やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに―本特集にあたって
 病理解剖(剖検)は,病死した患者さんのご遺体と向き合い真実を追求する重要な病理診断業務の一つです.死亡原因を探るため,治療効果を判定するためだけでなく,各病院で行われている臨床病理検討会(clinicopathological conference;CPC)を通じた医学教育にも貢献しています.
 臨床検査技師は病理解剖において大きな役割を担っており,実際の現場では剖検医と以心伝心できる高度な技術や知識が要求されます.本特集では,病理解剖の歴史的背景から現状についてふれながら,各工程における臨床検査技師の役割,死後画像診断(autopsy imaging;Ai)がもたらす医療・社会的意義についても踏み込んでいきます.
 画像診断技術の進歩によって剖検率が減少している今だからこそ,若手からベテランの臨床検査技師まで,この機会に再考していただく良い機会になることを切に願っています.
 監修 塩竈和也
 (藤田医科大学 医療科学部 臨床教育連携ユニット 病理組織細胞学分野)
特集 病理解剖を徹底解剖!
 はじめに―本特集にあたって
  (塩竈和也)
 1.病理解剖の歴史的背景と現状
  (新井冨生)
 2.病理解剖の実際
  1)病理解剖の心構え・準備・手順
  (大島康裕・杉浦記弘)
  2)剖検室の環境改善とバイオハザード対策
  (新田憲司)
  3)臓器の取り出し(Virchow法,Rokitansky法)
  (杉山朋子)
  4)開頭と脊髄の取り出し
  (赤木明生)
  5)妊産婦・胎児・新生児の病理解剖
  (若狹朋子・松岡圭子)
  6)感染症例の病理解剖
  (伊藤雅文)
 3.死後画像診断(autopsy imaging;Ai)の現状
  (兼児敏浩)

Editorial―今月のことば
 憧れから始まることも
 (太田 惣)

クライテリア確立のための細胞所見―鑑別疾患と重要所見
 4.乳腺領域
 (小穴良保)

基礎講座
 心エコー図検査におけるasynergy評価とSimpson法トレース
 (椎名亮揮)

薬剤感受性検査データ(MIC)の読み方と耐性菌検査
 グラム陰性菌編
 6.Neisseria gonorrhoeae
 (大澤佳代)

FOCUS
 シリーズ 臨床検査とAIの活用
 3.生理検査部門
 (油野岳夫)
 感染対策連携共通プラットフォームJ-SIPHEの活用法
 (桝田浩司)

From LABO
 ドクターカー業務で活躍する臨床検査技師
 (宮本康平)

MT Seminar
 微生物検査を外部委託する場合のピットフォール
 (小松 方)

国家試験
 第71回臨床検査技師国家試験問題・解答・解説

Information
 2025年 各医療職種国家試験合格状況一覧
 第98回日本内分泌学会学術総会
 第100回日本医療機器学会大会
 第40回腎移植・血管外科研究会
 第50回日本超音波検査学会学術集会
 第47回日本血栓止血学会学術集会
 お詫びと訂正

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 編集後記・次号予告