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補綴臨床テクニカルノート咬合編

発行時参考価格 3,400円
  • 総頁数:88頁 / 2色
  • 判型:A5判
  • 発行年月:2015年11月
  • ISBN978-4-263-44456-6
  • 注文コード:444560

シリーズ第3弾!
「全運動軸」を提唱して咬合学の歴史を変えた河野正司先生が集積した臨床テクニック&ポイントを伝授!

内容紹介

■■教科書だけではわからない“臨床で本当に必要な咬合の臨床テクニック&ポイント”がイラストでわかる!!■■


◆さまざまなテクニックの集合から成り立っている補綴臨床.咬合についての知識と技術は,製作する補綴装置がなんであってもその基本は同じと言えます.
◆本書では,河野正司先生が長年の臨床経験の中で集積した,教科書では扱っていない,でも身につけておかなければならない“本当に必要な咬合の臨床テクニック&ポイント”を金田 恒先生が描いた一目でわかるイラストとともに簡潔に解説しました.
◆確認したい時にいつでも調べることができる持ち運びに便利なサイズですので,折りにふれ手に取ることができ,テクニックの習得,確認にお役立ていただけます.

本書のパンフレットはこちら(PDFファイル 約807KB)

序文

序
 補綴臨床は種々の技術の集合から成り立っている.クラウン・ブリッジであれば,生体の組織の中で最も硬い歯を自在に支台歯形成して,10μm単位の精度で製作した補綴装置を口腔内に装着し,対合歯と滑らかな機能を営ませなくてはいけない.また可撤性床義歯であれば,長期間にわたる義歯の動揺が,支台歯の歯周組織に害を及ぼさない構造体を製作する知識と技術が必要である.
 よく「技術は盗め」と言われる.大工さんや職人さんは,親方やベテラン職人の仕事ぶりを見ながら技術を盗むイメージがある.われわれ医療関係者も同様である.
 先輩や同僚と臨床・症例について話してみることで,耳からも技術が得られるものだ.個人で学ぶことができることは限られている.他の人と話すことで,自分とは違った視点や知識を得ることができる.これら臨床技術的なヒントを自ら実践することによって「自家薬籠中の物」にすることができる.
 ところで咬合についての知識と技術は,製作する補綴装置がなんであってもその基本は同じである.本書には教科書に書かれていない咬合に関する臨床技術が記してある.これらの大半は著者が若かりし頃,先輩の臨床の手伝いをして得た技術・知識,先輩・同僚と症例について,手技について雑談を交わしながら得た耳学問知識や技術情報を,ここに集積したものである.さらに指導者となってからは,治療中に若手医局員に発する技術アドバイスなどを集め,加筆してきた.
 どれも著者自身が実際に臨床で使用して,大変に有効であったテクニックばかりである.
 さらに本書でも,長年にわたり新潟大学で研究・臨床を共にしてきた金田 恒博士が共著者となってくださり,彼女の知識に裏付けされたスケッチ力によって素晴らしい説明画を描いてくださった.写真よりも注目点が明確になっており,読者諸氏には理解を深めるのに大いに役立ってくれるものと思う.
 本書の中には,臨床技術の背景となるエビデンスについて,拙書「咀嚼機能を支える臨床咬合論─欠損補綴とインプラントのために―」および「Cr─Br咬合のルーツ~Gnathologyと対峙した石原咬合論・顆頭安定位と全運動軸~」を参照してもらいたい箇所も明記しておいた.そちらについて目を通していただくと幸いである.
 2015年10月
 河野正司

目次

 序
I 咬合診査は歯列全体に
 1.咬合は上下顎歯列の,左右両側を含めて観察する
  1)若手歯科医がこんな症例を経験していた
  2)この症例の経過を考えてみる
 2.スプリント治療の原理
  1)補綴側にみられる症状
  2)非補綴側にみられる症状
  3)スプリント装着すると
II 咬合調整のテクニック
 1.咬合の三要素の感度と診査の順序
  1)咬合が最も敏感
  2)顎関節と筋の診査
 2.診査の基本原則
  1)咬合の早期接触の診査にあたって
  2)咀嚼筋の診査について
  3)顎関節の下顎頭診査について
 3.咬合紙による咬合接触の診査法の要点
  1)咬頭嵌合位における診査
  2)偏心位における診査
 4.咬合調整法の要点
  1)咬頭嵌合位における咬合調整
  2)偏心位における咬合調整
III 中心咬合位の定め方
 1.中心咬合位の診査と診断
  1)安定しない中心咬合位を発見する
   (1)安定しない咬合接触
   (2)安定な欠損歯列と不安定な欠損歯列
  2)スプリントを使用した下顎位の検査・治療
   (1)顎機能症状の訴え
   (2)なぜスプリント治療なのか?
 2.まず咬合高径を定める
  1)咬合高径と顔貌
  2)下顎安静位から咬合高径を求める
 3.中心咬合位は下顎後退位ではない
 4.顆頭安定位とは
 5.中心咬合位の下顎頭位「顆頭安定位」の求め方
  1)頭位,速度,開口量でタッピング運動経路が変化
  2)「顆頭安定位」の臨床的な決定法
IV ゴシックアーチ描記法
 1.ゴシックアーチは下顎位決定の道具
  1)口内法と口外法とがある
  2)まず咬合高径を定めてから描記する
 2.ゴシックアーチを描記する下顎運動
  1)ゴシックアーチ描記による下顎位の決定法の原理
  2)口内法でゴシックアーチを描いてみる
 3.無歯顎における描記装置と描記法
  1)咬合高径と咬合平面の決定
  2)描記装置の製作
 4.有歯顎における描記法
  1)描記装置の製作
  2)描記針の設置
 5.描けるゴシックアーチ
  1)描記針が下顎に,描記板が上顎にある場合
  2)描記針が上顎に,描記板が下顎にある場合
 6.ゴシックアーチを利用した咬合採得法
  1)総義歯における咬合採得法
  2)有歯顎欠損症例の場合
  3)comfort test(快適性テスト)とは?
Column
 1 インプラント支持機構と咬合調整
  1.インプラント支持機構の特徴
   1)インプラントの変位の様相
   2)インプラントの荷重-変位曲線
  2.インプラント体と咬合調整
   1)咬頭嵌合位の咬合調整について
   2)側方位における咬合調整について
 2 顎機能症状のスプリント治療
  1.なぜスプリント治療なのか?
  2.スプリントによる下顎頭位の修正法
 3 側方滑走運動の様相
  1.顎関節の運動学的特徴
  2.下顎頭の動きとフィッシャー角
 4 下顎位と下顎頭運動の関係
  1.下顎頭の最前方位は下顎の最前方位ではない
  2.中心咬合位では下顎頭は関節窩内にある
  3.咬合挙上で下顎は前方へ移動する
  4.ヒトはなぜ大開口できるのか?
 5 下顎頭位の小史
  1.Cr-Br咬合を舞台に立たせたGnathology
   1)中心位とGnathology
   2)ゆらぐ中心位
  2.顆頭安定位の出現
  3.中心咬合位の下顎頭位は
   1)中心咬合位は後退位ではない
   2)顆頭安定位が生体にとって適当
  4.顆頭安定位の臨床診断法
 6 歯のガイドと咬合
  1.ガイドと咬合様式の関係
   1)種々な咬合様式
   2)天然歯列にみられる歯のガイド
  2.補綴装置へ付与する歯のガイド
   1)原則は犬歯ガイド
   2)小臼歯までのグループファンクションであれば許容
   3)グループファンクションの付与には「歯のガイド」が重要
   4)歯のガイドの咬合器トランスファー

 索引

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】
河野正司【こうのしょうじ】
 1941年 東京都に生まれる
 1965年 東京医科歯科大学歯学部卒業
 1969年 東京医科歯科大学大学院修了
 1977年 東京医科歯科大学歯学部第二歯科補綴学教室講師
 1993年 新潟大学歯学部教授 歯科補綴学第一講座担当
 2001年 新潟大学大学院医歯学総合研究科教授 摂食機能再建学
     専門分野:歯科補綴学,顎口腔機能学
 2003年 国立大学法人新潟大学理事・副学長
 2008年 新潟大学名誉教授
 同 年 明倫短期大学教授
 2013年 明倫短期大学学長
金田 恒【かねだこう】
 1970年 新潟市に生まれる
 1995年 新潟大学歯学部卒業
 1999年 新潟大学大学院修了
 同 年 新潟大学大学院医歯学総合研究科 摂食機能再建学(補綴学)助手(助教)に就任

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