やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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新歯科衛生士教本
小児歯科学

赤坂守人 ほか著
発行時参考価格 3,000円
  • 総頁数:224頁
  • 判型:B5判
  • 発行年月:1994年10月
  • ISBN978-4-263-42734-7
  • 注文コード:427340

内容紹介

成長途上である小児の歯・歯列・咬合の発育と異常,乳歯・幼若永久歯の特徴とう蝕,歯科疾患などについて解説し,診療補助の実際について具体的にまとめた.

序文

序 文

 医療は人間を対象にするため,医療従事者は,生活する人間としての理解が必要である.都市化した今日の社会では,異世代間の人間相互の触れ合いが少なくなり,人間を知り理解することが希薄になってきている.
 小児は成長発達の途上にあるという成人とは異なった生物学的な理解が必要である.それも発育段階によっては生理的,形態的にもさまざまな面で異なっている.さらに小児は常に保護者,社会に依存的であるという社会学的な面での理解が必要である.そのため小児を取り巻く保護者,家庭,社会とのかかわりなど,幅広い知識が要求される.
 小児の歯科臨床における歯科衛生士とのチーム診療は,診療遂行上きわめて重要であることはもちろんのこと,小児の対応法では診療補助という言葉以上の役割を担っている.う蝕,歯周疾患,歯列・咬合異常など,口腔疾患の発病,進行時期は大半が小児期であるため,歯科衛生士の業務である予防処置,保健指導は小児期の臨床活動や公衆衛生活動において発揮される.わが国の歯科保健対策の目標としてかかげる8020運動を達成するためには,小児期からの口腔管理が必要であって,この面からも歯科衛生士の活動が不可欠である.
 歯科学のなかの歯科補綴学,歯科保存学,口腔外科学などは,治療上の手技による縦割りの専門分化であるのに対し,小児歯科学は,発育期という年齢区分による横割りの分化であり,小児のための総合的な歯科医療である.そのため臨床では,とくに歯科矯正学,歯科保存学,口腔外科学,口腔衛生学などの幅広い知識と技術が基本的に修得されていることを前提としたその応用とみることができる.そこで,当然関連する科目の理解が必要であることはいうまでもない.
 なお,本書の執筆にあたっては,次のように分担した.I編総論の1~3章は赤坂,4章,5章は隅田,6章は矢尾が,7章は本川が,II編各論の1章,5章は藥師寺,2章は矢尾,3章,4章,7章は土屋,6章は本川,8章は上原が担当した.
 1994年10月 著者一同

目次

I編 総論
1章 小児歯科学概論/3
 I 小児歯科学とは……3
  1.小児と医療……3
  2.小児歯科の定義,目的……4
  3.発育過程と口腔の変化……4
 II 小児歯科診療と歯科衛生士の役割……6
  1.診療補助と歯科衛生士……6
  2.予防業務と歯科衛生士……7
2章 心身の発育/9
 I 発育の概念と分類……9
  1.成長,発育,発達の定義……9
  2.発育の原則……9
  3.発育期の分類……10
 II 発育の評価……10
  1.身長,体重,発育指数……10
  2.年齢と身体発育の特徴……12
 III 生理的年齢……14
 IV 器官の発育……15
 V 精神的発達……16
  1.運動機能の発達……16
  2.摂食機能の発達……17
  3.言語の発達……18
  4.情動の発達……19
 VI 小児の生理的特徴……21
  1.呼吸……21
  2.体温……22
  3.脈拍,血圧……22
  4.血液……22
3章 顔面頭蓋の発育/23
 I 顎顔面頭蓋の発育……23
  1.顔面の高さ,幅,深さの発育……24
  2.顎の発育様式,発育方向……24
 II 顎の発育……25
  1.上顎骨の発育と発育異常……25
  2.下顎骨の発育と発育異常……25
 III 発育の評価法……27
  1.生体計測法……27
  2.頭部X線規格写真法……28
  3.石膏模型の分析法……28
4章 歯の発育と異常/32
 I 歯の形成……32
  1.歯の発育段階……32
 II 歯の発育時期と形成障害……37
  1.障害の特徴……37
 III 歯の萌出……41
  1.乳歯の萌出時期と順序……41
  2.永久歯の萌出時期と順序……41
 IV 歯の萌出異常……41
  1.萌出時期の異常……41
  2.萌出方向の異常……42
  3.萌出量の異常……42
5章 歯列・咬合の発育と異常/43
 I 歯列および咬合の発育……43
  1.発育段階……43
  2.乳歯列期の特徴……44
  3.混合歯列期の特徴……46
 II 歯列・咬合の発育異常……50
  1.遺伝……50
  2.環境……51
6章 乳歯・幼若永久歯の特徴とう蝕/53
 I 乳歯の特徴……53
  1.形態的特徴……53
  2.歯質の特徴……57
  3.機能的生理学的特徴……58
  4.物理化学的特徴……58
 II 幼若永久歯の特徴……58
  1.幼若永久歯の定義……58
  2.幼若永久歯の形態および構造的特徴……58
  3.幼若永久歯の生理学的特徴……59
 III 乳歯のう蝕……59
  1.乳歯う蝕の特徴……59
  2.乳歯う蝕の罹患型……59
  3.乳歯う蝕の好発部位……60
  4.乳歯う蝕の為害作用……64
 IV 幼若永久歯のう蝕……65
  1.幼若永久歯のう蝕の特徴……65
  2.幼若永久歯のう蝕の好発部位……65
7章 小児の歯科疾患/66
 I 小児にみられる口腔軟組織の異常と疾患……66
  1.口腔粘膜……66
  2.歯肉……68
  3.口唇……70
  4.舌……71
  5.小帯の異常……71
  6.流行性耳下腺炎……73
 II 小児にみられる歯周疾患……73
  1.歯肉炎……73
  2.歯周炎……73
  3.若年性歯周炎……73
  4.血液疾患に伴う歯肉炎……74
  5.フェニトインによる歯肉増殖症……75

II編 各論
1章 小児期の特徴と歯科的問題点/79
 I はじめに……79
 II 低年齢児の特徴,留意点と特徴的歯科疾患……80
  1.新生児期,乳児期前半……80
  2.乳児期後半~幼児期前半……81
  3.幼児期後半……81
 III 学童期の特徴,留意点と特徴的歯科疾患……82
 IV 思春期の特徴,留意点と特徴的歯科疾患……83
2章 小児歯科診療体系の流れ/85
 I 小児の歯科診療とその特徴……85
  1.小児患者の歯科治療……85
 II 小児歯科におけるう蝕予防処置……89
  1.歯口清掃指導と清掃方法……89
  2.歯口清掃の補助剤……95
  3.歯口清掃の評価……95
  4.食生活の指導……96
  5.フッ化物の応用……98
  6.予防填塞……99
 III 母親教室……100
  1.母親教室の必要性……100
  2.指導の実際……100
3章 患児の対応法/102
 I 患児・保護者と歯科医・歯科衛生士との関係……102
  1.歯科医・歯科衛生士と保護者……102
  2.小児と保護者……103
  3.保護者からの小児の分離……103
  4.診療補助者の態度……104
 II 診療室における小児の態度と行動……105
  1.診療室における環境……105
  2.診療室で示す小児の態度……105
  3.小児の態度と行動に影響を及ぼす要因……106
 III 年齢別にみた小児の行動と対応法……106
  1.乳児期(生後1年以内)……106
  2.幼児前期(2歳以下)……106
  3.幼児中期(3~4歳)……107
  4.幼児後期(5~6歳)……107
  5.学童期(6~11歳)……107
 IV 治療時の対応法……108
  1.一般的対応法……108
  2.不(非)協力的な小児の対処法……112
  3.行動療法(行動変容法)的対応法……114
  4.小児の抑制的対応法……116
  5.鎮静・減痛下の対応法……118
  6.全身麻酔下の対応法……119
4章 小児歯科における診療補助の原則/120
 I 小児歯科診療における補助……120
  1.診療補助者の役割……120
  2.小児患者の誘導前の準備……120
  3.小児患者の誘導……121
  4.小児歯科治療におけるチェアポジション……122
  5.歯科処置上配慮すべき事項……123
  6.器械器具や材料の受けわたしの基本……124
 II 小児患者における麻酔法……125
  1.全身麻酔法……125
  2.局所麻酔法……125
 III ラバーダム防湿法……126
  1.ラバーダム隔離法に必要な器具……126
  2.装着の手順と使用器具……128
5章 診療補助1 診査,修復,歯内療法/129
 I 診査……129
  1.診査の目的……130
  2.小児患者の診査法と必要事項……130
  3.必要な診査器具……131
 II 診査時に行う検査と資料採取……132
  1.小児のX線撮影法……133
  2.スタディモデルの作製法……133
  3.口腔内写真および顔貌写真……134
 III 小児の歯冠修復……134
  1.乳歯歯冠修復の目的……134
  2.乳歯歯冠修復の適応症と種類……134
  3.幼若永久歯歯冠修復の留意点……136
  4.幼若永久歯歯冠修復の種類と応用時の注意点……137
 IV 乳歯の歯冠修復……137
  1.アマルガム修復……138
  2.コンポジットレジン修復……140
  3.グラスアイオノマーセメント修復……142
  4.メタルインレー修復……143
  5.被覆冠による修復法……143
 V 小児の歯内療法……148
  1.乳歯歯髄疾患の分類……149
  2.乳歯歯髄と歯髄炎の特徴……150
  3.乳歯根■(根端)性歯周炎の特徴……150
  4.幼若永久歯の歯内療法の留意点……150
 VI 乳歯歯内療法の手順と器具……151
  1.歯髄鎮静療法……152
  2.歯髄覆罩(覆髄)法……152
  3.歯髄切断(断髄)法……154
  4.抜髄法……158
  5.感染根管治療法……159
  6.根管充填……159
 VII 幼若永久歯の歯内療法応用時の注意点……160
  1.歯髄切断(断髄)法……160
  2.抜髄法,感染根管治療法および根管充填……160
6章 診療補助2 外科的処置,咬合誘導/162
 I 乳歯の抜歯……163
  1.乳歯抜歯の適応症……163
  2.乳歯抜歯の禁忌症……165
  3.乳歯抜歯に使用する器具……165
  4.乳歯抜歯の留意点と術式……166
 II 切開……168
 III 小児の歯の外傷……168
  1.歯の外傷の分類……169
  2.乳歯の外傷……169
  3.幼若永久歯の外傷……169
 IV 小児に対する薬剤処方と薬物療法……170
  1.小児の薬物感受性の特徴……170
  2.薬用量と投与方法……170
  3.投与時の注意……170
 V 咬合誘導治療……171
  1.咬合誘導とは……171
  2.保■装置とその種類……171
  3.その他の咬合誘導法……173
  4.咬合誘導治療時の注意事項……174
7章 定期検診(リコール)/175
 I 定期検診の目的……175
 II 定期検診の方法……176
  1.保護者への説得……176
  2.定期検診の時期と間隔……177
 III 定期検診のシステム……177
 IV 定期検診時の診査項目……178
  1.定期診査のための資料……178
  2.定期検診時の診査項目……179
8章 障害児の歯科治療/180
 I 障害とは……180
  1.障害児と歯科的対策……180
  2.障害の概念……181
 II 障害の区分……183
 III 臨床場面で遭遇する主な障害とその全身的・歯科的特徴……184
  1.歯科的特徴のとらえかた……184
  2.身体障害――肢体不自由……185
  3.身体障害――感覚器の障害……187
  4.身体障害――音声・言語機能障害……187
  5.身体障害――内部障害(長期・慢性疾患)……188
  6.精神機能障害――精神発達遅滞,とくにダウン症……188
  7.精神機能障害――自閉症・微細脳損傷,学習障害……188
 IV 障害児の対応……189
  1.行動管理方法の分類……189
  2.行動変容技法(行動管理の一手法)の導入……191
 V 診療介助の基本……193
  1.診療介助の要点……193
  2.各種抑制手段……193
 VI 障害児の歯科予防対策……195
  1.予防対策の実践上の困難性……195
  2.障害児の歯口清掃……196
  3.障害児の歯科疾患予防措置……197
  4.障害児の歯口清掃時の姿勢と固定および保護者への指導……198

参考図書……200
用語解説……201
さくいん……205

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】
赤坂守人 あかさかもりと
 1939年 東京に生まれる
 1964年 日本大学歯学部卒業
 1971年 歯学博士
 1984年 日本大学教授(歯学部小児歯科学講座)
 1993年~1996年 同大学歯学部附属歯科衛生専門学校校長併任
上原 進 うえはらすすむ
 1932年 群馬県に生まれる
 1957年 東京歯科大学卒業
 1967年 歯学博士
 1978年 日本大学教授(松戸歯学部障害者歯科学講座)
 1998年 同大学総合科学研究所教授
隅田百登子 すだもとこ
 1949年 長崎県に生まれる
 1974年 日本歯科大学歯学部卒業
 1981年 歯学博士
 1982年 日本歯科大学講師(歯学部小児歯科学講座)
土屋友幸 つちやともゆき
 1946年 愛知県に生まれる
 1971年 愛知学院大学歯学部卒業
 1978年 歯学博士
 1997年 愛知学院大学教授(歯学部小児歯科学講座)
本川 渉 もとかわわたる
 1944年 長崎県に生まれる
 1969年 九州歯科大学卒業
 1978年 歯学博士
 1990年 福岡歯科大学教授(小児歯科学講座)
矢尾和彦 やおかずひこ
 1940年 韓国京城市に生まれる
 1965年 大阪歯科大学卒業
 1975年 歯学博士
 1991年 大阪歯科大学助教授(小児歯科学講座)
 1995年 同大学歯科衛生士専門学校校長
藥師寺 仁 やくしじまさし
 1943年 神奈川県に生まれる
 1967年 東京歯科大学卒業
 1971年 歯学博士
 1989年 東京歯科大学教授(小児歯科学講座)
 (五十音順)

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全国歯科衛生士教育協議会 編/赤坂守人・隅田百登子・本川渉・藥師寺仁・上原進・土屋友幸・矢尾和彦 著

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