序文
本書は,基本的な知識に加え,現代の歯科医療に沿った新しいエッセンスを取り入れた最新の歯科衛生士学生用のテキストである.大学教員に加え,最先端の歯科医療を導入している臨床歯科医や臨床衛生士にも執筆をお願いし,現在および今後必要となる口腔衛生学・歯科衛生統計をよりわかりやすくまとめた.また,歯科衛生士学生のみならず,歯科医療に携わるデンタルスタッフにも活用できる.
現在の日本は,感染症,気象変動,経済の変化,情報網の発達,人口,少子高齢化,外国人の流入などさまざまな変化に直面している.歯科医療従事者は,これらにいち早く対応できる歯科医療を提供しなければならない.口腔衛生学を正しく学ぶこと,歯科衛生統計を正しく理解することは,歯科衛生士として活動していくために重要なことであり,かつ要かなめとなる.
福沢諭吉は,「学問の要は活用にあるのみ.活用なき学問は無学に等し」という言葉を残した.まさに本書は,この言葉を実践するための知識や技術を学ぶためにうってつけのテキストである.
2020年のオリンピック,また2025年にかけて日本は「団塊の世代」の超高齢社会に伴う医療システムの変革期を迎える.これまで受けられた「当たり前の医療」の形が,さまざまな理由で変わっていくことが予想され,世界における日本の歯科医療がより注目され,その情報は一瞬のうちに世界中を駆け巡ることであろう.わが国では実際の医療の質と比べ,「受けられる医療に満足していない」人が多いことが指摘されている.患者と医療従事者の信頼関係が満たされない限り,医療は成立しない.医療従事者の能力,誠意がより必要となり,常に歯科衛生士として試されることになる.
本書は,口腔衛生学・歯科衛生統計を学ぶことを通じて,歯科衛生士が患者との信頼関係のもとに歯科医療を施せる一助になると確信している.また,歯科衛生士としての将来像を描くにも最適であろう.
著者一同,歯科衛生士学生に本書をぜひ活用していただき,新しい時代の幕開けに備えられることを願っている.
2018年1月
泉福英信
本書は,基本的な知識に加え,現代の歯科医療に沿った新しいエッセンスを取り入れた最新の歯科衛生士学生用のテキストである.大学教員に加え,最先端の歯科医療を導入している臨床歯科医や臨床衛生士にも執筆をお願いし,現在および今後必要となる口腔衛生学・歯科衛生統計をよりわかりやすくまとめた.また,歯科衛生士学生のみならず,歯科医療に携わるデンタルスタッフにも活用できる.
現在の日本は,感染症,気象変動,経済の変化,情報網の発達,人口,少子高齢化,外国人の流入などさまざまな変化に直面している.歯科医療従事者は,これらにいち早く対応できる歯科医療を提供しなければならない.口腔衛生学を正しく学ぶこと,歯科衛生統計を正しく理解することは,歯科衛生士として活動していくために重要なことであり,かつ要かなめとなる.
福沢諭吉は,「学問の要は活用にあるのみ.活用なき学問は無学に等し」という言葉を残した.まさに本書は,この言葉を実践するための知識や技術を学ぶためにうってつけのテキストである.
2020年のオリンピック,また2025年にかけて日本は「団塊の世代」の超高齢社会に伴う医療システムの変革期を迎える.これまで受けられた「当たり前の医療」の形が,さまざまな理由で変わっていくことが予想され,世界における日本の歯科医療がより注目され,その情報は一瞬のうちに世界中を駆け巡ることであろう.わが国では実際の医療の質と比べ,「受けられる医療に満足していない」人が多いことが指摘されている.患者と医療従事者の信頼関係が満たされない限り,医療は成立しない.医療従事者の能力,誠意がより必要となり,常に歯科衛生士として試されることになる.
本書は,口腔衛生学・歯科衛生統計を学ぶことを通じて,歯科衛生士が患者との信頼関係のもとに歯科医療を施せる一助になると確信している.また,歯科衛生士としての将来像を描くにも最適であろう.
著者一同,歯科衛生士学生に本書をぜひ活用していただき,新しい時代の幕開けに備えられることを願っている.
2018年1月
泉福英信
序章 口腔衛生学とは
1章 口腔保健と公衆衛生
I 口腔保健
1 国際社会情勢
1─世界保健機関(WHO)の口腔保健戦略
2─持続可能な開発目標と口腔保健
2 口腔疾患の世界における概要
3 口腔保健調査とサーベイランス
1─WHO口腔診査法
COLUMN WHO STEPS
2─サーベイランス
II 公衆衛生
1 先進国と開発途上国
2 地球温暖化
1─地球環境の変化とその影響
2─地球規模の環境問題
3─地球環境保全のための国際的な取り組み
4─地球温暖化
3 生活環境
1─空気と水
2─温熱環境と気候
4 人口
1─人口静態統計
2─人口動態統計
3─平均余命と平均寿命
4─健康寿命
5 公害と放射線対策
1─公害の概念と歴史
2─わが国の公害行政
3─大気汚染
4─水質汚濁
5─騒音,振動,悪臭,地盤沈下,土壌の汚染
6 少子高齢化
2章 歯科疾患の疫学と歯科保健統計
I 口腔の健康状態と保健行動の評価指標
1 口腔健康状態
1─口腔診査が必要なもの
2─口腔診査が必要ないもの
2 口腔保健行動
II 口腔保健に関する主な政府統計と地域統計
1 政府統計
1─政府統計総論
2─政府統計各論
2 地域ベースの統計の活用例
III 疫学的方法
1 疫学とは
2 疫学における病因論
3 疫学調査の方法
1─記述疫学
2─分析疫学
3─介入疫学
4 スクリーニング
IV データの分析方法
1 データのまとめ方
1─データの分類と尺度
2─データのバラツキと代表値
3─相関
2 データの分析の実際と検定
1─基礎統計量の集計
2─検定
3章 歯・口腔の基礎知識
I 口腔機能の役割
II 口腔の基本構造
1 口腔
1─口腔前庭
2─固有口腔
2 舌
3 口蓋と口峡
4 唾液腺
5 歯
1─歯の役割と形
2─歯列
3─歯の交換
4─歯槽とその周囲の構造
5─歯の構造と歯周組織
III 口腔・顎顔面の発生と成長
1 口腔の発生
2 顎顔面の発生
3 口腔・顎顔面の成長
IV 口腔粘膜
1 口腔内の部位の名称と粘膜の特徴
2 粘膜の異常像
V 唾液
VI 口腔細菌叢(口腔フローラ)
VII 歯の付着物・沈着物
1 ペリクル(獲得被膜)
2 色素沈着物
1─外因性着色
2─内因性着色
3─その他の着色
3 食物残渣
4 マテリア・アルバ(白質)
VIII 歯石,歯周ポケット
1 歯石
1─歯肉縁上歯石
2─歯肉縁下歯石
3─歯石の構成
2 歯周ポケット
1─定義
2─歯周ポケットの測定
3─治療の必要性
4─歯周ポケットの全身への影響
IX 摂食嚥下機能とその障害
1 先行期(認知期)
2 準備期(咀嚼期)
3 口腔期(嚥下第一期)
4 咽頭期(嚥下第二期)
5 食道期(嚥下第三期)
X 発声と構音
XI 痛み
1 痛みとは
2 歯・歯周組織・口腔に生じる侵害受容性疼痛
1─歯髄炎による痛み
2─歯に生じる炎症性の痛み
3─歯周組織に生じる歯周炎による痛み
4─その他の口腔に生じる炎症性の痛み
5─歯が原因ではない歯の痛み(非歯原性歯痛)
3 歯・歯周組織・口腔に生じる神経障害性疼痛
4 歯・歯周組織・口腔に生じる心因性疼痛
XII 顎関節
1 顎関節とは(一般の関節との違い)
2 顎関節の動きと下顎の運動の関係
4章 口腔疾患の成り立ち
I う蝕
1 う蝕病因論の変遷
2 う蝕関連細菌
1─S.mutansおよびS.sobrinusの性状
2─ミュータンスレンサ球菌の病原性
3─その他のう蝕関連細菌
3 バイオフィルム
1─バイオフィルム
2─バイオフィルムの形成機構
3─バイオフィルム感染症
4 バイオフィルム(歯肉縁上プラーク)の糖代謝
1─バイオフィルム(歯肉縁上プラーク)の糖代謝
2─生態学的プラーク説
3─糖代謝からみたう蝕予防
5 う蝕の発症
1─宿主要因
2─環境要因
6 う蝕と歯髄炎
1─う蝕
2─う蝕の進行
II 歯周病
1 歯周病原性細菌
1─歯周病における歯周病原性細菌の位置づけ
2─正常な歯肉溝と歯周ポケットにおける菌叢の違い
3─歯周病原性細菌とその病原発現
4─歯周病原性細菌と抗菌薬
2 バイオフィルム
1─バイオフィルムの形成過程
2─バイオフィルムの薬剤抵抗性を考慮した形成阻害法
3─バイオフィルムと誤嚥性肺炎
3 歯肉炎(歯肉病変)
1─プラーク性歯肉炎
2─非プラーク性歯肉病変
3─歯肉増殖
4─薬物性歯肉増殖症
5─遺伝性歯肉線維腫症
4 歯周炎
1─慢性歯周炎
2─侵襲性歯周炎
3─遺伝疾患に伴う歯周炎
5 歯根膜炎
6 智歯周囲炎
7 インプラント周囲疾患
III 口臭
1 口臭の分類
2 原因
1─唾液分泌量の低下
2─歯周病
3─舌苔
3 口臭の検査法
1─官能検査
2─口臭測定器
4 口臭への対処法
IV 口腔粘膜疾患
1 口腔粘膜疾患の種類
1─口内炎
2─口腔カンジダ症
3─角化性病変
4─腫瘍性病変
5─口腔がん,口腔扁平苔癬,口腔白板症の予防
V 顎関節症
1 顎関節症とは
2 顎関節症の原因
3 顎関節症の治療
VI 全身疾患と口腔への関連性
1 糖尿病
1─糖尿病の定義
2─糖尿病の患者数
3─糖尿病の分類
4─糖尿病と歯周病の深い関係
5─歯科外来における糖尿病患者への注意点
2 心疾患
1─感染性心内膜炎
3 バージャー病
1─歴史と病因
2─病態
3─診断基準
4─治療と予後
5 がん
1─口腔のがん
2─全身のがん
3─がん治療が口腔に及ぼす影響と口腔管理について
5章 口腔疾患とその関連疾患の予防
I 予防の概念
II う蝕の予防
1 う蝕のリスク因子
1─宿主と歯の要因
2─食事の要因
3─微生物の要因
4─社会的決定要因,その他の要因
2 う蝕リスクの検査
1─歯の状態の検査
2─う蝕活動性試験
3─問診
3 フッ化物によるう蝕予防の方法
1─フッ化物によるう蝕予防の歴史
2─フッ化物の摂取と代謝
3─フッ化物の局所応用によるう蝕予防
4─フッ化物の全身応用
5─フッ化物によるう蝕予防機序
6─過量なフッ化物による為害作用
4 う蝕予防におけるプラークコントロールの意味
1─物理的プラークコントロール
2─化学的・生物学的プラークコントロール
5 食生活習慣とう蝕予防
6 う蝕リスクの評価・判定と予防
III 歯周病
1 歯周病のリスク因子
1─細菌因子
2─宿主関連因子
3─環境関連因子
4─咬合因子
2 歯周病の検査,健診
1─歯周病の検査
2─歯周ポケットの検査
3─歯の動揺度
4─コンタクトの検査
5─プラークの付着状態の検査(O'LearyのPCR)
6─根分岐部病変の検査
7─診査の記録
8─診断基準
9─歯周病の健診
3 歯周病予防におけるプラークコントロール
1─口腔の清掃部位からみたプラークコントロール
2─歯周病の予防手段と処置
COLUMN PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
3─デブライドメントのスキル〜エキスプローラーを用いた触診
4 歯周病を予防する薬剤
1─歯磨剤
2─抗菌薬
5 喫煙の影響と禁煙支援
1─喫煙と歯周病との関連性
2─喫煙が歯周組織に与える影響
3─喫煙が関連する歯周病の臨床所見
4─歯周病に対する禁煙の効果
5─日常臨床での禁煙支援
IV 口腔疾患に関連した全身疾患の予防
1 う蝕,歯周病予防と全身疾患
1─口腔疾患と生活習慣
2─口腔疾患と全身疾患
2 口腔健康管理と全身疾患
1─要介護高齢者の口腔健康管理
2─長期入院患者の口腔健康管理
3─周術期口腔機能管理
6章 口腔ケアの実践
I 歯および歯肉のケア
1 口腔ケアを始める前に
2 ブラッシング
3 ブラッシング方法の具体例
4 フロッシング
5 歯間ブラシ
6 ブラッシングの順序
7 化学的清掃法
8 実際の歯や歯肉のケア
II 修復物および補綴装置のケア
1 固定性補綴装置および充?物・修復物のケア
2 可撤性補綴装置のケア
3 インプラントのケア
III 舌のケア(舌苔の除去)
IV 歯肉,舌以外の口腔粘膜のケア
V 唾液分泌
1 刺激唾液の検査
2 安静時唾液の検査
3 唾液が減少している場合の対処法
VI 咬合
7章 食と健康
I 咀嚼機能と食物摂取
1 咀嚼の意義
2 食事摂取と健康寿命
3 咀嚼機能と栄養状態
II 健康と栄養
1 栄養と食事摂取基準
2 食物の消化と栄養素の代謝
3 栄養の現状と課題
III 歯科補綴治療と栄養・保健指導の実践
1 咀嚼機能低下とNCDsの関係
1─咀嚼機能低下と糖質偏重食
COLUMN 咀嚼機能を測定・評価するシステム―グルコセンサー
2─咀嚼機能低下とタンパク質・ビタミン・ミネラル低栄養
2 歯科補綴における保健指導の重要性
3 オーラル・フレイルとNCDsの予防で健康寿命の延伸へ
8章 院内感染対策・医療安全
I 感染症
1 ウイルス感染
1─ウイルスとは
2─歯科医療で気をつけるウイルス
2 多剤耐性菌
1─メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
2─バンコマイシン耐性腸球菌
3─カルパネム耐性腸内細菌科細菌
4─多剤耐性アシネトバクター
3 昆虫
II スタンダードプレコーション
1 手洗い
1─手洗いの重要性
2─手洗いの分類
3─手洗い時の注意
2 ディスポーザブル,ラッピング
1─ディスポーザブル製品
2─ラッピング
3─マスク,ゴーグル,グローブ
4─適切な器具の取り扱い
III 滅菌,消毒,洗浄
1 滅菌
1─高圧蒸気滅菌
2─低温プラズマ滅菌
3─エチレンオキサイドガス滅菌
2 消毒
1─薬液消毒
3 洗浄
1─洗浄剤
2─用手洗浄
3─超音波洗浄器
4─ウォッシャーディスインフェクター
IV 診療室における洗浄,滅菌,消毒の流れ
1 器械・器具の滅菌の流れ
1─洗浄における注意点
2─滅菌・消毒における注意点
2 エアタービン,マイクロモーターハンドピースの滅菌の流れ
V ワクチン
1 B型肝炎ワクチン
2 インフルエンザワクチン
VI 医療廃棄物の処理
1 感染性廃棄物と非感染性廃棄物
2 一般廃棄物と産業廃棄物
3 感染性廃棄物の管理
1─分別・梱包
2─施設内における保管
3─表示
4─処理
4 在宅医療廃棄物
9章 特別な支援が必要な人への歯科保健
I 妊婦
1 口腔内の状況
2 口腔保健管理
3 歯の形成に必要な栄養学的知識
4 妊婦自身の口腔保健管理
5 口腔保健管理の受け方に関するアドバイス
1─歯科治療
2─放射線検査
3─歯科麻酔
4─薬物投与
II 造血幹細胞移植患者
1 造血幹細胞移植とは
2 造血幹細胞移植と口腔に関連する諸問題
3 造血幹細胞移植の治療ステージに合わせた口腔衛生管理
1─治療前
2─移植治療中
3─移植治療後
III AIDS患者
1 疾患の知識
1─AIDSとは
2─HIV感染症の状態を示す臨床検査値
3─HIV感染症の自然経過
4─HIV感染者数の動向
5─HIV感染様式
6─HIV感染症の治療
2 HIV感染者・AIDS患者の歯科医療における配慮
1─歯科診療における感染対策
2─HIV感染者の歯科診療
3─HIV関連口腔症状の対応
IV 障害のある人の歯科保健
1 身体障害と口腔衛生
1─身体障害と口腔衛生の問題
2─口腔ケア
3─摂食嚥下障害
4─障害児・者の歯科医療と口腔衛生
2 知的能力障害と口腔衛生
3 精神障害
1─統合失調症
2─摂食障害
4 医療的ケア児に対する歯科・口腔衛生サービス
V 終末期医療
1 終末期医療とは
2 終末期医療としての口腔衛生管理(口腔ケア)
3 終末期の患者に好発する口腔のトラブル
1─口腔乾燥
2─口腔感染症
3─歯科的な問題
4─口臭
10章 地域歯科保健活動
I 地域歯科保健
1 地域保健とヘルスプロモーションの概念
2 ヘルスプロモーションと歯科保健
3 ハイリスクストラテジー,ポピュレーションストラテジーと健康格差や疾病格差の解消
4 ノーマライゼーションと生活機能
COLUMN ソーシャル・キャピタル
COLUMN 健康の社会的決定要因
5 地域歯科保健の変遷と8020運動
6 健康日本21 と健康増進法
7 歯科口腔保健の推進に関する法律
II 地方自治体の役割
1 市町村
2 都道府県
III 母子保健
1 わが国の母子保健対策
2 母子保健対策における歯科保健
IV 学校保健
V 成人保健
1 成人保健の活動および関係する法律
2 歯科保健の現状
3 歯科保健事業
1─歯周疾患検診
2─周術期における口腔機能の管理などチーム医療の推進
VI 高齢者保健
1 老人保健の活動および関係する法律
2 高齢者の健康状態
3 高齢者の口腔健康状態
1─喪失歯
2─口腔乾燥症
3─摂食嚥下障害
4 高齢者対策
1─地域包括ケアシステムおよび介護サービス
2─認知症対策
5 高齢者に対する歯科保健医療
1─在宅および施設入所高齢者への対策
2─口腔機能向上支援
3─誤嚥性肺炎予防
VII 産業歯科保健
1 産業保健の活動および関係する法律
2 職業性疾病
1─職業性疾病
2─職業性歯科疾患
3 産業保健管理および産業保健活動
VIII 精神保健
1 精神保健の活動および関係する法律
2 精神障害者の口腔健康状態
3 精神障害者への歯科保健活動
11章 保健・医療・福祉の制度
I 社会保障制度
1 社会保障制度とは
2 社会保障制度の分野と機能
1─社会保障制度の分野
2─社会保障制度の機能
II 社会保障制度と法規
1 社会保険と法規
1─医療保険に関する法規
2─年金保険に関する法規
3─雇用保険に関する法規
4─労働者災害補償保険に関する法規
5─介護保険に関する法規
2 公的扶助と法規
1─公的扶助に関する法規
3 社会福祉と法規
1─社会福祉に関する法規
4 公衆衛生と法規
1─保健衛生に関する法規
2─予防衛生に関する法規
III 歯科口腔保健対策と歯科口腔保健の推進に関する法律
索引
1章 口腔保健と公衆衛生
I 口腔保健
1 国際社会情勢
1─世界保健機関(WHO)の口腔保健戦略
2─持続可能な開発目標と口腔保健
2 口腔疾患の世界における概要
3 口腔保健調査とサーベイランス
1─WHO口腔診査法
COLUMN WHO STEPS
2─サーベイランス
II 公衆衛生
1 先進国と開発途上国
2 地球温暖化
1─地球環境の変化とその影響
2─地球規模の環境問題
3─地球環境保全のための国際的な取り組み
4─地球温暖化
3 生活環境
1─空気と水
2─温熱環境と気候
4 人口
1─人口静態統計
2─人口動態統計
3─平均余命と平均寿命
4─健康寿命
5 公害と放射線対策
1─公害の概念と歴史
2─わが国の公害行政
3─大気汚染
4─水質汚濁
5─騒音,振動,悪臭,地盤沈下,土壌の汚染
6 少子高齢化
2章 歯科疾患の疫学と歯科保健統計
I 口腔の健康状態と保健行動の評価指標
1 口腔健康状態
1─口腔診査が必要なもの
2─口腔診査が必要ないもの
2 口腔保健行動
II 口腔保健に関する主な政府統計と地域統計
1 政府統計
1─政府統計総論
2─政府統計各論
2 地域ベースの統計の活用例
III 疫学的方法
1 疫学とは
2 疫学における病因論
3 疫学調査の方法
1─記述疫学
2─分析疫学
3─介入疫学
4 スクリーニング
IV データの分析方法
1 データのまとめ方
1─データの分類と尺度
2─データのバラツキと代表値
3─相関
2 データの分析の実際と検定
1─基礎統計量の集計
2─検定
3章 歯・口腔の基礎知識
I 口腔機能の役割
II 口腔の基本構造
1 口腔
1─口腔前庭
2─固有口腔
2 舌
3 口蓋と口峡
4 唾液腺
5 歯
1─歯の役割と形
2─歯列
3─歯の交換
4─歯槽とその周囲の構造
5─歯の構造と歯周組織
III 口腔・顎顔面の発生と成長
1 口腔の発生
2 顎顔面の発生
3 口腔・顎顔面の成長
IV 口腔粘膜
1 口腔内の部位の名称と粘膜の特徴
2 粘膜の異常像
V 唾液
VI 口腔細菌叢(口腔フローラ)
VII 歯の付着物・沈着物
1 ペリクル(獲得被膜)
2 色素沈着物
1─外因性着色
2─内因性着色
3─その他の着色
3 食物残渣
4 マテリア・アルバ(白質)
VIII 歯石,歯周ポケット
1 歯石
1─歯肉縁上歯石
2─歯肉縁下歯石
3─歯石の構成
2 歯周ポケット
1─定義
2─歯周ポケットの測定
3─治療の必要性
4─歯周ポケットの全身への影響
IX 摂食嚥下機能とその障害
1 先行期(認知期)
2 準備期(咀嚼期)
3 口腔期(嚥下第一期)
4 咽頭期(嚥下第二期)
5 食道期(嚥下第三期)
X 発声と構音
XI 痛み
1 痛みとは
2 歯・歯周組織・口腔に生じる侵害受容性疼痛
1─歯髄炎による痛み
2─歯に生じる炎症性の痛み
3─歯周組織に生じる歯周炎による痛み
4─その他の口腔に生じる炎症性の痛み
5─歯が原因ではない歯の痛み(非歯原性歯痛)
3 歯・歯周組織・口腔に生じる神経障害性疼痛
4 歯・歯周組織・口腔に生じる心因性疼痛
XII 顎関節
1 顎関節とは(一般の関節との違い)
2 顎関節の動きと下顎の運動の関係
4章 口腔疾患の成り立ち
I う蝕
1 う蝕病因論の変遷
2 う蝕関連細菌
1─S.mutansおよびS.sobrinusの性状
2─ミュータンスレンサ球菌の病原性
3─その他のう蝕関連細菌
3 バイオフィルム
1─バイオフィルム
2─バイオフィルムの形成機構
3─バイオフィルム感染症
4 バイオフィルム(歯肉縁上プラーク)の糖代謝
1─バイオフィルム(歯肉縁上プラーク)の糖代謝
2─生態学的プラーク説
3─糖代謝からみたう蝕予防
5 う蝕の発症
1─宿主要因
2─環境要因
6 う蝕と歯髄炎
1─う蝕
2─う蝕の進行
II 歯周病
1 歯周病原性細菌
1─歯周病における歯周病原性細菌の位置づけ
2─正常な歯肉溝と歯周ポケットにおける菌叢の違い
3─歯周病原性細菌とその病原発現
4─歯周病原性細菌と抗菌薬
2 バイオフィルム
1─バイオフィルムの形成過程
2─バイオフィルムの薬剤抵抗性を考慮した形成阻害法
3─バイオフィルムと誤嚥性肺炎
3 歯肉炎(歯肉病変)
1─プラーク性歯肉炎
2─非プラーク性歯肉病変
3─歯肉増殖
4─薬物性歯肉増殖症
5─遺伝性歯肉線維腫症
4 歯周炎
1─慢性歯周炎
2─侵襲性歯周炎
3─遺伝疾患に伴う歯周炎
5 歯根膜炎
6 智歯周囲炎
7 インプラント周囲疾患
III 口臭
1 口臭の分類
2 原因
1─唾液分泌量の低下
2─歯周病
3─舌苔
3 口臭の検査法
1─官能検査
2─口臭測定器
4 口臭への対処法
IV 口腔粘膜疾患
1 口腔粘膜疾患の種類
1─口内炎
2─口腔カンジダ症
3─角化性病変
4─腫瘍性病変
5─口腔がん,口腔扁平苔癬,口腔白板症の予防
V 顎関節症
1 顎関節症とは
2 顎関節症の原因
3 顎関節症の治療
VI 全身疾患と口腔への関連性
1 糖尿病
1─糖尿病の定義
2─糖尿病の患者数
3─糖尿病の分類
4─糖尿病と歯周病の深い関係
5─歯科外来における糖尿病患者への注意点
2 心疾患
1─感染性心内膜炎
3 バージャー病
1─歴史と病因
2─病態
3─診断基準
4─治療と予後
5 がん
1─口腔のがん
2─全身のがん
3─がん治療が口腔に及ぼす影響と口腔管理について
5章 口腔疾患とその関連疾患の予防
I 予防の概念
II う蝕の予防
1 う蝕のリスク因子
1─宿主と歯の要因
2─食事の要因
3─微生物の要因
4─社会的決定要因,その他の要因
2 う蝕リスクの検査
1─歯の状態の検査
2─う蝕活動性試験
3─問診
3 フッ化物によるう蝕予防の方法
1─フッ化物によるう蝕予防の歴史
2─フッ化物の摂取と代謝
3─フッ化物の局所応用によるう蝕予防
4─フッ化物の全身応用
5─フッ化物によるう蝕予防機序
6─過量なフッ化物による為害作用
4 う蝕予防におけるプラークコントロールの意味
1─物理的プラークコントロール
2─化学的・生物学的プラークコントロール
5 食生活習慣とう蝕予防
6 う蝕リスクの評価・判定と予防
III 歯周病
1 歯周病のリスク因子
1─細菌因子
2─宿主関連因子
3─環境関連因子
4─咬合因子
2 歯周病の検査,健診
1─歯周病の検査
2─歯周ポケットの検査
3─歯の動揺度
4─コンタクトの検査
5─プラークの付着状態の検査(O'LearyのPCR)
6─根分岐部病変の検査
7─診査の記録
8─診断基準
9─歯周病の健診
3 歯周病予防におけるプラークコントロール
1─口腔の清掃部位からみたプラークコントロール
2─歯周病の予防手段と処置
COLUMN PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
3─デブライドメントのスキル〜エキスプローラーを用いた触診
4 歯周病を予防する薬剤
1─歯磨剤
2─抗菌薬
5 喫煙の影響と禁煙支援
1─喫煙と歯周病との関連性
2─喫煙が歯周組織に与える影響
3─喫煙が関連する歯周病の臨床所見
4─歯周病に対する禁煙の効果
5─日常臨床での禁煙支援
IV 口腔疾患に関連した全身疾患の予防
1 う蝕,歯周病予防と全身疾患
1─口腔疾患と生活習慣
2─口腔疾患と全身疾患
2 口腔健康管理と全身疾患
1─要介護高齢者の口腔健康管理
2─長期入院患者の口腔健康管理
3─周術期口腔機能管理
6章 口腔ケアの実践
I 歯および歯肉のケア
1 口腔ケアを始める前に
2 ブラッシング
3 ブラッシング方法の具体例
4 フロッシング
5 歯間ブラシ
6 ブラッシングの順序
7 化学的清掃法
8 実際の歯や歯肉のケア
II 修復物および補綴装置のケア
1 固定性補綴装置および充?物・修復物のケア
2 可撤性補綴装置のケア
3 インプラントのケア
III 舌のケア(舌苔の除去)
IV 歯肉,舌以外の口腔粘膜のケア
V 唾液分泌
1 刺激唾液の検査
2 安静時唾液の検査
3 唾液が減少している場合の対処法
VI 咬合
7章 食と健康
I 咀嚼機能と食物摂取
1 咀嚼の意義
2 食事摂取と健康寿命
3 咀嚼機能と栄養状態
II 健康と栄養
1 栄養と食事摂取基準
2 食物の消化と栄養素の代謝
3 栄養の現状と課題
III 歯科補綴治療と栄養・保健指導の実践
1 咀嚼機能低下とNCDsの関係
1─咀嚼機能低下と糖質偏重食
COLUMN 咀嚼機能を測定・評価するシステム―グルコセンサー
2─咀嚼機能低下とタンパク質・ビタミン・ミネラル低栄養
2 歯科補綴における保健指導の重要性
3 オーラル・フレイルとNCDsの予防で健康寿命の延伸へ
8章 院内感染対策・医療安全
I 感染症
1 ウイルス感染
1─ウイルスとは
2─歯科医療で気をつけるウイルス
2 多剤耐性菌
1─メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
2─バンコマイシン耐性腸球菌
3─カルパネム耐性腸内細菌科細菌
4─多剤耐性アシネトバクター
3 昆虫
II スタンダードプレコーション
1 手洗い
1─手洗いの重要性
2─手洗いの分類
3─手洗い時の注意
2 ディスポーザブル,ラッピング
1─ディスポーザブル製品
2─ラッピング
3─マスク,ゴーグル,グローブ
4─適切な器具の取り扱い
III 滅菌,消毒,洗浄
1 滅菌
1─高圧蒸気滅菌
2─低温プラズマ滅菌
3─エチレンオキサイドガス滅菌
2 消毒
1─薬液消毒
3 洗浄
1─洗浄剤
2─用手洗浄
3─超音波洗浄器
4─ウォッシャーディスインフェクター
IV 診療室における洗浄,滅菌,消毒の流れ
1 器械・器具の滅菌の流れ
1─洗浄における注意点
2─滅菌・消毒における注意点
2 エアタービン,マイクロモーターハンドピースの滅菌の流れ
V ワクチン
1 B型肝炎ワクチン
2 インフルエンザワクチン
VI 医療廃棄物の処理
1 感染性廃棄物と非感染性廃棄物
2 一般廃棄物と産業廃棄物
3 感染性廃棄物の管理
1─分別・梱包
2─施設内における保管
3─表示
4─処理
4 在宅医療廃棄物
9章 特別な支援が必要な人への歯科保健
I 妊婦
1 口腔内の状況
2 口腔保健管理
3 歯の形成に必要な栄養学的知識
4 妊婦自身の口腔保健管理
5 口腔保健管理の受け方に関するアドバイス
1─歯科治療
2─放射線検査
3─歯科麻酔
4─薬物投与
II 造血幹細胞移植患者
1 造血幹細胞移植とは
2 造血幹細胞移植と口腔に関連する諸問題
3 造血幹細胞移植の治療ステージに合わせた口腔衛生管理
1─治療前
2─移植治療中
3─移植治療後
III AIDS患者
1 疾患の知識
1─AIDSとは
2─HIV感染症の状態を示す臨床検査値
3─HIV感染症の自然経過
4─HIV感染者数の動向
5─HIV感染様式
6─HIV感染症の治療
2 HIV感染者・AIDS患者の歯科医療における配慮
1─歯科診療における感染対策
2─HIV感染者の歯科診療
3─HIV関連口腔症状の対応
IV 障害のある人の歯科保健
1 身体障害と口腔衛生
1─身体障害と口腔衛生の問題
2─口腔ケア
3─摂食嚥下障害
4─障害児・者の歯科医療と口腔衛生
2 知的能力障害と口腔衛生
3 精神障害
1─統合失調症
2─摂食障害
4 医療的ケア児に対する歯科・口腔衛生サービス
V 終末期医療
1 終末期医療とは
2 終末期医療としての口腔衛生管理(口腔ケア)
3 終末期の患者に好発する口腔のトラブル
1─口腔乾燥
2─口腔感染症
3─歯科的な問題
4─口臭
10章 地域歯科保健活動
I 地域歯科保健
1 地域保健とヘルスプロモーションの概念
2 ヘルスプロモーションと歯科保健
3 ハイリスクストラテジー,ポピュレーションストラテジーと健康格差や疾病格差の解消
4 ノーマライゼーションと生活機能
COLUMN ソーシャル・キャピタル
COLUMN 健康の社会的決定要因
5 地域歯科保健の変遷と8020運動
6 健康日本21 と健康増進法
7 歯科口腔保健の推進に関する法律
II 地方自治体の役割
1 市町村
2 都道府県
III 母子保健
1 わが国の母子保健対策
2 母子保健対策における歯科保健
IV 学校保健
V 成人保健
1 成人保健の活動および関係する法律
2 歯科保健の現状
3 歯科保健事業
1─歯周疾患検診
2─周術期における口腔機能の管理などチーム医療の推進
VI 高齢者保健
1 老人保健の活動および関係する法律
2 高齢者の健康状態
3 高齢者の口腔健康状態
1─喪失歯
2─口腔乾燥症
3─摂食嚥下障害
4 高齢者対策
1─地域包括ケアシステムおよび介護サービス
2─認知症対策
5 高齢者に対する歯科保健医療
1─在宅および施設入所高齢者への対策
2─口腔機能向上支援
3─誤嚥性肺炎予防
VII 産業歯科保健
1 産業保健の活動および関係する法律
2 職業性疾病
1─職業性疾病
2─職業性歯科疾患
3 産業保健管理および産業保健活動
VIII 精神保健
1 精神保健の活動および関係する法律
2 精神障害者の口腔健康状態
3 精神障害者への歯科保健活動
11章 保健・医療・福祉の制度
I 社会保障制度
1 社会保障制度とは
2 社会保障制度の分野と機能
1─社会保障制度の分野
2─社会保障制度の機能
II 社会保障制度と法規
1 社会保険と法規
1─医療保険に関する法規
2─年金保険に関する法規
3─雇用保険に関する法規
4─労働者災害補償保険に関する法規
5─介護保険に関する法規
2 公的扶助と法規
1─公的扶助に関する法規
3 社会福祉と法規
1─社会福祉に関する法規
4 公衆衛生と法規
1─保健衛生に関する法規
2─予防衛生に関する法規
III 歯科口腔保健対策と歯科口腔保健の推進に関する法律
索引

















