はじめに―本特集にあたって
臨床検査技師として検査の品質と精度を担保するために精度管理をきちんと行うことは,必要不可欠な工程です.しかし,生理機能検査の外部精度管理はフォトサーベイが主体であり,内部精度管理にいたってはきちんとできている施設とそうでない施設の差が大きく,各検体検査と比較して標準化が遅れている現状があります.この要因としては,(1)法令(医療法など)の管理外である,(2)術者の技術差が生じやすい,(3)生体を直接対象とするため,生物(生理)学的個体差を考慮する必要がある,(4)設備・環境により行える範囲に差異がある,(5)検体検査に比べて内部精度管理の必要性への理解が乏しい,といったことがあげられます.
内部精度管理を適切に実施して精度の高い検査データを出すためには,自施設に合ったルール設定と,その継続が重要です.内部精度管理を行うための標準物質や機器(保守管理用機器)が揃っていることが理想ですが,そうでない場合でも,代替となる手段や工夫によって対処できることがあります.
本特集の執筆者の何人かは,日本臨床衛生検査技師会(日臨技)の品質保証施設認証制度で生理部門の審査を担当しています.審査をしているなかで,あまりにも内部精度管理を実践していない施設や,間違った解釈で行っている施設を目の当たりにして,「何とかしなければいけない!」と強く感じています.各種専門学会に所属してスキルを向上させることが可能な施設もあれば,そうでない施設も多くありますが,今後,多くの関連学会で精度管理に関する企画を行うと同時に,多くの施設で日臨技品質保証施設認証制度を活用していただき,生理機能検査の品質と精度の底上げを図ることが我々の使命であると考えています.
本特集では,生理機能検査の精度管理に悩まれている施設のターニングポイントとなる実践的な内容をお届けできればと思います.
監修 宇城研悟
(松阪市民病院 医療技術部/一般社団法人日本臨床衛生検査技師会 理事)
臨床検査技師として検査の品質と精度を担保するために精度管理をきちんと行うことは,必要不可欠な工程です.しかし,生理機能検査の外部精度管理はフォトサーベイが主体であり,内部精度管理にいたってはきちんとできている施設とそうでない施設の差が大きく,各検体検査と比較して標準化が遅れている現状があります.この要因としては,(1)法令(医療法など)の管理外である,(2)術者の技術差が生じやすい,(3)生体を直接対象とするため,生物(生理)学的個体差を考慮する必要がある,(4)設備・環境により行える範囲に差異がある,(5)検体検査に比べて内部精度管理の必要性への理解が乏しい,といったことがあげられます.
内部精度管理を適切に実施して精度の高い検査データを出すためには,自施設に合ったルール設定と,その継続が重要です.内部精度管理を行うための標準物質や機器(保守管理用機器)が揃っていることが理想ですが,そうでない場合でも,代替となる手段や工夫によって対処できることがあります.
本特集の執筆者の何人かは,日本臨床衛生検査技師会(日臨技)の品質保証施設認証制度で生理部門の審査を担当しています.審査をしているなかで,あまりにも内部精度管理を実践していない施設や,間違った解釈で行っている施設を目の当たりにして,「何とかしなければいけない!」と強く感じています.各種専門学会に所属してスキルを向上させることが可能な施設もあれば,そうでない施設も多くありますが,今後,多くの関連学会で精度管理に関する企画を行うと同時に,多くの施設で日臨技品質保証施設認証制度を活用していただき,生理機能検査の品質と精度の底上げを図ることが我々の使命であると考えています.
本特集では,生理機能検査の精度管理に悩まれている施設のターニングポイントとなる実践的な内容をお届けできればと思います.
監修 宇城研悟
(松阪市民病院 医療技術部/一般社団法人日本臨床衛生検査技師会 理事)
特集 生理機能検査の内部精度管理 理想と現実―できることから始めよう!
はじめに―本特集にあたって
(宇城研悟)
1.生理機能検査の内部精度管理
1)生理機能検査の内部精度管理の現状と課題
(山寺幸雄)
2)施設内の体制構築の必要性,認証制度の取り組み
(滝野 寿)
2.各検査の内部精度管理―理想的な方法と現実的な方法
1)心電図検査
(植松明和)
2)超音波検査
(中島英樹)
3)呼吸機能検査
(中出祐介)
4)脳波検査・誘発電位検査・神経伝導検査
(宇城研悟)
5)その他の生理機能検査―耳鼻科領域検査を中心に
(西村とき子)
Editorial―今月のことば
“時計を一つ持っている人は,何時だかわかる.時計を二つ持っている人は,正確な時間がわからない.”(シーガルの法則)
(下澤達雄)
話題―NEWS&TOPICS
血中薬物濃度検査の精度管理の普及・推進に向けた日本臨床化学会の取り組み
―TDM専門委員会の設立
(城野博史)
技術講座
細胞診におけるギムザ標本作製の秘訣
(大久保文彦)
基礎講座
糸球体腎炎の基礎知識
―腎生検標本作製から糸球体腎炎の病理組織像のポイントまで
(岡村卓哉)
臨床検査Q&A
子宮内膜増殖症とG1の鑑別のポイントを教えて下さい.
(小田嶋広和・服部 学)
MT Seminar
自動免疫染色装置の運用と染色条件の検討
(佐々木健太)
薬剤感受性検査データ(MIC)の読み方と耐性菌検査
グラム陽性菌編
2.Staphylococcus spp.
(大野達也)
臨床検査技師のための資格ガイド
日本臨床一般検査学会編
2.認定穿刺液細胞検査技師
(佐伯仁志)
Book Review
呼吸機能検査の苦手意識をなくす本 エキスパートから学ぶ知識とコツ
(巽 浩一郎)
Information
第79回超音波診断レクチャー
第59回緑膿菌・グラム陰性菌感染症研究会
第47回日本造血・免疫細胞療法学会総会
第80回超音波診断レクチャー
VOICE読者のページ
MTパズル
編集後記・次号予告
はじめに―本特集にあたって
(宇城研悟)
1.生理機能検査の内部精度管理
1)生理機能検査の内部精度管理の現状と課題
(山寺幸雄)
2)施設内の体制構築の必要性,認証制度の取り組み
(滝野 寿)
2.各検査の内部精度管理―理想的な方法と現実的な方法
1)心電図検査
(植松明和)
2)超音波検査
(中島英樹)
3)呼吸機能検査
(中出祐介)
4)脳波検査・誘発電位検査・神経伝導検査
(宇城研悟)
5)その他の生理機能検査―耳鼻科領域検査を中心に
(西村とき子)
Editorial―今月のことば
“時計を一つ持っている人は,何時だかわかる.時計を二つ持っている人は,正確な時間がわからない.”(シーガルの法則)
(下澤達雄)
話題―NEWS&TOPICS
血中薬物濃度検査の精度管理の普及・推進に向けた日本臨床化学会の取り組み
―TDM専門委員会の設立
(城野博史)
技術講座
細胞診におけるギムザ標本作製の秘訣
(大久保文彦)
基礎講座
糸球体腎炎の基礎知識
―腎生検標本作製から糸球体腎炎の病理組織像のポイントまで
(岡村卓哉)
臨床検査Q&A
子宮内膜増殖症とG1の鑑別のポイントを教えて下さい.
(小田嶋広和・服部 学)
MT Seminar
自動免疫染色装置の運用と染色条件の検討
(佐々木健太)
薬剤感受性検査データ(MIC)の読み方と耐性菌検査
グラム陽性菌編
2.Staphylococcus spp.
(大野達也)
臨床検査技師のための資格ガイド
日本臨床一般検査学会編
2.認定穿刺液細胞検査技師
(佐伯仁志)
Book Review
呼吸機能検査の苦手意識をなくす本 エキスパートから学ぶ知識とコツ
(巽 浩一郎)
Information
第79回超音波診断レクチャー
第59回緑膿菌・グラム陰性菌感染症研究会
第47回日本造血・免疫細胞療法学会総会
第80回超音波診断レクチャー
VOICE読者のページ
MTパズル
編集後記・次号予告














