やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

序文
 本書は,「解剖学」を出発点として「運動学」,「評価学」,「臨床」をコンパクトに結びつけていくという構成になっています. 解剖学の関節の構成から始まり,それを囲む関節包や靱帯の役割を理解することで,身体のしくみについての理解が深まります.
 さらにその関節の動きがどれくらいあるかを評価する方法として,関節可動域測定法(ROM)を同時に学ぶことができます.そして最後に,その関節が臨床でどのように重要かについて,異常動作の観察のポイントや典型的な疾患の知識を示すことで解説しています.とくに疾患からその関節の弱点となる構造を表すことで,その関節の特徴をより深く理解できるようにしました.
 主要科目における知識の関連づけを重視していますので,その内容については今一度,参照・参考文献を用いてさらに深めていただきたいと思います.
 本書は,理学療法士,作業療法士,柔道整復師・鍼灸師,看護師の養成学校の学生を主に対象にしています.
 2019年10月
 著者一同
 序文
 本書の見方
序論
 関節の分類
  1)運動性による分類
  2)運動の方向性による分類
  3)関節の形状による分類
 可動関節(滑膜性関節)
  1)可動関節の構造
  2)可動関節の特徴
 滑膜
 靱帯
 関節運動の表現
 関節可動域(ROM;range of motion)
 関節の構築学的(関節包内)な動き
1 肩関節
  1)関節の区分
  2)靱帯の分布
  3)滑液包の分布
  4)X線像
  5)CT像
  6)MRI像
  7)MRI像(水平断)
  8)肩関節周囲の動脈分布
 肩の動き
 胸鎖関節
 肩鎖関節
 肩甲上腕関節(1)
 肩甲上腕関節(2)
 肩甲上腕関節(3)
 肩甲胸郭関節
2 肘関節
  1)関節の区分
  2)靱帯の分布
  3)滑液包の分布
  4)X線像(正面)
  5)X線像(側面)
  6)CT像
  7)MRI像
  8)肘関節周囲の動脈分布
 肘の動き
 腕尺関節
 腕橈関節・上橈尺関節・下橈尺関節
3 手の関節
  1)関節の区分
  2)靱帯の分布
  3)手の支帯,腱鞘
  4)X線像
  5)CT像
  6)MRI像
  7)手の動脈分布
 手の動き
 橈骨手根関節
 橈骨手根関節と手根中央関節
 母指手根中手関節(CM関節)
 母指の中手指節関節(手のMP関節)
 第II〜V指の中手指節関節(手のMP関節)
4 股関節・仙腸関節
 股関節
  1)関節の区分
  2)靱帯の分布
  3)股関節周囲の滑液包の分布
  4)X線像
  5)CT像
  6)MRI像(前頭断)
  7)MRI像(水平断)
  8)股関節周囲の動脈分布
 股関節の動き
 股関節(1)
 股関節(2)
 股関節(3)
 股関節(4)
 仙腸関節
  1)骨盤の関節の区分
  2)骨盤周囲の靱帯
  3)骨盤のX線像
  4)骨盤のCTおよびMRI像
 仙腸関節
5 膝関節
  1)関節の区分
  2)靱帯の分布
  3)滑液包の分布
  4)X線像
  5)CT像
  6)MRI像(前頭断)
  7)MRI像(矢状断)
  8)MRI像(水平断)
  9)膝関節周囲の動脈分布
 膝の動き
 脛骨大腿関節(1)
 脛骨大腿関節(2)
 膝蓋大腿関節
6 足関節
  1)関節の区分
  2)靱帯の分布
  3)滑液包の分布
  4)X線像
  5)CT像
  6)MRI像
  7)足の動脈分布
 足部の動き
 距腿関節と下脛腓関節
 距腿関節
 距骨下関節
 中足趾関節(足のMP関節)
7 脊柱・顎関節
 頸椎
  1)頸椎の関節の区分
  2)頸椎の靱帯の分布
  3)頸椎のX線像
  4)頸椎のCT像
  5)頸椎のMRI像
 頸部の動き
 環椎後頭関節・正中環軸関節・椎間関節:頸椎伸展
 環椎後頭関節・正中環軸関節・椎間関節:頸椎屈曲
 正中環軸関節・椎間関節:頸椎回旋
 環椎後頭関節・椎間関節:頸椎側屈
 胸椎・腰椎
  1)胸椎の関節の区分
  2)胸椎のMRI像
  3)腰椎のX線像
  4)腰椎のMRI像
 胸腰椎の動き
 椎間関節:胸腰部伸展
 椎間関節:胸腰部屈曲
 椎間関節:胸腰部回旋
 椎間関節:胸腰部側屈
  5)胸肋関節と肋椎関節
 肋椎関節
 顎関節
  1)関節の区分
  2)顎関節の靱帯の分布
  3)MRI像
 顎関節

 参考文献
 索引

 COLUMN
  肩肢位別での肩内外旋関節可動域の制限要因
  関節の脱臼・骨折による神経損傷
  膝軟部組織損傷を評価するための各検査法
  変形性膝関節症に対してのレッグエクステンション運動は可動域に注意
  全身関節弛緩性の評価