やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

序文
 1997年に「在宅看護論」が看護基礎教育の新カリキュラムとなり12年が経過しました.同じ年に医歯薬出版より『在宅看護論』を発行して版を重ねてきましたが,『在宅看護論』は初期段階のテキストとして第5版にて終了いたします.これまで多くのみなさまにご利用いただきありがとうございました.
 2007年に『エッセンシャル 在宅看護学』(医歯薬出版)を発行したことでテキスト編集の役割を終えるつもりでしたが,「在宅看護論」で学んだことが,病院看護や訪問看護に必ずしもいかされていない状況であることが聞こえてくるようになりました.そこで,在宅看護論履修者の調査を病院看護師と訪問看護師に行い,その実態を把握いたしました.その結果もいかしながら,カリキュラムの改正時期とも重なりましたので,統合分野となった「在宅看護論」を「在宅看護管理」を含めて,新しい『新版 在宅看護論』として出版することになりました.
 今回の『新版 在宅看護論』は,テキストをもとに授業をされる教員の方々のご意見を伺い,学生の教育導入時の理解の仕方,思考のプロセス,反応等を考慮して作成いたしました.本書を手に取られてマンガが出てくることに,これはテキストかと驚かれる方もあるかと思います.人生経験の浅い学生さんが,療養者や家族の多様な考え方や,いろいろな環境の中での生活を理解しやすいように,在宅における諸状況がわかりやすいように,作成した結果です.難しくはありませんが,在宅看護の真髄が網羅されているテキストといえるでしょう.
 マンガから考える→なぜだろう?→実態を知る→その結果,病院看護師や訪問看護師として,あるいは各種施設の看護師として看護職は何を行うのか→在宅ケアチームの役割や在宅ケアシステムを知り,さらに看護の役割を深める→そのために学習することは何か.このようなプロセスで学習されることを期待しております.テキストをいかに活用するか,教育機関の特性に合わせてご利用ください.
 在宅看護を提供しなければならない対象はこれからますます増加する状況です.しかし,需要があるのに供給できていない現状があります.在宅看護は,対象がQOLを維持し高めるために,多職種と連携・協働しながら,看護の役割を果たすことができる創造性のある看護領域です.本書で基礎的な学習をしっかり行って,学生さんは看護職としての自己実現に役立てていただきたいと思います.
 医歯薬出版の『在宅看護論』では,改訂版でなくとも,増刷時には新しいデータを載せています.また,出版社のホームページでは,在宅看護や地域看護に関係した法律や制度が改正されると,新しい情報が入手できるようになっております.この案はめまぐるしく変化する制度等に関して編者から要望したことです.どうぞ学生の皆さまにもお知らせください.
 本書をご利用された結果は,出版社にご連絡いただけますと,次の改訂時にいかすことができます.テキストは利用される教員の方と学生さんの意見が大切ですので,授業と同様に参加型で,是非ご意見を聞かせていただきたいと存じます.
 2009年11月
 木下由美子
1 なぜ,生活を重視するのか(木下由美子)
 (在宅看護の目的と特性)
 ●場面で学ぶ● 自宅で生活する,職場で仕事する,学校で学ぶ その中での糖尿病コントロール
 1 なぜ,在宅看護論を学ぶのか
  1)病院看護師が行う継続看護
    “患者の生活”を考えたケア
    退院後の患者の生活について考えるには
  2)訪問看護師が行う訪問看護
    訪問看護とは
    訪問看護を行うためには
  3)地域で療養する人々や家族を支える在宅看護
    地域で療養する人々や家族を支える看護とは
 2 在宅看護論は他の看護学領域とどこが異なるのか
    在宅看護の特徴
    各看護学領域の統合
 3 在宅看護の特性
  1)「生活を重視する」とは何か
    「生活をする」とは
    在宅看護実習では
  2)在宅看護でなければ学べないこと
    学生が実習で学んだことから
  3)在宅看護論における自己の課題
    在宅看護論を学ぶにあたって
    病院で提供する看護を基準にしないこと
2 なぜ,対象者の意思を尊重するのか(松村ちづか)
 (対象者・家族/在宅療養者の権利)
 ●場面で学ぶ● 在宅では,療養者と家族が中心
 1 対象者
    在宅看護の目的
  1)健康レベル
    在宅看護の対象者の特徴
    対象者のもつニーズと意思決定場面
  2)年齢・役割・家族のライフサイクル
    年齢
    家族役割
    家族の発達課題
  3)地域・環境
    自宅・地域・社会環境の関係
    地域の資源の活用
 2 在宅療養者の権利
  1)自己決定への支援
    対象者の意思を尊重する理由
    意思決定の権利と責任
    意思決定するプロセス19
    意思決定に関する看護職の役割
  2)在宅ケアでの意思決定に関する倫理的諸問題
    意思決定に伴う意見の不一致
    療養者と家族が意思決定できるための看護支援
    事例在宅看護と看護倫理
    ■課題■
 3 家族
  1)介護家族の状況
    家族が療養者のケアの担い手
    介護者の状況
    介護者が負担感を感じる内容
  2)家族に関する理論
   A.家族対処理論
    ABC-Xモデル
    家族ストレス,順応,適応の回復モデル
   B.構造―機能理論
    家族の構造
    家族の機能
   C.家族発達理論
   D.家族システム理論
    家族システムの特徴
  3)家族アセスメント
    家族看護
    家族アセスメントの目的
    家族看護アセスメントモデル
    ●演習 家族のアセスメント
    ■課題■
3 コミュニケーションは臨床看護とどこが変わるのか(白坂誉子)
 (在宅でのコミュニケーション・面接技術)
 ●場面で学ぶ● 自宅で生活するために,家族の生活,本人・家族のそれぞれの思いを知り,共に考える
 1 家庭訪問の意義と訪問時のマナー
  1)対象者の生活の場を訪問することの意義
    家庭(自宅)の特徴
    家庭を訪問する意義
  2)訪問前の準備と訪問時のマナー
    単独訪問と複数訪問
   A.訪問前の準備
   B.訪問時のマナー
  3)面接の方法・技術
    訪問看護のコミュニケーションの特徴
   A.初回訪問の面接技術
    看護者をよく知ってもらう
    対象をよく知る
   B.初回面接のポイント
   C.コミュニケーションに障害がある療養者と接するときの留意点
 2 信頼関係の形成
  1)信頼関係は,なぜ必要か
    信頼関係が形成されているとき
    信頼関係が形成されていないとき
  2)信頼関係を形成するために看護職に必要な資質・能力
    人としての資質
    看護師としての力
  3)信頼関係はどのように形成されるのか
    信頼関係を形成するプロセスと技術
    ●演習 在宅における面接技術
4 看護アセスメントは臨床看護とどこが変わるのか(上野まり)
 (在宅での看護過程の展開)
 ●場面で学ぶ● 在宅でのトータルアセスメントとは
 1 在宅看護過程
  1)在宅看護過程の構成要素
    在宅での多様な看護の形
  2)情報収集・アセスメント
    情報収集項目
    情報収集の時期と方法
    アセスメント
 2 看護計画立案
  1)在宅療養を継続できる計画
    看護師不在の時間帯を保障する
    本人や家族が継続して実施できる
  2)看護目標とそれに沿ったアウトカム,評価日の設定
    目指す看護を明確にする
    目標達成までの期間を想定する
  3)リアセスメントと計画の修正
    看護計画の修正―情報の変化による
    看護計画の修正―評価のフィードバックによる
 3 看護記録と評価
  1)看護記録の内容
    記録に必要な内容とその重要性
  2)評 価
    計画と実施,評価の連動性
    評価と計画の修正
    さまざまな評価方法
  3)看護過程の進化
    ●演習 在宅看護過程
5 療養者と家族で療養生活を送るために支援・教育することは何か
 (理論・訪問看護師の役割・技術)
 ●場面で学ぶ● 療養者と家族が安心して生活するために必要なセルフケア支援とは何か
 1 看護実践への理論の応用(野島あけみ)
  1)療養者と家族の支援や教育をするためには
   A.在宅療養の理解
    在宅における療養者・家族
    在宅における医療―生活モデルと医療モデル
    ICF(国際生活機能分類)
   B.支援や教育に活用される理論
    セルフケア理論・セルフケア不足看護理論
    自己効力感
    変化の3段階理論
    人間関係論
  2)療養者・家族への支援・教育
    セルフケア支援・教育のポイント
    事例 家族への指導1 PEGでの栄養管理
    ■課題■
    事例 家族への指導2 PEGでの栄養管理
    ■課題■
 2 在宅における日常生活援助の考え方
  1)基本的な生活援助とは
    基本的生活行動の援助のポイント(野島あけみ)
   A.環境調整(有坂すみ江)
   B.食事(有坂すみ江)
   C.排泄(岡田尚子)
   D.清潔・皮膚のケア(岡田尚子)
   E.移動(有坂すみ江)
 3 医療処置管理の支援・看護
    在宅での医療処置の現状
    医療処置に対する看護の目標
    支援・教育のポイント
    在宅医療にかかわる診療報酬
    薬剤・医療材料・衛生材料の調達方法
    居宅での医行為の実施に関する課題(野島あけみ)
   A.服薬支援(岡田尚子)
   B.在宅持続皮下注入法(屋かおり)
   C.在宅酸素療法(鈴木典聡)
   D.人工呼吸器(鈴木典聡)
   E.吸 引(岡田尚子)
   F.膀胱留置カテーテル(岡田尚子)
   G.経管栄養法(屋かおり)
   H.在宅中心静脈栄養法(屋かおり)
   I.褥瘡ケア(屋かおり)
   J.連続携行式腹膜潅流(鈴木典聡)
   K.人工肛門・人工膀胱(尾形敦子)
 4 緊急時の対応(鈴木典聡)
    対応の手順
    事前調整
 5 対象別看護
  1) 在宅における認知症の療養者の看護(屋かおり)
   A.認知症療養者の理解
    認知症とは
    認知症の療養者の心理
    治療
   B.認知症の療養者への援助
    ケアの留意点
    介護者への支援・教育のポイント
  2) 在宅における小児の支援(温盛由紀子・尾形敦子)
   A.小児の在宅支援の理解
    子どもの疾病や障害の現状と進行を受容・理解できるような支援
    必要とされる治療の理解と医療的手技の獲得,家族の意思決定への支援
    緊急時の対応と適切な医療サービス
    社会資源を活用し,家族の休息・生活リズムが整うような支援
   B.小児の在宅ケアで特有な支援技術
    子どもの成長・発達を踏まえたかかわり
    ポジショニング
  3) 在宅における精神疾患の療養者の看護(屋かおり)
   A.病院における精神科看護と訪問看護の違い
   B.精神疾患の療養者への援助
    セルフケア自立能力の程度を把握する
    看護継続への依存
   C.家族支援
    治療継続の重要性や困難な状況の理解
    症状への対応の困難さ
    病状悪化時の対応
  4) 在宅における終末期療養者の看護(廣田芳和)
   A.在宅における終末期療養者の特徴
    苦痛を伴う身体症状が出現しやすい
    身体症状以外の苦痛も療養者を苦しめる
    終末期がん患者の看護ケア
    療養者・家族への指導
  B.終末期のプロセスと支援
    終末期の支援のプロセス
 6 リスクマネジメント(野島あけみ)
  1)感染の予防とその対応
    具体的対策
    在宅での感染予防対策のポイント
  2)リスクマネジメント
    リスクマネジメントとは
    リスクマネジメントの基本
    在宅看護におけるリスクとは
    事故はどうやって防ぐのか
    クライシスマネジメント(危機管理)
    療養者・家族とのトラブルの種類
    訪問看護賠償責任保険・傷害
6 なぜ社会資源を活用するのか(木村恵子)
 (社会資源の活用)
 ●場面で学ぶ● 必要とされる社会資源にはどのようなものがあるだろう
 1 社会資源とは何か
  1)社会資源とは
    社会資源を活用する目的
    供給主体からみた社会資源の分類
    サービスの内容や特徴からみた社会資源の分類
 2 社会資源を活用するために
    社会資源を活用する視点
  1)社会資源に関する情報把握の重要性
    社会資源の種類
    個々の社会資源のサービスの内容
  2)社会資源の活用における看護職の役割
 3 社会資源活用のプロセス
  1)社会資源の活用と法的制度との関係
   A.介護保険法における社会資源活用のプロセス
    介護保険で提供されるサービス
   B.障害者自立支援法における社会資源活用のプロセス
    障害者自立支援法で提供されるサービス
  2)社会資源の種類
  3)主要な社会資源
    地域包括支援センター
    訪問介護(ホームヘルプ)
    訪問入浴サービス
    訪問リハビリテーション
    通所介護(デイサービス)
    療養通所介護
    通所リハビリテーション(デイケア)
    短期入所介護(ショートステイ)
    認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
    シルバーサービス(民間企業による介護サービス)
  4)高齢者・障害者の生活の場
    高齢者の生活の場
    障害者の生活の場
    障害児の生活の場
  5)居住環境を整えるための住宅改修
    適切な住宅改修のためのアセスメント
  6)福祉用具の種類
    生活の自立度を高めるための福祉用具の活用
    適切な福祉用具の選択
    ●演習 地域の社会資源
7 看護職と連携・協働することは何か(古謝安子)
 (継続看護)
 ●場面で学ぶ● 療養者のための看護師の連携の重要性
 1 退院計画と退院支援(調整)
  1)早期退院の進行と看護職の連携・協働の意義
    退院支援の必要性
    連携・協働の目的
  2)退院計画とは
    退院計画
   A.退院計画・退院支援(調整)のプロセス
    ハイリスク患者の選別
    アセスメント内容の整理,課題への対処
    院外との調整・ケアマネジメント
   B.退院支援のために重要な視点
    生活の主体者
    在宅での関係性
    ●演習 退院支援
 2 継続看護のいろいろ
  1)継続看護とは
    看護職間のチームからみた「継続看護」
    看護の対象者側からみた「継続看護」
  2)病院と在宅との継続看護
    病院の退院調整部門
    病院看護と訪問看護の連携・協働のポイント
  3)情報共有
    何が必要な情報なのか
    適切な情報の速やかな共有のために
  4)福祉施設での看護と訪問看護
    中重度要介護者への支援強化
    居住系施設への訪問看護
    介護老人福祉施設での介護・看護体制
    介護老人福祉施設と訪問看護
  5)保健所・市町村と訪問看護
    保健所保健師と訪問看護
    市町村保健師と訪問看護
    事例 継続看護
    ■課題■
8 多職種と連携・協働することは何か(古謝安子)
 (多職種との連携・調整・協働)
 ●場面で学ぶ● 専門分野をもつ多くの人たちの連携によって在宅療養者を支える
 1 在宅ケアにおける多職種の連携・協働
  1)多職種との連携・協働体制の必要性
    地域連携診療計画と早期退院への動き
    多職種間の連携・協働体制づくり
  2)多職種連携で訪問看護ができること
  3)連携・協働におけるケアマネジャーの役割
    連携・協働し,有機的に機能するシステムとは
    在宅ケアにおける多職種間の連携・協働の実際
    ケアチームのマネジメント
  4)パートナーシップとコミュニケーション
    パートナーシップとは
    パートナーシップにある関係
    真実のコミュニケーション
 2 在宅ケアにおける保健医療福祉チーム
  1)多職種の連携・協働のポイント
    療養者の課題解決を目的
    組織と組織とが協働
    対等な立場
    相乗効果
    事例 多職種・多機関の役割と連携・協働
    ■課題■
9 訪問看護はどのように作られたか
 (法律・制度と在宅看護の変遷/諸外国の訪問看護)
 ●場面で学ぶ● 時代とともに変わる制度と訪問看護
 1 社会の状況,法律・制度,在宅看護の変遷(廣部すみえ)
  1)訪問看護(巡回看護)の萌芽期
  2)巡回看護事業と公衆衛生訪問婦が活動した時期
   A.巡回産婆事業
    東京賛育会の巡回産婆事業
    大阪市立産院・乳児院・児童相談所
    済生会巡回看護事業
   B.公衆衛生看護婦事業の展開
    都市における公衆衛生看護婦事業
    農村における公衆衛生活動
    公衆衛生看護の開始―保健所法による保健婦活動と訪問看護事業との分離
  3)新たな出発―公衆衛生看護活動の中で展開した時期
    社会の多様なニーズにともなう公衆衛生の課題の拡大
  4)先駆的な訪問看護活動の展開
    病院の看護サービスとしての訪問看護活動
    自治体のサービスとしての訪問看護活動
    在宅看護研究会による訪問看護活動
    公立病院での看護サービスの一つとしての訪問看護活動
  5)訪問看護制度の制度化
    老人保健法の制定と健康保険法の改定
    総合的在宅ケア体制の推進
  6)訪問看護制度の充実
    ゴールドプラン
    新ゴールドプランと老人訪問看護制度の創設
    健康保険法改正による指定訪問看護制度の創設
    「在宅看護論」の看護基礎教育カリキュラムへの導入
    介護保険制度の成立・改正と訪問看護制度への拡大
 2 訪問看護ステーションの成り立ち(木村恵子)
  1)訪問看護ステーションの概要
    訪問看護ステーションの創設
    訪問看護ステーションの役割
  2)訪問看護ステーションの設置
    訪問看護ステーションの開設主体
    訪問看護ステーションの実施形態
    訪問看護ステーションの従事者
  3)訪問看護サービスの流れと特徴
    訪問看護サービスの提供手順
    複数の病院・診療所の医師との連携
    他機関との連携
  4)訪問看護ステーションの利用者
    訪問看護師テーションの対象者
    利用者の基本的属性
    利用者の要介護度
  5)訪問看護サービスの内容
    要介護度別にみた訪問看護サービスの内容
    訪問回数と訪問時間
  6)今後必要性の増すサービスの内容
 3 介護保険制度・医療保険制度(吉岡洋治)
  1)社会保険方式
  2)医療保険制度
    制度の概略
    医療保険制度の種類
  3)介護保険制度
    介護保険制度の背景・ねらい
    介護保険制度のしくみ
    申請,調査,一次・二次判定
    サービス区分の認定
    介護保険制度で受けられるサービス
    保険給付の上限額
    予防給付・介護給付サービスの種類
    介護保険サービスの質の確保と向上
  4)医療保険と訪問看護
 4 ケアマネジメント(吉岡洋治)
  1)ケアマネジメントの定義
    ケースマネジメントとケアマネジメント
  2)ケアマネジメントの必要性
  3)ケアマネジメントの構成
    ケアマネジメントの目標
    ケアマネジメントのプロセス
  4)ケアマネジメントと介護保険制度
    ケアマネジャーの役割
    介護保険制度におけるケアマネジメント
    ●演習 ケアマネジメント
 5 諸外国の訪問看護(長江弘子)
  1)保健医療制度の特徴と訪問看護
   A.アメリカ
    保健医療制度の特徴
    訪問看護
   B.イギリス
    保健医療制度の特徴
    訪問看護
  C.オーストラリア
    保健医療制度の特徴
    訪問看護
  2)訪問看護実践の特徴とその専門性の比較
   A.アメリカ
    訪問看護の資格と教育
    継続学習環境
    訪問看護基準に定められている基本理念
   B.イギリス
    訪問看護の資格と教育
    継続学習環境
    訪問看護基準に定められている基本理念
   C.オーストラリア
    訪問看護の資格と教育
    継続学習環境
    訪問看護基準に定められている基本理念
   D.日本
    訪問看護師の資格と教育
    継続学習環境
    訪問看護基準に定められている基本理念
    わが国の訪問看護の発展のために今後目指すべき方向性
10 在宅看護管理とは何か,なぜ必要なのか(古橋聡子)
 (在宅看護管理)
 ●場面で学ぶ● よりよい看護を提供するための在宅看護管理
 1 訪問看護ステーションの事業運営
  1)介護報酬・診療報酬
  2)訪問看護ステーションの運営
    訪問看護ステーションの運営に関する責務
    訪問看護ステーションの規定
    訪問看護ステーションの理念
  3)事業計画と訪問看護実績管理
    事業計画
    訪問看護の実績管理
  4)実績管理が経営とスタッフ教育に結びつく
    新規利用者の獲得
    地域のニーズへの対応
 2 セーフティマネジメント(安全管理)
  1)医療・ケア事故,感染事故等
    安全管理が必要な項目
    感染予防対策
  2)情報管理
    訪問看護ステーションでの情報管理の方法
  3)医療廃棄物
    医療廃棄物の処理方法
  4)自然災害
    自然災害に備えた日頃の対策
  5)セーフティマネジメントにおける管理者の役割
    安全管理教育,再発防止対策
 3 看護の質の管理
  1)訪問看護の質の評価
    3つの視点で質を改善
  2)看護の質を評価する指標
    事業所の評価
    訪問看護師の自己評価
    利用者の満足度調査
  3)苦情相談とその分析
 4 訪問看護師の育成
    人材確保の問題
    人材育成の課題
    管理者のサポートシステム
    なぜ,今,在宅看護管理が大切か
    事例 在宅からの緊急連絡
    ■課題■
11 訪問看護師の看護の満足感は何か(古橋聡子)
 (訪問看護師に求められていること)
 ●場面で学ぶ● 訪問看護師の看護の特性と役割,そのやりがいとは
 1 訪問看護の特性からみた看護師の満足感
  1)対象者から得られる満足感
  2)訪問看護過程から得られる満足感
  3)生活と自立を支える看護から得られる満足感
  4)看護サービスの効果・成果を確認できることから得られる満足感
  5)看取りを支える看護から得られる満足感
  6)他機関(保健・医療・福祉分野)との連携から得られる満足感
  7)訪問看護ステーション組織から得られる満足感
 2 訪問看護師をめざす人たちへ
  1)将来像として,どのような看護観や姿勢をもった人が訪問看護師に向いているのか
  2)訪問看護師に望むこと―看護と介護の協働
12 在宅看護の教育はどのように変化したか(長江弘子)
 (「在宅看護論」のカリキュラム上の位置づけ)
 ●場面で学ぶ● 「在宅看護論」が統合分野となったわけ
 指定規則と指導要領
 1 在宅看護論の誕生
  1)背景
  2)改正内容
 2 「統合分野」に位置づけられた「在宅看護論」
  1)背景
  2)新カリキュラムにおける統合分野の意味と専門科目から統合分野におかれた在宅看護論
    統合分野の意味
    すべての看護師に必要な能力として統合分野に位置づけられた在宅看護論

 索 引