やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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最新歯科衛生士教本
高齢者歯科

発行時参考価格 2,500円
  • 総頁数:182頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2003年4月
  • ISBN978-4-263-42712-5
  • 注文コード:427120

内容紹介

高齢者の歯科医療について歯科衛生士の視点から必要な情報を精選・収載したテキスト.患者さんを中心に,歯科衛生士,歯科医師などの歯科医療従事者がその患者さんの生活の質を上げるのにどのような医療・保健サービスを行うかをベースにした内容になっている.高齢者の歯科医療に関わる技術的な知識はもちろん,高齢者の心と身体にどう接するかなど,人を見る視点から記述されている.

序文

序

 わが国は高齢社会を迎え,社会生活に関連するすべての分野で,その対応が急がれています.最近の研究では,全身の健康に口腔の健康が広く深く関っていることが明らかになっています.高齢者における口腔の健康維持増進については,とくに重要であることが叫ばれています.一方,歯科衛生士を目指す学生諸君にとって「高齢者の口腔保健」を学習しやすい教科書が少なく,歯科衛生士業務に就いてからの臨床が,即ち教科書となりがちでした.
 このような背景のもとに,歯科衛生士の教育の場において高齢者の歯科医療に関する専門の教科書が是非必要との願いから本書が生まれました.
 この本にはいくつかの特徴があります.
 ・執筆者の多くが歯科衛生士であり,歯科衛生士の視点から将来歯科衛生士になる学生のために必要な情報が記載されています.
 ・高齢者を対象とした歯科医療についての教科書であり,高齢者歯科学といった学問の書籍ではありません.
 ・患者さんが中心にいて,歯科衛生士,歯科医師などの歯科医療従事者がその患者さんの生活全体の質を上げるのにどのような医療・保健サービスを行うかをベースにした内容にしたいとの思いから執筆されています.
 ・高齢者の歯科医療にかかわる技術的な知識はもちろん,種々の病気と付き合いながら生活していることが多い高齢者の心と身体にどう接するかなど,人をみる視点から記述されています.
 ・高齢者の生活の場へのかかわりが増すことが考えられるため,他業種の人たちとの連携がスムーズに行えるよう配慮されています.
 ・歯科衛生士を目指す学生が,新しい分野である高齢者の歯科医療についてどこまでの範囲で学ぶかを,各章の最初に到達目標として記載し,また文章もわかりやすく,簡潔を旨として学生を主体とした体裁としました.
 新しいこれからの歯科医療領域である要介護を含めた高齢者の歯科医療に対して,行間にある執筆者の思いをも読み取っていただき,将来の糧になる知識と技術と態度を培うために活用していただけたら幸いです.
 平成15年3月
 執筆者一同

目次

1章 高齢者歯科の現状
 I.高齢者とは
 II.高齢者の特性
   1.加齢と老化
   2.身体的特性
   3.精神的特性
   4.能力的特性
   5.社会的特性
 III.高齢者をとりまく社会的問題と環境
   1.人口の高齢化
   2.高齢者世帯の増加
   3.老後の生計維持
   4.高齢者の生きがい,社会支援対策などの問題
 IV.高齢者を支える保健・医療・福祉の基盤
   1.老人保健
   2.高齢者の保健福祉対策
   3.介護保険法
   4.在宅訪問歯科保健医療
2章 高齢者の健康と疾病
 I.高齢者の健康と生活
   1.健康とは
   2.高齢者に多くみられる疾患
   3.高齢者の疾患と口腔との関連
3章 高齢者の口腔
 I.高齢者の口腔領域の特性
   1.口腔
   2.咽頭,喉頭
   3.摂食・嚥下機能
 II.高齢者に多い口腔領域の疾患
   1.複数歯の根面齲蝕・残根状態
   2.歯周疾患
   3.粘膜疾患
   4.摂食・嚥下障害
   5.口腔乾燥
   6.口臭症
   7.その他
4章 高齢者と薬剤
 I.薬剤に関する情報
   1.薬剤の情報とその重要性
   2.歯科で処方される薬剤
   3.他科で処方されている薬剤
 II.他科で処方された薬剤との併用に対する注意
   1.併用薬剤に対する注意
   2.重複処方に対する注意
 III.服薬状況への配慮
   1.他科処方の薬剤のチェック
   2.歯科の薬剤服用の際の配慮
 IV.服薬に関わる指導
   1.服薬指導内容の再説明
   2.服薬の確認
   3.鎮痛剤の服用
   4.抗菌剤の服用
5章 高齢者の歯科診療における歯科衛生士の役割
 I.高齢者の歯科診療
   1.診療時の問題と留意点
   2.診療内容に応じた補助対応
 II.診療室における高齢者との接し方,介護技術
   1.高齢者との接し方(コミュニケーションスキル)
   2.歯科診療室での介助
6章 高齢者の歯科診療の実際と歯科診療補助
 I.全身状態の把握
   1.バイタルサインとモニタリング
 II.全身疾患への配慮
   1.疾病状態を考慮した歯科診療補助時の留意点
 III.口腔のおもな疾患への対応
   1.歯科治療前の注意点
   2.歯科治療時の注意点
   3.治療後の注意点
 IV.感染予防
   1.歯科治療で問題となる感染症
   2.歯科治療における問題点
   3.歯科診療室における感染経路
   4.歯科治療における感染予防対策
 V.摂食機能療法
   1.摂食機能療法と歯科衛生士
   2.摂食機能療法と歯科診療の補助
   3.摂食機能療法の実際
7章 高齢者の口腔保健管理
 I.老人保健法と歯科衛生士
   1.老人保健法の成立
   2.歯科衛生士の役割
 II.「介護予防事業」と歯科衛生士
   1.介護予防事業の成立
   2.介護予防対策の3つの柱
 III.歯科衛生士による口腔保健管理
   1.高齢者の現状
   2.口腔保健管理を行う上での留意点
 IV.日常的な口腔の器質的,機能的ケアと義歯
   1.高齢者とセルフケア
   2.義歯の取り扱い
8章 高齢者の歯科保健指導の実際と留意点
 I.情報の収集
   1.全身の状態について
   2.口腔の状態について
   3.精神的状態について
   4.社会的状態について
 II.歯科保健指導の実際
   1.歯の清掃
   2.補綴物周辺の清掃
   3.舌の清掃
   4.義歯の清掃と取り扱い
   5.その他
 III.摂食・嚥下状態と食物物性の関連
   1.食物のおいしさ
   2.摂食・嚥下障害者に対する好ましい食事
   3.調理方法の工夫
   4.その他の留意点
9章 要介護高齢者の現状
 I.要介護高齢者の現状と特性
   1.要介護高齢者とは
   2.要介護高齢者の現状
   3.要介護高齢者の特性
   4.介護の考え方
   5.障害モデルからみた要介護高齢者
   6.要介護高齢者の生活の場
 II.要介護高齢者のQOL
   1.QOL
   2.命(生命)の質としてのQOL
   3.生活の質としてのQOL
 III.要介護高齢者を取り巻く社会環境
   1.介護保険以前
   2.社会環境としての介護保険制度
   3.介護予防・生活支援事業
   4.ボランティア活動
 IV.要介護高齢者にかかわる職種
   1.チーム医療・チーム介護
   2.要介護高齢者を支える制度
   3.おもな医療・福祉専門職
10章 要介護高齢者と歯科衛生士
 I.歯科衛生士に求められるもの
   1.口腔のケアの必要性と効果
 II.歯科衛生士と訪問活動
   1.在宅ケア
   2.訪問指導の留意点
 III.介護保険制度と歯科保健医療とのかかわり
   1.介護保険制度の仕組み
   2.介護保険制度における歯科の位置づけ
11章 訪問歯科保健指導の実際
 I.訪問歯科保健指導の基本的知ッ
   1.訪問歯科保健指導の必要性とその効果
   2.要介護高齢者への接し方・介護技術
   3.訪問歯科保健指導の基本手技
   4.義歯に関するケア
   5.訪問歯科保健指導と歯科診療補助
   6.訪問歯科保健指導の業務記録
 II.在宅における要介護高齢者を理解する
   1.在宅における要介護高齢者の現状
 III.在宅での訪問歯科保健指導の流れ
   1.歯科衛生士が行う在宅訪問歯科保健指導
   2.訪問歯科保健指導の流れ
   3.器具の工夫
 IV.施設における要介護高齢者の訪問歯科保健指導
   1.施設の違い
   2.施設での訪問歯科保健指導の進め方
   3.施設での訪問歯科保健指導の実際

 文献
 索引

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】
片倉伸郎
 1981年 東京医科歯科大学歯学部卒業
 1985年 東京医科歯科大学大学院修了(歯科麻酔学専攻)
 1986年 東京医科歯科大学歯科麻酔学講座助手
 2001年 東京医科歯科大学大学院口腔老化制御学分野助手
菅 武雄
 1990年 鶴見大学歯学部卒業
 1991年 鶴見大学歯学部助手(歯科補綴学第1講座)
 1996年 同(高齢者歯科学講座)
 1998年 介護支援専門員
合場千佳子
 1980年 日本歯科大学附属歯科専門学校卒業
 1988年 同校教務主任
 1997年 明星大学人文学部教育心理学科卒業
境 信
 1964年 日本女子衛生短期大学(現湘南短期大学)保健科卒業
 同 年 同短期大学助手
 1981年 千葉県立衛生短期大学講師
 1997年 医療法人グリーンエミネンス介護老人保健施設うらら介護長
田村清美
 1978年 名古屋デンタル学院(現専門学校名古屋デンタル衛生士学院)卒業
 1991年 名古屋歯科衛生士専門学校教務主任
 2001年 仏教大学社会学部社会福祉学科卒業
水上美樹
 1986年 日本女子衛生短期大学(現湘南短期大学)別科卒業
 1986年 東京女子医科大学歯科口腔外科入局
 1991年 昭和大学歯学部口腔衛生学教室入局
足立三枝子
 1970年 東京歯科大学歯科衛生士学校(現東京歯科大学歯科衛生士専門学校)卒業
 1974年 法政大学文学部日本文学科卒業
 1983年 東京都府中市生活文化部健康課(現府中市福祉保健部健康推進課)勤務
 2000年 介護支援専門員指導者
 2001年 障害者ケアマネジメント従事者
松田裕子
 1970年 鶴見女子短期大学保健科卒業
 1972年 鶴見大学歯学部附属病院勤務
 1977年 鶴見大学女子短期大学部講師
 1984年 鶴見大学女子短期大学部(現鶴見大学短期大学部)助教授
 2000年 日本女子大学家政学部食物学科卒業
中川律子
 1965年 日本女子衛生短期大学(現湘南短期大学)保健科卒業
 1966年 日本女子衛生短期大学保健養護学教室勤務(1970年まで)
 1978年 相模原市地域歯科保健活動
 2000年 介護支援専門員相模原市介護認定審査委員
白鳥たかみ
 1983年 東京歯科大学歯科衛生士専門学校卒業
 1988年 同校講師
 1993年 同校教務主任
 1999年 放送大学教養学部卒業
森戸光彦
 1971年 東京医科歯科大学歯学部卒業
 同 年 鶴見大学歯学部助手(歯科補綴学講座)
 1985年 鶴見大学歯学部助教授(歯科補綴学第3講座)
 1996年 鶴見大学歯学部教授(高齢者歯科学講座)
植松 宏
 1972年 神奈川歯科大学卒業
 1975年 東京医科歯科大学歯学部歯科麻酔科助手
 1986年 埼玉県障害者リハビリテーションセンター歯科医長
 1998年 東京医科歯科大学歯学部高齢者歯科学講座教授(現東京医科歯科大学大学院口腔老化制御学分野)
植田耕一郎
 1983年 日本大学歯学部卒業
 1987年 日本大学大学院歯学研究科修了(歯科臨床系補綴学専攻)
 同 年 日本大学歯学部補綴学教室助手
 1990年 東京都リハビリテーション病院医員
 1999年 新潟大学歯学部加齢歯科学講座助教授(現新潟大学大学院摂食・嚥下障害学分野)
向井美惠
 1973年 大阪歯科大学卒業
 1981年 昭和大学歯学部講師(小児歯科学教室)
 1989年 昭和大学歯学部助教授(口腔衛生学教室)
 1997年 昭和大学歯学部教授(口腔衛生学教室)
井出吉信
 1972年 東京歯科大学卒業
 1976年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(解剖学専攻)
 同 年 東京歯科大学解剖学講座助手
 1984年 東京歯科大学解剖学講座教授
山根源之
 1970年 東京歯科大学卒業
 1974年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了(口腔外科学専攻)
 1996年 東京歯科大学教授(オーラルメディシン講座),東京歯科大学市川総合病院歯科・口腔外科部長
 1998年 東京歯科大学市川総合病院副病院長

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全国歯科衛生士教育協議会 監修/森戸光彦・向井美惠・植松宏・片倉伸郎・菅武雄・合場千佳子・境信・田村清美・水上美樹・足立三枝子・松田裕子・中川律子・井出吉信・植田耕一郎・山根源之・白鳥たかみ 著