はじめに
いよいよ21世紀の開幕である.20世紀の医学・医療を振り返ってみると,その進歩には目をみはるものがある.そもそも20世紀は近代医学の最初の世紀であり,当然のことながらあらゆる分野で驚異的な進歩がみられるが,寿命の延長という観点からは公衆衛生の貢献も含めた感染症の克服が最大の成果であるといえよう.また,目にみえない体内を,CTに代表されるような画像検査で描出できるようになったことも驚くべきできごとであろう.一方,基礎医学という観点からは,病態や病因が遺伝子のレベルで解決される時代になったことも特筆に値する.これに関連してヒトゲノムプロジェクトがほぼ完成しつつあることも21世紀の医学・医療の伏線として重要な基盤である.本誌では,21世紀に期待される医学・医療について展望できるように企画した.
国際的なヒトゲノムプロジェクトの完成により,その遺伝子情報に基づく多種多様な医学・医療が展開されることが期待される.遺伝情報をもとに数多くの疾患原因遺伝子が同定されるであろうし,体質などの個体の差異も明らかにされるであろう.また,ゲノム情報に基づく創薬も行われ,個体の遺伝学的差異に応じた医療,いわゆるオーダーメイド医療も実現すると予想される.そして,いまなお主流である疾病組織に対する病理形態学的診断は,遺伝子診断へ移行していくものと思われる.また,生活習慣病などの多因子疾患に対しては複合的遺伝子診断などが可能になると予想される.遺伝子治療は20世紀末から期待されてきたが,これらのなかから遺伝子治療が真に安全かつ有効な第一選択の治療となる疾患も出てくるであろう.このようにゲノム医学・医療は21世紀に大きく期待される分野のひとつである.
20世紀においては,生体に有害な病巣は切除・廃棄されてきたが,21世紀にはそのような組織・臓器を再生させることが可能になると期待される.これまでにあらゆる臓器の移植が可能になり,免疫制御医療の進歩とともに移植医療は大きな発展を遂げてきた.しかし,移植医療はドナーの存在を前提とする医療であり,ヒトの死を前提とするか,あるいは健常人の痛みを前提とする医療である.したがって,ドナーの存在を考慮することなく行える細胞・臓器・組織の再生は究極の再生医学であり,その技術の確立は21世紀の医学・医療の大きなテーマといえる.すでに幹細胞が見出されている臓器があり,またES細胞からの生成が実証されている細胞もあるため,臓器によっては究極の再生医療が実現する日もそう遠くはないであろう.
当然のことながら,医療はつねに有害性の低い方向を指向して展開するものであるし,またそうでなければならない.このような見地から,治療すべき分子標的を明確にすることによって治療効果を確実にするとともに,副作用を軽減する医療の発展が期待されている.創薬においては,シグナル伝達分子などを標的とした分子デザイン創薬が成果をあげつつある.さらに,ヒト型抗体を用いた医薬や,ウイルスなどの微生物を標的とした薬剤の開発も活発に行われている.薬剤のデリバリーシステムも重要であり,このような研究により薬剤の有効性を高めて副作用を軽減することが可能になると予想される.
医学に対しては生物学的研究成果とともに工学的研究成果も大きな貢献をしている.多くの種類の人工臓器をはじめ,画像技術,内視鏡機器,マイクロマシン,医用ロボット,福祉機器など,診断から治療,さらには福祉に至るさまざまな分野への工学的技術の活用をみることができる.さらに,NMRなど放射線被曝のない可視化装置,PETのように生化学情報を画像化して組織の組成のみならず機能までも評価しようという機器も現れてきた.一方,情報工学の進歩は医療の全体に大きな変革をもたらしている.情報工学技術は医療情報システムの構築に絶大な貢献をした.さらに,映像技術やネットワークシステムの開発に伴って遠隔診断や遠隔手術など,さまざまなレベルでの遠隔医療が可能になってきている.
このように,医学・医療は現在大きな転換期を迎えており,21世紀にはさらに大きな飛躍を遂げると予想される.その基盤となるものは,ゲノムサイエンス,再生医療,バイオテクノロジー,創薬技術,電子工学,情報工学などの先端科学技術である.しかし,これらのテクノロジーの進歩は,つねに人間や社会との調和を模索しつつ展開されなければならない.すべての科学技術は人間社会のために存在するのであり,ヒューマニズムの精神に基づいて推進させなければいけない.21世紀には,さらに高度なモラルと質を備えた医学・医療の発展を期待したい.
いよいよ21世紀の開幕である.20世紀の医学・医療を振り返ってみると,その進歩には目をみはるものがある.そもそも20世紀は近代医学の最初の世紀であり,当然のことながらあらゆる分野で驚異的な進歩がみられるが,寿命の延長という観点からは公衆衛生の貢献も含めた感染症の克服が最大の成果であるといえよう.また,目にみえない体内を,CTに代表されるような画像検査で描出できるようになったことも驚くべきできごとであろう.一方,基礎医学という観点からは,病態や病因が遺伝子のレベルで解決される時代になったことも特筆に値する.これに関連してヒトゲノムプロジェクトがほぼ完成しつつあることも21世紀の医学・医療の伏線として重要な基盤である.本誌では,21世紀に期待される医学・医療について展望できるように企画した.
国際的なヒトゲノムプロジェクトの完成により,その遺伝子情報に基づく多種多様な医学・医療が展開されることが期待される.遺伝情報をもとに数多くの疾患原因遺伝子が同定されるであろうし,体質などの個体の差異も明らかにされるであろう.また,ゲノム情報に基づく創薬も行われ,個体の遺伝学的差異に応じた医療,いわゆるオーダーメイド医療も実現すると予想される.そして,いまなお主流である疾病組織に対する病理形態学的診断は,遺伝子診断へ移行していくものと思われる.また,生活習慣病などの多因子疾患に対しては複合的遺伝子診断などが可能になると予想される.遺伝子治療は20世紀末から期待されてきたが,これらのなかから遺伝子治療が真に安全かつ有効な第一選択の治療となる疾患も出てくるであろう.このようにゲノム医学・医療は21世紀に大きく期待される分野のひとつである.
20世紀においては,生体に有害な病巣は切除・廃棄されてきたが,21世紀にはそのような組織・臓器を再生させることが可能になると期待される.これまでにあらゆる臓器の移植が可能になり,免疫制御医療の進歩とともに移植医療は大きな発展を遂げてきた.しかし,移植医療はドナーの存在を前提とする医療であり,ヒトの死を前提とするか,あるいは健常人の痛みを前提とする医療である.したがって,ドナーの存在を考慮することなく行える細胞・臓器・組織の再生は究極の再生医学であり,その技術の確立は21世紀の医学・医療の大きなテーマといえる.すでに幹細胞が見出されている臓器があり,またES細胞からの生成が実証されている細胞もあるため,臓器によっては究極の再生医療が実現する日もそう遠くはないであろう.
当然のことながら,医療はつねに有害性の低い方向を指向して展開するものであるし,またそうでなければならない.このような見地から,治療すべき分子標的を明確にすることによって治療効果を確実にするとともに,副作用を軽減する医療の発展が期待されている.創薬においては,シグナル伝達分子などを標的とした分子デザイン創薬が成果をあげつつある.さらに,ヒト型抗体を用いた医薬や,ウイルスなどの微生物を標的とした薬剤の開発も活発に行われている.薬剤のデリバリーシステムも重要であり,このような研究により薬剤の有効性を高めて副作用を軽減することが可能になると予想される.
医学に対しては生物学的研究成果とともに工学的研究成果も大きな貢献をしている.多くの種類の人工臓器をはじめ,画像技術,内視鏡機器,マイクロマシン,医用ロボット,福祉機器など,診断から治療,さらには福祉に至るさまざまな分野への工学的技術の活用をみることができる.さらに,NMRなど放射線被曝のない可視化装置,PETのように生化学情報を画像化して組織の組成のみならず機能までも評価しようという機器も現れてきた.一方,情報工学の進歩は医療の全体に大きな変革をもたらしている.情報工学技術は医療情報システムの構築に絶大な貢献をした.さらに,映像技術やネットワークシステムの開発に伴って遠隔診断や遠隔手術など,さまざまなレベルでの遠隔医療が可能になってきている.
このように,医学・医療は現在大きな転換期を迎えており,21世紀にはさらに大きな飛躍を遂げると予想される.その基盤となるものは,ゲノムサイエンス,再生医療,バイオテクノロジー,創薬技術,電子工学,情報工学などの先端科学技術である.しかし,これらのテクノロジーの進歩は,つねに人間や社会との調和を模索しつつ展開されなければならない.すべての科学技術は人間社会のために存在するのであり,ヒューマニズムの精神に基づいて推進させなければいけない.21世紀には,さらに高度なモラルと質を備えた医学・医療の発展を期待したい.
はじめに 平井久丸
第1章 細胞移植・再生医学
1.細胞療法
・免疫細胞療法(樹状細胞療法) 高橋強志
・造血幹細胞移植の新しい展開―骨髄非破壊的移植(ミニトランスプラントあるいはミニ移植) 峯石 真
・細胞移植による心不全治療 水上美帆
・ES細胞からの細胞療法 宮崎純一・丹羽仁史
2.21世紀の臓器移植 松田 暉
3.再生医学
・組織幹細胞を用いた再生医学 吉里勝利
・血管内皮前駆細胞を用いた血管再生 新谷 理・他
第2章 ゲノム医学
1.ヒトゲノムプロジェクトの現状と未来 服部正平
2.オーダーメイド医療 菅野(水島)純子・菅野純夫
3.遺伝子診断
・癌の遺伝子診断はどう変わるか 湯浅保仁
・造血器腫瘍の遺伝子診断 三谷絹子
・Immunocompromised hostにおける日和見感染症の遺伝子診断 福井崇史・他
・生活習慣病に対する遺伝子診断―遺伝子多型と高血圧 檜垣實男・他
4.遺伝子治療
・遺伝子治療―21世紀への展望 島田 隆
・冠動脈再狭窄への遺伝子治療 上野 光
・心不全に対する遺伝子治療 小室一成
・脳血管障害に対する遺伝子治療 大星博明・藤島正敏
・リウマチ性疾患に対する遺伝子治療 上阪 等
・癌に対する遺伝子治療 杉本芳一
・AIDSに対する遺伝子治療 松下修三
・神経変性疾患の遺伝子治療 後藤 順
・造血幹細胞を用いた遺伝子治療 花園 豊
・先天代謝異常症に対する遺伝子治療 松原洋一
5.生体情報の網羅的解析
・DNAチップ―臨床研究への応用をめざして 村松正明
・SNP―SNPの分類と将来性 外丸靖浩
・プロテオーム解析の現状と展望 谷口寿章
第3章 クローン技術と生殖医療
1.胎児外科―胎児治療学の確立をめざして 橋都浩平
2.生殖医療―assisted reproductive technologyの現況と将来 堤 治
3.クローン技術と人間の尊厳―クローン規制法案における基本的問題を考える 光石忠敬
4.出生前診断 種村光代
第4章 薬
1.ドラッグデリバリーシステム(DDS) 澤田康文・大谷壽一
2.マイクロチップ方式を用いたultra high throughput screening(UHTS) 小瀧裕道
3.生活改善薬 北村唯一
4.21世紀の抗HIV薬 岩本愛吉
5.Alzheimer病治療薬―現状と展望 小笹貴史・小倉博雄
6.薬剤探索の新しい分子標的 梅澤一夫
7.新しいタイプの抗ウイルス薬―ワクチンから抗ウイルス薬へ 横田智之・藤田芳司
8.免疫トレランス誘導薬 平岡 諦
9.非ペプチド型受容体作動薬 仲 建彦
10.遺伝子多型や機能の解析と生活習慣病改善薬 原 一雄・他
11.核酸医薬 冨田奈留也・森下竜一
12.新しい創薬
・ゲノム創薬―ファンタジーから現実へ 加藤隆一
・分子デザイン創薬 平澤 明・辻本豪三
・遺伝子ワクチンの開発と応用 恵美宣彦
第5章 医用工学
1.人工臓器 21世紀の人工心臓 仁田新一・山家智之
・人工肝の開発 成瀬勝俊・幕内雅敏
・人工膵 窪田 倭・磯貝晶子
・微小循環機能恒常性維持を考慮した人工酸素運搬体の開発研究 末松 誠・他
2.臓器・器官再生への新しいツール―温度応答性高分子を用いた細胞接着制御と臓器構築 岡野光夫・大和雅之
3.医療機器の進歩
・Master-slave manipulatorを用いた手術 古川俊治・北島政樹
・人工の足―脊髄損傷者用歩行装具 矢野英雄
・PET scannerの進歩―研究から臨床へ 石津浩一・小西淳二
・高精度放射線治療の最先端 中川恵一・大友 邦
・定位的放射線治療 河野正志・植松 稔
・内視鏡機器の進歩 田尻久雄・土井俊彦
4.医療情報の可視化と医用三次元画像―高品質医療につながる医用工学の実践 伊関 洋・堀 智勝
5.外科手術の進歩
・内視鏡外科手術の21世紀への展開 北野正剛・猪股雅史
・腫瘍外科における機能温存と再建術 小川敏也・他
・手術侵襲の制御 石河隆俊・他
6.遠隔医療 開原成允
7.診療情報の完全デジタル化がもたらす21世紀の医療 大江和彦
第6章 社会医学
1.医療における情報公開と個人情報保護基本法制 水嶋春朔
2.患者の権利―法制化と権利救済機関の設立 増田聖子
3.医師国際ライセンスの実現を―医療の質向上の条件 福島雅典
4.医療の質・エラー管理にみられる日本的特徴―国家的怠慢と医療者のノンプロフェッショナルビヘイヴィアー 森 功
5.専門医認定制度とその社会的公認 狩野庄吾
6.21世紀の医学教育と医療制度 黒川 清
7.国際的な災害医学―国際救急医に求められるもの 槙島敏治
8.医療費増加と医療サービスの効率化 小林廉毅
9.高齢社会における医療―高齢者総合診療科のすすめ 小澤利男
10.EBMとmedical dicision making 福井次矢
11.緩和医療・ホスピス医療―その歴史と現状 柏木哲夫
12.先端医療とインフォームドコンセント,モラル 垣添忠生
13.バイオエシックス 大林雅之
第7章 エコメディカルサイエンス
1.内分泌攪乱物質(環境ホルモン) 井口泰泉
2.環境汚染金属に対するストレス応答システム利用への期待―分子レベルからみた生体防御機構と利用 竹谷 茂
3.腸内細菌叢と生体恒常性 伊藤喜久治
4.エコロジーと新興感染症 野崎智義
5.外因性・内因性アルデヒドによる生体侵襲と酸化ストレス 内田浩二
6.宇宙環境下での環境順応医学 関口千春
7.医療における電磁界問題 大久保千代次
第1章 細胞移植・再生医学
1.細胞療法
・免疫細胞療法(樹状細胞療法) 高橋強志
・造血幹細胞移植の新しい展開―骨髄非破壊的移植(ミニトランスプラントあるいはミニ移植) 峯石 真
・細胞移植による心不全治療 水上美帆
・ES細胞からの細胞療法 宮崎純一・丹羽仁史
2.21世紀の臓器移植 松田 暉
3.再生医学
・組織幹細胞を用いた再生医学 吉里勝利
・血管内皮前駆細胞を用いた血管再生 新谷 理・他
第2章 ゲノム医学
1.ヒトゲノムプロジェクトの現状と未来 服部正平
2.オーダーメイド医療 菅野(水島)純子・菅野純夫
3.遺伝子診断
・癌の遺伝子診断はどう変わるか 湯浅保仁
・造血器腫瘍の遺伝子診断 三谷絹子
・Immunocompromised hostにおける日和見感染症の遺伝子診断 福井崇史・他
・生活習慣病に対する遺伝子診断―遺伝子多型と高血圧 檜垣實男・他
4.遺伝子治療
・遺伝子治療―21世紀への展望 島田 隆
・冠動脈再狭窄への遺伝子治療 上野 光
・心不全に対する遺伝子治療 小室一成
・脳血管障害に対する遺伝子治療 大星博明・藤島正敏
・リウマチ性疾患に対する遺伝子治療 上阪 等
・癌に対する遺伝子治療 杉本芳一
・AIDSに対する遺伝子治療 松下修三
・神経変性疾患の遺伝子治療 後藤 順
・造血幹細胞を用いた遺伝子治療 花園 豊
・先天代謝異常症に対する遺伝子治療 松原洋一
5.生体情報の網羅的解析
・DNAチップ―臨床研究への応用をめざして 村松正明
・SNP―SNPの分類と将来性 外丸靖浩
・プロテオーム解析の現状と展望 谷口寿章
第3章 クローン技術と生殖医療
1.胎児外科―胎児治療学の確立をめざして 橋都浩平
2.生殖医療―assisted reproductive technologyの現況と将来 堤 治
3.クローン技術と人間の尊厳―クローン規制法案における基本的問題を考える 光石忠敬
4.出生前診断 種村光代
第4章 薬
1.ドラッグデリバリーシステム(DDS) 澤田康文・大谷壽一
2.マイクロチップ方式を用いたultra high throughput screening(UHTS) 小瀧裕道
3.生活改善薬 北村唯一
4.21世紀の抗HIV薬 岩本愛吉
5.Alzheimer病治療薬―現状と展望 小笹貴史・小倉博雄
6.薬剤探索の新しい分子標的 梅澤一夫
7.新しいタイプの抗ウイルス薬―ワクチンから抗ウイルス薬へ 横田智之・藤田芳司
8.免疫トレランス誘導薬 平岡 諦
9.非ペプチド型受容体作動薬 仲 建彦
10.遺伝子多型や機能の解析と生活習慣病改善薬 原 一雄・他
11.核酸医薬 冨田奈留也・森下竜一
12.新しい創薬
・ゲノム創薬―ファンタジーから現実へ 加藤隆一
・分子デザイン創薬 平澤 明・辻本豪三
・遺伝子ワクチンの開発と応用 恵美宣彦
第5章 医用工学
1.人工臓器 21世紀の人工心臓 仁田新一・山家智之
・人工肝の開発 成瀬勝俊・幕内雅敏
・人工膵 窪田 倭・磯貝晶子
・微小循環機能恒常性維持を考慮した人工酸素運搬体の開発研究 末松 誠・他
2.臓器・器官再生への新しいツール―温度応答性高分子を用いた細胞接着制御と臓器構築 岡野光夫・大和雅之
3.医療機器の進歩
・Master-slave manipulatorを用いた手術 古川俊治・北島政樹
・人工の足―脊髄損傷者用歩行装具 矢野英雄
・PET scannerの進歩―研究から臨床へ 石津浩一・小西淳二
・高精度放射線治療の最先端 中川恵一・大友 邦
・定位的放射線治療 河野正志・植松 稔
・内視鏡機器の進歩 田尻久雄・土井俊彦
4.医療情報の可視化と医用三次元画像―高品質医療につながる医用工学の実践 伊関 洋・堀 智勝
5.外科手術の進歩
・内視鏡外科手術の21世紀への展開 北野正剛・猪股雅史
・腫瘍外科における機能温存と再建術 小川敏也・他
・手術侵襲の制御 石河隆俊・他
6.遠隔医療 開原成允
7.診療情報の完全デジタル化がもたらす21世紀の医療 大江和彦
第6章 社会医学
1.医療における情報公開と個人情報保護基本法制 水嶋春朔
2.患者の権利―法制化と権利救済機関の設立 増田聖子
3.医師国際ライセンスの実現を―医療の質向上の条件 福島雅典
4.医療の質・エラー管理にみられる日本的特徴―国家的怠慢と医療者のノンプロフェッショナルビヘイヴィアー 森 功
5.専門医認定制度とその社会的公認 狩野庄吾
6.21世紀の医学教育と医療制度 黒川 清
7.国際的な災害医学―国際救急医に求められるもの 槙島敏治
8.医療費増加と医療サービスの効率化 小林廉毅
9.高齢社会における医療―高齢者総合診療科のすすめ 小澤利男
10.EBMとmedical dicision making 福井次矢
11.緩和医療・ホスピス医療―その歴史と現状 柏木哲夫
12.先端医療とインフォームドコンセント,モラル 垣添忠生
13.バイオエシックス 大林雅之
第7章 エコメディカルサイエンス
1.内分泌攪乱物質(環境ホルモン) 井口泰泉
2.環境汚染金属に対するストレス応答システム利用への期待―分子レベルからみた生体防御機構と利用 竹谷 茂
3.腸内細菌叢と生体恒常性 伊藤喜久治
4.エコロジーと新興感染症 野崎智義
5.外因性・内因性アルデヒドによる生体侵襲と酸化ストレス 内田浩二
6.宇宙環境下での環境順応医学 関口千春
7.医療における電磁界問題 大久保千代次