やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 先の書籍から5年,再製作をいかになくしていくかが前回のテーマでしたが,おかげさまで第3刷.日常臨床のトラブルをなくして良質な歯科医療を提供したい,というのは多くの歯科医師,歯科技工士の方々が思っていることであり,基本を伝えることの意義というのもあらためて感じました.
 この間,デジタルデンティストリーも普及してきました.私もデジタルラボワークが増えてきましたが,より良い補綴物を提供するためには,やっぱりチェアサイドとラボサイドの連携が必要,というのはこれまでと変わりません.
 チェアサイドでもCAD/CAMを導入することで補綴物は作れるようになってきましたが,ラボサイドが携わると何が違うのか,ラボサイドと連携をとるには何がポイントになるのかをお互いに理解していると,補綴のクオリティはこれまで以上によくなるでしょう.
 そこには,これまで先人たちが積み上げてきた知識と技術を,うまくデジタルに活用していくことが大切です.そこで,従来の臨床を紹介しつつ,デジタルの臨床を紹介することで,臨床として大切なところ,変わっていくところ,変わってはいけないところなどを書きました.
 うまくいったことや失敗したこと,うまくはないけど役に立つだろうと思うこともあえて掲載しています.つたない筆者の臨床であっても,この試行錯誤が皆様の臨床に少しでもお役に立てれば幸いです.
 これまでに書籍をお読みになっていただいた皆様があって,今回の書籍となりました.あらためて感謝いたします.そして今回,はじめて本書をお取りになった皆様にも,新たなご縁をいただけことに感謝いたします.
 佐野隆一
 はじめに
 本書の使い方
I 印象採得で共有したいこと
 1-1:寒天アルジネート印象 臨床の精度と医院体制
 1-2:シリコーン印象 問題点がわかりにくいという問題点
 1-3:石膏模型からみるエラー 特にマージンについて
 1-4:再製作が続いたときの対処法 2つの印象の違い
II 口腔内スキャナーでの補綴
 2-1:現時点でのデジタル印象のこと 天然歯編
 2-2:現時点でのデジタル印象のこと インプラント編
 2-3:デジタルでの支台歯形成 デジタルとエッジの関係性
 2-4:口腔内スキャナーの精度 3Dプリンターの精度
III 咬合採得と咬合調整
 3-1:アナログでの咬合調節を少なくする ラボワークからみる咬合採得のポイント
 3-2:デジタルだから見える咬合状態 その数値はどこまで信頼できる?
 3-3:咬合採得での仮歯の活用法 アナログ・デジタルでのひと工夫
 3-4:日常臨床での咬合について ラボサイドとの連携でできること
IV ジルコニア補綴について
 4-1:ジルコニアディスクで知っておきたいこと 主にグラデーションディスクについて
 4-2:ジルコニアの色合わせ シェードテイクについて
 4-3:ラボワークにみる ジルコニアの品質の違い
 4-4:ジルコニアで割れたケース その原因と対策
V 臨床いろいろ
 5-1:プロビジョナル・レストレーション 治療計画からの活用
 5-2:やっぱり伝えておきたいメタルの話 主に適合について
 5-3:義歯のケースにみる チェアサイドとラボサイドのやりとり
 5-4:インプラントのケースにみる チェアサイドとラボサイドのやりとり
VI チームアプローチを考える
 6-1:歯科衛生士と歯科技工士の連携 主に清掃性について
 6-2:補綴に関するシンプルさ リカバリーを通じて思うこと
 6-3:歯科技工士の技術とコミュニケーション アナログからデジタルの活用へ
 6-4:チームで考える治療のあれこれ その価値観の共有のために

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 資料提供
 参考文献