やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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臨床検査学講座
検査管理総論 第2版

発行時参考価格 2,900円
  • 総頁数:156頁
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2003年1月
  • ISBN978-4-263-22912-5
  • 注文コード:229120

内容紹介

教育目標の精度管理,運営,安全,検査の意義,職業倫理の部分をカバー.前半では検査業務の理解と精度管理の基本,後半ではやや進んだ精度管理法,検査室管理各論についてまとめ,精度管理図の書き方についての演習問題を追加.改訂3版は2006年11月発行予定.

序文

第2版の序

 本書が2000年に刊行されて以来,2年という短期間のうちにも,わが国の病院臨床検査部門を取り巻く環境は大きく変化し,その管理・運営はますます厳しくなるとともに,その重要度を増した.また本年,『臨床検査技師国家試験出題基準』が公表された.こうした事情を背景に,本書の内容を再検討し,臨床検査技師資格取得をめざす学生諸君の国家試験準備に遺漏なきよう,その内容の整備・充実を図り,第2版として刊行するにいたった.
 内容的には特に「精度管理」の項に新情報を加え,大幅に加筆訂正した.また,旧版の「4.検査室管理・運営各論」を「4.検査部門の管理と運営」と改め,「マニュアル」「検査成績管理」「経営管理」「リスクマネジメント」など新たな項を加え,充実を図った.
 第1版に引き続き,皆さんのご批判,ご意見をお聞かせくだされば幸いである.
 2002年12月
 著者を代表して 保崎 清人

第1版の序

 「検査管理総論」が臨床検査技師教育の正式な教科として取り入れられたのは,1987年4月のカリキュラム改訂に際してであった.
 この間,筆者は6年間,東京医科歯科大学において検査管理学の講義を行ってきたが,その体験をもとに今回『新編臨床検査講座/検査管理総論』の大幅な改訂を行った.
 今回の改訂にあたり,「検査管理総論」は,単なる精度管理法を学ぶ教科としてではなく,臨床検査情報を取り扱うものにとって必要な基本的事項を併せ学ぶ教科としてとらえた.
 そこで,(1)医療施設における検査室の役割や医療における検査情報の重要性を理解すること,(2)総合的精度管理の概念を導入すること,(3)従来の定量検査の精度管理だけではなく,臨床検査の全領域における検査情報の管理に触れること,などに留意した.
 現在,臨床検査技師教育は三年制の専修学校,短期大学,四年制大学で行われている.取得する臨床検査技師の資格は同等であるが,それぞれの教育施設にはそれぞれの教育目標があり,とくに「検査管理総論」などにその考え方の違いが出ると思われる.事実,講義時間にもその差がみられる.また,講義内容にも,検査学を学び始める段階で知っておくべき事項と,検査の実態を学んだ後に学習すべき内容とがある.
 こうした状況を考慮して,本版からは全体を2つに分け,前半(第1章~第5章)をすべての臨床検査技師に不可欠な事項,後半(第6章)はやや進んだ検査管理学に関する事項とした.
 精度管理法に関して,従来は臨床化学など定量検査のみの管理法につき触れてきたが,今回からはすべての領域の精度管理の概要について,それぞれの専門家に執筆をお願いした.
 また,とかく観念的になりがちな分野であるため,演習問題を若干付記し,実際に管理図を描いてもらうなど工夫したので,利用していただければ幸いである.
 本書にはいまだ不十分な点もあるかと思うが,各方面からのご意見やご叱正をいただき,よりよいテキストにしていきたいと考えている.
 2001年 初春
 著者を代表して 保崎 清人

目次

 第2版の序
 第1版の序

第I章 ―― 医療組織と検査部門
  I.病院の機能
  II.病院組織の概要
  III.医療職とチーム医療
  IV.病院における検査部(室)の役割
   1-検査部(室)のあゆみ
   2-検査部(室)の役割とその重要性
第II章 ―― 検査部(室)の組織・業務とその管理
 1.検査部の組織と施設・設備
  I.検査部(室)の組織
  II.構成する医療職
   1-検査技師
   2-医師
  III.管理組織
  IV.検査部(室)の施設・設備
   1-施設
   2-設備
   3-システム
  V.職員
 2.検査部(室)の業務
  I.日常検査
   [1]検体採取・運搬・保存
   [2]検査受付
   [3]検査前処理
   [4]測定
   [5]精度管理
   [6]検査結果の報告
  II.緊急検査
  III.特殊検査
  IV.外注検査
  V.診療科とのコミュニケーション
  VI.研究
  VII.これからの臨床検査
   1-検査形態の変化
   2-環境への配慮
   3-個人情報の保護
 3.検査部における各種管理業務の概要
  I.検査情報の管理いわゆる精度管理
  II.検査部管理に関する業務
第III章 ―― 精度管理
 1.臨床検査における精度管理
  I.精度管理の歴史
  II.精度管理の概説
   1-精度管理の目的
   2-信頼性の管理
   3-内部精度管理および外部精度評価
   4-精密さと正確さの管理
   5-誤差の分類
   6-異常の発見と対応
  III.誤差許容限界と管理限界
   1-医学的有用性からみた誤差許容限界
   [1]Tonksの誤差許容限界
   [2]Barnettの誤差許容限界
   2-現行の技術水準による誤差許容限界
   3-生理的変動による誤差許容限界
   4-技能試験による誤差許容限界
   5-管理限界
 2.精度管理に必要な統計学と用語
  I.統計学的用語の解説
  II.統計学的計算
   1-平均値,標準偏差,変動係数
   2-標準誤差
   3-t検定
   4-対になっていない測定値の例
   5-対になった測定値の例
   6-F検定
   7-相関係数
   8-回帰分析
   9-分散分析による精密度の求め方
 3.基本的管理と技術的管理
  I.基本的管理
   1-材料管理
   2-試薬(および薬品)管理
   3-機器管理
   4-検体管理
  II.技術的管理
  III.精度管理用試料
   1-市販コントロール血清
   [1]凍結乾燥コントロール血清
   [2]液状コントロール血清
   2-自家製プール血清
   3-血球計数用コントロール試料
 4.定量検査の精度管理
  I.内部精度管理法
   1-管理用試料を用いる方法
   [1]x-R管理図法
   [2]累積和法
   [3]双値法
   2-管理用試料を用いない方法
   [1]2重測定法
   [2]ナンバー・プラス法
   [3]正常値平均法
   [4]デルタ・チェック法
  II.外部精度評価法
   1-クロス・チェック
   2-精度管理調査
   [1]精度管理調査の目的
   [2]精度管理調査用試料
   [3]精度管理調査の頻度
   [4]精度管理調査参加上の注意
   [5]結果の統計学的解析
 5.各検査領域別の精度管理
  I.一般検査の精度管理
   1-採尿の管理
   2-試験紙の管理
   3-尿試験紙法の内部精度管理
   [1]コントロール尿を用いた精度管理
   [2]反復測定法
   4-試験紙法の外部精度評価
   5-尿沈渣の精度管理
   6-便潜血反応の精度管理
  II.血液検査の精度管理
   1-内部精度管理
   [1]血液検査(血算) 自動血球計数装置の精度管理
   [2]白血球分類(形態学的検査)
   [3]網赤血球数
   [4]血液凝固検査
   2-外部精度評価(コントロール・サーベイ)53
  III.免疫検査の精度管理
   1-抗原抗体反応
   2-生細胞を用いた検査
   3-遺伝子を検出する検査
  IV.微生物検査の精度管理
   1-検体の採取および輸送
   2-装置・機器
   3-培地
   4-試薬・抗血清
   5-標準菌株および菌株の保存
   6-検査技師としての留意事項
  V.生理検査の精度管理
   1-患者に関すること
   2-機器に関すること
   3-臨床検査技師の技術に関すること
  VI.a理検査の精度管理
   1-病理検査における精度管理の特性
   2-診断の自動化
  まとめ
第IV章 ―― 検査法の評価
 1.技術的評価
  I.測定法の選択
  II.測定法の評価
   1-精密さの評価
   [1]管理用試料を用いる方法
   [2]患者試料を用いる方法
   2-正確さの評価
   [1]正確さを基本とした測定体系
   [2]基準分析法および標準物質が存在する場合の正確さの評価
   [3]基準分析法および標準物質が存在しない場合の正確さの評価
   3-測定法の比較実験
   4-比較実験データの評価
   5-比較実験結果の評価
 2.検査結果の評価
   1-報告するか,しないかの判断
   2-原因の究明
   3-是正措置
   4-信頼性の長期保証
   5-臨床医のクレームへの対策
 3.臨床的評価
  まとめ
第V章 ―― 検査情報の判定基準
  I.従来の正常範囲
   1-従来の正常値の概念
   2-正常値の設定
   3-正常値の求め方
   [1]対象
   [2]分布型の検討
   [3]計算法
  II.基準範囲 新しい概念
   1-基準範囲の概念
   2-基準範囲の設定法
   [1]前提条件の検討
   [2]設定手順
  III.カットオフ値
  IV.利用目的に応じた判断基準
第VI章 ―― 検査管理 アドバンスコース
 1.やや進んだ精度管理法
   1-Youdenプロット
   [1]管理用試料
   [2]予備データの収集と計算
   [3]管理図の作成
   [4]管理図の解釈
   [5]Youdenプロットの有用性と限界
   2-マルチ・ルール管理法
   [1]マルチ・ルールの概要
   [2]ルールと誤差の関係
   [3]管理用試料
   [4]予備データの収集と計算
   [5]マルチ・ルール管理法の有用性と限界
   3-臼井法
   [1]規準化されたx-R管理図法
   [2]規準化されたプラスマイナス管理図法
   〈演習問題〉93
 2.総合的精度管理と精度保証の概念
  I.精度管理から精度保証へ
 3.臨床的有用性の評価法
   1-検査法の臨床的評価
   2-検査法の感度と特異度
   3-カットオフ値
   4-的中度と有病率
   5-ROC曲線法
   [1]ROC曲線の描き方
   [2]ROC曲線による検査法の評価
 4.検査部門の管理と運営
  I.人事管理
   1-人員配置
   2-ローテーション
   3-専門制
  II.マニュアル
   1-マニュアルの管理
   2-実施操作マニュアル
   3-精度管理マニュアル
   4-機器メンテナンスマニュアル
   5-医療事故対策マニュアル
   6-患者接遇マニュアル
  III.検体管理
   1-検体の採取
   2-検体の搬送
   3-検体の確認
   4-検体処理
   5-検体の分析
   6-検体の保存と活用
  IV.検査成績管理
   1-検体の採取
   2-検査の実施
   3-検査報告
  V.検査機器管理
   1-機種選定
   2-機器の保守管理
   3-保守契約
   4-故障対策
  VI.物品管理
   1-試薬
   [1]試薬の管理
   [2]精度管理試料の取り扱い
   [3]水の管理
   [4]検査器材
   2-検査申し込み伝票と報告用紙
   3-在庫管理
   4-図書管理
  VII.システム管理(情報管理)110
   1-ハードウエアの構成と管理
   2-ソフトウエア管理
   [1]ソフトウエアによる検査システム構築
   [2]恒常性の維持
   [3]柔軟性の確保
   [4]検査データの管理
   [5]検査システム利用者の管理
   [6]ダウン対策
  VIII.経営管理
   1-目標
   2-収支バランス
   [1]収入
   [2]支出
   [3]収支バランス
  IX.リスクマネジメント(検査過誤)114
   1-検査過誤
   [1]分類
   [2]対処
  X.安全管理
   1-電気
   [1]機器の安全性
   [2]絶縁と接地
   [3]使用環境
   [4]電気機器の取り扱い上の注意
   [5]火災発生時の処理
   [6]消火器具の取り扱い方
   2-医療ガス
   3-薬品
   [1]薬品の安全管理と災害予防
   4-感染性医療廃棄物
   [1]廃棄物の安全管理
   [2]医療廃棄物の定義
   [3]廃棄物の処理
   [4]法的な規制
   [5]臨床検査室などで生じる廃液の処理
XI.事故対策
   1-感染予防
   2-B型肝炎の感染予防
   [1]感染予防
   [2]消毒法
   [3]ワクチン
   [4]針刺し事故の対策
   3-C型肝炎の感染予防
   4-エイズの感染予防

 索引

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】
保崎清人 ほさきせいじん
 1960年 東京医科歯科大学医学部卒業
 1972年 東京医科歯科大学医学部講師
 1979年 同助教授
 1990年 東京医科歯科大学医学部教授(保健衛生学科)
 1998年 東京医科歯科大学名誉教授 実践女子大学教授(生活化学部)
 現在にいたる
中 甫 なかはじめ
 1968年 東京理科大学理学部化学科卒業
 1980年 三井記念病院中央検査部臨床化学科科長
 1983年 千葉大学医学部助教授(附属病院検査部)
 1984年 三井記念病院中央検査部臨床化学科部長
 1994年 日本福祉総合医療研究所所長 福祉・医療技術振興会専務理事
 現在にいたる
村上直巳 むらかみなおみ
 1978年 東京医科歯科大学医学部卒業
 1981年 東京医科歯科大学医学部助手(附属病院検査部)
 現在にいたる
窪田哲朗 くぼたてつお
 1981年 東京医科歯科大学医学部卒業
 1985年 東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了
 1988年 東京医科歯科大学医学部助手
 1989年 米国タフツ大学サックラー医科学大学院生化学リサーチアソシエイト
 1992年 東京医科歯科大学医学部助教授(保健衛生学科)
 2001年 東京医科歯科大学大学院助教授(保健衛生学研究科生体防御検査学)
 現在にいたる
岡村 登 おかむらのぼる
 1972年 東京医科歯科大学医学部卒業
 1985年 東京医科歯科大学医学部講師
 1985年 国立公衆衛生院衛生微生物学部室長
 1990年 東京医科歯科大学医学部教授(保健衛生学科)
 2001年 東京医科歯科大学大学院教授(保健衛生学研究科病因検査学)
 現在にいたる
宮里逸郎 みやざといつろう
 1971年 東京医科歯科大学医学部卒業
 1974年 東京医科歯科大学医学部助手
 1977年 東京医科歯科大学医学部附属病院検査部兼務
 1980年 同講師
 1990年 東京医科歯科大学医学部助教授(保健衛生学科)
 2001年 東京医科歯科大学大学院助教授(保健衛生学研究科生命機能情報解析学)
 現在にいたる
神山隆一 かみやまりゅういち
 1964年 東京医科歯科大学医学部卒業
 1969年 東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了 東京医科歯科大学医学部助手
 1976年 同助教授
 1979年 東京医科歯科大学医学部附属病院病理部副部長
 1992年 東京医科歯科大学医学部教授(保健衛生学科)
 2001年 東京医科歯科大学大学院教授(保健衛生学研究科分子病態検査学)
 現在にいたる
大澤 進 おおさわすすむ
 1969年 京浜学園衛生技術学科卒業
 1976年 東京理科大学理学部化学科卒業
 1987年 千葉大学医学部附属病院検査部副技師長
 1991年 同技師長
 現在にいたる

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