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32巻2号 2015年3月号
特集 糖尿病と高血圧
−JSH2014から−
はじめに
 日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)」は,2000 年,2004 年,2009 年の前3 版に続いて2014 年4 月に公表された.日本医療機能評価機構Minds の診療ガイドライン作成の手引きにできるだけ沿って,ハロー効果やバンドワゴン効果を除外するためのDelphi 法の採用,システマティックレビューの使用,他学会の診療ガイドラインで高血圧に関連する項目を含むものとの整合性をとるため14 学会から15 名のリエゾン委員の推薦,AGREE IIによる2 回の評価で作成途中でのガイドラインの改善,COI 公表などが新たに取り入れられた.パブリックコメントも1 カ月にわたって日本高血圧学会員,一般から広く求め,必要に応じて訂正するとともに,個々への回答もインターネットで公開した.また,国際的ガイドラインであるESH/ESC(2013),JNC-8(2014)の作成委員であるLindholm 教授,Oparil 教授に英語版JSH2014 のレビューを依頼し,Hypertension Research 誌に2 人のコメンタリーを掲載している点もはじめての試みである.このように,日本高血圧学会方式ともいえる新しいアプローチを取り入れて透明性,完成度の高いガイドラインを目指した.
 JSH2014 のなかで大きな論点が,糖尿病合併高血圧の降圧目標と第一選択薬であった.ESH/ESC(2013),JNC-8(2014),AHA/ACC(2013),ASH/ISH(2014)いずれもACCORD BP やメタ解析を基礎に,収縮期血圧は140 mmHg 未満と上げている.JSH2014 では,わが国における脳卒中が心筋梗塞より多いという,欧米とは異なる疾病構造より,130/80 mmHg 未満に据え置いている.また,糖尿病腎症の扱いも各ガイドラインで大きく異なっている.KDIGO(2013)で糖尿病は非糖尿病と同じ扱いとし,ESH/ESC(2013),JNC-8(2014)も同様の立場であった.加えて,CKD の扱いも各ガイドラインで異なり,KDIGO(2013)は蛋白尿の有無で降圧目標,降圧薬を変えているが,ESH/ESC(2013),JNC-8(2014)ではCKD 自体,糖尿病と同様に,蛋白尿の有無にかかわらず一般の高血圧と同様に扱っている.このように,糖尿病や腎症の扱いが欧米ガイドラインで異なるなか,JSH2014 では独自の立場で治療方針を決めている. JSH2014 では家庭血圧評価を重要視しているが,HOMED-BP 研究ではじめて糖尿病合併高血圧の家庭血圧の降圧目標のわが国のエビデンス(125/75 mmHg 未満)が得られ,JSH2014 に反映されている.また,後期高齢者で降圧目標が150/90 mmHg 未満に緩和されたが,糖尿病では130/80 mmHg 未満であり,2 つの降圧目標は大きく異なっている.いずれの降圧目標を採用するかについて,JSH2014 では,年齢による降圧目標を優先させることで,降圧目標の考え方をJSH2009 から大きく変更した.
 今回の特集では,これらの課題について専門家から概説していただく.読者の皆さまにとって有意義な企画となることを期待する.(札幌医科大学学長,日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会委員長 島本和明)
目 次
MAIN THEME 特集  糖尿病と高血圧―JSH2014から― 
(扉)JSH2014作成上の特徴  島本和明  153
高血圧治療ガイドライン:JSH2009からJSH2014への変更の概要  斎藤重幸  155 詳細
糖尿病合併高血圧の降圧目標  田中正巳・他  162 詳細
家庭血圧からみた糖尿病合併高血圧の降圧目標  片山茂裕・他  171 詳細
糖尿病合併高血圧の降圧薬選択  久代登志男  177 詳細
糖尿病性腎症における降圧療法  依光大祐・他  182 詳細
高齢者の糖尿病合併高血圧の治療  杉本研・他  188 詳細
医師・医療スタッフが行く 全国病院・クリニック訪問  さくまクリニック 
糖尿病内科と心療内科の二人三脚で,患者の人生を見据えた医療を  取材/今井健二郎  126 
FORUM 
病因と診断 
第2回 再注目されるグルカゴン (2)グルカゴン分泌の調整機構と異常  河盛段  129 
合併症I―網膜症 
第2回 近年における糖尿病網膜症(DR)診療機器の進歩  野田航介  132 
合併症II―歯周病 
第2回 歯周病が糖尿病に与える影響  工藤値英子・他  136 
薬剤 
第2回 経口血糖降下薬の開発  大西由希子  140 
食事 
第2回 食品交換表と食事療法  本田佳子  142 
運動 
第2回 レジスタンス運動の必要性  田村好史  145 
実践!運動指導ワンポイント・レッスン  大西朋,田村好史  145 
検査 
第2回 糖尿病関連指標検査(2)グリコアルブミン(GA)  石橋みどり  148 
OVERSEAS 
インスリン療法を開始する2型糖尿病患者における体重増加の関連要因について  丹野優希・他  195 
ESSAY(歴史)  糖尿病臨床・研究の歴史をひもとく 
20 糖尿病の病型(3)1型糖尿病・2型糖尿病という用語  葛谷健  199 
SERIES  糖尿病と保険診療 
第17回 糖尿病とDPC/PDPS制度(平成26年度改定版の概要)  中島尚登  203 
SPOT  たばこと糖尿病と健康寿命 
第2回 禁煙により回避できる糖尿病患者数の推計  望月友美子  210 
糖尿病の療養指導Q&A 
バイオシミラー  泉和生  213 
注射手技の実際  金澤尚子  216 
CLINICAL RESEARCH 
外来糖尿病患者の血糖管理における糖尿病専門医と非専門医の違い―2013年久留米1日外来調査結果―  猪口哲彰・他  219 
CIRCLE  リス☆カン フライデー レポート 
#20 外国人糖尿病患者さんへの療養指導  岸本美也子・他  225 
CONGRESS 
(社)東京臨床糖尿病医会 第145回例会  福田敏雅  233 
WHITE BOARD 
第39回糖尿病スタッフ教育研究会  139
(社)東京臨床糖尿病医会 第147回例会・(社)東京臨床糖尿病医会 第148回特別例会「演題募集」のお知らせ  235
糖尿病と高血圧
32巻2号 2015年3月15日
隔月刊(A4判,120頁)
発行時参考価格 2,400円
注文コード:003202
雑誌コード:17729-03
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