やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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 パニック値に関しては,これまで国内における定義,検査項目やその閾値,運用方法などについて一定の目安が存在していませんでした.こうした状況を受け,日本臨床検査医学会は2021年12月に『臨床検査「パニック値」運用に関する提言書』を公開しました.
 しかしながら,実際の運用について悩まれている方は少なくないようで,編集部にもパニック値について「どのように決めればよいのでしょうか?」「見直す必要はあるのでしょうか?」「報告方法はどうしているのか知りたいです」といったお声をいただいております.そこで,今月号ではこうしたご要望にお応えすべく,本特集をお届けいたします.
 1章では総論として国内におけるパニック値に対するこれまでの取り組みとその問題点,今後の方向性などについて,2章ではそれぞれのお立場からパニック値対応の実際についてご解説いただきます.皆様のご施設における運用の参考になれば嬉しく思います.
 (編集部)
特集 実際のところ,パニック値対応はどうすればいいのか
 1.総論―パニック値をめぐる現状と課題
  (諏訪部 章)
 2.パニック値対応の実際
  1)大規模病院の医師の立場から
  (永原章仁)
  2)大規模病院の検査室の立場から
  (小堺利恵・橋伸一郎)
  3)中小規模病院の医師の立場から
  (高橋 進)
  4)検査センターの立場から
  (近藤正巳)
  5)健診施設の立場から
  (加藤公則・小谷和彦)
  6)在宅医療の立場から
  (小谷和彦)

Editorial―今月のことば
 検査技術の進歩とリスクマネジメント
 (宮地勇人)

話題―NEWS&TOPICS
 超音波指導検査士の認定領域が増えました!―血管と体表臓器の認定超音波指導検査士が誕生
 (濱口浩敏)

基礎講座
 自己血が使えない時の原因と考え方
 (名倉 豊)
 胆道疾患に対応する各種検査
 (五十嵐 岳)

MT Seminar
 疑う虫種が不明の場合の虫卵検査
 (松村隆弘)
 シリーズ 日常のなかの例外・トラブル対応
 1.システムトラブル対策
 (川崎健治)

FOCUS
 臨床検査技師のための「超音波による胎児形態の標準的評価」入門
 (中田雅彦)

基礎から学ぶ 生化学検査の反応タイムコースモニタ解析法
 4.M蛋白血清における濁りの影響―Ca測定の例
 (松下 誠)

臨床検査Q&A
 尿試験紙の亜硝酸塩(+),尿沈渣で細菌(+)の検体を培養検査に提出すると,検査結果が陰性となることがあります.どのような原因が考えられますか?
 (野崎 司・後藤和人・浅井さとみ)
 外来で急に意識を失った患者さんに対して取るべき行動を教えて下さい.
 (福島理文)

メディカルスタッフ職業図鑑〈最終回〉
 13.医師
 (古川泰司)

Information
 第57回日本成人病(生活習慣病)学会学術集会
 第52回日本免疫学会学術集会
 第58回緑膿菌感染症研究会
 第100回大腸癌研究会学術集会
 第34回日本疫学会学術総会

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 編集後記・次号予告