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Dr.マスコリーノ Know the Body
筋・骨格の理解と触診のすべて

正誤表

章末復習問題,症例の解答・解答例 一覧






正誤表

 
この度は,上記書籍をご購入下さいまして誠にありがとうございました.
以下の箇所に関して誤りがございましたので,ここに訂正するとともに深くお詫び申し上げます.
2017年10月13日更新
箇所
194 図7-5,つづき
筋名の右側上から4つ目
尺側手根屈筋
(2つ並んでいるもののうち下の方)
方形回内筋









章末復習問題,症例の解答・解答例 一覧
(2014年4月7日最終更新)

第1章 基本的な運動学用語 復習問題
第2章 骨格について 復習問題
第3章 筋の機能について 復習問題
第4章 どのように触診するか 復習問題
第5章 骨触診 復習問題
第6章 肩甲帯と上腕の筋 復習問題症例1症例2
第7章 前腕と手の筋 復習問題症例1症例2
第8章 脊柱および胸郭の筋 復習問題症例1症例2
第9章 頭部の筋 復習問題症例1症例2
第10章 骨盤と大腿の筋 復習問題症例1症例2
第11章 下腿および足部の筋 復習問題症例1症例2

第1章 基本的な運動学用語
39ページ 復習問題
1.上腕は(肩甲上腕(肩))関節から( 肘 )関節の間である.
2.矢状面,前額面(冠状面),横断面(水平面)
3.内外側軸,前後軸,上下軸(垂直軸)
4.d
5.c
6.d
7.a
8.b
9.a
10.d

第2章 骨格について
86ページ 復習問題
1.線維性関節,軟骨性関節,滑膜性関節
2.不動関節,半関節,可動性関節
3.単軸関節,二軸関節,三軸関節,無軸関節
4.c
5.a
6.d
7.b
8.c
9.a
10.c

第3章 筋の機能について
99ページ 復習問題
1.アクチンフィラメント,ミオシンフィラメント
2.筋内膜,筋周膜,筋外膜
3.どの関節をまたぐのか?,どこで関節をまたぐのか?,どのように関節をまたぐのか?
4.d
5.b
6.c
7.c
8.b
9.b
10.d

第4章 どのように触診するか
116ページ 復習問題
1.部位の同定と評価
2.d
3.目標とする筋の付着部を知る,目標とする筋の作用を知る
4.b
5.b
6.筋の輪郭が見えている表層の筋
7.d
8.筋腹や腱に対して垂直方向
9.ベビー・ステップ
10.相反抑制

第5章 骨触診
140ページ 復習問題
1.烏口突起
2.肩峰
3.上腕骨の内側上顆と外側上顆
4.豆状骨と有鈎骨鈎
5.乳様突起
6.C2(軸椎),C7(隆椎)
7.椎弓溝
8.上後腸骨棘
9.脛骨粗面
10.踵骨の載距突起

第6章 肩甲帯と上腕の筋
178ページ 復習問題
1.b
2.c
3.c
4.d
5.d
6.b
7.a
8.棘上筋,棘下筋,小円筋,肩甲下筋
9.前鋸筋
10.大胸筋

179ページ 症例1
質問1:
 自動車事故は,頸部の疼痛を引き起こすと一般的に考えられている.しかしながら,他の身体部位を損傷することもある.シートベルトやエアバッグなどの保護装置が圧迫を加えることがある.正面衝突の場合,自動車は前方への移動を停止するが,運転手の身体は前進を続ける.左肩の部分がシートベルトによって前方への移動を抑えられるため,その部分の軟部組織に圧迫が加わる.さらに,患者の左手はハンドルを握っていた.衝突時,ハンドルを握っている力を衝突に備えて強め,左の上腕から肩甲上腕関節に対して直接的な圧迫力を作りだした.
 急性期において,これらの圧迫力は腫脹と筋緊張の増加を伴う障害を引き起こす.筋緊張の増加が慢性期まで持続すると,瘢痕組織の癒着を形成するようになる.筋性疼痛は収縮能力を低下させ,筋力低下の結果として自動的関節可動域を減少させるというのが,肩甲上腕関節屈曲の自動可動域制限についての説明となる.筋緊張と癒着の増加は,障害関節における反対方向の自動・他動関節可動域を減少させるというのが,肩甲上腕関節伸展の可動域制限についての説明となる.
訳注:アメリカでは左ハンドルの自動車が一般的であり,日本の運転手においては右肩で同様のことが起きると考えられる.
質問2:
 筋緊張亢進と癒着は疼痛,筋力低下,可動域制限をもたらすので,筋緊張ならびに癒着の軽減が治療目標となる.この目標は,マッサージ,湿性温熱療法,ならびにストレッチによって達成される.緩やかに中程度の圧力でマッサージをすることで血流を促進し,組織のウォームアップを始める.続いて,深部での線維に垂直な摩擦法は,組織の癒着の解消を始める.湿性温熱療法を5〜10分適用することで組織はより温められる.そして,他動的な伸張が加えられる.すべての方向への他動運動を実施することで肩甲上腕関節の伸展方向の伸張位に上肢を持っていくことが可能となる.

180ページ 症例2
質問1:
 患者の説明によれば,最近ウェイト・トレーニングを加えたということである.運動プログラムを理解することが重要である.高負荷低頻度,低負荷高頻度のいずれだったか? 全身の筋あるいは特定の筋群が対象だったのか? ウェイト・トレーニングについて専門的なボディメカニクスを理解し適用していたのか? すべての運動が理想的なボディメカニクスに基づいて行われていたとしても,水泳に加えた過度な負担は,単純に局所に対して過度な身体的ストレスになっていたかもしれない.
質問2:
 温熱療法を組織の緩和のために約5分実施する(腫脹がみられる時には長時間行わない).そして,軟部組織に対する徒手療法を実施する.浅層筋(三角筋や僧帽筋)に対する緩やかなマッサージから開始し,徐々に圧を強めていく.これを筋の付着から付着まで適用する.患者が耐えられる範囲で,深部組織(棘上筋)に届くまで圧を高めていく.
 筋線維に対して垂直方向の摩擦法は,腱付着部にとても有益である.マッサージの後,緊張の高い筋に対して優しくストレッチを行い,緊張を緩和する.必要ならば,治療後にアイシングを行う.
質問3:
 過度の使用によって,局所的に炎症と似たような状態になっている.したがって,運動直後にアイシングをすることを推奨する.薄いタオルか紙のタオルを用いて,その部位の感覚が無くなるまで(約5〜10分)行う.しびれの出現の有無を確認することは,凍傷を起こさないためにも重要である.運動をする前にウォームアップを行うように推奨することも重要であり,動的な伸張運動を実施すべきである.運動後,筋が弛緩するところまで緩める静的なストレッチをすることが重要である.また,ウェイト・トレーニングを減らすことも勧める.

第7章 前腕と手の筋
237ページ 復習問題
1.橈側手根屈筋,長掌筋,尺側手根屈筋
2.長橈側手根伸筋,短橈側手根伸筋,尺側手根伸筋
3.短母指外転筋,短母指屈筋,母指対立筋
4.b
5.d
6.c
7.d
8.b
9.a
10.a

238ページ 症例1
質問1:
 左利きの人が手動ドライバーを使ってネジを締める時には,腕尺関節の回内動作を必要とする.回内筋群の反復的使用は前腕近位部において円回内筋を過剰に使用し負担を強いる.ソフトボールでボールを投げる時にも前腕の回内は必要とされ,とくに,投球動作の最終相において前腕の急速な回内動作を必要とする.その結果,過用症候群が引き起こされる.
質問2:
 前腕の近位部前面の触診によって,円回内筋が緊張し,腫脹するとともに,触れることに対して過敏になっていることが分かる.前腕の屈曲と回内に対する徒手抵抗によって,疼痛の即時的な再現をみることができる.
質問3:
 円回内筋が緊張しているので,マッサージが適用となる.しかし,腫脹によって緊張亢進が生じている部位を触ることは難しい.そこで,感覚を感じなくなるまで円回内筋に対して寒冷療法を行う.寒冷療法は氷を包んで局所的に動かすアイスマッサージか,紙で包んだジェル状のアイスパックを用いて行う.皮膚をチェックし,その部位の感覚が無くなったらすぐに寒冷療法を中止する.時間は約5分(氷を取り外さなければその部位は凍傷になることがある).その部位の感覚が無くなると,マッサージを行う事ができる.緩やかな力で開始し,徐々に中等度の圧力へ高めていくようにする.

239ページ 症例2
質問1:
 もっとも筋緊張が高くなる筋群は手関節における前腕の屈筋群(橈側手根屈筋,長掌筋,尺側手根屈筋)であり,とくに橈側手根屈筋である.
質問2:
 緊張が強くなった屈筋群は伸張性が抵抗を受けるため,自動・他動の伸展関節可動域が制限される.橈屈に対して抵抗を加えることで疼痛が強くなったことは,橈側手根屈筋の症状がもっとも強く現れたことを示す.
質問3:
 治療法として,筋緊張が亢進した筋に対するマッサージを行う.マッサージは,近位の内側上顆から遠位の手関節前面にかけて,屈筋群の付着から付着までの全体に対して行うことが必要である.緩やかな力で開始し,徐々に中等度の圧力まで高めていくことが必要である.筋線維にそったマッサージで始め,内側上顆付近では屈筋腱群の線維に直行するように力を加える.屈筋群を伸張するためには,手関節において,手を他動的に伸展させる.抵抗を感じるところまでゆっくりと手を動かし,ゆっくりと優しく伸張力を加える.

第8章 脊柱および胸郭の筋
296ページ 復習問題
1.大後頭直筋,小後頭直筋,下頭斜筋,上頭斜筋
2.半棘筋,多裂筋,回旋筋
3.顎二腹筋,茎突舌骨筋,顎舌骨筋,オトガイ舌骨筋
4.b
5.a
6.c
7.d
8.b
9.a
10.a

297ページ 症例1
質問1:
 下位脊柱起立筋群,横棘突筋群,腰方形筋,広背筋,大殿筋上部線維が障害される.
質問2:
 背面にある広背筋は,肩甲上腕関節をまたぐ上腕の伸展筋群である.肩関節が屈曲するとき,広背筋は引っ張られ伸張力が加わった状態となる.広背筋の筋緊張が亢進することによって,抵抗と疼痛を引き起こすことになる.
質問3:
 骨盤の後傾に伴う股関節の屈曲は腰椎の屈曲(前弯の減少)を引き起こす.脊柱のこの動きは,下部腰椎の伸展筋群の緊張や疼痛によって抵抗を受ける.
質問4:
 血管を拡張させ組織を弛緩させて緩めるために温熱療法を用いる.そして,緩やかな軽擦法を障害された筋線維に加え,局所循環を増やし老廃物の排出を開始させ,筋緊張を低下させる.持続的に深部への圧を強くしていくことによって,緊張が亢進している深部の層に有効に力を伝えていくことができる.

298ページ 症例2
原著で提供されている解答・解答例では,この症例に対する質問に関する答えがとくに提示されていないものがある.その項目については,*を付して表示し,訳者の見解を例示する.
育児に関する質問1:
背中を曲げて手を伸ばすと腰部に対して負荷が強くかかる.腰痛を引き起こさないためには膝を曲げて手を伸ばすことが大切である
育児に関する質問2:
 柵を下げずに赤ちゃんを抱えようとすると腰部を屈曲することとなるため,柵を下げてから赤ちゃんを抱えるようにすることが大切である
育児に関する質問3:
 背中から屈めると腰部の筋に対するストレスを増大させる.
育児に関する質問4:
 一方向に赤ちゃんを反復的に非対称性に抱えることは,腰部に対する非対称なストレスをもたらし,バランスをとるため対側の筋群のストレスを増大させる.
ヨガ関連の質問1:
 短縮した筋を過度に伸張するような肢位や関節の可動性を越えるような肢位をとると疼痛を引き起こすことがある
ヨガ関連の質問2:
 ヨガ教室のあとは,身体がほぐれるぐらいの肢位,強度にすることが重要であり,こわばるような感覚に至る場合には,肢位や強度に問題がある可能性が高く,ヨガを中止するか,インストラクターから正しい方法の指導を受けるようにすることが必要である
ヨガ関連の質問3:
 過度にやり過ぎた場合や過伸張の影響はすぐにはみられない.その日の遅くか翌朝までそれらの影響がみられないこともある.
仕事関連の質問1:
 物を持ち上げるような場面では腰部の筋に対して身体的なストレスがもたらされる.
仕事関連の質問2:
 長時間の立位は,腰部の筋に対してストレスをもたらす.とくに,立ち仕事に慣れていないときにはストレスは強くなる.
仕事関連の質問3:
 身のこなしに不慣れな場合,大量なストレスは,障害された筋群を含めた全身に対して負荷や負担をかけることになる.

第9章 頭部の筋
335ページ 復習問題
1.側頭筋,咬筋,外側翼突筋,内側翼突筋(のうち2つ)
2.鼻根筋,鼻筋,鼻中隔下制筋,上唇鼻翼挙筋(のうち2つ)
3.眼輪筋,上眼瞼挙筋,皺眉筋
4.a
5.c
6.d
7.b
8.a
9.b
10.a

336ページ 症例1
質問1:
 Robertはしっかりとロープを固定するために,しっかりと口を閉じる必要があった.この動作は,咬筋,側頭筋,内側翼突筋といった下顎を挙上する筋群に対して負荷を及ぼすものである.ロープを固定するのに必要な力は同時に顎関節にも及び,顎関節に物理的なストレスを加える.また,ロープの張力は顎関節を内外側へ引っ張ることとなり,顎関節に力を伝えることになる.
質問2:
 まず,ロープを固定するために口を使用すること辞めさせることをRobertに勧めなければならない.このような方法を継続して実践していれば,どのような効果がある治療も無効になってしまう可能性がある.
 頬から側頭部にかけて湿性温熱療法を行い,つづいて,咬筋,側頭筋,内側翼突筋に対する深部組織マッサージを行い,ストレッチを加える.温熱療法は筋の緊張をとり緩める効果をもつ.湿性温熱療法後に行うマッサージは,局所の血流量を増加させ,過緊張を呈している筋からの老廃物を取り除く効果を持っている.また,マッサージは直接的に筋緊張を低下する効果も有している.温熱療法ならびにマッサージによって筋緊張を減じた状態で,ストレッチを行うべきである.ストレッチによって,下顎を優しいながらもしっかりと可能な限り大きくゆっくりと拡げていく.注意:もし内側翼突筋のマッサージの指示が出された場合,口腔内のマッサージを行うことが,地域や州条例によって認められていることを確認する.内側翼突筋をマッサージする場合には,手袋を装着して行う.

337ページ 症例2
質問1:
 緊張性頭痛は,通常,緊張が亢進した頸部の筋からもたらされるが,それらはまた,頭皮の筋自体(もっとも代表的には後頭前頭筋)の緊張の結果として発生することもある.後頭前頭筋は,よく緊張の強い筋として見過ごされ,疼痛や不快感を引き起こすことがある.したがって,後頭前頭筋を触診し評価するべきである.
質問2:
 評価中に見落とされる以上に,後頭前頭筋は可能性がある筋として,ほとんど扱われていない筋である.他の緊張の強い筋と同様に,中等度からさらにやや深めの圧力に対して非常によく反応する.治療プランは温熱療法,マッサージ,Doloresの後頸部全体に対するストレッチを確実に含むものであるべきであるが,セッションの最初でも,セッションの終わりで仕事に復帰する時であっても,後頭前頭筋に対して5〜10分以上は費やすべきである.

第10章 骨盤と大腿の筋
381ページ 復習問題
1.大腿二頭筋,半腱様筋,半膜様筋
2.大腿直筋,外側広筋,内側広筋,中間広筋
3.大殿筋,中殿筋,小殿筋
4.c
5.c
6.d
7.d
8.c
9.a
10.a

382ページ 症例1
質問1:
 大腿部の中央部から外側にかけて見つかった張りは,大腿四頭筋の中でも外側広筋である可能性が高い.メモ:外側広筋は腸脛靭帯のすぐ下側にある.腸脛靭帯はしばしば外側広筋の機能不全(張りや緊張)の影響を受ける.腸脛靭帯が機能不全となる場合は,摩擦症候群であり,通常,大腿中央部ではなく大転子部や脛骨の外側上顆の領域で発生する.
質問2:
 どのような筋力トレーニングにおいても,十分な休養を含め,身体の組織の休息と回復をもたらすようにすることが極めて重要である.Juliaが休息する日をなくしたことによって,反復によるストレスが蓄積し,回復力を越える過度な活動によって,障害をもたらした.

383ページ 症例2
質問1:
 腰部と殿部の両側のすべての筋を評価することが大切であるが,右側の梨状筋とその近くの筋がおそらくもっとも重要である.坐骨神経は骨盤から出たあと梨状筋(時々,坐骨神経は梨状筋の中を走行することもある)を通って,殿部,そして大腿後面に入っていく.梨状筋が緊張していた場合,坐骨神経は障害を受け,坐骨神経痛を引き起こす.
質問2:
 治療の目的は,梨状筋の緊張を緩和し,坐骨神経に加わっている圧を取り除くことである.これは,マッサージ,湿性温熱療法,ストレッチによって達成することができる.ストレッチがより効果的なものになるためには,最初にマッサージと湿性温熱療法を実施し,梨状筋の緊張をとり緩めておくことが適切である.
質問3:
 右の仙腸関節に鈍痛を呈していることを考えると,しばしば仙腸関節の状態によって梨状筋の緊張がもたらされることがあることから,右の仙腸関節に炎症が生じている可能性も高い.外傷の既往がなかったとしても,座位の結果として反復による過用に似た仙腸関節の状態になっている(患者はほぼ一日中机に向かって椅子に腰掛けている事務職である).座位姿勢は仙腸関節を含むすべての下部腰椎関節に対して有意な圧迫力をもたらすことになる.
質問4
 腰部と殿部に対する湿性温熱療法を行ったあと局所のストレッチを行うのは,良い自己管理法である.長時間の座位を可能な限り避けることも重要である.可能ならば,座位姿勢から可能な限り立ち上がるようにし,ときに立って作業することを伝える.

第11章 下腿および足部の筋
431ページ 復習問題
1.後脛骨筋,長趾屈筋,長母趾屈筋
2.母趾外転筋,小趾外転筋,短趾屈筋
3.腓腹筋(内側頭および外側頭),ヒラメ筋
4.a
5.c
6.d
7.c
8.d
9.c
10.a

432ページ 症例1
質問1:
 もっとも可能性が高いのは下腿三頭筋群(腓腹筋とヒラメ筋)の緊張である.それらは下腿後面(ふくらはぎ)の表層にある.
質問2:
 ランナーでは,下腿三頭筋を含めて下肢のすべての筋はやや緊張が強くなっている.下腿三頭筋群は足関節を底屈させる.ランニング中,この作用は,地面を蹴り出すときに起こり,身体を前方へ動かす.ランニング前の準備運動とランニング後のストレッチを適切に行っていた時には,これらの問題を生じることはなかった.しかしながら,この負荷に車の運転という物理的な負荷が加わることによって問題が生じるようになった.車の運転では,右の底屈筋を使用しペダルを踏むことが求められる.長時間の運動によって,これらの筋の等尺性収縮が必要となり,緊張と疼痛をもたらせることになった.
質問3:
 腓腹筋とヒラメ筋を伸張することが必要である.ゆっくりとした軽擦法は筋を温め,局所血流を増加させ,筋を緩ませ,リラクセーションを図ることができる.筋線維が緩むことができれば,深部組織を付着から付着までをたどることができ,筋線維の長さを伸ばすことができる.筋の伸張は,足関節は背屈位にすることで達成される.ヒラメ筋を伸張するためには,膝関節を屈曲して行うべきであり,腓腹筋を伸張する場合には,膝関節伸張位で行う.

433ページ 症例2
質問1:
 前方シンスプリントが示唆される.確認するためには,脛骨前面を触診する.
質問2:
 走行中,足部が地面に接する時,前脛骨筋は足関節背屈の収縮を行う.したがって,前脛骨筋は足部が地面に接しているとき収縮し,ぴんと張っている.この身体的衝撃は,前脛骨筋が軋み,ぴんと張ることで,脛骨の付着部を刺激する.患者の体重が重い場合には,問題は増幅される.
質問3:
 荷重時の足弓の低下は,足部の過度の回内を引き起こす.つまり,過度の外がえしを惹起する(外がえしは回内の主たる要素である).前脛骨筋は内がえし(回外の要素である)の筋であり,足弓の低下によって過度に伸張される.足部を背屈させようと筋が短縮し収縮しているのに対して,この過度な伸張はもたらされる.この伸張によって,筋の緊張に加え,脛骨の付着部に対する刺激を増大させることになる.