序文
本書は,2000(平成12)年発行の「乳幼児の摂食指導─お母さんの疑問にこたえる」の姉妹本として,その後の子どもをとりまくさまざまな環境の変化や食育基本法などの施行,「母子健康手帳」の改正などをふまえてまとめたものです.特に母親をはじめ多くの育児担当者が直面する「食べる機能の発達と美味しく味わって食べるにはどのようなことが必要か」などの疑問について,子どもの現状にどう“気付き”,また,気付いた後にどのように支援するかについて,専門家として適切なアドバイスができるよう記してあります.記述に際しては,食べることに関わる種々の心配や疑問に対して,個々の子どもが育つ環境や状況に則しつつ柔軟に食を通した育児ができるような配慮を心がけました.そして,月齢や年齢はあくまで「目安」を提示し,発達の個人差を考慮して画一的にならないように幅を持たせています.しかしながら,記載内容については,これまでの研究結果等に基づいた可能な限り「裏づけ」のされている客観的な記載となるよう心がけました.
2005(平成17)年6月に,国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成に資することを旨として食育基本法が交付されました.これを受けて,2006(平成18)年3月に,2006(平成18)年度から2010(平成22)年度までの5年間を対象にして,食育の推進に関わる具体的な施策等を示されている「食育推進基本計画」が提示されました.「食」は人が生命を維持する根幹であり,その内容は人種や国によって大きく異なり,特有の食文化が伝承されています.しかし,近年,食を取り巻く環境は大きく揺らぎながら変化しています.家庭や個人の食生活の問題にまで国が踏み込むのはどうかという疑問はあってもなお,国が積極的に「食」に関わる種々の問題に対して法的な基盤をもって国民の支援を明確に打ち出す必要が出てきてしまった,というのが現状と理解しています.このようななかで,2007(平成19)年3月に「授乳・離乳の支援ガイド」が厚生労働省から発表されました.これは,従来からの「改訂 離乳の基本」に代わるものとして授乳支援を含めた支援ガイドとして出されたものです.
本書の内容は,筆者が「授乳・離乳の支援ガイド策定に関する研究会」の委員,および2007(平成19)年から「食育推進会議専門委員」を務めた経緯から,「授乳・離乳の支援ガイド」と「食育」の基本的な考えを踏襲しています.さらに,2011(平成23)年3月には「第2 次食育推進基本計画」が2011(平成23)年度から2015(平成27)年度の5年間を対象にして内閣府から発出されました.この計画の重点課題のひとつに「家庭における共食を通じた子どもへの食育の推進」があります.また,この推進基本計画の特徴は,ライフサイクルに沿った間断ない食育の推進にあります.この計画にも評価専門委員として関わっている経緯から,本書の内容に「食べ方を通した食育」の視点が加えられています.
生涯にわたって命を育み続ける食べる機能は,乳幼児期にその基礎が育ちます.本書は長年「食べる機能の発達」をテーマに,研究や臨床に携わってきた多くの仲間と「赤ちゃん」に教えていただいたことをまとめたものです.
乳幼児という時期の大切さについて,子どもを育てることに関わるすべての人が意識しながら育児支援がなされるよう本書がその一助となれば幸いです.
2013年3月
向井美惠
本書は,2000(平成12)年発行の「乳幼児の摂食指導─お母さんの疑問にこたえる」の姉妹本として,その後の子どもをとりまくさまざまな環境の変化や食育基本法などの施行,「母子健康手帳」の改正などをふまえてまとめたものです.特に母親をはじめ多くの育児担当者が直面する「食べる機能の発達と美味しく味わって食べるにはどのようなことが必要か」などの疑問について,子どもの現状にどう“気付き”,また,気付いた後にどのように支援するかについて,専門家として適切なアドバイスができるよう記してあります.記述に際しては,食べることに関わる種々の心配や疑問に対して,個々の子どもが育つ環境や状況に則しつつ柔軟に食を通した育児ができるような配慮を心がけました.そして,月齢や年齢はあくまで「目安」を提示し,発達の個人差を考慮して画一的にならないように幅を持たせています.しかしながら,記載内容については,これまでの研究結果等に基づいた可能な限り「裏づけ」のされている客観的な記載となるよう心がけました.
2005(平成17)年6月に,国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成に資することを旨として食育基本法が交付されました.これを受けて,2006(平成18)年3月に,2006(平成18)年度から2010(平成22)年度までの5年間を対象にして,食育の推進に関わる具体的な施策等を示されている「食育推進基本計画」が提示されました.「食」は人が生命を維持する根幹であり,その内容は人種や国によって大きく異なり,特有の食文化が伝承されています.しかし,近年,食を取り巻く環境は大きく揺らぎながら変化しています.家庭や個人の食生活の問題にまで国が踏み込むのはどうかという疑問はあってもなお,国が積極的に「食」に関わる種々の問題に対して法的な基盤をもって国民の支援を明確に打ち出す必要が出てきてしまった,というのが現状と理解しています.このようななかで,2007(平成19)年3月に「授乳・離乳の支援ガイド」が厚生労働省から発表されました.これは,従来からの「改訂 離乳の基本」に代わるものとして授乳支援を含めた支援ガイドとして出されたものです.
本書の内容は,筆者が「授乳・離乳の支援ガイド策定に関する研究会」の委員,および2007(平成19)年から「食育推進会議専門委員」を務めた経緯から,「授乳・離乳の支援ガイド」と「食育」の基本的な考えを踏襲しています.さらに,2011(平成23)年3月には「第2 次食育推進基本計画」が2011(平成23)年度から2015(平成27)年度の5年間を対象にして内閣府から発出されました.この計画の重点課題のひとつに「家庭における共食を通じた子どもへの食育の推進」があります.また,この推進基本計画の特徴は,ライフサイクルに沿った間断ない食育の推進にあります.この計画にも評価専門委員として関わっている経緯から,本書の内容に「食べ方を通した食育」の視点が加えられています.
生涯にわたって命を育み続ける食べる機能は,乳幼児期にその基礎が育ちます.本書は長年「食べる機能の発達」をテーマに,研究や臨床に携わってきた多くの仲間と「赤ちゃん」に教えていただいたことをまとめたものです.
乳幼児という時期の大切さについて,子どもを育てることに関わるすべての人が意識しながら育児支援がなされるよう本書がその一助となれば幸いです.
2013年3月
向井美惠
1章 乳幼児の食を通した育児支援
(1)乳幼児の食を通した育児支援はなぜ必要なの?
口の役割と発育 子どもの発達段階に則した支援の必要性
(2)乳幼児期の食生活ではどのような点に気をつけるの?
哺乳期 離乳期 幼児期
(3)食を通した心の発達支援とは?
子どものサインに気付く 豊かな食事の時間とは? 食事の場で身につくこと
(4)食事中の事故とその予防
1−食べ物による窒息事故とは?
摂食中の窒息事故の現状 小児の窒息事故の例
2−窒息事故を引き起こしやすい食べ物は?
窒息リスクの高い食品
3−食物による窒息はどう予防するの?
窒息事故を引き起こす食べ方 窒息事故を予防する食べ方
2章 五感を意識した食べ方の基本−美味しく安全に食べるために
(1)食べ方に五感はどう関係するの?
美味しく安全に食べる 五感を意識した食べ方 五感をいかす食べ方の重要性
(2)視覚はどのように食べ方に影響するの?
味覚へのプロローグ 一口量を知る 食具の使い方と食べ方を学ぶ
(3)嗅覚はどのように食べ方に影響するの?
食べることと香り(匂い)を感じることの関係 鼻腔における嗅覚の組織 料理自体の香り,戻り香の活用
(4)触覚はどのように食べ方に影響するの?
食物物性の感知 食物形態の認知 食べる機能の礎
(5)聴覚はどのように食べ方に影響するの?
音の科学−気導音,骨導音,咀しゃく音
(6)味覚はどのように食べ方に影響するの?
味覚の役割 味覚の生理学 食べ方と味覚の相乗効果
COLUMN:赤ちゃんの味覚は?
3章 食べる機能の発達と歯・口の成長
(1)運動機能と食べる機能の発達はどう関連するの?
嚥下反射の誘発と頸定 座位の確保と食物の経口摂取 手指の微細運動と手づかみ食べ,立位の確保とすりつぶし機能
(2)食べる機能はどのように発達するの?
食べる機能の発達過程
(3)出生から1年で口腔形態はどのように成長するの?
口腔の成長と食べる機能の発達
4章 授乳期の機能の発達とその支援
(1)授乳期(哺乳期)の口の機能の発達とその支援
1−上手に哺乳を進めるポイントは?
哺乳期とは 哺乳のためのしくみ−原始反射,口腔の形状
2−哺乳に関係する原始反射とは?
哺乳に関係する原始反射(哺乳反射) 原始反射の消退と離乳開始
3−授乳期の口の中の形と哺乳の関係は?
吸啜窩 下顎前歯相当部の歯槽堤 顎間空隙 ビシャの脂肪床
4−乳汁はどのように飲むの?
乳汁の嚥下と呼吸の協調 乳首の口腔内固定と吸啜運動
COLUMN:哺乳方法の違いは口腔の発育に影響するの?
(2)離乳の準備の進め方
1−原始反射の消失と随意運動の発達とは?
哺乳に関係した原始反射の消失 口遊びと口の機能の発達の関係
COLUMN:指しゃぶりはなぜするの?
2−離乳開始の準備で注意することは何?
離乳開始の目安−子どもの運動機能の観察 離乳準備の基本
COLUMN:哺乳の時期にみられる口腔内の疾病や異常
5章 離乳期の食べる機能の発達とその支援
(1)離乳期全般を通した食べ方支援の基本は何?
生活全般を配慮した支援 食べる動きを引き出す支援 食べる機能の発達程度に合わせた食形態の離乳食
(2)離乳期の発達過程に応じた食べ方支援
1−5〜6か月(離乳開始)頃の特徴と食べ方支援のポイントは?
舌で食物を押し出す子どもの介助 離乳開始の目安 離乳開始時の食事姿勢と配慮 食べ方の特徴と食事介助 捕食時の口唇圧
2−7〜8か月頃の特徴と食べ方支援のポイントは?
離乳食を食べる姿勢−お座りと食べる機能の発達 軟固形食物を押しつぶす動き 食塊形成の動き−唾液と食物の混和 食物の物性の感知/認知−触圧覚の働き
COLUMN:水の飲み方はどのように発達するの?
3−9〜11か月頃の特徴と食べ方支援のポイントは?
微細運動の発達と自食を促すテーブルの役割 軟固形食物をすりつぶす動き−咀しゃく機能の発達
4−12〜18か月(離乳完了)頃の特徴と食べ方支援のポイントは?
手と口の協調運動の基本−手づかみ食べとテーブルの高さ 食べ方の特徴と介助の基本
(3)味覚の発達は離乳期にどう影響するの?
新生児期(哺乳期) 離乳期から幼児期
(4)離乳食の調理による支援とは?
離乳食の調理上の配慮
COLUMN:ベビーフードの活用法
6章 幼児期の食べる機能の発達とその支援
(1)幼児期前半(1〜3歳)の食べる機能の発達とその支援
1−手づかみ食べから食具食べへの支援とは?
食事の自立 目/手/口の協調運動の発達過程 食事姿勢とテーブルの高さ 食べ方の特徴
2−乳歯が生え揃うまでの食べ方とその支援とは?
食べる機能の発達に関係する乳歯の萌出と噛み合わせ 乳児期前半は離乳食からの移行期 乳前歯,乳臼歯の萌出時期
3−手づかみ食べの上達はどこを見ればわかるの?
手づかみ食べの動き−手指/上肢と口の協調動作 手づかみ食べの上達とは
COLUMN:よだれと歯が生えることは何か関連があるの?
4−食具食べの上達
1)スプーン食べの上達はどこを見ればわかるの?
食具食べは成人の食べ方の基礎 発達状態に合った食事環境作り 食具食べの上達とは スプーンの選択
2)スプーンやフォークの持ち方のポイントは?
食具の使用と運動機能の発達 食具の把持方法の変化
3)スプーンによる食物の取り込み方はどう変化するの?
スプーンボール部の口への入り方 スプーン上の食物の取り込み方 口とスプーンボール部との水平的な位置の変化
COLUMN:食べるときになぜ舌を噛まないの?
(2)幼児期後半(4〜6歳)の食べる機能の発達とその支援
1−食べる機能の習熟とは
幼児期後半は食べる機能の習熟期 楽しい食事時間を通して情緒などの発達をはかる 食べ方の広がり
2−乳歯が生え揃ってからの食べ方支援とは?
自立した食べ方 食べ方の自律と食習慣の確立 食生活を楽しむ 食を通じた子どもの健全育成の目標
3−箸の使い方はどのような上達過程をたどるの?
箸は指の巧緻性が必要な食具 箸の使い方の変化
4−子どもの一日の食事量と栄養配分は?
生活リズムと食事量,栄養配分 年齢と一日3食の栄養配分 おやつ(間食) 水分必要量
7章 食べ方の下手な子どもへの支援
(1)食べ方が下手な子どもとは?
「食べ方が下手」とは 下手な食べ方に関与する要因−調査結果からみえること
(2)下手な食べ方への支援とは?
支援の順序と評価 食べ方支援の実際
COLUMN:お母さんが子どもの食事で困っていることは何?
8章 特別な配慮が必要な子どもへの食べ方支援
(1)特別な配慮が必要な子どもへの食べ方支援とは?
食生活と心の栄養 障害のある子どもの栄養管理
(2)障害に応じた食べ方支援とは?
知的障害を有する子どもへの食べ方支援 聴覚障害を有する子どもへの食べ方支援 視覚障害を有する子どもへの食べ方支援 肢体不自由児の食べ方支援
附1:食べ方の支援にかかわる解剖学的知識
附2:母子健康手帳を活用しよう“保護者の記録”に添えて−食べる機能の気付きと支援
附3:歯科医師/歯科衛生士による歯科健診時/歯科保健指導時の食べ方
支援のポイント
健やかな妊娠/出産/育児のために
文献
索引
(1)乳幼児の食を通した育児支援はなぜ必要なの?
口の役割と発育 子どもの発達段階に則した支援の必要性
(2)乳幼児期の食生活ではどのような点に気をつけるの?
哺乳期 離乳期 幼児期
(3)食を通した心の発達支援とは?
子どものサインに気付く 豊かな食事の時間とは? 食事の場で身につくこと
(4)食事中の事故とその予防
1−食べ物による窒息事故とは?
摂食中の窒息事故の現状 小児の窒息事故の例
2−窒息事故を引き起こしやすい食べ物は?
窒息リスクの高い食品
3−食物による窒息はどう予防するの?
窒息事故を引き起こす食べ方 窒息事故を予防する食べ方
2章 五感を意識した食べ方の基本−美味しく安全に食べるために
(1)食べ方に五感はどう関係するの?
美味しく安全に食べる 五感を意識した食べ方 五感をいかす食べ方の重要性
(2)視覚はどのように食べ方に影響するの?
味覚へのプロローグ 一口量を知る 食具の使い方と食べ方を学ぶ
(3)嗅覚はどのように食べ方に影響するの?
食べることと香り(匂い)を感じることの関係 鼻腔における嗅覚の組織 料理自体の香り,戻り香の活用
(4)触覚はどのように食べ方に影響するの?
食物物性の感知 食物形態の認知 食べる機能の礎
(5)聴覚はどのように食べ方に影響するの?
音の科学−気導音,骨導音,咀しゃく音
(6)味覚はどのように食べ方に影響するの?
味覚の役割 味覚の生理学 食べ方と味覚の相乗効果
COLUMN:赤ちゃんの味覚は?
3章 食べる機能の発達と歯・口の成長
(1)運動機能と食べる機能の発達はどう関連するの?
嚥下反射の誘発と頸定 座位の確保と食物の経口摂取 手指の微細運動と手づかみ食べ,立位の確保とすりつぶし機能
(2)食べる機能はどのように発達するの?
食べる機能の発達過程
(3)出生から1年で口腔形態はどのように成長するの?
口腔の成長と食べる機能の発達
4章 授乳期の機能の発達とその支援
(1)授乳期(哺乳期)の口の機能の発達とその支援
1−上手に哺乳を進めるポイントは?
哺乳期とは 哺乳のためのしくみ−原始反射,口腔の形状
2−哺乳に関係する原始反射とは?
哺乳に関係する原始反射(哺乳反射) 原始反射の消退と離乳開始
3−授乳期の口の中の形と哺乳の関係は?
吸啜窩 下顎前歯相当部の歯槽堤 顎間空隙 ビシャの脂肪床
4−乳汁はどのように飲むの?
乳汁の嚥下と呼吸の協調 乳首の口腔内固定と吸啜運動
COLUMN:哺乳方法の違いは口腔の発育に影響するの?
(2)離乳の準備の進め方
1−原始反射の消失と随意運動の発達とは?
哺乳に関係した原始反射の消失 口遊びと口の機能の発達の関係
COLUMN:指しゃぶりはなぜするの?
2−離乳開始の準備で注意することは何?
離乳開始の目安−子どもの運動機能の観察 離乳準備の基本
COLUMN:哺乳の時期にみられる口腔内の疾病や異常
5章 離乳期の食べる機能の発達とその支援
(1)離乳期全般を通した食べ方支援の基本は何?
生活全般を配慮した支援 食べる動きを引き出す支援 食べる機能の発達程度に合わせた食形態の離乳食
(2)離乳期の発達過程に応じた食べ方支援
1−5〜6か月(離乳開始)頃の特徴と食べ方支援のポイントは?
舌で食物を押し出す子どもの介助 離乳開始の目安 離乳開始時の食事姿勢と配慮 食べ方の特徴と食事介助 捕食時の口唇圧
2−7〜8か月頃の特徴と食べ方支援のポイントは?
離乳食を食べる姿勢−お座りと食べる機能の発達 軟固形食物を押しつぶす動き 食塊形成の動き−唾液と食物の混和 食物の物性の感知/認知−触圧覚の働き
COLUMN:水の飲み方はどのように発達するの?
3−9〜11か月頃の特徴と食べ方支援のポイントは?
微細運動の発達と自食を促すテーブルの役割 軟固形食物をすりつぶす動き−咀しゃく機能の発達
4−12〜18か月(離乳完了)頃の特徴と食べ方支援のポイントは?
手と口の協調運動の基本−手づかみ食べとテーブルの高さ 食べ方の特徴と介助の基本
(3)味覚の発達は離乳期にどう影響するの?
新生児期(哺乳期) 離乳期から幼児期
(4)離乳食の調理による支援とは?
離乳食の調理上の配慮
COLUMN:ベビーフードの活用法
6章 幼児期の食べる機能の発達とその支援
(1)幼児期前半(1〜3歳)の食べる機能の発達とその支援
1−手づかみ食べから食具食べへの支援とは?
食事の自立 目/手/口の協調運動の発達過程 食事姿勢とテーブルの高さ 食べ方の特徴
2−乳歯が生え揃うまでの食べ方とその支援とは?
食べる機能の発達に関係する乳歯の萌出と噛み合わせ 乳児期前半は離乳食からの移行期 乳前歯,乳臼歯の萌出時期
3−手づかみ食べの上達はどこを見ればわかるの?
手づかみ食べの動き−手指/上肢と口の協調動作 手づかみ食べの上達とは
COLUMN:よだれと歯が生えることは何か関連があるの?
4−食具食べの上達
1)スプーン食べの上達はどこを見ればわかるの?
食具食べは成人の食べ方の基礎 発達状態に合った食事環境作り 食具食べの上達とは スプーンの選択
2)スプーンやフォークの持ち方のポイントは?
食具の使用と運動機能の発達 食具の把持方法の変化
3)スプーンによる食物の取り込み方はどう変化するの?
スプーンボール部の口への入り方 スプーン上の食物の取り込み方 口とスプーンボール部との水平的な位置の変化
COLUMN:食べるときになぜ舌を噛まないの?
(2)幼児期後半(4〜6歳)の食べる機能の発達とその支援
1−食べる機能の習熟とは
幼児期後半は食べる機能の習熟期 楽しい食事時間を通して情緒などの発達をはかる 食べ方の広がり
2−乳歯が生え揃ってからの食べ方支援とは?
自立した食べ方 食べ方の自律と食習慣の確立 食生活を楽しむ 食を通じた子どもの健全育成の目標
3−箸の使い方はどのような上達過程をたどるの?
箸は指の巧緻性が必要な食具 箸の使い方の変化
4−子どもの一日の食事量と栄養配分は?
生活リズムと食事量,栄養配分 年齢と一日3食の栄養配分 おやつ(間食) 水分必要量
7章 食べ方の下手な子どもへの支援
(1)食べ方が下手な子どもとは?
「食べ方が下手」とは 下手な食べ方に関与する要因−調査結果からみえること
(2)下手な食べ方への支援とは?
支援の順序と評価 食べ方支援の実際
COLUMN:お母さんが子どもの食事で困っていることは何?
8章 特別な配慮が必要な子どもへの食べ方支援
(1)特別な配慮が必要な子どもへの食べ方支援とは?
食生活と心の栄養 障害のある子どもの栄養管理
(2)障害に応じた食べ方支援とは?
知的障害を有する子どもへの食べ方支援 聴覚障害を有する子どもへの食べ方支援 視覚障害を有する子どもへの食べ方支援 肢体不自由児の食べ方支援
附1:食べ方の支援にかかわる解剖学的知識
附2:母子健康手帳を活用しよう“保護者の記録”に添えて−食べる機能の気付きと支援
附3:歯科医師/歯科衛生士による歯科健診時/歯科保健指導時の食べ方
支援のポイント
健やかな妊娠/出産/育児のために
文献
索引








