やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

ひとりぼっちを抱きしめて
1,540円(税込)
オンデマンド
「オンデマンド万能書店」のみでの販売となるオンライン限定商品です.
ご購入はこちらからお願いいたします.

ひとりぼっちを抱きしめて

定価 1,540円 (本体 1,400円+税10%)
  • 総頁数:192頁
  • 判型:B6判変
  • 発行年月:2001年4月

オンデマンド版とは

●オンデマンド版は1冊からの受注生産です.ご注文後の作成のため,ご注文をいただいてから2~3週間程度お時間がかかります.返品はお受けできません.
●本書は刊行当時の原本をスキャニングで忠実に読み取り,オンデマンド印刷機にて印刷・製本したものです.中身は原則として刊行当時のままとなります.また,原本より写真や網かけ部分が粗くなっています.
●オンデマンド版化にあたって,すべてソフトカバーに変更しています.また,一部多色刷りの箇所をモノクロに変更している場合があります.

内容紹介

1型糖尿病が引き金となって拒食・過食の症状に悩む20歳の女性と心療内科医師との往復書簡集.さまざまな困難に直面し,悩みながら克服をめざし,また悩む……揺れ動く若き心にあたたかく寄り添いつつフォローする医師との感動的な交流の軌跡.『月刊さかえ』誌上連載のコラムを一冊にまとめた.

序文

感動的な荻原さんの姿――推せんの言葉

 臨床心理学者 河合隼雄

 本書は,1型糖尿病と,拒食・過食の症状に悩む,荻原友末さんという20歳の女性と,心療内科の医師,瀧井正人先生との公開往復書簡の収録,というわが国には珍しい書物である.
 現在,拒食・過食の症状に悩んでいる女性は実に多く,しかも,なかなか治りにくいために,ずいぶんと苦しい生活をしている人が多い.本書では荻原さんが大変な努力をして,自分の心のうちのことを語って下さっているので,その苦しさがよく伝わってくる.これを読んで,同じ症状に苦しんでいる人たちが,自分が一人だけで苦しんでいるのではないことを知り,そして,自分がうまく言い表わせなかった心のうちを,荻原さんが上手に表現してくれているのを知り,ほっとするような気持ちを持たれたことだろう.
 荻原さんの場合,1型糖尿病ということが,引き金になっている.瀧井先生は現代の医学の進歩によって,それに対処することが容易になったことを強調しておられる.まさに,そのとおりなのだが,それにしても罹病している者にとっては,それを超えた不安やいら立ちや,何とも言えぬ気持ちで,やり切れなくなる.このあたりのことも荻原さんはよく表現している.
 長い往復書簡のやりとりのなかで,瀧井先生も強調しておられるように,荻原さんがしっかりと自分を見つめ,困難を克服してゆかれる姿が,よくわかって感動的である.
 荻原さんの勇気ある行為によって,同病に苦しむ人たちのみではなく,このような人たちの周囲にいる多くの人たちにとって,極めて有意義な書物ができたことを有難く感謝している.思春期,青年期の心身の病に関心のある人たちに,多く読まれることを期待している.

生かされている自分――あとがき

 月刊『糖尿病ライフさかえ』編集委員・東京女子医科大学糖尿病センター助教授 内潟安子

 エベレストをはじめ世界の7大陸最高峰を史上最年少で征服した野口 健さん(『おちこぼれてエベレスト』集英社)や,4年3ヵ月かけて自転車で世界一周した坂本 達さんの本(『やった.』三起商行)が出版されています.私は出版されるやいなや,すぐ読みそして涙して感激してまた読み返しています.
 自転車で5万5000kmを走った坂本さんは,本のなかでこう書いています.「人間は生きているのではない.生かされているのだ」と.野口さんも,登山によって生かされている自分を顧みて,エベレストに再度のぼり,エベレストのごみ掃除をしていらっしゃることは皆さんご存じの通りです.
 九州大学心療内科・瀧井先生と荻原さんとの往復書間は,ここに一段落しました.荻原さんが月刊誌『糖尿病ライフさかえ』に自分の悩みを初めて寄稿した時,自分ではどうしようもできない病気というものをもってしまった若者の悩みをどうしてあげればいいのか,私も悩んでいました.その後,荻原さんは私どもの病院に通院することとなりました.
 縁あって,瀧井先生と荻原さんと三人三脚することができました.エベレスト登山や世界一周と比べられないほどの地道な道のりでした.いえ,荻原さんはこの道のりをまだ歩いていかねばなりません.そして,私どもも歩いていきます.
 生きているのではない,生かされている自分をわれわれもかみしめています.

目次

 感動的な荻原さんの姿―推せんの言葉 河合隼雄

一人暮らしを始めて過食に悩んでいます 荻原友未
なぜ過食が始まり繰り返すのか? 瀧井正人
出口の見えないトンネルの中で 荻原友未
拒食と過食は自分自身を見つけるための道のりだったのかも… 瀧井正人
食べて…,吐いて…,みじめになって… 荻原友未
完璧でない自分を許せる環境をつくってみては… 瀧井正人
荻原さんのファンの皆さんへ 瀧井正人
自己評価を取り戻そう(上) 瀧井正人
自己評価を取り戻そう(下) 瀧井正人
入院生活で,生きていることを実感できました 荻原友未
制約の中で本当の自由と「自分らしさ」を発見する 瀧井正人
もっともっと柔らかい「荻原友未」になりたい 荻原友未
退院後の現実生活を通じ「自分らしさ」ができていく 瀧井正人
「今」という時を大切に立ち直っていきたい 荻原友未
自分らしく生きてください 瀧井正人
堂々と自分自身をさらけ出して生きていきたい 荻原友未
「頑張れ」は,心を傷つける言葉です 瀧井正人
自然な成長を奪われた子どもたちの反抗 瀧井正人
自分の道を自分に正直に生きていきたい 荻原友未
親としっかり向き合うことで真実が現われてくる 瀧井正人
自分の目標のために一歩一歩進んでいきます 荻原友未
傷ついた心 瀧井正人
自分の力で強く生きていこうよ! 荻原友未
実り多い旅をありがとう(上) 瀧井正人
実り多い旅をありがとう(下) 瀧井正人

生かされている自分―あとがき 内潟安子

 表紙イラストレーション 高下早苗

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】
荻原友未
 昭和53年 愛知県生まれ
 平成5年 1型糖尿病発症
瀧井正人
 昭和25年 京都府生まれ
 昭和52年 早稲田大学文学部卒業
 昭和62年 九州大学医学部卒業
 昭和62年 九州大学医学部心療内科入局

執筆者の関連書籍を探す場合は下に表示された名前をクリックしてください

(社)日本糖尿病協会 編/宮本友未・瀧井正人 著