やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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言語聴覚士のための
臨床歯科医学・口腔外科学

発行時参考価格 4,000円
  • 総頁数:272頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2000年10月
  • ISBN978-4-263-21526-5
  • 注文コード:215260

内容紹介

言語聴覚士のために写真や図を多用して,歯,口腔,顎,顔面の構造や機能,疾患,機能障害の診断,治療を,実際の臨床データを盛り込みながら2~4色刷でポイントを明示して解説.言語聴覚士や研究者はもとより,これから国家試験に臨む学生にとっても最適なテキスト.

序文

序文

 長い間の懸案であり,多くの人々の念願であったいわゆるSTの国家資格法が平成9年12月にようやく成立し,平成11年4月には4003名の「言語聴覚士」がわが国に誕生した.医療言語聴覚士資格制度推進協議会の一員として,それまでの長い道のりを考えると感慨深いものがある.同時に養成課程のシラバスや国家試験の出題基準も提示された.その中で臨床歯科医学,口腔外科学についての要項や基準も明らかにされた.
 しかし現状では,言語聴覚士のための臨床歯科医学,口腔外科学の教科書はまったくない.全国に次々と養成機関が発足し,教育が始まっているがその指針になるものがみられない.
 そこで,これまで,国立リハビリテーションセンター学院,国際医療福祉大学,日本福祉教育専門学校などで講義をしていた講義録をまとめて教科書をつくることにした.執筆はその講義の準備をしてくれた昭和大学歯学部第一口腔外科の現教室員および元教室員にお願いすることとした.一つの施設で全部の原稿を分担したので編集方針に偏りはあると思う.しかし逆に,相互の連携を密にすることができたので統一をとることができたと思う.
 原稿は,なるべく実際の臨床データを盛り込んだり事例を紹介しようとして,少し欲ばり過ぎたために最初の予定よりも増えてしまった.そのために初学者あるいは学生には少し内容が過剰かもしれない.しかし,教科書として学生に読んでもらうだけでなく,現任の言語聴覚士や研究者にも多少参考になればと思って敢えてこれ以上は削除しないで掲載することにした.
 最初の教科書だから当然ご批判を受けることは覚悟の上である.遠慮なくご指摘を頂きたい.そのご批判に従って順次改善してゆきたいと考えているので,ご指摘はかえってありがたいと思っている.
 最後に,何度もの原稿の調整に応じてくれた執筆者の方々,また,何回もの校正をお許し頂き,ご支援,ご協力をいただいた齋藤和博氏をはじめとした医歯薬出版の方々に心から謝意を表する.
 2000年8月 道 健一

目次

序文 道 健一

序章:歯科医療のあらまし
   (1)歯科医療の歴史
   (2)歯科医療の現状
   (3)歯科医療における言語聴覚士の役割
第1章 歯・口腔・顎・顔面の構造と機能
 1 歯・口腔・顎・顔面の形態と構造
  1 顔面,頸部の形態と構造
   (1)顔面の名称
   (2)顔面の神経支配
   (3)頸部のリンパ節
   (4)顔面・頸部の血行
   (5)唾液腺
  2 口腔軟組織の形態と構造
   (1)口腔
   (2)口唇,頬
   (3)舌,口底
   (4)軟口蓋,咽頭,喉頭,食道
  3 顎・顎関節の形態と構造
   (1)上顎,硬口蓋
   (2)下顎,顎関節
  4 歯・歯周組織の形態と構造
   (1)歯
   (2)歯周組織
 2 歯・口腔・顎・顔面の発生,発育
  1 口腔・顎・顔面の発生
   (1)口腔の発生
   (2)上・下顎の発生
   (3)顔面の発生
  2 歯の発生
  3 口腔・顎・顔面の発育
   (1)上顎骨の成長・発育
   (2)下顎骨の成長・発育
  4 歯の萌出
 3 歯・口腔・顎・顔面の機能
  1 言語機能
   (1)発音機能における口腔の役割
   (2)鼻咽腔閉鎖機能
   (3)構音機能
  2 咀嚼機能
   (1)咀嚼とは
   (2)咀嚼に関与する器官
   (3)咀嚼の機序
   (4)咀嚼の意義
   (5)味覚
   (6)唾液
  3 嚥下機能
   (1)嚥下とは
   (2)嚥下機能に関与する器官
   (3)嚥下の機序
   (4)呼吸と嚥下の協調と制御
 4 口腔の診査法
  1 口腔診査用器械・器具
   (1)診療用椅子(デンタルチェア)
   (2)歯科用ユニット
   (3)診療用器具
  2 消毒・滅菌・感染予防
   (1)手指の消毒
   (2)器械・器具の消毒,滅菌
   (3)院内感染予防
  3 診査法
   (1)診察法
   (2)画像診断
第2章 歯・口腔・顎・顔面の疾患
 1 顔面・頸部の疾患
  1 顔面・頸部の軟部組織の疾患
   (1)先天異常,発育異常
   (2)外傷
   (3)炎症,感染症
   (4)嚢胞
   (5)腫瘍
  2 大唾液腺の疾患
   (1)形態,機能の異常
   (2)異物
   (3)唾液腺炎
   (4)嚢胞
   (5)腫瘍
   (6)その他の唾液腺疾患
  3 神経系疾患および心因性病態
   (1)神経痛
   (2)神経麻痺
   (3)痙攣
   (4)心因性病態
  4 リンパ系疾患
   (1)炎症
   (2)腫瘍
   (3)その他のリンパ節疾患
 2 口腔軟組織の疾患
  1 先天異常,発育異常
   (1)舌の異常
   (2)口唇の異常
   (3)小帯の異常
   (4)その他の異常
  2 外傷
   (1)急性外傷
   (2)慢性外傷
  3 口腔粘膜疾患,炎症,感染症
   (1)口内炎など
   (2)舌炎など
   (3)口唇炎など
   (4)特異性炎
   (5)化膿性炎
  4 嚢胞
   (1)胎生期の残遺組織に由来する嚢胞
   (2)粘液の貯溜による嚢胞
  5 腫瘍
   (1)良性腫瘍
   (2)悪性腫瘍
 3 顎と顎関節の疾患
  1 先天異常,発育異常
   (1)口蓋裂および類似疾患
   (2)顎発育異常
   (3)骨隆起
   (4)顎堤萎縮症
  2 外傷
   (1)骨折
   (2)顎関節脱臼
  3 炎症,感染症
   (1)歯周組織の化膿性炎症
   (2)顎骨炎
   (3)歯性上顎洞炎
   (4)顎関節炎
  4 嚢胞
   (1)炎症性嚢胞
   (2)発育性嚢胞
  5 腫瘍
   (1)良性腫瘍
   (2)悪性腫瘍
  6 顎関節症,顎関節強直症
   (1)顎関節症
   (2)顎関節強直症
 4 歯と歯周組織の疾患
  1 歯の疾患
   (1)歯の萌出の異常
   (2)歯の萌出時の障害
   (3)歯数の異常
   (4)歯の形態の異常
   (5)歯の形成の異常
   (6)歯の硬組織の疾患
   (7)歯の欠損症
   (8)歯列(歯並び)と咬合(咬み合わせ)の異常
  2 歯周組織の疾患
   (1)歯周疾患
   (2)歯肉の腫瘍状病変

第3章 口腔・顎・顔面の機能障害の診断
 1 言語機能の障害
  1 言語障害の分類
   (1)口腔と鼻腔への呼気調節の異常
   (2)口腔・鼻腔の共鳴腔の形態異常
   (3)口腔に流出した呼気操作の異常
   (4)障害が合併したもの
  2 言語障害の検査法
   (1)簡単な検査法
   (2)各種機器を用いた検査法
  3 言語障害の症状と診断
   (1)口腔鼻腔遮断不全によるもの
   (2)口腔鼻腔遮断不全によらないもの
  4 言語障害を引き起こす病変
   (1)口腔疾患によるもの
   (2)悪性腫瘍切除後の術後後遺症によるもの
   (3)口腔疾患以外の原因によるもの
 2 咀嚼機能の障害
  1 咀嚼障害の分類
  2 咀嚼障害の検査法
   (1)咀嚼機能の検査法
   (2)咀嚼障害の原因究明のための検査法
   (3)唾液分泌能検査法
   (4)味覚検査法
  3 咀嚼障害の症状と診断
   (1)症状
   (2)診断
 3 嚥下機能の障害
  1 嚥下障害の分類
   (1)嚥下動態の過程による分類
   (2)障害の発症する時期による分類
   (3)障害の機序による分類
   (4)障害の原因となる病変による分類
  2 嚥下障害の検査法
   (1)問診
   (2)視診および触診
   (3)頸部聴診法
   (4)氷砕片飲み込み検査
   (5)水飲み検査
   (6)嚥下透視ビデオ検査(Videofluorography:VF検査)
   (7)内視 鏡検査
   (8)喉頭拳上の判定
   (9)超音波検査
   (10)色素液検査
   (11)反復唾液嚥下テスト(repetitive saliva swallowing test:RSST)
   (12)嚥下圧検査
   (13)筋電図検査
   (14)シンチグラフィー
   (15)その他
  3 嚥下障害の症状と診断
   (1)嚥下口腔期の障害における症状と診断
   (2)嚥下咽頭期の障害における症状と診断

第4章 口腔・顎・顔面の機能障害の治療
 1 治療のあらまし
  1 言語障害の治療
   (1)外科的治療
   (2)補綴的治療
   (3)言語治療
  2 咀嚼障害の治療
   (1)歯および歯周組織異常に起因する咀嚼障害に対して
   (2)顎堤吸収に起因する咀嚼障害に対して
   (3)不全咬合に起因する咀嚼障害に対して
   (4)舌および頬粘膜の運動障害に起因する咀嚼障害に対して
   (5)口底部の形態異常に起因する咀嚼障害に対して
   (6)顎骨欠損に起因する咀嚼障害に対して
   (7)顎関節部の異常に対して
   (8)味覚障害に対して
  3 摂食・嚥下障害の治療
   (1)発達障害への対応
   (2)口腔,咽頭疾患による嚥下障害への対応
   (3)高齢者,脳血管障害者の摂食・嚥下障害への対応
   (4)外科的対応
   (5)補綴的対応
 2 歯科を中心とした総合治療
  1 口腔疾患による機能障害
   (1)口蓋裂
   (2)先天性鼻咽腔閉鎖不全症
   (3)その他
  2 口腔疾患手術後の機能障害
   (1)言語障害
   (2)摂食・嚥下障害
  3 中枢性疾患,加齢による口腔機能障害
   (1)構音障害
   (2)摂食・嚥下障害

和文索引
欧文索引
サイドメモ
 1 パラトグラムによる構音運動の観察
 2 摂食と嚥下
 3 歯・口腔・顔面の症状の表現方法
 4 顔面の発生と裂奇形の発現
 5 再建手術の概要
 6 義歯装着時の注意
 7 バイオフィルム感染症
 8 口腔清掃法と口腔清掃指導
 9 スタティックパラトグラフィーの検査方法
 10 補綴的発音補助装置の製作方法

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編者略歴】
道 健一
 1936年 東京都に生まれる
 1961年 東京医科歯科大学歯学部卒業
 1965年 東京医科歯科大学大学院歯学研究科口腔外科学専攻修了
 1968年 東京医科歯科大学歯学部第一口腔外科学教室講師,同附属病院顎口腔機能治療部副部長兼務
 1977年 昭和大学歯学部 口腔外科学第1講座教授(現在に至る)
 1991年~1995年 昭和大学歯科病院院長
 1977年~国立身体障害者リハビリテーションセンター学院講師
 1996年~国際医療福祉大学兼任講師
 1997年~日本福祉教育専門学校兼任講師,等を兼ねる

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道健一 編著/今井智子・大野康亮・鈴木規子・髙橋浩二・松井義郎・道脇幸博・山下夕香里・吉田廣 著