やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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新口腔診断学・臨床推論

定価 11,000円 (本体 10,000円+税10%)
  • 総頁数:216頁 / カラー
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2026年11月
  • ISBN978-4-263-45712-2
  • 注文コード:457120

口腔・顎顔面領域における診断と臨床推論を身につける新しい教科書が刊行!

内容紹介

・日本口腔診断学会編集による口腔診断学および臨床推論の新しい教科書
・日常臨床から口腔外科領域まで,口腔・顎顔面領域における症候・病態から疾患を見つけ出し,病態生理学的に発症原因を推論する,臨床推論の能力を養います
・第 1 章:診断学(臨床推論)総論,第 2 章:診断学各論 / 症例による臨床推論,第 3 章:診断に必要な各種検査の 3 部構成となっています.

序文

初版の序
 歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)において,新たに「臨床推論」の確実な学修が求められるようになり,その中の「E-3-1 基本的診断」においては「症候・病態から疾患を導き出す思考過程を身につける」,また「E-3-2 臨床推論」においては「口腔・顎顔面領域の主な症候から病態生理学的に発症原因を推論し,分類,鑑別診断できる基本的能力を身につける」との学修目標が明記された.これにより,歯学教育においても診断思考の教育の必要性が認知されることとなった.診療における最初の重要な判断である診断に関する思考は,まず患者にみられる症候や訴えを効率的に聴取し整理して,考えられる疾患名(疾患仮説)を想起することから始まる.その後,さらに必要な身体診察や臨床検査などを行い,そこから得られるさまざまな情報を分析,解釈し,疾患仮説との整合性を吟味していくことにより,確定診断に至ることを目指す.現場の多くの歯科医師は,自身の臨床経験に基づき無意識的にこの思考過程をたどり診断を行っているが,歯学教育においても,学修者がこの診断推論の思考過程を正しく理解し,確実に修得することは,優れた歯科医師となるためにきわめて重要である.さらに,診断後の治療計画の立案や治療効果の判定,予後の推定などに関する思考は治療推論と呼ばれ,この思考過程も臨床推論に含まれることに留意しておく必要がある.
 本書は,「第1章 診断学(臨床推論)総論」,「第2章 診断学各論/症例による臨床推論」,「第3章 診断に必要な各種検査」の3部構成となっている.第1章においては,患者の訴える症状や患者にみられる徴候,身体診察や臨床検査から得られる所見などの情報に基づいて診断を進める思考過程に関する基本的知識とそれを支える理論的根拠が詳しく解説されている.また第2章においては,さまざまな臨床場面において適切な診断が行える能力を修得できるように,口腔顎顔面領域に見られる代表的症候別に診断推論における思考過程を実感できるよう解説されている.さらに第3章においては,想起した複数の疾患仮説の診断確率を高めるための有効な手段である臨床検査についてまとめて解説されている.
 このように,本書はこれまでの口腔診断学に関する教科書とは異なり,歯学教育における学修者ができる限り実際的な状況設定の中で,具体的に臨床推論における思考過程を学修できるように配慮されたものである.歯科医学の専門的知識と臨床経験を裏づけとして,患者からの言語的/非言語的情報を正確に把握し,臨床推論という思考過程を経て,より精度の高い診断を行い,適切かつ安全な治療を実施できる能力を修得する,その学修の一助になれば幸いである.また,歯科医師を目指す学生諸君に対して,将来の目標に到達するための指南書となることを祈念する.
 最後に,本教科書の編集において多大なご協力をいただいた野村武史教授(日本口腔診断学会理事長,東京歯科大学),里村一人教授(日本口腔内科学会理事長,鶴見大学),さらにはご執筆,ご査読をいただいた多くの日本口腔診断学会理事,代議員の方がたに感謝申し上げます.なお,本書の編集委員を務めてくださいました浅野正岳教授(日本大学歯学部)が2026年1月にご逝去されました.本書の作成にご尽力くださいましたことに深い感謝の意を捧げるとともに,心からご冥福をお祈りします.また,本書の発刊にあたり多大なご協力をいただいた医歯薬出版株式会社の矢吹陽子氏に深謝致します.
 2026年9月
 編集主幹代表 伊藤孝訓

目次

第1章 診断学(臨床推論)総論
 1 診断学とは(伊藤孝訓,多田充裕)
  1.臨床推論
  2.二重過程理論
  3.臨床推論で用いられる思考様式
  4.仮説演繹法による臨床推論の進め方
  5.診断エラー
 2 診断のための医療面接(森 啓,青木伸一郎)
  1.医療面接の役割
  2.外来診療における診断を目的とした医療面接
  3.医療面接に役立つ概念
 3 診療録の記載(大山 篤)
  1.診療録記載の根拠
  2.POSの理念
  3.問題志向型診療録の書き方
  4.POMRのプロセス
第2章 診断学各論/症例による臨床推論
 1 臨床推論を学ぶにあたって(野村武史)
 2 歯の痛み(長谷川篤司)
 3 歯肉の痛み(辰巳浩隆)
 4 舌の痛み(吉岡 泉)
 5 口腔顔面の痛み(野間 昇)
 6 咀嚼時の痛み(星 憲幸,川西範繁)
 7 歯肉の痛みと腫脹(長谷川篤司)
 8 顔面の腫脹(里村一人,中村誠司)
 9 歯肉の腫脹(永易裕樹)
 10 舌の白斑(野村武史,片倉 朗)
 11 開口障害(内田貴之)
 12 噛みにくい(星 憲幸,川西範繁)
第3章 診断に必要な各種検査
 1 診断に必要な検査の役割(野村武史)
 2 歯・歯髄疾患の検査
  1.視診(長谷川篤司)
  2.温度診(多田充裕)
  3.打診(多田充裕)
  4.透照診(多田充裕)
  5.歯髄電気診(多田充裕)
 3 歯周疾患の検査(辰巳浩隆)
  1.プロービングによる検査
  2.口腔衛生(清掃)状態の検査
  3.プラークリテンションファクターの検査
  4.歯の動揺度の検査
  5.咬合の検査
  6.エックス線検査
  7.口腔内写真による検査
 4 補綴治療の検査
  1.義歯適合検査(星 憲幸,川西範繁)
  2.咬合接触検査(星 憲幸,足立拓也)
  3.咀嚼能力検査(星 憲幸,足立拓也)
  4.研究用模型による検査(星 憲幸,川西範繁)
  5.光学印象法によるデジタル検査(星 憲幸,川西範繁)
 5 画像検査
  1.口内法エックス線撮影(森本泰宏)
  2.パノラマエックス線撮影(角 忠輝)
  3.頭部単純エックス線撮影(角 忠輝)
  4.顎関節の単純エックス線撮影(内田啓一)
  5.CT(田中達朗)
  6.歯科用コーンビームCT(河合泰輔)
  7.MRI(鬼頭慎司)
  8.核医学検査(飯久保正弘)
  9.頭部エックス線規格撮影(飯久保正弘)
  10.超音波検査(小田昌史)
 6 病理検査
  1.穿刺吸引細胞診(落合隆永)
  2.細胞診(落合隆永)
  3.病理組織診(浅野正岳,落合隆永)
 7 その他の検査(口腔外科学・口腔内科学分野)
  1.血液検査(村上幸生)
  2.微生物検査(村上幸生)
  3.唾液分泌能検査(佐藤一道,神部芳則)
  4.味覚検査(佐藤一道,神部芳則)
  5.アレルギー検査(佐藤一道,神部芳則)
  6.心理テスト(吉岡 泉)
  7.精密触覚機能検査(野間 昇)
  8.咀嚼筋圧痛検査(野間 昇)
 8 口腔領域の主な診察・検査項目(野村武史,外木守雄)

 参考資料 日本における口腔診断学の歴史(伊藤孝訓)
 文献
 索引

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編集主幹略歴】
伊藤孝訓【いとうたかのり】
 1980年 日本大学松戸歯学部卒業
 2004年 日本大学松戸歯学部口腔診断学講座助教授
 2008年 日本大学松戸歯学部歯科総合診療学講座教授
 2025年 日本大学名誉教授

野村武史【のむらたけし】
 1995年 東京歯科大学卒業
 2013年 東京歯科大学口腔外科学講座准教授
 2015年 東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座教授
 2020年 東京歯科大学口腔腫瘍外科学講座教授

里村一人【さとむらかずひと】
 1988年 徳島大学歯学部卒業
 2005年 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔顎顔面外科学分野准教授
 2009年 鶴見大学歯学部口腔内科学講座教授

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