やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

監訳者の序
 本書は,Dr.Shirley Sahrmannらの著書“Movement System Impairment Syndromes of the Extremities,Cervical and Thoracic Spines”の全訳である.Dr.Sahrmannの前著“Diagnosis and Treatment of Movement Impairment Syndromes”は,すでに『運動機能障害症候群のマネジメント―理学療法評価・MSIアプローチ・ADL指導―』として2005年に医歯薬出版から出版されており,幸いにも,運動機能障害のマネジメントにかかわる理学療法士のみならず,その他の医療職やスポーツ関係の方々にも広く受け入れられてきた.このアプローチの魅力は,多くの臨床家が高い関心を寄せる姿勢・運動パターンの問題を,基本的な運動学・機能解剖学の知見に立脚して分析し,診断と治療ガイドラインのレベルまで(現在進行形ではあるが)体系化していることにある.また,セラピストのニーズに合わせて,ほかのさまざまなアプローチと広く組み合わせて発展できる点も,読者のニーズに応える特質である.
 本書はChapter 1〜8で構成され,Chapter 1,2の総論部分のあとにChapter 3〜8の各論部分が続く.Dr.Sahrmannが執筆したChapter1には,運動系症候群の診断の基礎となるコンセプトについて,前著よりもアップデートされた内容が豊富に盛り込まれている.Chapter 2では,前著では触れられていなかったリハビリテーションの病期分類(staging)について解説している.これによって,術後・外傷後の組織の治癒過程に基づいたアプローチと運動系診断の区別が明確になり,読者の臨床的推論の実践が助けられる内容になっている.Chapter 3以降の各論では,頸椎,胸椎,肘関節,手関節・手部,膝関節,足関節・足部の運動系症候群が解説されている.各Chapterの担当者はワシントン大学の教授陣であり,全編を通してChapter1のコンセプトが貫かれている.本書のChapter 1,2を理解したうえで各論部分を臨床の手引きとして使用すれば,前著と同様に運動機能障害のリハビリテーションやスポーツ選手のコンディショニングなどにたいへん有益になる.
 本書は,原文の内容に忠実に,かつできるかぎりわかりやすい日本語で訳出するように努めると同時に,用語統一にも注意を払って校閲を繰り返した.また,必要に応じて訳注を入れて,読者の理解を助けるように配慮した.ときには,原著者に原著の内容に関する疑問を確認しなければならない状況もあった.しかし幸いにも,翻訳者の1人の諸谷先生がワシントン大学出身であったため,彼女を通じて原著者に確認し,その内容を本文や訳注に反映させることができた.さらに,そのほかの翻訳陣には,ワシントン大学のコース受講あるいは留学経験のある先生方がおり,たいへん心強かった.彼らは,MSIアプローチのコンセプトを理解し,それぞれの臨床実践あるいは研究活動に日々活用しておられ,翻訳者として最適であった.医歯薬出版編集部の方々には,膨大な校閲作業の過程で細部にわたり多くの助言をいただいた.本書の翻訳・出版に携わったすべての方々に感謝の意を表したい.
 2013年4月
 竹井 仁
 鈴木 勝


 最近,医学に携わっていない友人と,Dr.Shirley Sahrmannと研究会議に出席したときの熱い思いを分かち合う機会があった.Dr.Sahrmannの筋骨格系医学の世界に対する影響力の大きさを,友人にどのように説明すればいいのかと考えた.ただ1つ頭に浮かんだのは,「彼女のテキストは7カ国語で翻訳出版されている」ということだった.私の友人は理解してくれた.国際的なロックスターのような存在のDr.Sahrmannと,彼女のバンド,ワシントン大学医学部理学療法学科(のスタッフ)とともに働き,そして学べる私は幸せ者だ.
 運動は,筋骨格機能障害を有しているすべての患者にとって,疼痛や制限なしに再開したい活動である.運動の評価は私自身の訓練の核である.しかし,筋骨格系全体にわたって,立証されていないいくつかの推論的な考えがあることに早くから気づいていた.臨床上,特定の運動パターンについて,信頼性のある説明をする考え方を追求するには,少なくとも一生かかることは明らかだった.幸運にも,Dr.Sahrmannは彼女の経歴をかけてこれを成し遂げてくれた.“Movement System Impairment Syndromes of the Extremities,Cervical and Thoracic Spines”は,筋骨格系医学に携わる医療職に対して,頸椎,胸椎そして四肢の運動機能障害を説明するための理論と生き生きとした絵のような描写をもたらしてくれた.また本書は,彼女の前著“Diagnosis and Treatment of Movement Impairment Syndromes(日本語版,竹井仁・鈴木勝監訳『運動機能障害症候群のマネジメント―理学療法評価・MSIアプローチ・ADL指導』医歯薬出版,2005)”の内容を拡張する.これら2冊は,読者に筋骨格系全体にわたる運動機能障害を説明する情報の基礎を与えてくれるだろう.
 運動の診断は,筋骨格障害をもつ患者にとって,一様に確立され伝えられているとはいえない.技術と画像化の進歩に伴い,構造的損傷や変性的状態が機能異常と疼痛の発生源として着目されている.事実,これらの進歩した画像技術は,筋骨格系に対する評価と介入を促進させた.しかし,ほとんどは静的画像だ.筋骨格系障害をもつ患者を明確に説明するためには,複数の観察を要約して確定診断をすべきである.これらには,臨床的な症状の局在と質,画像上の構造的所見,そして運動の観察が含まれる.確かに,観察された所見のすべてに存在する心理社会的背景は重要である.というのは,心理社会的特質は,それらの観察のいずれかすべてに影響を与えうるからである.画像で正常な構造が示された場合には,運動の診断は必要不可欠だ.残念なことに,運動の診断はあまり明らかにされておらず,患者はむしろ「問題ない」とか「老化現象である」という説明を受けてしまう.この結果,患者は運動を再トレーニングする機会を逃し,さけられたはずの慢性的状態にまで進行してしまう可能性がある.
 本書は,筋骨格系分野に携わる医療専門者に,臨床上の運動パターンや機能障害を説明するための詳細な方法を提供している.さらに,さまざまな医療専門家にとっても,本書を読み,学習するのは有益だろう.運動系機能障害症候群を利用して日常的に診断・治療している理学療法士は,頸椎,胸椎,四肢の検査や介入をするための詳細な供給源をもっていることになる.筋骨格系のケアをする他の医療専門家(医師,カイロプラクター,看護師,医療助手,アスレチック・トレーナー,マッサージ師)にとっても,運動機能障害の評価方法を学ぶことは有益である.後者の専門家たちは理学療法士と同じレベルの経験はないかもしれないが,それぞれの特有のバックグラウンドにおいてなんらかの形でこの評価方法を利用することができるだろう.機能障害を説明する特異性は,治療の鍵となる因子,すなわち特異性につながる.ありふれた機能障害であっても,その患者独特の要因によってもたらされる.結果として,最大の成果を発揮するには特異的な介入が不可欠である.運動系機能障害の分析によって,この特異性がもたらされるのである.
 筋骨格系医学に携わる医療専門家は本書を待ち望んでいた.その内容は期待されていたとおりの価値がある.Dr.Sahrmannとワシントン大学医学部理学療法学科の教授陣にお祝いの言葉を述べる.皆さんのおかげで,また一歩,筋骨格系医学は前進した.
 Heidi Prather,DO
 ミズーリ州セントルイス市
 ワシントン大学医学部
 整形外科・神経科学科
 物理療法医学・リハビリテーション課長
 助教授

緒言
 最適な運動の基盤となるアライメントと筋骨格系の健康状態に必要である最適な運動は,有痛性の運動症候群を防いだり最小限にしたりする.
 本書のおもな目的は次のとおりである.
 1.運動系の各要素と筋骨格疼痛症候群を引き起こす過程について提示すること
 2.運動系症候群について提示すること
 3.運動系機能異常を診断する重要性を促進させること
 4.運動系症候群は単独で生じるものでなく,生活習慣によって影響される進行性の状態であり,それを念頭に治療するものであると認識させること
 5.アライメント,疼痛部分の運動パターン,そして他の身体分節の運動が疼痛部分に及ぼす影響を評価することの重要性について提示すること
 6.運動系の発達と最適な機能を生涯にわたってモニターすることの重要性を提示すること
 過去50〜60年のあいだに,健康についての知識,期待,そして態度は大きく変遷してきた.この変遷は,(1)生活習慣の重要さが容認されたこと,(2)どんな疼痛や問題も和らげたり沈静化させたりできるという期待,(3)他動的治療は自動的修正と同じくらい効果的だという考え方,によるものである.確かに,生活習慣が健康に大きな影響を及ぼす因子であることの理解と,いかなる健康状態でも他動的に治療が可能であるばかりでなく,薬によっても効果的に治療ができるという考え方のあいだに大きな隔たりが生じている.変遷が何年にも及んだため,生活習慣の変化の度合いと医療ケアの期待についてほとんどの人が知らないままである.この無知は,すべてに相対的関係があるという原理と矛盾しない.現在の生活習慣が最低限の身体活動しか要さないこと,あるいは過去に比べて不健康な食品を多く消費していることを人々は認識していない.私が育ってきた1940〜50年代には,個人の健康に悪影響を与えるものはさけたり抑えたりできないものであるという考え方が一般的であった.心臓発作はただ起こるものであった.高血圧や癌も発達した.肥満であること(私の祖母が言うには“ぽっちゃりしていて愛嬌がある”こと)は見栄えが悪いとしても健康とは無関係であった.事実,私の祖母は“骨に少し肉がついている”ことは健康的だと信じていた.企業から健康保険が与えられ始めたが,外来受診は補償範囲には入らなかった.このように,医療機関に受診するのは,働くこともできないほど病気がひどいときのみであった.事実,保険は入院を補償したが,医師の診察室での診断は補償されなかった.医師にかかるとき,彼が状態を診断し,なんらかの治療を与えてくれることを望んだ.疾病が避けられないものであるという感じ方は,世界大恐慌や第二次世界大戦の影響と似ている.この2つの出来事は,人生の多くの側面が自分では制御できないという心境をつくった.そして,医学的な問題は避けられないことが受け入れられたのである.加えて,深刻な病状の場合以外は,医療費を最小限にするため医療機関に受診しようとしなかった.この当時,多くの全身性の疾患に対する深い知識と,関与因子や潜在因子を見分ける実験手段が知られていなかったことは明白である.
 私見であるが,喫煙が肺癌と関係していることを見つけ出したきっかけは,生活習慣が健康に関与していることに気がついたことにある.この事実が1964年に軍医総監によって宣言されたとき1),喫煙が他の身体系にどのようにして影響を与えているかについてさらなる研究が追加された.健康と生活習慣との関係,とくに運動の役割の研究におけるまさに開拓者は,セントルイスのワシントン大学医学部のJohn O.Holloszy,MDである.彼の多くの研究は2-5),心臓血管・代謝状態と運動不足・食生活との関係を示すにあたって明白な基盤となった.しかし残念ながら,人類は最も抵抗の少ない道(the path of least resistance)を選んだ.Holloszy医師が示した運動とダイエットではなく,同じ問題を治すために開発された薬剤を選択したのである.医療コミュニティーは運動への能動的参加を進めるのではなく,逆に,予想したとおり,他動的な薬剤の需要を進め,それが受け入れられた.いまでは,過体重や肥満で運動不足の人が多過ぎることと彼らの医療問題が米国経済に影響するところまできてしまった.
 筋骨格系疼痛のテキストにおいて,なぜこのような長い緒言を書くのであろうか?われわれの代謝と心血管系が歩んできた道と並行して,筋骨格系と運動系も同じ道を進んでいると私は思う.現在,大半の人は実践していないが,正しい食生活と十分な運動が注目を受けている.私の若いころ,医師に食品やビタミン剤の相談をしても,関係ないから心配無用という態度であった.いまでは運動が,糖尿病や癌,認知症を防いだり緩和したりする重要な因子であることが毎日のように記事になっている.
 しかし,この非常に重要な活動は医師によって一般的に推薦されているわけではない.筋骨格系疼痛は,生活習慣にとくに影響されている進行性の症状でなく,一時的な炎症として扱われている.過去の一般的な行動や考え方が,何をどれだけ食べてもよかったのと同じく,好きなように座ったり動いたりすればよいという考え方がある.残念ながら,これは真実からほど遠いのである.喫煙や高血圧が健康問題に関係があると認識されるまで時間がかかるのと同様に,しばらくのあいだ,われわれは悪い姿勢や動きの習慣で長年過ごしてきてしまっているのである.
 10年前に本書の前著で若者の座位姿勢について記載して以来,座位姿勢は悪くなる一方である.坐骨結節に圧力をかけてまっすぐに座らず,腰椎の中部で座ることは,脊椎とおそらく股関節にも有害である.座位や歩行パターンは,社会の典型的行動様式や服装によっても影響される.私は若い患者から,まっすぐに座ることは“かっこ悪い”ということを学んだ.股関節の部位で屈曲しにくいズボンや普通の歩行パターンを妨げる靴は,すべて,足,膝関節,股関節そして腰椎までにも影響する.肝心な点は,ある姿勢を保ちそれぞれの関節を動かすには,正しい方法と間違っている方法があるということである.悪い座位姿勢や最適でない動き方によって即時に影響が出なくても,何も悪影響がないということにはならない.
 社会はこのような貧弱な選択の結末に気づいていない.ほとんどの場合,人々は筋骨格系疼痛がただ起こるものだと信じている.残念ながら,医療コミュニティーのなかでも多くの場合,筋骨格系疼痛の始まりや進行を修正できることに気づいていない.筋骨格系を守ることを指導するには多くの知識が必要とされる.理学療法士はこのような知識をもつべきである.歯科系のアライメントと健康の重要さと,筋骨格系のアライメントと健康の重要さの隔たりを考えてみてもらいたい.大半の人は,歯の外見と健康を最適にするために予防や治療を受けるが,筋骨格系に対して同じような処置はみられない.
 確かに,多様な運動プログラムが流行し,そのなかにはしばしば“コア”の強化も含まれている.四肢が機能するために,体幹が安定の基盤を与える重要性を認めるのは正しいことである.今後,認識される必要があるのは,アライメントや運動パターンの考慮なしに,単に“筋力トレーニング”をするのは近視眼的だということだろう.社会や医療専門家が理解する必要があるのは,アライメントは最適な運動の基盤であり,筋骨格系の健康状態には最適な運動が必要なこと,そしてこれらによって微小損傷が可視的外傷や疼痛に発達するのを防ぎ最小限にすることである.
 運動系症候群が一時的な症状ではなく進行性であることを理解するためには,理学療法の実践に変化をもたらすことが必要である.即時の疼痛緩和は,内在している問題に対処していないので,患者のマネジメントの終了とみなしてはいけない.糖尿病の患者にただインスリンを処方するだけで,疾病のおもな徴候を解決するという役割をやめる医師はいない.医師は,心臓,腎臓,血圧そして脂質レベルを診察し,さまざまな臨床化学検査を処方して,糖尿病がこれらの体系にどう作用するかをモニターする.診察は生理的体系がどう糖尿病に影響するかも評価する.同じように,理学療法士も,アライメント,姿勢および四肢の運動が症状のある領域にどう影響しているかを診察すべきである.言い換えれば,(加わる)力や運動パターンが組織の損傷に関与するすべての徴候に焦点を当てるべきである.われわれの運動学と身体分節の相互作用に関する知識が筋骨格系の問題の理解に繋がるのである.運動学の知識が欠けている医師は,疼痛を生じている組織に注目することが多いのであるが,われわれはこの狭い視野だけで満足してはいけない.理学療法士は「なぜこの組織に疼痛が生じるのか?」,そして「どうしたらその進行を止めたり遅らせたりできるか?」と問いかけるべきである.医師が糖尿病患者を引き続きモニターするように,理学療法士も定期的に筋骨格系疼痛をもつ患者をモニターすべきである.それは歯科医院での年1度の定期検査とよく似ている.
 臨床的意思決定という重要な課題についてのわれわれの技能をいくら執拗に推奨しても,まだその才能を認められていないことに毎日のように気づかされる.われわれは明確で集約された決定の仕方をまだ定義していない.われわれが診断し治療する症候群についての記載はないままだった.社会や他の医療専門職に承認される表記(label)は使用されていなかった.これらの表記は医師が使用するものと同じである必要はない.それどころか,医師の表記にはわれわれが実施したり処方したりすることができない検査が必要なことを考えると同じであるはずがない.医学界が生理系の新しい病理学を学ぶのとまったく同じように,理学療法士以外の専門家も運動系症候群の表記を学ぶことができる.たとえば,10年,いや5年前までは,多くの医療専門家は,大腿寛骨臼インピンジメント(FAI)のことを聞いたことがなかった.術後の患者の運動プログラムを指導したり,むしろ包括的なトレーニングプログラムを作成したりすることで理学療法士は認知されている.このような理学療法士の指導の適応さえも異議を唱えられることがある.ある一流の整形外科医が,人工肩関節置換手術後の私の患者に理学療法は必要ないと告げた.手術前の6年間,彼女は肩を90°以上屈曲することができなかった.それにもかかわらず,彼女が肩を動かし使用する能力の回復には比較的合併症がないだろうとみなされた.別の極端な例では,医師が身体的検査を行っていないために正しい診断がされず,私自身が疼痛の発生源を発見することさえある.肩の疼痛で紹介された患者の疼痛が頸椎に起因していることはよくあることである.医師が理学療法士に患者を紹介する場合,単なる運動プログラムの管理と症状の緩和のためでなく,患者の疼痛の機械的原因を診断するためであれば,理学療法士は診断者および臨床的意思決定者として定着する.たとえば,胸椎部分に疼痛がある患者の精密検査を終えてもその原因を診断できない場合,医師が運動系診断のために患者を理学療法に紹介すれば,十分に社会や医療システムの役に立つだろう.
 本書は,頸椎,胸椎そして四肢の運動系症候群に関する現在における最良の成果を掲載している.これらの症候群は理学療法士によって認識され管理できるはずである.また,組織の保護が強調される急性期における非常に基礎的なガイドラインも提供した.これらの症候群は理学療法士が診断すべきである.われわれが強く希望するのは,これらの表記が他の表記のなかで,他の医療専門家や社会に用いられ推奨されることである.
 Chapter 1では,運動病理学的モデルを示し,日常活動で繰り返し行われる運動と持続した姿勢が,筋骨格系疼痛の問題を引き起こす過程を提示している.
 Chapter 2では,急性期の組織における機能障害の基本的な概念を示す.手術後や外傷直後の組織保護のマネジメント,そして第2,3期に進行し,日常活動やスポーツに必要な組織の強化を示す.
 Chapter 3,4では,頸椎と胸椎の運動系症候群をそれぞれ示す.それぞれの章では,正常な頸椎と胸椎の働きを理解するのに必要な基礎的な解剖学と運動学を提供する.症候群の説明と症例も含まれる.ワシントン大学の理学療法プログラムで“グリッド(grids)”として知られるチャートは付表に含まれており,理学療法士が個々の診断のおもな構成要素を通覧できるようにした.Chapter 5〜8にも同様の情報が,手と肘関節,膝関節,足関節について記載されている.
 前著に記述されたエクササイズは本書の多くの症候群に関連がある.手と肘関節には特別なエクササイズが必要で,そのことは各Chapterで説明されている.
 Shirley Sahrmann,PhD,PT,FAPTA

謝辞
 運動系症候群に関する情報の発展に参画しただけではなく,本書の各chapterの執筆を担当してくれた私の同僚たちには,どんなに深い感謝の気持ちを表しても表しきれない.セントルイスのワシントン大学医学部理学療法学科教授陣として,われわれは大学全体を通して課された卓越した追求をもとに動機づけられ導かれてきた.理学療法学科のなかでは,とくに学科長のSusie Deusinger,PT,PhD,FAPTAは,本学科が,米国さらに世界のトップのプログラムであるようにと,先見性,能力,資金を提供してくれた.どれだけワシントン大学の同僚から学んだか,どれだけ楽しく友好関係を育んだか,そしてどれだけ彼らの職業と努力に対する献身を尊敬しているかということは,とうてい言葉には表現できない.さらに,すばらしく思いやりのある彼らは私の人生にとてつもない貢献をしてくれた.ともに20〜30年以上働いた同僚も多く,10年ほど前には新人も参加してくれた.このグループには,現在でも,最初に理学療法の知識と臨床への応用を追求し始めたときと同じ熱意と献身がある.
 本書の執筆を担当したのは,Nancy Bloom,PT,DPT,MSOT,Cheryl Caldwell,PT,DPT,CHT,Suzy Cornbleet,PT,DPT,Mary Hastings,PT,DPT,ATC,Marcie Harris-Hayes,PT,DPT,MSCI,OCS,Greg Holtzman,PT,DPT,Renee Ivens,PT,DPT,Lynnette Khoo-Summers,PT,DPT,Mary Kate McDonnell,PT,DPT,OCS,そしてTracy Spitznagle,PT,DPT,WCSである.Dr.Nancy Bloomには特別なコメントをすべきであろう.お互いが認めたくないほど何年も前に彼女が学生であったころ,ある初歩的な見解を解釈し伝える役目を引き受けてくれた.彼女は口頭で表現されていた考えと説明を筆記し直してくれ,これらが発展し洗練され教えられるようになった.Dr.Bloomはコンセプトとその応用だけでなく教育面での有効性の明快さ,深さ,正確さにも貢献した.われわれは彼女の設定した高度な基準から学び教訓を得て,それに追従するべきである.
 前著にも謝意を表したように,Steven J.Rose,PT,PhD,FAPTAは臨床的状態の分類の重要さを認識した最初のメンバーであり,運動系に関する知識を記述し洗練するようにわれわれを導いてくれた.Steveは,分類法が有効で効率のよい臨床実践と関連研究を実施するための唯一の方法であることを知っていた.すべての追求がそうであるように,成功して優秀な帰結を達成するためには支持システムがおもな鍵となる.Barbara J.Norton,PhD,PT,FAPTAは私だけでなく,理学療法学科のすべてのメンバーのためにこの任務を務めてくれた.彼女は親友であり,応援者であり,同僚であり,そして最も貴重な分析者(しばしば批評家とも知られる人)である.Dr.Nortonはたびたび私の知性を正しい方向に導いてくれ,私の同僚たちの知的な発展に大きく貢献した.彼女は高度な基準を設定し,われわれに明確で批評的な物事の考え方を示してくれた.Linda Van Dillen,PT,PhDは入念に実験と臨床研究を分析し,基礎的なコンセプトとそれらの腰痛患者への応用を研究し続けている.Lindaは詳細を考え抜き,それらをわれわれが想像できないほどの奥深い見方で調査することができる.彼女は,われわれのほとんどの臨床研究と業績・出版を導き引き出してくれた.Dr.Van Dillenは実に傑出した指導者であり,彼女の厳密な研究はその徹底ぶりと関連性において評価されている.
 前著の出版以来,ワシントン大学医学部理学療法学科教授が臨床実践をする施設が大いに発展した.この施設は,われわれに開業専門家として交流できる機会を与え,われわれのアイデアを洗練させ,実際の生活場面で試すこともできる機会を与えてくれた.解剖学,運動学,臨床科学,そして特定な身体部分の診断的部門を教えながら,なおかつ特異的領域の問題を抱えた患者を治療している教授たちから学べるとは,われわれの生徒はなんと恵まれていることか.このタイプの教育的かつ実践的組織は,学生の教育を高めただけでなく,さらなる運動系症候群の洗練にもつながった.本書はワシントン大学医学部理学療法学科の教授陣によって成し遂げられたので,すべての収益は理学療法学科の奨学金や運動系症候群の研究活動に寄付される.
 本書の特定のChapterには,何人もの方に重要な貢献をしていただいた.Ann Kammien,PT,CHTは,手に関するChapter5の内容とグリッドの作成に協力してくれた.このChapterで使われた写真は彼女の提供によるものである.Cindy Glaenzer,PT,CHTには,Chapter 5の校正と貴重な意見をいただいた.Sara Culley,SPTには,手と肘関節のChapterの参考文献を入手し,まとめあげていただいた.Michael Mueller,PT,PhD,FAPTA,Dave Sinacore,PT,PhD,FAPTAとJay Diamond,PTは足関節のChapterの内容にかけがえのない貢献をした.彼らはとくにMary Hastings,PT,DPT,ATCの執筆を援助した.
 今回の運動系機能障害症候群の準備において,Florence Kendallと猛烈な討議をすることはできなかったが,彼女の業績はこれらのコンセプトを発展させる基盤となる知識を与えてくれた.基礎的な筋生物学に関する専門用語と項目の一部はKendall一家によって示されている内容とやや異なっているかもしれないが,彼らの洞察力は際立って明確かつ不朽のものである.幸いにも私は,Florenceの最も貴重な批判家である彼女の娘,そして共著者でもあるBetsy McCrearyにも協力を得ることができた.Betsyは,親切にも本書のChapter 1を批評し,貴重なコメントをくれた.
 前著と同様に,私と同僚たちは,編集者のChristie Hartの忍耐とはかりしれないほど貴重な援助に感謝する.本書を実現させたのはまさにChristieであり,われわれの仕事を進行してくれたことに深謝する.この過程のなかで,彼女に苦労をかけてしまったことを悔やむ.また,本書の準備と完成の援助をいただいたElsevier社の皆さんにも感謝する.
 訳者一覧
 監訳者の序
 執筆者であり同僚
 序文
 緒言
 謝辞
Chapter 1 運動系症候群の基礎となる最新のコンセプト
 はじめに
 一般的前提:運動系症候群は疼痛症候群の原因となる
 ヒトの運動系
 概念モデルの要素
  基本要素
  調節要素
  維持要素
 生体力学
 組織適応
  誘導因子
  修飾因子
   年齢 性別 組織可動性 人体計測 活動レベル
  骨格系の組織適応
  神経系の組織適応
  筋系の組織適応
   相対的硬さ/柔軟性 筋長の適応 筋パフォーマンス
  不正確な運動
   最小抵抗の軌道
  関節可動性
 まとめ
Chapter 2 リハビリテーションのための病期分類システム
 はじめに
 傷害機序:物理的ストレス理論
 リハビリテーションのためのステージ
  病期分類:定義と評価
 リハビリテーションの病期分類に対する治療指針
  予防措置と制限
  疼痛
  浮腫
  外見
  瘢痕
  ROM
  筋力または筋パフォーマンス
  固有感覚とバランス
  心血管持久力
  運動性
  仕事・学校・高レベルの活動
  睡眠
  組織の外的支持
  薬物
  物理療法
  患者教育
  状態の変化
 診断過程
  ・症例提示
  ・症例提示
 結論
Chapter 3 頸椎の運動系症候群
 はじめに
 頸部の理想的なアライメント
 頸椎の運動
 頸椎の筋活動
  頸椎屈筋群
  頸椎伸筋群
  頸椎回旋筋群
  ・頸椎の運動系症候群
 頸椎伸展症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害の分析
  治療
   エクササイズプログラム
  機能的指導
 頸椎伸展−回旋症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害の分析
  治療
   エクササイズプログラム
  機能的指導
  ・症例提示
 頸椎屈曲症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害の分析 筋力と筋パフォーマンス
  治療
   エクササイズプログラム
  機能的指導
  頸椎屈曲−回旋症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害の分析
  治療
   エクササイズプログラム
  機能的指導
  ・症例提示
 付表
  頸椎伸展症候群
  頸椎伸展−回旋症候群
  頸椎屈曲症候群
  頸椎屈曲−回旋症候群
Chapter 4 胸椎の運動系症候群
 はじめに
 胸椎のアライメント
  正常な立位アライメント
  立位アライメント障害
  胸郭のアライメント障害
  正常な座位アライメント
  障害された座位アライメント
 胸椎の運動
  胸椎の運動
  胸郭の運動
 胸椎と胸郭の筋
  後方の筋群
   胸椎の運動性と安定性に重要な筋群 脊柱に起始をもつ上肢の筋群
  前方の筋群
  腹筋群の筋長
  筋パフォーマンス
  ・胸椎の運動系症候群
 胸椎回旋−屈曲症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   立位アライメント 運動機能障害の分析 機能的活動 構造的側弯の治療に対する考慮
  ・症例提示
 胸椎屈曲症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   立位アライメント 運動機能障害の分析 機能的活動
  治療
 胸椎回旋−伸展症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   運動機能障害の分析
  治療
   エクササイズプログラム
  ・症例提示
 胸椎回旋症候群
  症状と病歴
   運動機能障害の分析 機能的活動
 胸椎伸展症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
  治療
   エクササイズプログラム
 結論
 付表
  胸椎回旋−屈曲症候群
  胸椎屈曲症候群
  胸椎回旋−伸展症候群
  胸椎回旋症候群
  胸椎伸展症候群
Chapter 5 手と手関節の運動系症候群
 はじめに
 評価と鍵となる検査
  主観的評価
  客観的評価
 手と手関節のアライメント
  正常な立位アライメント
  アライメントの機能障害
 手と手関節の正常な運動
  手関節の運動
  指の運動
   指の屈曲 指の回旋 指の伸展 指の外転
  母指の運動
   母指の屈曲 母指の伸展 母指の掌側外転  母指の内転 母指の対立
  ROMの評価
 手と手関節の機能的活動
  主観的検査
   書字 コンピュータのマウスの使用やタイピング 持ち上げ動作 就寝時 読書 物を握る 楽器の演奏 徒手療法
 手と手関節の筋活動
  手関節の筋群
  指の外来筋群
   指伸筋群 指屈筋群
  指の内在筋群
  母指球筋群
  母指の外来筋群
  小指球筋群
  ・手の運動系症候群
 指および/または母指の屈曲不全症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害の分析 関節の健全性 筋長検査 筋力/筋パフォーマンスの機能障害
  徴候と症状の発生源
  低可動性
   屈筋腱の癒着 伸筋腱の癒着 伸筋の短縮 MP関節の側副靱帯の短縮や癒着 IP関節の背側関節包の短縮や癒着 斜支靱帯の短縮 骨間筋群と虫様筋群の短縮 スワンネック変形 靱帯の捻挫
  筋出力不足
   指および/または母指の屈筋群の弱化 指および/または母指の屈筋群の断裂
  関連徴候または関与因子
  鑑別診断
  治療
 指および/または母指の伸展不全症候群
 母指の掌側外転および/または対立不全症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害の分析 関節の健全性 筋長検査 筋力/筋パフォーマンスの機能障害
  徴候と症状の発生源
   筋出力不足 低可動性
  関連徴候または関与因子
  ・症例提示
 母指CMC関節の副運動過可動性症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害の分析 関節の健全性 関節副運動の可動性 靱帯の健全性
  その他の特殊検査
   筋力/筋パフォーマンスの機能障害
  徴候と症状の発生源
   CMC関節
  治療
  ・症例提示
 指(あるいは母指)の屈曲症候群
 回旋を伴う指(あるいは母指)の屈曲症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント/外見の分析 運動機能障害の分析 関節の健全性 靱帯の健全性 筋長検査 筋力/筋パフォーマンスの機能障害
  徴候と症状の発生源
  ・症例提示
 回旋を伴わない指(あるいは母指)の屈曲症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害の分析 関節の健全性 靱帯の健全性 筋長検査 筋力/筋パフォーマンスの機能障害
  徴候と症状の発生源
  治療
  ・症例提示
 手の局所的機能障害あるいは発生源
 手関節の運動系診断
 結論
 付表
  指および/または母指の屈曲不全症候群
  指および/または母指の伸展不全症候群
  母指の掌側外転および/または対立不全症候群
  母指CMC関節の副運動過可動性症候群
  回旋を伴う,あるいは伴わない指(あるいは母指)の屈曲症候群
  手の局所的機能障害あるいは発生源
  一般的な手の機能障害の治療ガイドライン
Chapter 6 肘関節の運動系症候群
 はじめに
 評価と鍵となる検査
  主観的評価
  客観的評価
 肘のアライメント
  正常な立位アライメント
  アライメントの機能障害
 正常な肘関節の運動
  肘関節の屈曲
  肘関節の伸展
  前腕回内と回外
 肘関節の筋作用
  肘関節に影響を及ぼす手関節と手の筋群
  前腕回内と回外の筋群
  ・肘関節の運動系症候群
 前腕回内を伴う手関節伸展症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント/外見の分析 運動機能障害の分析 関節の健全性 筋長 筋力/筋パフォーマンスの機能障害 触診
  徴候と症状の発生源
  治療
 肘関節低可動性症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害の分析 関節の健全性 筋力/筋パフォーマンスの機能障害
  徴候と症状の発生源
  治療
 肘関節屈曲症候群(肘部管症候群)
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害の分析 関節の健全性 筋長 筋力/筋パフォーマンスの機能障害 その他の特殊検査
  徴候と症状の発生源
  治療
 肘関節伸展を伴う,および伴わない肘関節外反症候群
 肘関節伸展症候群
 神経絞扼症候群
  後前腕神経絞扼症候群
  前前腕神経絞扼症候群
 前腕回内を伴う手関節屈曲症候群
 腕尺関節と腕橈関節における多方向性副運動過可動性症候群
 肘関節機能障害症候群
 付表
  前腕回内を伴う手関節伸展症候群
  肘関節低可動性症候群
  肘関節屈曲症候群
  伸展を伴う,および伴わない肘関節外反症候群(外反伸展過負荷症候群)
  肘関節伸展症候群
  後前腕神経絞扼症候群
  前前腕神経絞扼症候群
  前腕回内を伴う手関節屈曲症候群
  肘関節機能障害
Chapter 7 膝関節の運動系症候群
 はじめに
 膝関節のアライメント
  正常なアライメント
   矢状面 機能障害
  前額面
   正常なアライメント 機能障害
  水平面
   正常なアライメント 機能障害
  膝蓋大腿関節のアライメント
   正常なアライメント 機能障害
  膝関節の運動
  矢状面
   膝関節の屈曲と伸展
  前額面
  水平面
 膝蓋大腿関節の運動
 歩行中の膝関節の運動
  矢状面
  前額面
  水平面
 走行中の膝関節の運動
 膝関節の筋活動
  伸筋群
  屈筋群
  膝関節に影響しうるその他の重要な股関節周囲筋群
   股関節外旋筋群 股関節内旋筋群
  ・膝関節の運動系症候群
 脛骨大腿回旋症候群
  症状と病歴
 TFRVal症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害 関節の健全性 筋長の機能障害 筋力/筋パフォーマンスの機能障害 機能的活動 その他の機能的検査
  検査所見のまとめ
  治療
   おもな目的 修正エクササイズプログラム ホームエクササイズプログラム テーピング インソール 神経筋トレーニング
 TFRVar症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害 関節の健全性 筋長の機能障害 筋力/筋パフォーマンスの機能障害 機能的活動 その他の機能的検査
  検査所見のまとめ
  治療
   おもな目的 修正エクササイズプログラム ホームエクササイズプログラム テーピング/装具 インソール
  ・症例提示
 脛骨大腿関節低可動性症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害 関節の健全性 筋長の機能障害 筋力/筋パフォーマンスの機能障害 機能的活動
  検査所見のまとめ
  治療
   おもな目的 修正エクササイズプログラム 階段 ホームエクササイズプログラム その他の治療方法
 膝関節伸展症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害 関節の健全性 筋長の機能障害 筋力/筋パフォーマンスの機能障害 機能的活動
  検査所見のまとめ
  治療
   おもな目的 修正エクササイズプログラム ホームエクササイズプログラム その他の治療方法
  ・症例提示
 膝関節過伸展症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害 関節の健全性 筋長の機能障害 筋力/筋パフォーマンスの障害 機能的活動 その他の機能的検査
  検査所見のまとめ
  治療
   おもな目的 修正エクササイズプログラム ホームエクササイズプログラム テーピング 神経筋トレーニング
  ・症例提示
 膝蓋骨外側滑り症候群
  症状と病歴
  鍵となる検査と徴候
   アライメント分析 運動機能障害 関節の健全性 筋長の機能障害 筋力/筋パフォーマンスの機能障害 機能的活動
  治療
   おもな目的 修正エクササイズプログラム ホームエクササイズプログラム その他の治療方法
 膝関節機能障害
 結論
 付表
  脛骨大腿回旋症候群
  脛骨大腿関節低可動性症候群
  膝関節伸展症候群と膝蓋骨上方滑りを伴った膝関節伸展症候群
  膝関節過伸展症候群
  膝蓋骨外側滑り症候群
  膝関節機能障害
  膝関節機能障害の治療
Chapter 8 足部と足関節の運動系症候群
 はじめに
 足関節と足部のアライメント
  足関節
  足部
   後足部 アーチ 前足部
 足関節と足部の動き
  足関節
   近位および遠位の脛腓関節 距腿関節
  足部
   距骨下関節 横足根関節 足根中足関節 MTP関節 趾節間関節
 筋の作用
  下腿
   後区画 外側区画 前区画
  足部
 足関節と足部の評価
  病歴
  紹介が必要な可能性のある状態
   疲労骨折 深部静脈血栓症 糖尿病 末梢血管障害 関節リウマチ 血清反応陰 性脊椎関節症 痛風
  紹介が必要な可能性のある疾患あるいは状態
  ・足関節と足部の運動系症候群
 回内症候群
  症状と疼痛
   足底腱膜 後脛骨筋と腱 前脛骨筋と腱 脛骨神経 腓腹筋/ヒラメ筋/踵骨(アキレス)腱 中足骨頭 趾間神経 内側支柱の関節
  アライメント:構造学的変化と後天的機能障害
  運動機能障害
   歩行と走行 片脚ホッピング 降段もしくは軽度膝屈曲
  関節の健全性と筋長
   距腿関節背屈 他動的な第1 MTP関節背屈 距骨下関節外反
  筋力/筋パフォーマンスの障害
   腓腹筋/後脛骨筋 中殿筋後部線維,大殿筋,短外旋筋群 足部の内在筋群
  足底の胼胝
  履物の検討
   ヒールカウンター 靴底要素 足趾に対する踵の高さ アーチサポート 靴型の形状
  まとめ
  治療
   歩行と走行 筋パフォーマンス 筋長と関節の健全性 活動の変更 組織の外的支持
  ・症例提示
 回外症候群
  症状と疼痛
   足底腱膜(筋膜) 腓骨筋群と腱 腓腹筋/ヒラメ筋/踵骨(アキレス)腱 中足骨頭 内側支柱の関節
  アライメント:構造学的変化と後天的機能障害
  運動機能障害
   歩行と走行 片脚ホッピング 降段もしくは軽度膝屈曲
  筋長/ROMの機能障害
   距腿関節背屈と他動的な第1MTP関節背屈 距骨下関節外反
  履物の検討
   ヒールカウンター 靴底要素 足趾に対する踵の高さ アーチサポート 靴型の形状
  足底の胼胝
  まとめ
  治療
   歩行と走行 ROM 活動の変更 組織の外的支持
  ・症例提示
 背屈不全症候群
  症状と疼痛
   足底腱膜(筋膜) 腓腹筋/ヒラメ筋/踵骨(アキレス)腱 滑液包 前脛骨筋と腱 深腓骨神経 距腿関節 中足骨頭
  アライメント:構造学的変化と後天的機能障害
  運動機能障害
   歩行と走行 スクワット 降段もしくは軽度膝屈曲
  筋長/ROMの機能障害
   距腿関節背屈
  履物の検討
   最近の足趾に対する踵の高さの減少
  まとめ
  治療
   歩行と走行 ROM制限 活動の変更 組織の外的支持
  ・症例提示
 低可動性症候群
  症状と疼痛
   退行変性 不動
  アライメント:構造学的変化と後天的機能障害
  運動機能障害
   歩行と走行 スクワット,降段,軽度膝屈曲
  筋長/ROMの機能障害
   筋力/筋パフォーマンスの機能障害 バランスと固有感覚の障害
  まとめ
  治療
   ROM制限 筋パフォーマンスの機能障害 バランスと固有感覚の機能障害 活動の変更 組織の外的支持
  ・症例提示
 足部と足関節の機能障害
  足部と足関節に対する特有の生理学的要因
   骨 筋 腱 靱帯 皮膚 神経
  足部と足関節に対する特有の検査
   浮腫 外見 固有感覚/バランス 機能的な移動性
  まとめ
  ・症例提示
 近位脛腓滑り症候群
  症状と疼痛
  アライメント:構造学的変化と後天的機能障害
  運動分析
   歩行/走行 座位
  筋長/ROMの機能障害
  まとめ
  治療
   アライメント障害 ROM制限 組織の外的支持
 結論
 付表
  回内症候群
  回外症候群
  背屈不全症候群
  低可動性症候群
  足部と足関節の機能障害
  足部と足関節の機能障害の治療
  近位脛腓滑り症候群
 索引