やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

特集にあたって
 リハビリテーション診療では,多くの職種がかかわりチームを形成して治療にあたる.リハビリテーション科医師は,その中で舵取り役として,チームが最大の力を発揮できるようにマネージメントをする.そのためにカンファレンスは重要な役割を果たす.
 リハビリテーション専門職種が参加するカンファレンスの種類は,他科との合同カンファレンス,病棟全体のカンファレンス,新入院カンファレンス,各患者のチームカンファレンス等臨床のカンファレンス,さらには教育や研究,管理のためのカンファレンス等,実に多種多様である.カンファレンスの目的,構成メンバー,進め方,課題等は各施設で試行錯誤して実践している状況であり,他の施設がどのような取り組みをしているかは見えにくい.今回,第一線で活躍されている執筆陣にそれぞれの病院において実践されているカンファレンスの内容や取り組みについてご紹介いただき,読者の日常臨床の一助としていただくことを目的として,本特集を企画した.
 本特集の内容からは各施設において,内容の充実したカンファレンスを行うために実にさまざまな取り組みがなされていることがわかる.人員構成や時間割等のシステムレベル,ICT等の活用等のテクニカルレベル,マニュアルや動画ツール等の教育システム等,その工夫は多岐にわたる.また,カンファレンスのあり方が画一的ではないということも改めてうかがい知ることができる.
 本特集が,各施設におけるカンファレンスを振り返るきっかけとなり,よりよいカンファレンス実践による業務の改善につながれば幸いである.
 (編集委員会)
特集 リハビリテーションカンファレンス:実践例を通じて
 特集にあたって
 リハビリテーションにおけるカンファレンス再考 千手佑樹 大高洋平
 大学病院におけるカンファレンス 川上途行 紙本貴之・他
 特定機能病院リハビリテーション病棟におけるカンファレンス 宮田隆司 下堂薗 恵
 急性期・回復期リハビリテーション併設型病院におけるカンファレンス 小口和代 竹尾淳美・他
 脳神経疾患専門病院におけるカンファレンス 松浦大輔
 回復期リハビリテーション病棟におけるカンファレンス 菅原英和
 コラム:新しい多職種コミュニケーションの流れ 永田智子

新連載
オンライン診療とリハ
 1.遠隔医療の基本 長谷川高志

リハビリテーション医学・医療の歴史秘話“あの時なにが?”
 1.リハビリテーション専門医制度 里宇明元

連載
パラアスリートに聞く パラスポーツとの出会い
 第5回 田千明選手(陸上競技)

リハビリテーション医療におけるACP―治らないかもしれない障害をもつ患者に対応する―
 8.COPD 桂 秀樹 松崎恵子・他

ニューカマー リハ科専門医
 佐藤智史

リハビリテーションと薬剤
 19.リハビリテーションにおける疾患・病態に応じた薬剤管理:(3)運動器疾患 中村直人

知っておきたい神経科学のキィワード
 11.プリズム適応の基礎とその応用 辻本憲吾 水野勝広

リハビリテーションスタッフがかかわるチーム医療最前線
 21.弘前大学医学部附属病院における多職種チーム医療によるスポーツ傷害予防・治療 津田英一

回復期・生活期リハビリテーション医療に必要な内科的管理
 10.うつ病,食欲不振,不眠 青蛛@潤 勝谷将史

学会報告
 第6回 日本リハビリテーション医学会秋季学術集会“Diversity and Inclusion”はリハビリテーション医学の魅力 橋 藍

臨床経験
 繰り返す失神に難渋した大腿骨頸部骨折術後症例に対するリハビリテーション治療経験 澤 良輔 橋本圭司・他

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