序
わが国の小児歯科学教育(講座)が発足して40年余になります.
この間,わが国の小児歯科学は米国で発展した小児歯科学に範を仰いで現在に至っているといっても過言ではありません.しかし,この40年間に,わが国の小児歯科学はめざましい発展を遂げてまいりました.諸外国の小児歯科の模倣から脱却し,わが国独自の小児歯科学を築いてきております.
現在の科学は専門分化されつつあるなかで,統合への転換が期待されております.すなわち,狭い領域での能率向上の追求のみならず,学際領域の展開つまり制御の必要性が同時に求められているものと考えられます.
医学領域にあっては,より深い専門性の追求とともに,総合的な見方のできるホームドクター的な能力のある医師の必要性が社会的に求められており,診療科名の見直しなどの検討もされはじめております.また,歯科医学界においても診療科名の見直しをはじめ,認定医制度,生涯研修のあり方などさまざまな課題を抱え,新たな飛躍への変革を迫られております.
こうした諸状況を背景に,成長・発育途上にある小児の歯科医療を担う小児歯科のあり方を考えたとき,これまでの個を対象とし,歯牙硬組織の健康回復のみを念頭に置いていた時代から,正しい口腔機能を発揮する永久歯列の育成に診療の目標を置いた,歯科的健康管理を行っていく時代へと移行してきていると思います.
さらに一歩前進して考えるとき,個を中心にした考えに基づいて,集団をも対象とした歯科的健康管理にまで応用発展させることが大切であります.
小児の歯科的健康管理は,子ども自身と保護者そして小児歯科医の健康を護ろうとする情熱と実践によって,はじめて成果の得られるものであります.なかでも深い学識に裏打ちされた小児歯科医による小児と保護者への正しい知識の伝達と動機づけは非常に重要であります.新しい時代の小児歯科医療は,患者とともに歩みながら健康づくりをしていく必要があります.
このような観点から,新時代に即応し,EBMに立脚した小児歯科医療の実現を意図する小児歯科医のための教科書づくりを企画した次第です.
本書は,小児歯科認定医への道を目標に,やや水準の高い教科書をとの考えにより編集されております.卒後研修医はもとより学生,一般臨床歯科医において広く活用されることを願うものであります.
平成13年4月 編者一同
わが国の小児歯科学教育(講座)が発足して40年余になります.
この間,わが国の小児歯科学は米国で発展した小児歯科学に範を仰いで現在に至っているといっても過言ではありません.しかし,この40年間に,わが国の小児歯科学はめざましい発展を遂げてまいりました.諸外国の小児歯科の模倣から脱却し,わが国独自の小児歯科学を築いてきております.
現在の科学は専門分化されつつあるなかで,統合への転換が期待されております.すなわち,狭い領域での能率向上の追求のみならず,学際領域の展開つまり制御の必要性が同時に求められているものと考えられます.
医学領域にあっては,より深い専門性の追求とともに,総合的な見方のできるホームドクター的な能力のある医師の必要性が社会的に求められており,診療科名の見直しなどの検討もされはじめております.また,歯科医学界においても診療科名の見直しをはじめ,認定医制度,生涯研修のあり方などさまざまな課題を抱え,新たな飛躍への変革を迫られております.
こうした諸状況を背景に,成長・発育途上にある小児の歯科医療を担う小児歯科のあり方を考えたとき,これまでの個を対象とし,歯牙硬組織の健康回復のみを念頭に置いていた時代から,正しい口腔機能を発揮する永久歯列の育成に診療の目標を置いた,歯科的健康管理を行っていく時代へと移行してきていると思います.
さらに一歩前進して考えるとき,個を中心にした考えに基づいて,集団をも対象とした歯科的健康管理にまで応用発展させることが大切であります.
小児の歯科的健康管理は,子ども自身と保護者そして小児歯科医の健康を護ろうとする情熱と実践によって,はじめて成果の得られるものであります.なかでも深い学識に裏打ちされた小児歯科医による小児と保護者への正しい知識の伝達と動機づけは非常に重要であります.新しい時代の小児歯科医療は,患者とともに歩みながら健康づくりをしていく必要があります.
このような観点から,新時代に即応し,EBMに立脚した小児歯科医療の実現を意図する小児歯科医のための教科書づくりを企画した次第です.
本書は,小児歯科認定医への道を目標に,やや水準の高い教科書をとの考えにより編集されております.卒後研修医はもとより学生,一般臨床歯科医において広く活用されることを願うものであります.
平成13年4月 編者一同
第1章 成長・発達・発育
1 成長・発達・発育の一般概念/諏訪三,鈴木康生…… 1
A.定義……1
B.成長に影響を与える要因……1
C.身体成長の正常・異常……8
D.成長・発育の評価……12
2 顔面頭蓋の発生と成長/江藤一洋,野中和明…… 23
A.顔面頭蓋の発生と神経堤細胞……23
B.口腔と顔面の発生……24
C.顔面の骨の発生と成長……27
D.顔面の筋の発生と機能発現……33
E.頭蓋顔面奇形……34
3 歯列と咬合の発育/中田稔…… 43
A.歯列・咬合の発育段階……43
B.歯列・咬合の発育と形態および機能の関係……44
C.胎児期から最初の生歯まで……44
D.乳歯咬合期……45
E.第一大臼歯萌出期……47
F.切歯交換期……50
G.側方歯交換期……54
H.第二大臼歯萌出期……56
I.小児の下顎運動……57
J.乳歯咬合小面の変化……58
K.咬合接触面の変化……59
4 顎口腔系機能の発達/船越正也…… 64
A.吸啜と嚥下の発達……64
B.咀嚼機能の発達……68
C.口腔感覚の発達……71
5 歯の発育/高木裕三…… 75
A.歯の発育と異常……75
B.エナメル質の形成不全……89
C.象牙質の発育不全……92
6 乳歯および幼若永久歯の特徴/長坂信夫,小口春久,祖父江鎭雄,大野紘八郎,今村基尊…… 96
A.乳歯の形態の特徴……96
B.幼若永久歯の特徴……105
C.乳歯と後継永久歯との関係……111
7 小児期および青春期における行動と言語の発達/上田礼子…… 121
A.行動の発達……121
B.行動の異常……126
C.言語の発達……140
D.言語障害……143
第2章 小児期および思春期における口腔の異常
1 軟組織および顎骨の異常/石川武憲,下里常弘・安井良一…… 147
A.粘膜・皮膚の病変……147
B.色素沈着性病変……149
C.血管系の奇形および病変……150
D.顎嚢胞……152
E.軟組織の嚢胞……155
F.舌の病変……157
G.腫瘍……158
H.薬物摂取による口腔病変……164
2 全身性疾患の口腔内症状/野田忠…… 166
A.心血管系異常……166
B.腎疾患……168
C.内分泌疾患……169
D.糖尿病……173
E.先天性代謝異常……173
F.血液疾患……176
3 免疫性疾患および呼吸器性疾患の口腔内症状/藤林孝司…… 180
A.免疫性疾患……180
B.アレルギーおよび呼吸器性疾患……185
4 感染症の口腔内症状/作田正義…… 188
A.診断上の注意点……188
B.細菌感染症……188
C.ウイルス感染症……189
D.真菌感染症……192
第3章 齲蝕
1 齲蝕の病理学/石田武…… 195
A.エナメル質齲蝕の組織病理学……198
B.象牙質齲蝕の組織病理学……205
2 齲蝕の診査と診断/長坂信夫・三浦一生…… 210
A.齲蝕歯(病巣)の診査と診断……210
3 小児期の齲蝕の病態/真秀昭…… 215
A.好発部位……215
B.小児期齲蝕の特徴……218
C.齲蝕の疫学……223
4 齲蝕発生におけるデンタルプラークの役割/大嶋隆…… 232
A.口腔細菌叢の分布と経年的推移……232
B.デンタルプラークの形成……235
C.齲蝕の発生……238
5 食事と齲蝕/内村登,大嶋隆…… 241
A.疫学的研究……241
B.食事摂取パターンの変遷と齲蝕……247
C.齲蝕と食物……251
D.食物中の齲蝕抑制物質……253
E.食物の齲蝕誘発能の評価……255
6 齲蝕に関する研究の成果/北村京一,中田稔…… 260
A.プラーク形成細菌と齲蝕……260
B.齲蝕原性菌の伝播……263
C.齲蝕の遺伝要因……267
D.齲蝕の環境要因……271
7 齲蝕活動性の評価/下野勉・松村誠士…… 276
A.齲蝕活動性の概念……276
B.三大主要因と齲蝕活動性……276
C.齲蝕活動性試験……277
第4章 歯周疾患
1 歯周疾患の病理学/亀山洋一郎…… 287
A.小児の正常な歯周組織……287
B.歯肉炎……294
C.歯周炎……294
D.若年性歯周炎……295
2 小児期の歯周疾患の病態/甘利英一…… 297
A.歯周疾患の種類……297
B.発現頻度と経年的変化……302
C.歯周疾患の疫学……303
3 小児におけるオーラルハイジーンと歯周疾患との関係/石川烈・小田茂…… 308
A.オーラルハイジーンと歯周疾患の関係……308
B.オーラルハイジーンの評価方法……309
C.歯周疾患の診断……311
4 デンタルプラーク構成細菌と歯周疾患の関連性/石川烈・小田茂…… 317
A.歯肉炎……317
B.歯周炎……317
C.若年性歯周炎……319
5 小児の歯周疾患に影響を与える局所的因子/森崎市治郎…… 322
A.解剖学的因子……322
B.物理的因子……325
C.口腔習癖……328
6 小児の歯周疾患に影響を与える全身的因子/森崎市治郎……330
7 小児の歯周組織に影響を与えるその他の因子/森崎市治郎…… 336
第5章 小児期における予防的処置
1 小児期における口腔疾患の様相/祖父江鎭雄…… 339
A.齲蝕……340
B.歯周疾患……340
C.歯列不正と咬合異常……341
D.口腔習癖……342
E.口腔軟組織疾患……342
F.歯の外傷……343
G.形成異常……343
H.機能異常……343
2 予防の動機づけと教育/西野瑞穂…… 344
A.術者の心がまえと役割……344
B.口腔保健行動の確立……345
C.発達段階別予防指導……346
D.指導効果についての評価……348
E.集団を対象とした予防指導……348
3 小児口腔疾患の予防と相談/祖父江鎭雄…… 350
A.口腔疾患の発生と年齢……350
B.小児の年齢と相談……351
C.小児の年齢と指導内容……351
4 栄養と歯の健康/広瀬誠,泉谷明…… 354
A.母体と胎児の栄養……354
B.乳児の栄養……356
C.よい食事習慣の確立……360
D.口腔の健康と代用糖……364
5 プラークコントロール/西野瑞穂…… 369
A.歯ブラシによるプラークコントロール……369
B.デンタルフロスによるプラークコントロール……377
C.化学的プラークコントロール……378
D.プラークコントロールと口腔内細菌叢……380
6 フッ素と齲蝕予防/祖父江鎭雄…… 385
A.フッ素の全身への影響……385
B.歯の形成とフッ素……387
C.萌出後の歯とフッ素……389
D.口腔細菌とフッ素化合物……392
E.フッ化物を用いた齲蝕抑制法とその効果……392
7 予防塞法/中田稔…… 402
A.予防填塞法の歴史……402
B.予防填塞の考え方……402
C.セメント系予防填塞材の諸問題……404
D.レジン系予防填塞材の諸問題……405
E.齲蝕抑制効果……408
8 齲蝕免疫/浜田茂幸…… 412
A.免疫とは……412
B.齲蝕免疫……413
C.将来への展望……417
9 集団を対象とした齲蝕予防の実際/下野勉・松村誠士…… 418
A.集団の齲蝕活動性の評価……418
B.乳幼児集団の齲蝕予防……419
C.園児集団の齲蝕予防……420
D.学童集団の齲蝕予防……420
10 歯周疾患の予防/下野勉・松村誠士…… 422
A.歯周疾患の罹患性の予測……422
B.予防のための自己管理と歯科医の役割……422
第6章 小児患者への対応
1 歯科診療における小児の行動/中田稔…… 425
A.歯科診療前における小児の行動……425
B.歯科診療時における小児の行動……426
C.家族的要因……428
2 小児患者への対応法/中田稔…… 431
A.診療上の一般的注意……431
B.患児への対応法……432
3 薬物応用による対応法/鈴木長明…… 437
A.薬物応用にあたって……437
B.局所麻酔法……437
C.笑気吸入鎮静法……440
D.全身麻酔法……443
E.その他……448
4 全身疾患児の歯科的対応法/野田忠…… 449
A.全身疾患児の歯科治療の基礎……449
B.全身疾患児への対応……452
C.歯科治療における注意……452
5 救急処置時の対応/鈴木長明…… 456
A.救急処置の基本……456
B.救急処置法……458
第7章 障害児への対応
1 障害児の歯科的管理/酒井信明,森崎市治郎,猪狩和子…… 461
A.障害児のための予防法……461
B.治療への心理的アプローチ……465
C.治療方針……466
D.障害児の摂食・嚥下障害……468
2 障害児患者の歯科治療/酒井信明,森崎市治郎…… 472
A.精神発達遅滞……472
B.Down症候群……472
C.脳性麻痺……473
D.てんかん……474
E.自閉性障害……475
F.視覚障害,聴覚障害……476
第8章 小児歯科治療
1 小児歯科治療に必要な情報の収集と分析/長坂信夫・天野秀昭…… 479
A.治療方針……479
2 乳歯および幼若永久歯の歯冠修復/矢尾和彦…… 484
A.アマルガム……484
B.コンポジットレジン……486
C.乳歯用冠……489
D.ジャケット冠……490
E.インレー……491
F.グラスアイオノマーセメント……493
3 歯内療法/長坂信夫…… 499
A.乳歯歯髄炎の診査と診断……499
B.生活歯髄療法……501
C.乳歯の断髄法(歯髄切断法)……502
D.感染根管の診断と治療……506
E.幼若永久歯の歯内療法……511
4 乳歯および幼若永久歯の外傷/石川雅章 …… 514
A.歯の外傷の疫学……514
B.診査と記録……515
C.歯の外傷の臨床診断……519
D.乳歯および幼若永久歯外傷の処置法……519
E.幼若永久歯外傷の予後……523
F.乳歯外傷の臨床的経過と後継永久歯への影響……528
5 小児歯科の外科的処置/西嶋克巳・西嶋寛…… 534
A.乳歯の抜歯……534
B.炎症……535
C.嚢胞……538
D.腫瘍……540
E.先天異常(奇形)……542
6 薬物による療法/西嶋克巳・田村博宣…… 547
A.消炎系薬剤……548
B.抗生系薬剤……550
C.鎮静系薬剤……553
D.鎮痛系薬剤……554
第9章 咬合誘導
1 咬合誘導の概念/中田稔・山要一…… 557
2 咬合発育期の異常と病因/中田稔・山要一…… 560
A.咬合異常の頻度……560
B.咬合異常の病因……560
3 咬合誘導のための診査/中田稔・山要一,小椋正…… 568
A.診査と評価……568
B.顔面形態の評価……568
C.口腔機能の評価……573
D.歯列と咬合の分析……578
E.コンピュータの利用……586
4 咬合誘導の診療計画/中田稔・山要一…… 591
5 受動的(静的)咬合誘導法/坂井正彦…… 596
A.歯列弓周長の管理……596
B.保隙……598
C.適時抜去法……606
6 能動的(動的)咬合誘導法/桑原未代子…… 609
A.削合による咬合調整……609
B.抜歯による咬合調整……613
C.萌出余地の回復……617
D.歯の移動……620
E.埋伏歯の誘導……620
F.習癖の除去……622
7 歯の移動/中村進治…… 624
A.力学的考察……624
B.組織学的考察……625
C.臨床的考察……626
8 顔面頭蓋の異常に対する咬合誘導/佐々竜二…… 628
A.チームアプローチ……628
B.小児歯科でみられる顔面頭蓋の異常……628
C.小児歯科医の役割……630
D.唇顎口蓋裂……632
索引……635
1 成長・発達・発育の一般概念/諏訪三,鈴木康生…… 1
A.定義……1
B.成長に影響を与える要因……1
C.身体成長の正常・異常……8
D.成長・発育の評価……12
2 顔面頭蓋の発生と成長/江藤一洋,野中和明…… 23
A.顔面頭蓋の発生と神経堤細胞……23
B.口腔と顔面の発生……24
C.顔面の骨の発生と成長……27
D.顔面の筋の発生と機能発現……33
E.頭蓋顔面奇形……34
3 歯列と咬合の発育/中田稔…… 43
A.歯列・咬合の発育段階……43
B.歯列・咬合の発育と形態および機能の関係……44
C.胎児期から最初の生歯まで……44
D.乳歯咬合期……45
E.第一大臼歯萌出期……47
F.切歯交換期……50
G.側方歯交換期……54
H.第二大臼歯萌出期……56
I.小児の下顎運動……57
J.乳歯咬合小面の変化……58
K.咬合接触面の変化……59
4 顎口腔系機能の発達/船越正也…… 64
A.吸啜と嚥下の発達……64
B.咀嚼機能の発達……68
C.口腔感覚の発達……71
5 歯の発育/高木裕三…… 75
A.歯の発育と異常……75
B.エナメル質の形成不全……89
C.象牙質の発育不全……92
6 乳歯および幼若永久歯の特徴/長坂信夫,小口春久,祖父江鎭雄,大野紘八郎,今村基尊…… 96
A.乳歯の形態の特徴……96
B.幼若永久歯の特徴……105
C.乳歯と後継永久歯との関係……111
7 小児期および青春期における行動と言語の発達/上田礼子…… 121
A.行動の発達……121
B.行動の異常……126
C.言語の発達……140
D.言語障害……143
第2章 小児期および思春期における口腔の異常
1 軟組織および顎骨の異常/石川武憲,下里常弘・安井良一…… 147
A.粘膜・皮膚の病変……147
B.色素沈着性病変……149
C.血管系の奇形および病変……150
D.顎嚢胞……152
E.軟組織の嚢胞……155
F.舌の病変……157
G.腫瘍……158
H.薬物摂取による口腔病変……164
2 全身性疾患の口腔内症状/野田忠…… 166
A.心血管系異常……166
B.腎疾患……168
C.内分泌疾患……169
D.糖尿病……173
E.先天性代謝異常……173
F.血液疾患……176
3 免疫性疾患および呼吸器性疾患の口腔内症状/藤林孝司…… 180
A.免疫性疾患……180
B.アレルギーおよび呼吸器性疾患……185
4 感染症の口腔内症状/作田正義…… 188
A.診断上の注意点……188
B.細菌感染症……188
C.ウイルス感染症……189
D.真菌感染症……192
第3章 齲蝕
1 齲蝕の病理学/石田武…… 195
A.エナメル質齲蝕の組織病理学……198
B.象牙質齲蝕の組織病理学……205
2 齲蝕の診査と診断/長坂信夫・三浦一生…… 210
A.齲蝕歯(病巣)の診査と診断……210
3 小児期の齲蝕の病態/真秀昭…… 215
A.好発部位……215
B.小児期齲蝕の特徴……218
C.齲蝕の疫学……223
4 齲蝕発生におけるデンタルプラークの役割/大嶋隆…… 232
A.口腔細菌叢の分布と経年的推移……232
B.デンタルプラークの形成……235
C.齲蝕の発生……238
5 食事と齲蝕/内村登,大嶋隆…… 241
A.疫学的研究……241
B.食事摂取パターンの変遷と齲蝕……247
C.齲蝕と食物……251
D.食物中の齲蝕抑制物質……253
E.食物の齲蝕誘発能の評価……255
6 齲蝕に関する研究の成果/北村京一,中田稔…… 260
A.プラーク形成細菌と齲蝕……260
B.齲蝕原性菌の伝播……263
C.齲蝕の遺伝要因……267
D.齲蝕の環境要因……271
7 齲蝕活動性の評価/下野勉・松村誠士…… 276
A.齲蝕活動性の概念……276
B.三大主要因と齲蝕活動性……276
C.齲蝕活動性試験……277
第4章 歯周疾患
1 歯周疾患の病理学/亀山洋一郎…… 287
A.小児の正常な歯周組織……287
B.歯肉炎……294
C.歯周炎……294
D.若年性歯周炎……295
2 小児期の歯周疾患の病態/甘利英一…… 297
A.歯周疾患の種類……297
B.発現頻度と経年的変化……302
C.歯周疾患の疫学……303
3 小児におけるオーラルハイジーンと歯周疾患との関係/石川烈・小田茂…… 308
A.オーラルハイジーンと歯周疾患の関係……308
B.オーラルハイジーンの評価方法……309
C.歯周疾患の診断……311
4 デンタルプラーク構成細菌と歯周疾患の関連性/石川烈・小田茂…… 317
A.歯肉炎……317
B.歯周炎……317
C.若年性歯周炎……319
5 小児の歯周疾患に影響を与える局所的因子/森崎市治郎…… 322
A.解剖学的因子……322
B.物理的因子……325
C.口腔習癖……328
6 小児の歯周疾患に影響を与える全身的因子/森崎市治郎……330
7 小児の歯周組織に影響を与えるその他の因子/森崎市治郎…… 336
第5章 小児期における予防的処置
1 小児期における口腔疾患の様相/祖父江鎭雄…… 339
A.齲蝕……340
B.歯周疾患……340
C.歯列不正と咬合異常……341
D.口腔習癖……342
E.口腔軟組織疾患……342
F.歯の外傷……343
G.形成異常……343
H.機能異常……343
2 予防の動機づけと教育/西野瑞穂…… 344
A.術者の心がまえと役割……344
B.口腔保健行動の確立……345
C.発達段階別予防指導……346
D.指導効果についての評価……348
E.集団を対象とした予防指導……348
3 小児口腔疾患の予防と相談/祖父江鎭雄…… 350
A.口腔疾患の発生と年齢……350
B.小児の年齢と相談……351
C.小児の年齢と指導内容……351
4 栄養と歯の健康/広瀬誠,泉谷明…… 354
A.母体と胎児の栄養……354
B.乳児の栄養……356
C.よい食事習慣の確立……360
D.口腔の健康と代用糖……364
5 プラークコントロール/西野瑞穂…… 369
A.歯ブラシによるプラークコントロール……369
B.デンタルフロスによるプラークコントロール……377
C.化学的プラークコントロール……378
D.プラークコントロールと口腔内細菌叢……380
6 フッ素と齲蝕予防/祖父江鎭雄…… 385
A.フッ素の全身への影響……385
B.歯の形成とフッ素……387
C.萌出後の歯とフッ素……389
D.口腔細菌とフッ素化合物……392
E.フッ化物を用いた齲蝕抑制法とその効果……392
7 予防塞法/中田稔…… 402
A.予防填塞法の歴史……402
B.予防填塞の考え方……402
C.セメント系予防填塞材の諸問題……404
D.レジン系予防填塞材の諸問題……405
E.齲蝕抑制効果……408
8 齲蝕免疫/浜田茂幸…… 412
A.免疫とは……412
B.齲蝕免疫……413
C.将来への展望……417
9 集団を対象とした齲蝕予防の実際/下野勉・松村誠士…… 418
A.集団の齲蝕活動性の評価……418
B.乳幼児集団の齲蝕予防……419
C.園児集団の齲蝕予防……420
D.学童集団の齲蝕予防……420
10 歯周疾患の予防/下野勉・松村誠士…… 422
A.歯周疾患の罹患性の予測……422
B.予防のための自己管理と歯科医の役割……422
第6章 小児患者への対応
1 歯科診療における小児の行動/中田稔…… 425
A.歯科診療前における小児の行動……425
B.歯科診療時における小児の行動……426
C.家族的要因……428
2 小児患者への対応法/中田稔…… 431
A.診療上の一般的注意……431
B.患児への対応法……432
3 薬物応用による対応法/鈴木長明…… 437
A.薬物応用にあたって……437
B.局所麻酔法……437
C.笑気吸入鎮静法……440
D.全身麻酔法……443
E.その他……448
4 全身疾患児の歯科的対応法/野田忠…… 449
A.全身疾患児の歯科治療の基礎……449
B.全身疾患児への対応……452
C.歯科治療における注意……452
5 救急処置時の対応/鈴木長明…… 456
A.救急処置の基本……456
B.救急処置法……458
第7章 障害児への対応
1 障害児の歯科的管理/酒井信明,森崎市治郎,猪狩和子…… 461
A.障害児のための予防法……461
B.治療への心理的アプローチ……465
C.治療方針……466
D.障害児の摂食・嚥下障害……468
2 障害児患者の歯科治療/酒井信明,森崎市治郎…… 472
A.精神発達遅滞……472
B.Down症候群……472
C.脳性麻痺……473
D.てんかん……474
E.自閉性障害……475
F.視覚障害,聴覚障害……476
第8章 小児歯科治療
1 小児歯科治療に必要な情報の収集と分析/長坂信夫・天野秀昭…… 479
A.治療方針……479
2 乳歯および幼若永久歯の歯冠修復/矢尾和彦…… 484
A.アマルガム……484
B.コンポジットレジン……486
C.乳歯用冠……489
D.ジャケット冠……490
E.インレー……491
F.グラスアイオノマーセメント……493
3 歯内療法/長坂信夫…… 499
A.乳歯歯髄炎の診査と診断……499
B.生活歯髄療法……501
C.乳歯の断髄法(歯髄切断法)……502
D.感染根管の診断と治療……506
E.幼若永久歯の歯内療法……511
4 乳歯および幼若永久歯の外傷/石川雅章 …… 514
A.歯の外傷の疫学……514
B.診査と記録……515
C.歯の外傷の臨床診断……519
D.乳歯および幼若永久歯外傷の処置法……519
E.幼若永久歯外傷の予後……523
F.乳歯外傷の臨床的経過と後継永久歯への影響……528
5 小児歯科の外科的処置/西嶋克巳・西嶋寛…… 534
A.乳歯の抜歯……534
B.炎症……535
C.嚢胞……538
D.腫瘍……540
E.先天異常(奇形)……542
6 薬物による療法/西嶋克巳・田村博宣…… 547
A.消炎系薬剤……548
B.抗生系薬剤……550
C.鎮静系薬剤……553
D.鎮痛系薬剤……554
第9章 咬合誘導
1 咬合誘導の概念/中田稔・山要一…… 557
2 咬合発育期の異常と病因/中田稔・山要一…… 560
A.咬合異常の頻度……560
B.咬合異常の病因……560
3 咬合誘導のための診査/中田稔・山要一,小椋正…… 568
A.診査と評価……568
B.顔面形態の評価……568
C.口腔機能の評価……573
D.歯列と咬合の分析……578
E.コンピュータの利用……586
4 咬合誘導の診療計画/中田稔・山要一…… 591
5 受動的(静的)咬合誘導法/坂井正彦…… 596
A.歯列弓周長の管理……596
B.保隙……598
C.適時抜去法……606
6 能動的(動的)咬合誘導法/桑原未代子…… 609
A.削合による咬合調整……609
B.抜歯による咬合調整……613
C.萌出余地の回復……617
D.歯の移動……620
E.埋伏歯の誘導……620
F.習癖の除去……622
7 歯の移動/中村進治…… 624
A.力学的考察……624
B.組織学的考察……625
C.臨床的考察……626
8 顔面頭蓋の異常に対する咬合誘導/佐々竜二…… 628
A.チームアプローチ……628
B.小児歯科でみられる顔面頭蓋の異常……628
C.小児歯科医の役割……630
D.唇顎口蓋裂……632
索引……635