内容紹介
歯科治療や口腔と関連の深い全身疾患にスポットを当て,各疾患についての概要,検査と数値の読み方,代表的治療法,歯科との関係などをまとめた.また薬物による口渇作用などについても処方薬剤などを詳しく解説.
本書に寄せられた書評
この4月,大阪の大手書店の書棚の中に「知ってて安心!全身疾患ガイド」という題名の本を見つけました.そしてそれを現在,鳥取県立歯科衛生専門学校の有病者歯科の教科書として使用しています.なぜ歯科衛生専門学校の教科書の話なんてと思われるかもしれませんが,これは今まで私が見た有病者歯科のテキストの中では群を抜いており,歯学部の学生の教科書として採用しても十分に使用に耐えるのではないかと思ったからです.
それではどこがどう優れているのか,他の多くの有病者歯科の本とどのように違うのかを説明します.まず,本文144ページを27名の執筆者で分担しており,編者は医師免許証と歯科医師免許証の両方を取得した,いわゆるダブルライセンスの持ち主ですが,他の26名はすべて医師であるということです.そのため,各疾患に関する記述内容は全身を把握している医師の専門的知識と経験から簡単明瞭に要領よくまとめてあります.歯科医師が独学でいろいろな医学書を読んでまとめたものとはひと味違います.
そして,歯科との関係については,これを読んだ歯科医師や歯科医療関係者が自分自身で考えられるように構成してあります.すなわち,歯科医師自らが判断すべき内容にまで医師が中途半端に深く踏み込んでいないというのが大きな特徴です.しかし一方では,歯科臨床の現場で重要度が高いと思われる全身疾患順に構成してあるので非常に実践的です.
全身疾患に関係して現れる口腔内の症状がひと目でわかるようにした95枚のカラー口絵もすばらしく,これだけ豊富な内容で2,730円というのも驚きです.
鳥取県歯科医師会 澤田孝紀
(鳥取県歯科医師会報第255号より改変・引用)
目次
2章 カラー口絵
3章 歯科と関係の深い全身疾患
4章 知っておきたい全身疾患
5章 資料編