特集にあたって
急性期や回復期でのリハビリテーション医療は,医療保険を利用して行われ充実してきた.一方,生活期のリハビリテーション医療は,医療保険,介護保険等を利用して,主として在宅および施設で行われる.「生活期」は以前,「維持期」,「慢性期」といわれてきたが,疾病治療ではなくリハビリテーションの観点から,機能や活動・参加が変化し得ることもあり,「生活期」とよばれるようになった.急性期,回復期の期間は6カ月程度であるが,生活期の期間は圧倒的に長く,医療従事者(医師や療法士を含む)の関与量は少なくなる.
地域包括ケアシステムにおける地域医療では,病気の治療や救命にとどまらず,安心と安全が備わった地域で生活することが目的となる.その中でリハビリテーション医療は極めて重要であり,急性期・回復期・生活期のリハビリテーション医療は段階に合わせて各々の役割を理解し,シームレスな体制作りが求められる.これまでも急性期から回復期,そして生活期のリハビリテーション治療によって,在宅復帰支援を受けた高齢者が,生活機能やQOL(quality of life)の向上・維持を目指してきた.そのために,介護予防をはじめライフステージに合わせた継続的なリハビリテーション治療(訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション等)の提供や,地域住民も含めた総合的な支援等を実施してきた.
今回の特集では,生活期リハビリテーションのオーバービュー,実践編として,外来リハビリテーション,通所リハビリテーション,訪問リハビリテーションについて,専門の先生方に解説をお願いした.外来・通所・訪問リハビリテーションにおいても医師の役割は重要であり,リハビリテーション処方,多職種と共同で行う評価,終了時期の判断を適切に行わなくてはならない.療養型施設には,医療・介護療養病床,介護医療院,介護老人保健施設,特別養護老人施設が存在する.療養型施設でのリハビリテーション医療の実践,効果や問題点について説明いただいた.小児の生活期リハビリテーションについての情報量は少ない.発達障害児等の外来リハビリテーション,重度障害児の訪問診療・リハビリテーションについて,専門の先生に執筆いただいた.
今回の特集を通読すれば,生活期のリハビリテーションについてある程度の知識は得られると思う.生活期に関心をもち,生活期のリハビリテーション医療に従事するスタッフが増加することを期待する.
(編集委員会)
急性期や回復期でのリハビリテーション医療は,医療保険を利用して行われ充実してきた.一方,生活期のリハビリテーション医療は,医療保険,介護保険等を利用して,主として在宅および施設で行われる.「生活期」は以前,「維持期」,「慢性期」といわれてきたが,疾病治療ではなくリハビリテーションの観点から,機能や活動・参加が変化し得ることもあり,「生活期」とよばれるようになった.急性期,回復期の期間は6カ月程度であるが,生活期の期間は圧倒的に長く,医療従事者(医師や療法士を含む)の関与量は少なくなる.
地域包括ケアシステムにおける地域医療では,病気の治療や救命にとどまらず,安心と安全が備わった地域で生活することが目的となる.その中でリハビリテーション医療は極めて重要であり,急性期・回復期・生活期のリハビリテーション医療は段階に合わせて各々の役割を理解し,シームレスな体制作りが求められる.これまでも急性期から回復期,そして生活期のリハビリテーション治療によって,在宅復帰支援を受けた高齢者が,生活機能やQOL(quality of life)の向上・維持を目指してきた.そのために,介護予防をはじめライフステージに合わせた継続的なリハビリテーション治療(訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション等)の提供や,地域住民も含めた総合的な支援等を実施してきた.
今回の特集では,生活期リハビリテーションのオーバービュー,実践編として,外来リハビリテーション,通所リハビリテーション,訪問リハビリテーションについて,専門の先生方に解説をお願いした.外来・通所・訪問リハビリテーションにおいても医師の役割は重要であり,リハビリテーション処方,多職種と共同で行う評価,終了時期の判断を適切に行わなくてはならない.療養型施設には,医療・介護療養病床,介護医療院,介護老人保健施設,特別養護老人施設が存在する.療養型施設でのリハビリテーション医療の実践,効果や問題点について説明いただいた.小児の生活期リハビリテーションについての情報量は少ない.発達障害児等の外来リハビリテーション,重度障害児の訪問診療・リハビリテーションについて,専門の先生に執筆いただいた.
今回の特集を通読すれば,生活期のリハビリテーションについてある程度の知識は得られると思う.生活期に関心をもち,生活期のリハビリテーション医療に従事するスタッフが増加することを期待する.
(編集委員会)
特集 生活期リハビリテーションの実践
特集にあたって
オーバービュー 川手信行
外来リハビリテーション 菅原英和
通所リハビリテーション(デイケア)の実践:医師の立場から 和田真一
訪問リハビリテーション 三崎賢治
療養型施設でのリハビリテーション 石濱裕規 白波瀬元道
小児の生活期リハビリテーション 水野美穂子
新連載
リハビリテーション医療におけるACP−治らないかもしれない障害をもつ患者に対応する−
1.ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは 三浦久幸 後藤友子
連載
巻頭カラー 症例でつかむ!摂食嚥下リハビリテーション訓練のコツ
8.神経筋疾患に対する頸部回旋のコツ 保田祥代 小口和代・他
ニューカマー リハ科専門医
上原朋子
回復期・生活期リハビリテーション医療に必要な内科的管理
3.消化器 木村知行 田中裕之
慢性疼痛のリハビリテーション
3.慢性疼痛に対する認知行動療法に基づく運動促進法 田村友典 木村慎二・他
知っておきたい神経科学のキィワード
4.メタ可塑性(Metaplasticity) 美馬達哉
リハビリテーションと薬剤
12.リハビリテーションでよく処方される薬剤とその副作用:(2)睡眠薬 東 敬一朗
リハビリテーションスタッフがかかわるチーム医療最前線
16.循環器疾患患者が心臓リハビリテーションを継続できるために−異業種連携も含めた滋賀医科大学の取り組み− 川口民郎 安藤厚生・他
リハスタッフが知っておくべきプレゼン(学会発表・講演)のコツ
13.魅せるスライド:3.講演やミニレクチャーでつかえるプレゼンテクニック 前田圭介
リハビリテーション医学・医療と私
第2回 リハビリテーション医療の移り変わり−私の経験を通して− 吉永勝訓
学会報告
日本リハビリテーション連携科学学会第23回大会 清水裕子
臨床研究
回復期退院時運動FIMの予測における機械学習と重回帰分析の予測精度比較 徳永 誠 三宮克彦・他
開催案内
バックナンバー
投稿規定
特集にあたって
オーバービュー 川手信行
外来リハビリテーション 菅原英和
通所リハビリテーション(デイケア)の実践:医師の立場から 和田真一
訪問リハビリテーション 三崎賢治
療養型施設でのリハビリテーション 石濱裕規 白波瀬元道
小児の生活期リハビリテーション 水野美穂子
新連載
リハビリテーション医療におけるACP−治らないかもしれない障害をもつ患者に対応する−
1.ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは 三浦久幸 後藤友子
連載
巻頭カラー 症例でつかむ!摂食嚥下リハビリテーション訓練のコツ
8.神経筋疾患に対する頸部回旋のコツ 保田祥代 小口和代・他
ニューカマー リハ科専門医
上原朋子
回復期・生活期リハビリテーション医療に必要な内科的管理
3.消化器 木村知行 田中裕之
慢性疼痛のリハビリテーション
3.慢性疼痛に対する認知行動療法に基づく運動促進法 田村友典 木村慎二・他
知っておきたい神経科学のキィワード
4.メタ可塑性(Metaplasticity) 美馬達哉
リハビリテーションと薬剤
12.リハビリテーションでよく処方される薬剤とその副作用:(2)睡眠薬 東 敬一朗
リハビリテーションスタッフがかかわるチーム医療最前線
16.循環器疾患患者が心臓リハビリテーションを継続できるために−異業種連携も含めた滋賀医科大学の取り組み− 川口民郎 安藤厚生・他
リハスタッフが知っておくべきプレゼン(学会発表・講演)のコツ
13.魅せるスライド:3.講演やミニレクチャーでつかえるプレゼンテクニック 前田圭介
リハビリテーション医学・医療と私
第2回 リハビリテーション医療の移り変わり−私の経験を通して− 吉永勝訓
学会報告
日本リハビリテーション連携科学学会第23回大会 清水裕子
臨床研究
回復期退院時運動FIMの予測における機械学習と重回帰分析の予測精度比較 徳永 誠 三宮克彦・他
開催案内
バックナンバー
投稿規定














