置のX線管の特性
  4.付加フィルタ
  5.圧迫器
  6.撮影台(カセッテホルダと運動グリッド,自動露出機構)
  7.画像受像部
   1)増感紙-フィルム系
   2)デジタル系
  8.乳房用X線装置の精度管理
   1)日常の精度管理(画像評価)
   2)1 年ごと精度管理
  9.最新の撮影技術
   1)位相コントラストマンモグラフィ(PCM)
   2)tele-mammography
 3 トモシンセシス(五味勉)
  1.概要と装置構成
  2.画像再構成法
   1)フィルタ補正逆投影法(FBP)
   2)逐次近似再構成法(IR)
  3.画質特性
   1)アーチファクト
   2)振角と画像コントラストの関係
 4 泌尿器科・産婦人科専用装置(上原真澄)
 5 歯科専用撮影装置
  1.歯科用X線装置
  2.回転式パノラマX線撮影装置
第7章 X線CT装置
 1 X線CTの原理(市川勝弘)
  1.X線CT装置の開発
  2.X線CT装置の原理
   1)線減弱係数と投影
   2)画像再構成
 2 X線CT装置の基本構成
  1.ガントリ
  2.X線制御
   1)CT-AEC
   2)beam shaping filter
   3)コリメータ
  3.寝台システム
  4.オペレーションコンソール
  5.再構成演算ユニット
 3 X線CT画像
  1.画像の仕様
  2.人体のCT値
  3.CT画像の表示
  4.アーチファクト
   1)CT値の正確性に関するアーチファクト
   2)被写体に起因するアーチファクト
   3)装置不良によるアーチファクト
   4)装置の限界によるアーチファクト
   5)再構成法に起因するアーチファクト
 4 ヘリカルスキャン
  1.補間再構成法
   1)360°補間再構成法
   2)180°補間再構成法
   3)ボリュームデータの取得
   4)ピッチファクタ
   5)ヘリカルスキャンの画質
 5 マルチスライスCT装置
  1.マルチスライスCT装置の開発
  2.マルチスライスCT装置の検出器
 3.180°補間再構成
 重み付け補間処理
  4.コーン角の補正
  5.マルチスライスCTの画質
   1)ピッチファクタの影響
   2)effective mAs
   3)コンベンショナルスキャンとの比較
   4)アーチファクト
 6 特殊撮影
  1.心臓CT
   1)撮影システム
   2)時間分解能の向上
   3)dual source CT
  2.デュアルエネルギーCT
 7 X線CT装置の品質管理
  1.始業点検と終業点検
  2.品質管理ガイドライン
   1)受入試験
   2)不変性試験
 8 その他のCT装置
  1.FPDを用いたCT装置
   1)スキャンと再構成
   2)歯科用コーンビームCT
   3)血管造影撮影装置
  2.マイクロフォーカスCT装置
 9 コーンビームCT(馬場理香)
  1.概要
  2.コーンビームCT画像再構成演算
   1)概要
   2)投影補正処理
   3)三次元画像再構成処理
   4)180°再構成処理
   5)トモシンセシス処理
   6)サブトラクション処理
  3.技術課題と開発
   1)概要
   2)コーン角
   3)投影数
   4)はみ出し
   5)散乱X線
  4.装置構成と臨床画像例
 10 CTコロノグラフィ(小倉敏裕)
第8章 MRI装置
 1 はじめに(高橋哲彦)
 2 NMRの原理
  1.原子とプロトン
  2.縦磁化と緩和
  3.歳差運動
  4.核磁気共鳴
  5.高周波電流と高周波磁場
  6.横磁化と緩和
  7.空間選択
  8.MRIの手順
  9.画像コントラスト
   1)自由誘導減衰(FID)
   2)プロトン密度(PD)強調コントラスト
   3)T2強調コントラスト
   4)T1強調コントラスト
   5)化学シフトと信号コントラスト
   6)分子拡散と画像コントラスト
   7)スペクトロスコピー
 3 画像形成方法
  1.スライス方向の空間選択
  2.周波数エンコード
  3.リフェイズとディフェイズ
  4.位相エンコード
  5.k空間
   1)k空間の説明
   2)k空間軌跡
  6.パルスシーケンス
   1)グラディエントエコーシーケンス
   2)スピンエコーシーケンス
   3)その他のパルスシーケンス
  7.三次元撮像
  8.画像のSN比
 4 臨床用ヒトMRI装置
  1.静磁場強度
   1)SN比
   2)T1値/T2値/T2
 *値
   3)SAR
   4)磁場強度ごとの装置の特徴
  2.静磁場磁石
   1)常電導磁石
   2)永久磁石
   3)超電導磁石
  3.装置形状
   1)オープン型
   2)クローズ型
   3)その他の形状
 5 MRIの基本構成と動作
  1.MRIの基本構成
  2.UI制御・画像処理部
  3.計測制御部
  4.RFチェイン
   1)RF送信部
   2)RF受信部
  5.傾斜磁場コイル
 6 MRIの画質(宮地利明)
  1.コントラスト
   1)スピンエコーのコントラスト
   2)グラディエントエコーのコントラスト
   3)他のパルスシーケンスのコントラスト
  2.分解能
  3.信号雑音比
  4.アーチファクト
   1)動きのアーチファクト
   2)折り返しアーチファクト(エイリアシングアーチファクト,フォールディングオーバーアーチファクト)
   3)データ打ち切り(トランケーション)アーチファクト(ギブスアーチファクト,リンギング)
   4)金属アーチファクト
   5)化学(ケミカル)シフトアーチファクト
   6)磁化率アーチファクト
   7)パーシャルボリューム効果
   8)マジックアングルアーチファクト
   9)装置およびパルスシーケンスによるアーチファクト
  5.ひずみ,均一性
  6.撮像時間
   1)マルチスライス
   2)位相エンコードラインのデータ収集の削減
   3)高速シーケンス
   4)パラレルイメージング
  7.画質評価法
   1)画質評価の目的
   2)画像信号雑音比の評価
   3)画像均一性の評価
   4)コントラスト雑音比の評価
 7 MRアンギオグラフィ
  1.MRアンギオグラフィの種類
  2.TOF-MRアンギオグラフィ
  3.PC-MRアンギオグラフィ
  4.造影MRアンギオグラフィ
  5.SSFP-MRアンギオグラフィ
  6.位相分散による信号損失
  7.速度補正用の傾斜磁場
 8 ファンクショナルMRI
  1.血流動態
   1)造影剤を使用する方法
   2)造影剤を使用しない方法
  2.分子拡散
  3.磁化移動
  4.代謝
  5.弾性
  6.温度
第9章 核医学診断装置
 1 はじめに(村瀬研也)
 2 核医学診断装置の歴史
 3 シンチレーション検出器
  1.原理
  2.シンチレータ
  3.光電子増倍管
  4.波高(エネルギー)分析器
 4 半導体検出器
 5 試料測定装置
 6 体外計測用機器
  1.シンチレーションカメラ
  2.コリメータ
   1)平行多孔コリメータ
   2)ピンホールコリメータ
   3)コンバージング(収束多孔)コリメータ
   4)ダイバージング(拡散多孔)コリメータ
   5)スラントホールコリメータ
   6)ファンビームコリメータ
   7)コーンビームコリメータ
  3.多結晶型ガンマカメラ
  4.ホールボディスキャナ(全身イメージング装置)
 7 SPECT装置
  1.ガンマカメラ回転型SPECT装置
  2.リング型SPECT装置
  3.多検出器型SPECT装置
 8 ポジトロン核種用SPECT装置
 9 半導体SPECT装置
 10 SPECT-CT装置
 11 PET装置
  1.原理
  2.装置
  3.三次元PET
 12 サイクロトロン
 13 画像再構成法
  1.SPECTにおける減弱補正
   1)均一減弱補正法
   2)不均一減弱補正法
  2.PETにおける減弱補正
  3.SPECTにおける散乱線補正
   1)デコンボリューション法
   2)エネルギーウインドウ法
   3)トランスミッション法
  4.PETにおける散乱線補正
  5.SPECTにおける空間分解能補正
 14 核医学診断装置の品質管理
  1.ガンマカメラの品質管理
  2.SPECT装置の品質管理
  3.PET装置の品質管理
 15 PET-CT・MRの事情(高橋康幸)
  1.PET-CT装置
  2.PET-MR装置
第10章 超音波診断装置
 1 超音波の生体特性(平間信)
  1.生体内音速と波長
  2.超音波の伝搬特性
  3.超音波の反射と散乱
  4.超音波の減衰
 2 超音波画像診断装置の特徴と限界
 3 超音波画像診断装置
  1.原理
  2.超音波の走査方法
   1)機械走査
   2)電子走査
   3)機械走査と電子走査の比較
  3.超音波診断装置の性能
 4 超音波ドプラ法
  1.超音波ドプラ法
  2.カラードプラ断層法
   1)概要
   2)応用
 5 超音波画像のアーチファクト
 6 プローブと臨床応用(石蔵文信)
  1.一般的なプローブの種類
   1)リニアプローブ
   2)コンベックスプローブ
   3)セクタプローブ
  2.特殊なプローブ
   1)経食道プローブ
   2)経直腸・経腟プローブ
   3)穿刺用プローブ
   4)胎児3Dエコー
  3.よりよい画像を得るための技術
   1)単結晶
   2)ハナフィレンズを用いた音場の均一化
   3)マトリックス振動子を用いた音場の均一化
   4)マトリックス振動子を用いた三次元画像
 7 新手法
  1.コントラスト技術
   1)基本的な技術(セカンドハーモニック法)
   2)高音圧で用いられる技術(1.5 ハーモニック法とウルトラハーモニック法)
   3)低音圧で用いられる技術(パルスインバージョン法)
   4)腹部での造影法(マイクロフローイメージング)
  2.心機能の新しい評価法
   1)ストレイン法
   2)ベロシティベクターイメージング(VVI)
  3.その他の新技術
   1)画像コンパウンド(複合)技術
   2)組織の硬さの表示:エラストグラフィ
   3)血管の観察:高周波プローブの開発と動脈硬化の測定
   4)ポータブルエコーの登場
 8 超音波診断の安全性(平間信)
 9 超音波診断機器の将来
第11章 眼底検査装置
 (根岸徹)
 1 眼底検査装置の種類
 2 眼底撮影装置の構造
 3 無散瞳眼底撮影装置で得られる正常画像とアーチファクト
第2編 基礎技術
第1章 X線の物理
 (松本政雄)
 1 X線の発生
  1.X線の発生
  2.X線の発生効率
  3.特性X線
  4.連続X線
 2 X線の減衰
  1.X線撮影系での減弱
  2.指数関数の法則と減弱係数
  3.X線スペクトルの減弱
  4.照射線量減弱曲線と半価層
 3 X線像の形成
  1.X線による画像の形成
   1)増感紙-フィルム系の画像形成
   2)散乱X線の影響
  2.画像の幾何学的形成
   1)画像の拡大
   2)画像のひずみ
第2章 X線管装置と付属器具
 1 X線管装置(小蛹c二)
  1.X線の発生と熱電子
  2.X線管の歴史
  3.診断用X線管の構造
   1)固定陽極X線管
   2)回転陽極X線管
   3)X線管装置の構成
  4.X線管の特性
   1)焦点の形成とその測定
   2)X線の放射強度分布
   3)X線管の管電流特性
   4)焦点外X線
  5.許容負荷と熱容量
   1)X線管と熱
   2)許容負荷
   3)短時間負荷
   4)長時間負荷
   5)混合負荷
   6)CT負荷
   7)負荷による焦点面荒れ
 2 新しい動向
 3 付属機器(絞り)
  1.X線装置用可動絞り
   1)透視時のX線照射野
   2)焦点外X線
   3)固有ろ過と付加フィルタ
  2.CT装置用可動絞り
 4 散乱X線除去用グリッド(小倉敏裕)
  1.固定グリッド
  2.運動グリッド
  3.グリッドの構造
   1)グリッド密度
   2)グリッド比
   3)集束距離
  4.グリッドの物理的特性・性能
第3章 X線高電圧装置
 (堂本拓哉)
 1 はじめに
  1.X線高電圧装置とは
  2.用語の説明
  3.X線高電圧装置に要求されること
   1)性能
   2)小型であること
   3)省資源化
  4.X線高電圧装置の種類と用途
   1)X線高電圧装置の種類
   2)おもな用途と変遷
 2 変圧器式X線高電圧装置
 1.2 ピーク形X線高電圧装置
   1)高電圧発生の原理と基本回路
   2)高電圧発生装置
   3)X線制御装置
   4)2 ピーク形装置の特性
 2.6 および12 ピーク形X線高電圧装置
   1)高電圧発生の原理
   2)全体構成
   3)高電圧発生装置
   4)X線制御装置
   5)12 ピーク形装置の特性
  3.定電圧式X線高電圧装置
 3 コンデンサ式X線高電圧装置
  1.高電圧発生装置
   1)高電圧発生の原理
   2)高電圧充電回路
   3)X線のばく射と遮断
  2.制御装置
   1)mAsとX線量の関係
   2)ばく射時間と特性
 4 インバータ式X線高電圧装置
  1.概要
  2.インバータ式X線高電圧装置に必要な技術
   1)電力の変換と制御
   2)高電圧変圧器
   3)X線管電圧,管電流の制御
  3.変圧器形インバータ式X線高電圧装置
   1)共振形(周波数固定位相差制御方式)
   2)共振形(周波数可変制御方式)
   3)非共振形
  4.エネルギー蓄積形インバータ式X線高電圧装置
   1)蓄電池エネルギー蓄積形
   2)コンデンサエネルギー蓄積形
  5.インバータ式X線高電圧装置の特性と特徴
 5 新しい動向
  1.高電圧パワー半導体スイッチによる高速パルス透視システム
   1)高速パルス透視システムの構成と動作
   2)高電圧パワー半導体スイッチの構造
   3)特性
  2.今後の展望
第4章 自動露出制御装置と操作パネル
 (堂本拓哉)
 1 自動露出制御装置
  1.概要
  2.原理
   1)フォトタイマの原理
   2)X線テレビシステム用自動露出制御装置の原理
  3.センサ
   1)センサの種類
   2)光電子増倍管とその特性
   3)センサの位置による分類
   4)センサの形状による分類
  4.自動露出制御装置の各種特性とその補正
  5.用途による特殊性
   1)一般撮影用
   2)断層撮影用
   3)消化器用
   4)循環器用
   5)乳房撮影用
 2 操作パネル
  1.概要
  2.おもな操作器とその機能
  3.操作卓の形状
  4.プログラム撮影機能
  5.制御回路
  6.用途と特徴
   1)一般撮影用システム
   2)X線テレビシステム
   3)循環器システム
   4)多目的システム
第5章 デジタル一般X線撮影装置
 1 FPD方式(田中利恵)
  1.概要
   1)歴史
   2)FPD方式撮影装置の基本構成
  2.システム構成と運用方法
   1)装置の種類
   2)検査システムの構築
   3)ワークフロー(仕事の流れ)
  3.撮影から画像表示まで
   1)画像の物理特性
   2)線量指標(EI)による画質・線量管理
   3)画像処理
  4.臨床応用
   1)FPDシステムによる長尺撮影
   2)エネルギーサブトラクション
   3)グリッドレス撮影(散乱線補正処理)
   4)骨陰影低減処理
   5)コンピュータ支援診断
  5.将来展望
 2 CR方式(荒川哲)
  1.デジタル画像の特徴
   1)デジタル画像
   2)標本化
   3)量子化
  2.CRの原理
   1)CRの構成
   2)情報伝達特性
   3)読み取りシステムの構成要素
  3.画質特性
   1)画像形成過程と画質決定要因
   2)周波数応答特性の決定要因
   3)ノイズ特性の決定要因
  4.CRシステムの高画質化技術
   1)両面集光IP読み取りを用いた高画質化
   2)CRマンモグラフィへの高画質化
 3 CRとFPDの画質特性(石田隆行)
  1.はじめに
  2.デジタル画像の画質特性
   1)コントラスト
   2)解像特性
   3)雑音特性
   4)DQE
  3.CRとFPDの画質特性
  4.まとめ
第6章 デジタルX線テレビ装置
 (鈴木克己)
 1 はじめに
 2 イメージインテンシファイアを用いた装置
  1.システム構成
  2.イメージインテンシファイア
  3.CCDカメラ
  4.光学系
  5.総合特性
   1)MTF
   2)SN比
  6.画像処理装置
   1)基本仕様
   2)画像処理
  7.臨床画像
 3 X線平面検出器を用いた装置
  1.FPD
  2.FPDの特徴
  3.FPDを使用するための固有の技術
  4.総合特性
   1)MTF
   2)SN比
  5.画像処理装置
  6.臨床画像
第7章 画像センサと表示装置
 1 増感紙-フィルム系(小倉敏裕)
  1.増感紙
  2.X線フィルム
  3.増感紙-フィルム系を用いたセンサ(カセッテ)
  4.感光材料による不鋭と粒状性
 2 イメージングプレート(IP)(鈴木英幹)
  1.輝尽性蛍光体
  2.IPの種類と用途
  3.IPの構造
  4.IPの発光特性
   1)発光スペクトルと発光寿命
   2)輝尽スペクトル
   3)リニアリティ
   4)フェーディング
   5)消去
   6)自然環境放射線の影響
  5.画質に影響を与えるIP因子
   1)蛍光体層内でのレーザー光の広がり
   2)X線量子ノイズ
   3)光量子ノイズ
   4)IPの構造ノイズ
  6.輝尽性蛍光体およびIP関連技術の進展
   1)14 面体粒子BaFX:Eu蛍光体
   2)両面集光IP読み取りシステム
   3)CsBr:Eu柱状結晶を用いたIP
  7.今後の展望
 3 X線平面検出器(FPD)(山ア達也)
  1.はじめに
  2.FPDの歴史
  3.液晶ディスプレイとFPD
  4.FPDに要求される仕様
  5.間接型FPDの原理と特徴
  6.直接的FPDの原理と特徴
  7.間接型FPDと直接的FPDの検出器比較
  8.a-SiTFT基板の動作原理
  9.FPDの性能
   1)分光感度
   2)階調度
   3)コントラスト比
   4)鮮鋭度
   5)ノイズ(粒状性)
   6)DQE
  10.今後のFPD
 4 X線イメージインテンシファイア(X線I.I.)(遠藤哲朗)
  1.X線I.I. の種類
  2.構造と動作原理
   1)入力面
   2)電子レンズ
   3)出力面
  3.性能
   1)変換係数(Gx)
   2)解像度
   3)コントラスト比(CR)
   4)量子検出効率(DQE)
   5)像ひずみ
  4.まとめ
 5 撮像管(小倉敏裕)
  1.撮像管から個体撮像素子への変化
  2.今まで使用されてきた代表的な撮像管
  3.撮像管の利用
 6 CCD(電荷結合素子)(中村正)
  1.CCDの原理
  2.CCD撮像素子の種類と特徴
  3.CCDの諸特性
   1)感度
   2)信号雑音比(SN比)
   3)解像度特性
   4)垂直スミア特性
  4.医用画像機器への応用
   1)高精細I.I.-DR用CCD
   2)CCD以外の素子
 7 液晶ディスプレイ(橋本憲幸)
  1.液晶パネルの構造
  2.液晶パネルの動作
  3.液晶ディスプレイの構成
  4.液晶ディスプレイの特性
   1)輝度
   2)GSDF
   3)視野角,応答速度
   4)アーチファクト
  5.画質
   1)サイズ,解像度,粒状性
   2)輝度,コントラスト,階調
   3)輝度・色度均一性

 参考文献
 索引
  和文索引
  欧文索引
 執筆分担一覧