●他に類をみない数の症例とその治療経験が詰まった一冊!
内容紹介
●厚労省は1998年,全国10箇所程度の医療機関を指定して「高次脳機能障害支援モデル事業」を推進した.この事業は,後天性脳損傷後の高次脳機能障害のために困難を抱えていた当事者とその家族,および支援者に大きな変化をもたらした.事業以降,高次脳機能障害に関連する書籍や学術報告,研修会などが増加したのである.この事業は現在,「高次脳機能障害支援普及事業」に引き継がれ,さらに大きく展開されている.
●しかし,後天性脳損傷者の生活の困難さは複雑で多様な問題を含んでいる.加えて必要が生じたとき即座に対応できる,きめ細かな支援が求められるが,それを単独の医療機関で行うには無理がある.当事者とその家族,施設,専門職の連携が必要になる.
●本書は,神奈川リハ病院が上記「支援モデル事業」の一環として,2000年から始めた「高次脳機能障害セミナー」をもとに執筆されたものである.一医療機関の実際をまとめたものではあるが,「脳外傷などによる高次脳機能障害」のリハに関して,他に類をみない数の症例を含み,その治療経験が詰まったものとなった.
●多職種の能力を最大限に活用し,地域の専門機関や当事者組織とも連携しながら,継続的な支援を行うことができるチームが全国に育ってくれることを願った本書は,全国のリハ・スタッフ(OT・PT・ST・臨床心理士・行政担当者)の方々に,ぜひ手にとっていただきたい一冊.
目次
第1章 脳外傷による障害の理解と支援
第2章 臨床心理士の取組み
第3章 理学療法士の取り組み
第4章 作業療法士の取り組み
第5章 就労支援
第6章 相談支援
第7章 当事者団体の取り組み