やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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新歯科衛生士教本
微生物学 第2版

発行時参考価格 2,300円
  • 総頁数:196頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2007年3月
  • ISBN978-4-263-42756-9
  • 注文コード:427560

最新の知見も取り入れて全面改訂した第2版

内容紹介

●歯科衛生士として必要な,細菌,真菌,ウイルスなどの微生物の基礎知識およびそれらによって引き起こされる歯科領域の疾患について平易に解説した歯科衛生士のためのテキスト.最新の知見も取り入れて全面改訂した第2版.

序文

推薦の序
 厚生省健康政策局歯科衛生課長
 宮武光吉
 近年,わが国では,人口の急速な高齢化に伴い,疾病構造が変化してきていることなどから保健医療サービスに対する住民のニーズが急速に高まってきており,良質な保健医療の供給を行いうる体制を整備するため,資質の高い保健医療関係者の養成を行うことが重要な課題となっている.
 歯科衛生士の資質向上を図るため,歯科衛生士学校養成所の修業年限の延長,学科課程の改正等が昭和58年に行われ,5年後の昭和63年よりすべての養成所で新カリキュラムによる教育が行われるようになった.本改正により,保健指導や歯科予防処置に関する教科内容の充実が図られた.そして,平成元年6月には,歯科衛生士法の一部改正がされ,歯科衛生士の業務に歯科保健指導が加わるとともに,免許権者が都道府県知事から厚生大臣に改められた.
 また,わが国における歯科保健対策の動きについて目を向けると,近年,80歳になっても20本の歯を保つことを目的とした8020(ハチマル・ニイマル)運動が全国各地で広がってきている.来年度よりはじまる老人保健事業第3次計画では,在宅寝たきり老人に対して歯科衛生士による訪問口腔衛生指導が行われることとなっており,歯科保健事業の充実強化が図られるようになってきている.歯の健康づくりに対する国民の関心は年々高まってきており,歯科保健指導や歯科予防処置等の業務を通じて,国民の歯の健康づくりに従事する歯科衛生士の果たす役割は今後ますます重要になると考えられる.
 資質の高い歯科衛生士が養成されるためには,最新の歯科保健医療に関する知識および技術が,効果的に学生に対して教授されることが必要である.このようなときに新しい歯科衛生士教本が発刊され,内容の見直しが行われることは,誠に意義深く,歯科衛生士教育の充実強化とともに,わが国における歯科保健対策を推進していくうえで要となると確信している.
 本書が多くの歯科衛生士教育機関において十分に活用され,よりよい歯科衛生士が養成されることを期待し,推薦の序としたい.
 1991年12月

新歯科衛生士教本の発刊にあたって
 歯科衛生士教育は,昭和24年に始まってから,40年余りが経過しました.
 この間,歯科保健に対する社会的ニーズの高まりや,歯科医学・医療の発展に伴い,歯科衛生士およびその養成・教育の質的量的な充実が叫ばれ,徐々に法制上の整備・改正も行われて,今日では就業歯科衛生士数約5万名,また歯科衛生士養成所も132校を数えるに至りました.
 全国歯科衛生士教育協議会は,こうした社会的要請に対応するため,昭和36年に発足して以来多くの関係者の築いてきた教育の土台をもとに,昭和42年,「歯科衛生士教本」を発刊しましたが,さらに昭和56年「教本の全面改訂」の着手・発行を経て,10年目を迎えることになりました.
 しかしながら,再び歯科衛生士教育は時代の大きな節目にさしかかろうとしております.
 今日,わが国では,高齢化社会の到来とともに,国民の医療への要望もますます多様化し,医療の質的向上が強く求められるようになってまいりました.このような流れを背景として,ここ数年の間に,歯科衛生士に対する社会の要望にも大きな変化が現れてきました.
 それに伴って,昭和58年2月,歯科衛生士養成所教授要綱が改められ,重ねて昭和63年には歯科衛生士試験出題基準も示されて,各教科目の関係や,新しい科目の導入などが求められるようになりました.また,さらに,平成元年6月に歯科衛生士法の一部改正が行われ,新たに歯科衛生士業務に保健指導が加わることや,統一試験の実施と知事免許から厚生大臣免許への移行などが明記され,歯科衛生士の活躍に大きな期待がよせられています.
 本協議会では,このような状況の変化に対して必要な準備を進めてまいりましたが,ことに歯科衛生士教本については,慎重な検討を加えて対応することになりました.
 このため,これまでの歯科衛生士教本についての教育現場からの意見の収集調査,他の保健医療職種の教育との関連,臨床および公衆衛生現場における歯科衛生士の活動状況等を分析し,併せて教授要綱ならびに出題基準をふまえた新たな編集方針のもとにさらなる充実をはかるべく,ここに“新歯科衛生士教本”として刊行することといたしました.
 この新歯科衛生士教本が十分活用され,わが国民の歯科保健の向上に役立つことを切に願うものであります.
 1991年12月
 全国歯科衛生士教育協議会
 新歯科衛生士教本編集委員
 榊原悠紀田郎 戸田善久 石川達也 宮脇美智子 勝山 茂 成田むつ 西 正勝 善本秀知

第2版の序
 本書の初版は,1993年4月に発刊され,以来14年間,版を改めることなく今日に至った.もちろん,毎年刷を重ねるごとに部分的に修正を加えてきたが,この間の微生物学や免疫学の進展は目覚しいものがあり,必要に迫られて改訂を行った.
 微生物学の領域では,分子遺伝学の発展に伴う病原因子の構造や機能の解明が大幅に進展した.免疫学領域でも免疫応答のメカニズムが細胞レベルあるいは分子レベルで明らかにされるようになった.このような背景をふまえて,難解にならない範囲でできるだけ最新情報も盛り込むように心掛けたつもりである.
 この歯科衛生士向けテキストは,3年制さらには大学の過程でも使われるように教育内容もさらに豊富にならざるをえない状況にある.限られた本書の内容であるが,感染症,感染予防,免疫のメカニズム,アレルギー疾患などの基礎知識をしっかりともってくれることを期待している.
 初版の序文でも述べたが,微生物学は歯科衛生士の業務にとって不可欠な学問であることはいうまでもない.歯科衛生士業務のなかで最重要ともいえるスケーリングや患者に対する口腔衛生指導においては,口腔内の微生物叢の動態やデンタル・プラーク(歯面バイオフィルム)の形成メカニズムを十分に理解している必要がある.また,スタンダード・プレコーションの実践においても,微生物学的知識が必要であることはいうまでもない.
 本書の製作に当たっては万全を期したつもりであるが,本書を教科書として使ってくださる方々からのご指摘,ご意見を切に願うものである.
 最後に,本書の出版に当たってご尽力くださった医歯薬出版株式会社に深く感謝する次第である.
 なお,執筆は1章,4章,5章は梅本が,2章のI~IIIは三宅が,IV~VIIは中山が,3章のI~IIIは三宅が,IV,Vは中山が,6章I~VIは三宅が,VII~XIIは中山が,7章は中山が,8章は奥田が,9章I~VIは奥田が,VIIは中山が,10,11章は奥田が,12章は中山がそれぞれ担当した.
 2007年3月
 著者一同

第1版の序文
 微生物学は歯科衛生士にとって必要欠くべからざる学問である.何故ならば,歯科衛生士が行う業務のなかに,口腔疾患に関する予防処置や保健指導が含まれているからである.口腔疾患の多くは微生物が原因で起こる感染症であり,業務の遂行にあたっては,その病原菌の性状や発症のメカニズムなどについて熟知している必要がある.また近年,社会的問題にもなっている,耐性菌による院内感染や,AIDSなどに関しても,診療の場において機械器具の消毒や滅菌に携わる立場上,十分な微生物学的知識が必要である.
 本書は,歯科衛生士を目指して勉学する人にとって必要な,細菌,真菌,ウイルスなどの微生物,およびそれらによって引き起こされる歯科領域の疾患について記載したものである.
 できるだけ平易に記述したつもりではあるが,基礎医学に共通する難解さが十分克服されているとはいえない点があるのは否めないし,また,この分野の進歩発展が,きわめて急激に生じているため,内容が,それらの発展に追いついていない面も見受けられるかもしれない.
 本書を教科書として使用される場合には,内容の取捨選択および必要な補足を,是非お願いしたい.執筆者一同,本書が歯科衛生士教育の一助になるとともに,すでに歯科衛生士として働いている方々にも利用されることを望んでいる.
 おわりに,本書の出版にあたってご尽力くださった,医歯薬出版株式会社に深く感謝する次第である.
 なお,執筆は,1章,2章I~III,3章I~IIIを佐川が,2章IV~VI,3章IV~V,6章VII~XI,7章,10章IV~Vを中山が,4章,6章III,10章III,11章を奥田が,5章,6章V~VI,9章,10章II4~5を梅本が,6章I~II・IV,8章,10章I・II1~3を馬場が,それぞれ担当した.
 1993年3月
 著者一同

目次

1章 微生物学の発達と歴史
 I 微生物学とは
 II 微生物学発展の歴史
  1.微生物の発見以前
  2.微生物の発見
  3.現代の微生物学の発展
 III 病原微生物の発見
 IV ウイルス学の発展
 V 化学療法の進歩
 VI 免疫学の発展
 VII 口腔微生物学の発展
 VIII 新興感染症と再興感染症
2章 微生物の一般的性状
 I 細菌
  1.細菌の形態
  2.細菌の構造
  3.細菌の代謝
  4.細菌の増殖
  5.バイオフィルムbiofilm
 II リケッチアRikettsia
 III クラミディアChlamydia
 IV 真菌
  1.真菌細胞の特徴
 V 原虫(原生動物)
 VI ウイルス
  1.ウイルスの特徴
 VII プリオン
3章 微生物の培養法と観察方法
 I 細菌の培養
  1.培養法
  2.培地
 II 細菌の分類と同定
 III 顕微鏡観察法
  1.光学顕微鏡
  2.位相差顕微鏡
  3.暗視野顕微鏡
  4.蛍光顕微鏡
  5.電子顕微鏡
 IV 真菌および原虫の培養
 V ウイルス,リケッチア,クラミディアの培養
4章 感染と発症
 I 感染と発症
 II 感染における微生物と宿主の相互関係
  1.微生物の病原性
 III 宿主の抵抗性
  1.微生物の侵入に対する防御機構
  2.微生物の侵入後に働く防御機構
 IV 感染症の種類
  1.病態による分類
  2.日和見感染症
  3.内因感染症
  4.院内感染
 V 感染源と感染経路
  1.感染源
  2.感染の様式
  3.局所感染と全身感染
  4.侵入部位からみた感染経路
  5.生体内の伝播経路
 VI 感染症に対する予防法規
5章 免疫
 I 免疫の概念
  1.免疫とは
  2.免疫の種類
  3.獲得免疫の機構
  4.抗原
  5.免疫成立の過程
 II 液性免疫
  1.抗体
  2.血清反応とその応用
 III ワクチンと予防接種
  1.ワクチンの種類
  2.能動免疫と受動免疫
 IV 細胞性免疫
  1.感染防御免疫
  2.移植免疫
  3.腫瘍免疫
 V 粘膜免疫
  1.粘膜免疫のしくみ
  2.粘膜関連リンパ組織
  3.経口免疫寛容
 VI アレルギー(過敏症)
  1.アレルギーの分類
  2.アレルゲンの種類
 VII 自己免疫
  1.免疫寛容の成立機序
  2.免疫寛容の破綻
  3.自己免疫疾患
 VIII 免疫不全症候群
6章 病原微生物各論
 I グラム陽性球菌
  1.ブドウ球菌属
  2.レンサ球菌属
 II グラム陰性球菌
  1.ナイセリア属
  2.ベイロネラ属
 III グラム陰性桿菌
  1.一般病原性細菌
  2.口腔内グラム陰性桿菌
 IV グラム陽性桿菌
  1.クロストリジウム属Clostridium
  2.バチルス属Bacillus
  3.コリネバクテリウム属Corynebacterium
  4.アクチノマイセス属Actinomyces
  5.マイコバクテリウム属Mycobacterium
  6.その他のグラム陽性桿菌類
 V スピロヘータ
  1.トレポネーマ属Treponema
  2.ボレリア属Borrelia
  3.レプトスピラ属Leptospira
  4.スピリルム属Spirillum
 VI マイコプラズマMycoplasma
 VII リケッチケア
 VIII クラミディア
 IX ウイルス
  1.ヘルペスウイルス科Herpesviridae
  2.オルトミクソウイルス科Orthomyxoviridae
  3.パラミクソウイルス科Paramyxoviridae
  4.トガウイルス科Togaviridaeとフラビウイルス科Flaviviridae
  5.レトロウイルス科Retroviridae
  6.カリシウイルス科Caliciviridae
  7.コロナウイルス科Coronaviridae
  8.ピコルナウイルス科Picornaviridae
  9.肝炎ウイルスhepatitis viruses
  10.その他の病原性ウイルス
 X プリオン
 XI真菌
  1.カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)
  2.その他のおもな病原性真菌
 XII原虫
7章 化学療法
 I 化学療法とは
 II 選択毒性,作用モードおよび抗菌域
 III 薬剤耐性
 IV おもな化学療法剤
  1.細菌に対する化学療法剤
  2.真菌に対する化学療法剤
  3.原虫に対する化学療法剤
  4.ウイルスに対する化学療法剤
 V どの化学療法剤を選ぶか
 VI 化学療法剤の副作用
  <微生物だけに命中する魔法の弾丸>
8章 滅菌と消毒
 I スタンダード・プレコーション
 II 滅菌と消毒の定義
 III 滅菌
  1.滅菌法
 IV 消毒
9章 口腔内常在微生物
 I 口腔常在菌叢
 II 口腔内環境
 III 唾液の感染防御機序
  1.唾液の量と緩衝能
  2.唾液中の自然免疫物質
  3.唾液中の分泌型IgA
  4.歯肉溝滲出液
 IV 口腔内微生物の分布
  1.細菌の由来と定着
  2.口腔内細菌叢の変化
  3.口腔各部位の細菌叢
 V デンタル・プラーク
  1.デンタル・プラーク形成機序
 VI 歯石の形成
 VII PMTC,スケーリング,およびルート・プレーニングの細菌学的意義
  <スケーリング中の菌血症>
10章 齲蝕症
 I 齲蝕症
  1.細菌感染症である証明
  2.齲蝕発症に関わる要因
  3.Mutans菌群の齲蝕原性
  4.ヒトの齲蝕病変とそのおもな病原菌
  5.齲蝕予防ワクチン
 II 歯髄炎
  1.感染細菌
 III 歯根尖感染性疾患
11章 歯周病
 I 歯周病のリスク因子
 II 歯周病の種類のおもな病原菌
  1.慢性歯肉炎(chronic gingivitis)
  2.妊娠性歯肉炎(pregnancy gingivitis)
  3.急性壊死性潰瘍性歯肉炎(ANUG)
  4.慢性歯周炎(chronic periodontitis)
  5.破壊性歯周炎(aggressive periodontitis)
 III 歯周病現性因子
  1.付着とバイオフィルム形成能
  2.食細胞抵抗因子
  3.産生毒素
  4.酵素
  5.免疫学的防御メカニズムからの回避能
 IV 歯周病と免疫応答
  1.感染防御免疫応答
  2.歯周局所の免疫病理学的応答
 V 口腔内細菌の全身疾患への関わり
  1.口腔内細菌による誤嚥性肺炎
  2.口腔内細菌と循環疾患
  3.病巣感染(focal infection)
  <口腔細菌と循環障害>
  <歯周病と妊娠トラブル>
  <歯科衛生士の口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防>
12章 口腔内症状がみられるその他の感染症と歯科診療上留意すべき口腔外感染症
 I 口腔内症状がみられるその他の感染症
  1.口腔領域における化膿性疾患
  2.放線菌症(actinomycosis)
  3.口腔カンジダ症(oral candidiasis)
  4.口腔領域における梅毒性病変
  5.口腔領域における単純ヘルペスウイルス感染症
  6.エイズ患者の口腔内病変
  7.手足口病hand-foot-and-mouth disease
  8.ヘルパンギーナherpangina
  9.麻疹ウイルス感染における口腔内病変
  10.破傷風菌感染における顎症状
 II 歯科診療上留意すべき口腔外感染症
  1.ウイルス性肝炎
  2.エイズ(後天性免疫不全症候群)
  3.ヒトT細胞白血病ウイルスの感染
  4.サイトメガロウイルスの感染
  5.EBウイルスの感染
 
 参考図書・文献
 さくいん

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】
梅本俊夫【うめもととしお】
 1964年 大阪歯科大学卒業
 1969年 大阪歯科大学講師
 1971年 大阪歯科大学助教授
 1984年 神奈川歯科大学教授
奥田克爾【おくだかつじ】
 1968年 東京歯科大学卒業
 1968年 東京歯科大学助手
 1989年 東京歯科大学教授
中山浩次【なかやまこうじ】
 1977年 九州大学歯学部卒業
 1981年 九州大学歯学部助手
 2000年 長崎大学歯学部教授
 2002年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授
三宅洋一郎【みやけよういちろう】
 1976年 広島大学歯学部卒業
 1980年 広島大学歯学部助手
 1994年 徳島大学歯学部教授
 2004年 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部教授

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全国歯科衛生士教育協議会 編/梅本俊夫・奥田克爾・中山浩次・三宅洋一郎 著

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