やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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最新歯科衛生士教本
疾病の成り立ち及び回復過程の促進3 薬理学

全国歯科衛生士教育協議会 監修/眞木吉信 ほか編/王宝禮 ほか執筆
発行時参考価格 2,800円
  • 総頁数:200頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2008年3月
  • ISBN978-4-263-42815-3
  • 注文コード:428150

内容紹介

薬物に関する基本的な知識および歯科の治療内容に関わる薬物との関係をわかりやすく解説した歯科衛生士のための最新テキスト.歯科でも次第に使用されるようになった漢方についても解説.

序文

最新歯科衛生士教本の監修にあたって
 歯科衛生士教育は,昭和24年に始まり,60年近くが経過しました.この間,歯科保健に対する社会的ニーズの高まりや歯科医学・医療の発展に伴い,歯科衛生士教育にも質的・量的な充実が叫ばれ,法制上の整備や改正が行われてきました.平成17年4月からは,高齢化の進展,医療の高度化・専門化などの環境変化に伴い,引き続いて歯科衛生士の資質の向上をはかることを目的とし,修業年限が3年以上となります.
 21世紀を担っていく歯科衛生士には,これまで以上にさまざまな課題が課せられております.高齢化の進展により生活習慣病を有した患者さんが多くなり,現場で活躍していくためには,手技の習得はもちろんのこと,患者さんの全身状態をよく知り口腔との関係を考慮しながら対応していく必要があります.また,一人の患者さんにはいろいろな人々が関わっており,これらの人々と連携し,患者さんにとってよりよい支援ができる歯科衛生士としての視点と能力が求められています.そのためには,まず業務の基盤となる知識を整えることが基本となります.
 全国歯科衛生士教育協議会は,こうした社会的要請に対応するべく,歯科衛生士教育の問題を研究・協議し,教育の向上と充実をはかって参りました.活動の一環として,昭和42年には多くの関係者が築いてこられた教育内容を基に「歯科衛生士教本」,平成3年には「新歯科衛生士教本」を編集いたしました.そして,今回,「最新歯科衛生士教本」を監修いたしました.本最新シリーズは,「歯科衛生士の資質向上に関する検討会」で提示された内容をふまえ,今後の社会的要請に応えられる歯科衛生士を養成するために構成,編集されております.また,全国の歯科大学や歯学部,歯科衛生士養成施設,関係諸機関で第一線で活躍されている先生方がご執筆されており,内容も歯科衛生士を目指す学生諸君ができるだけ理解しやすいよう,平易に記載するなどの配慮がなされております.
 本協議会としては,今後,これからの時代の要請により誕生した教本として本最新シリーズが教育の場で十分に活用され,わが国の歯科保健の向上・発展に大いに寄与することを期待しております.
 終わりに本シリーズの監修にあたり,種々のご助言とご支援をいただいた先生方,ならびに全国の歯科衛生士養成施設の関係者に,心より厚く御礼申し上げます.
 2008年2月
 全国歯科衛生士教育協議会
 会長 櫻井善忠

発刊の辞
 保健・医療・福祉を取り巻く環境は,少子高齢化とそれに伴う疾病構造の変化により大きく変わりつつあります.日本の歯科保健・医療を担う歯科衛生士には,多様化する社会的なニーズに応えるため,子育て支援,介護予防,高度先進医療など環境の変化に対応できるフレキシブルな資質が一層求められております.
 平成17(2005)年には歯科衛生士養成所の指定規則が改正され,歯科衛生士の教育年限は3年以上となり,新しい大綱化されたカリキュラムができました.このカリキュラムでは,教育内容が「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」そして「選択必修分野」の4分野に分けられています.
 旧カリキュラムの「薬理学」は,このうち「専門基礎分野」に位置づけられ,「病理学」や「微生物学」とともに「疾病の成り立ち及び回復過程の促進」として教育内容が示されています.「専門基礎分野」はそのほか,「人体の構造と機能」「歯・口腔の構造と機能」および「歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み」といった教育内容が含まれます.その教育目標は,「人体並びに歯・口腔の構造と機能及び心身の発達を系統だてて理解し,健康・疾病について,その予防と回復過程に関する知識を習得し,併せて観察力,判断力を培う内容」とされています.
 本書では,従来の「薬理学」の基本的な構成を維持しながら,「免疫と薬」「漢方医学と薬」および「服薬指導」の項目を新たに起こし,実際の臨床の場で活用できる内容の教本としました.特に「服薬指導」の項目では,基本的な方法とライフステージや障害などに対する服薬指導の考え方などを記載し,薬に関する知識の集積だけでなく,歯科衛生士としてもっている知識を応用できるような領域を目指しました.
 本書は,「専門基礎分野」としての「薬理学」に,新たな研究成果と情報が加味され,歯科衛生士の臨床の現場でも十分活用できる内容を有していると考えています.
 2008年2月
 最新歯科衛生士教本編集委員
 可児徳子 矢尾和彦 松井恭平 眞木吉信 高阪利美 合場千佳子 白鳥たかみ

執筆の序
 薬理学は,薬物を生体に与えた場合に生体が現す反応を研究する科学です.また,疾病の治療,予防,診断における合理的な薬物療法の基盤となる研究を行い,知識を与えるのが薬理学・歯科薬理学です.薬理学の背景には解剖学,生理学,生化学,微生物学,病理学などがあり,これらの科目を包括した総合的な専門基礎科目であると同時に,臨床に直結する知識を得るという観点から,歯科臨床科目とも密接な関連があります.
 これまで,人類はその知恵によって開発した薬物により,多くの恩恵を受けてきました.たとえば,人々を苦しめてきた細菌感染症の多くが抗菌薬などの登場によって克服されてきました.また薬物は,疾病の原因を取り除いたり,症状を和らげたりする目的で使用され,私達の生活に欠かせないものとなっています.一方で,薬物は決して好ましい作用ばかりをもたらすとは限らず,副作用や有害作用を引き起こさない薬物はありません.また,薬害エイズや薬害肝炎などの薬害による健康被害が社会問題となっています.すなわち,薬物の有用な作用だけでなく,副作用も認識したうえで,薬物を選択し投与していかなければなりません.そのためにも,薬の作用や身体における薬の働きを知る,薬理学の知識が非常に重要なものとなっています.そして,科学の進歩によって新しい薬物が次々と開発されていることから,最新の知識や治療法を学ぶだけでなく,新たな薬物に遭遇しても応用できるような基盤となる知識が必要となります.
 近年では,歯科医院に来院する患者は健康な人であるとは限らず,むしろ高齢者など複数の疾患を有しているために多くの薬物を服用している患者のほうが多くなっています.そのため,歯科治療に使用される薬物だけではなく,全身疾患およびその治療薬を知り,それらの薬物と歯科で投薬されようとする薬物の相互作用などにも注意を払う必要があります.また,歯科衛生士自身は患者に投薬を行うことはありませんが,実際の臨床現場では,患者が服用している薬物を調べる機会は非常に多いと考えられます.このような観点から,本書では全身に作用する薬物などについても重点を置くように努めました.
 本書が,歯科衛生士を含む医療関係者への教育だけではなく,実際の歯科医療における薬物療法を理解するうえで役立つことになれば望外の喜びです.
 2008年2月
 執筆者代表 王 宝禮

目次

I編 疾病の回復を促進する薬
1章 総論
 1-疾病の回復の促進と薬
 2-薬物の定義と分類
  1.薬物とは
  2.療法による薬物の分類
  3.法律による薬物の定義と分類
  4.剤形による薬物の分類
  5.薬物の保存
 3-薬物の作用
  1.薬理作用
  2.薬物の用量と作用
  3.薬理作用のメカニズム
 4-からだにおける薬物の働き
  1.薬物の生体膜通過様式
  2.薬物動態
  3.薬物の投与方法
  4.薬動力学
  5.薬物の反復効果
  6.薬物の併用効果
  7.薬効に影響を及ぼす要因
 5-薬物の副作用
  1.副作用の種類
  2.副作用の予知と回避
 6-医薬品の開発
   ・歯科で使用されている薬品の分類
   ・タバコの煙
2章 中枢神経系と薬
 1-中枢神経系とは
  1.中枢神経系
  2.中枢神経系の機能
 2-中枢神経系に作用する薬物
  1.全身麻酔薬
  2.アルコール類
  3.催眠薬
  4.向精神薬
  5.抗てんかん薬(抗痙攣薬)
  6.パーキンソン病治療薬
  7.鎮痛薬
  8.中枢神経興奮薬
3章 末梢神経系と薬
 1-末梢神経系に作用する薬物
  1.末梢神経系とは
  2.自律神経作用薬
 2-局所麻酔薬
  1.局所麻酔薬の作用機序
  2.局所麻酔薬の構造と分類
  3.局所麻酔薬の代謝
  4.局所麻酔薬の効果に影響を与える因子
  5.局所麻酔薬の適用法
  6.局所麻酔薬の副作用と中毒
   ・きらめく瞳─アトロピン─
   ・元祖!局所麻酔薬─コカイン─
4章 循環・呼吸系と薬
 1-循環系に作用する薬物
  1.高血圧治療薬
  2.不整脈治療薬
  3.心不全治療薬
  4.狭心症治療薬
  5.高脂血症治療薬
 2-呼吸系に作用する薬物
  1.呼吸促進薬
  2.気管支喘息治療薬
  3.鎮咳薬
  4.去痰薬
   ・ニトログリセリンとノーベル賞
5章 血液と薬
 1-血液凝固
  1.血液の組成
  2.出血と止血
  3.血液凝固の機序
 2-血液に関連する薬物
  1.止血薬
  2.抗血栓薬
  3.抗貧血薬
6章 炎症と薬
 1-炎症とは
  1.炎症の経過
  2.炎症のケミカルメディエーター
 2-炎症に作用する薬物
  1.ステロイド性抗炎症薬
  2.非ステロイド性抗炎症薬
  3.解熱鎮痛薬
  4.消炎酵素薬
   ・インフルエンザ脳症と非ステロイド性抗炎症薬
7章 ビタミン・ホルモンと薬
 1-ビタミン
  1.ビタミンとは
  2.ビタミンの分類
 2-ホルモン
  1.ホルモンとは
  2.ホルモンの分類
 3-代謝性疾患治療薬
  1.糖尿病治療薬
  2.骨粗鬆症治療薬
   ・ビタミンと欠乏症
   ・笑気とビタミンB12
   ・サプリメント
8章 感染症と薬
 1-感染症とは
 2-抗感染症薬
  1.抗感染症薬の基本的事項
  2.抗感染症薬の作用機序
  3.主な抗感染症薬
 3-消毒薬
  1.消毒薬の作用機序
  2.消毒薬の効果に影響を与える因子
  3.消毒薬の効力の判定
  4.主な消毒薬
  5.HBVおよびHIVに対する消毒薬
9章 悪性腫瘍と薬
 1-悪性腫瘍とは
  1.良性腫瘍と悪性腫瘍
  2.悪性腫瘍の治療法
 2-抗悪性腫瘍薬
  1.抗悪性腫瘍薬の種類と細胞周期
  2.主な抗悪性腫瘍薬
  3.抗悪性腫瘍薬の副作用
10章 免疫と薬
 1-免疫とは
  1.免疫担当細胞
  2.免疫反応とその調節
  3.アレルギー
  4.免疫不全症
 2-免疫系に作用する薬物
  1.免疫増強薬
  2.免疫抑制薬
  3.抗アレルギー薬
  4.ワクチン
11章 漢方医学と薬
 1-漢方医学とは
 2-漢方薬とは
  1.証の概念
  2.副作用
  3.効果判定期間
II編 歯科疾患の回復を促進する薬
1章 歯・歯髄疾患と薬
 1-齲蝕の予防に用いる薬物
  1.齲蝕の発症
  2.齲蝕の予防薬
 2-歯・歯髄疾患の治療に用いる薬物
  1.初期齲蝕の治療に用いる薬物
  2.歯髄の保存療法に用いる薬物
  3.感染根管治療に用いる薬物
  4.象牙質知覚過敏症の治療に用いる薬物
   ・歯髄と水酸化カルシウム
2章 歯周疾患と薬
 1-歯周治療における薬物療法
 2-急性炎症に用いる薬物
 3-歯周治療に用いる薬物
  1.局所投与される薬物
  2.経口投与される薬物
  3.その他
 4-口臭治療に用いる薬物
  1.口臭の原因
  2.口臭治療に使用する薬物
   ・バイオフィルム
   ・出血傾向とスケーリング
3章 顎・口腔粘膜疾患と薬
 1-炎症性疾患に用いる薬物
  1.抗菌薬
  2.消炎酵素薬
 2-口腔粘膜疾患に用いる薬物
  1.含嗽薬・トローチ剤
  2.ステロイド性抗炎症薬
  3.抗ウイルス薬
 3-顎関節症に用いる薬物
 4-口腔乾燥症に用いる薬物
 5-神経疾患に用いる薬物
  1.三叉神経痛に用いる薬物
  2.神経麻痺に用いる薬物
4章 服薬指導
 1-一般的な服薬指導
  1.コンプライアンス
  2.基本的事項
  3.服用時間
  4.相互作用の確認
 2-対象者別の服薬指導
  1.小児への服薬指導
  2.妊産婦への服薬指導
  3.高齢者への服薬指導
  4.障害者への服薬指導

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編者略歴】
王 宝禮【おうほうれい】
 1986年 北海道医療大学歯学部卒業
 1990年 北海道大学歯学部助手
 2002年 大阪歯科大学助教授
 2002年 松本歯科大学教授
可児徳子【かにとくこ】
 1962年 大阪大学歯学部卒業
 1972年 岐阜歯科大学(現 朝日大学)助教授
 1985年 朝日大学歯科衛生士専門学校校長(兼任)
 1989年 朝日大学歯学部教授
 2003年 朝日大学名誉教授
松井恭平【まついきょうへい】
 1973年 東京歯科大学卒業
 1981年 千葉県立衛生短期大学助教授
 1990年 千葉県立衛生短期大学教授
眞木吉信【まきよしのぶ】
 1978年 東京歯科大学卒業
 1990年 東京歯科大学助教授
 2002年 東京歯科大学教授

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全国歯科衛生士教育協議会 監修/可児徳子・眞木吉信・松井恭平 編/王宝禮・鈴木邦明・李昌一・金子明寛・小方頼昌 執筆