やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

訳者代表まえがき
 「ムーア人体発生学」原著第8版の日本語訳を,皆様のお手元にお届けできることとなり,ご同慶の至りである.本書は1973年に初版が出版されて以来,北米で発生学の名著として,医学生ならびに医療系生命科学を学ぶ学生に迎え入れられ,今やイタリア語,スペイン語,ポルトガル語,トルコ語をはじめ,日本語,中国語,韓国語など,9カ国語以上に訳され,人体発生学の標準的な教科書として広く世界各国で用いられているからである.
 最近の発生学に関連した分子生物学は,目覚ましく進歩し,ヒト遺伝子の塩基配列はすべて解明され,組織形成ならびに器官形成に関連した遺伝子発現ならびにその調節機構の解明が長足の進歩を遂げてきている.また体細胞に遺伝子を導入することにより,iPS細胞の作製と,それを応用した拒絶反応のない移植用組織や臓器の作製も,実現一歩手前まで進み,世界の注目を浴びている.本版においても,随所にこれらの分子生物学的研究の成果を取り入れるとともに,本第8版では,新たに「発生に関連するシグナル伝達路」に関する章を設け,これまでの研究の成果を明解にまとめられているのが大きな特色である.医学教育は,ここ十数年で大きく変革し,医療技術の進歩と疾患の複雑化により,限られた時間内で,医師を養成するためには医学本来の臨床医学に重点をおかざるをえず,解剖学,生理学,生化学など基礎医学教育のための時間数が減らされてきた.この限られた時間内で,人体の構造を理解するためには,本書のように,わかりやすい記述,三次元的に描かれ,色づけされた理解しやすい付図,ならびに超音波画像や,CTならびにMRI画像は,自学自習のため,大いに資するものと期待される.
 本版の扉裏に記載されているように,本著の主著者であるDr.Keith L.Mooreは,本第8版の発行前年に,これまで本書ならびに臨床解剖学,体表解剖学など,多くの人体解剖学に関する教科書を刊行され,医学歯学の学生ならびに大学院生のために人体解剖学の教育に貢献されたことにより,アメリカ解剖学会より,最高の栄誉賞であるHenry Gray/Elsevier最優秀教育者賞の第一回の受賞者となられた.心よりお祝い申し上げたい.また先年,故郷のカナダトロントで傘寿を祝われたとお聞きしていたが,長年連れ添ってこられ,また本書をはじめ多くの教科書のため,秘書的役割を果たしてこられた奥様のMarionを亡くされました.心より哀悼の意をここに表したい.
 最後になったが,本書の訳出にあたり,編集等,多大の協力を賜った医歯薬出版株式会社の遠山邦男氏をはじめ,多くの方々に深甚の感謝の意を表したい.
 2011年3月 神戸にて
 訳者代表
 瀬口春道

第8版のはしがき
 われわれは,いまや分子生物学と人体発生学の分野で,傑出した偉業達成の時代に入ってきている.ヒトの遺伝子配列はすべて解明され,ヒトの胚子を含め,数種類の哺乳動物がクローン化された.科学者はヒト胚子の幹細胞を単離し,広範囲なデータを作成し,ある種の難治性疾患の治療に用いるよう提案している.これらの著しい科学的発達は,ヒト発生学の分野で約束された研究方向をすでに示しており,将来の臨床医学に大きな影響を与えている.
 この『人体発生学』第8版は,胚子の形成を導く分子生物学上のわれわれの最近の知識を反映し,全面的に改訂されている.この第8版ではまた,以前の版にも増して,より臨床に関連する問題を記載した.これらの部分では,本文の部分と区別するべく,組み方を変え際立たせた.発生学の臨床に関連する問題に着目するのに加えて,臨床に関連した問題には簡潔な回答を加え,発生学が現代の臨床医学の重要な部分であることを強調するため,より多くの症例研究を加えた.
 この版には,(正常および異常の)新しい多数のカラー写真を加えた.多数の付図は三次元表示画像とより効果的なカラーを用いて改善した.また(超音波画像や磁気共鳴像の)多くの新しい画像診断画像を加えた.学生が発生学的発育の複雑性を理解するために,その手助けとして導入した一連の画期的なアニメーションは,本書の特徴である.
 異常発生の研究は,危険性を評価し,異常の原因および奇形をいかに防止するかなどに役立つので,先天異常学の守備範囲は増加している.発生生物学の分子学的方面の最近の進歩は,特に臨床医学に有望と思われる領域,あるいは特に将来の研究の方向に重要なインパクトを与える力をもっている領域は,本書を通しての特徴となっている.これを心にとどめて,われわれは,Dr.Jeffrey T.Wigleと Dr.David D.Eisenstatに,発生中にみられる幾つかの普遍的な情報伝達路に関して寄稿していただいた章を付け加えた.
 われわれは,誕生前のヒトの発生について,読みやすく記述するように努めた.各章は全面的に改訂し,研究や臨床に重要な新しい所見を反映させた.各章は,胚子がいかに発生していくかについての説明を,組織的かつ論理的に表現するように構成した.最初の章は,読者に発生学の範囲,重要性と,この学問の歴史的背景,ならびに発生段階の記載に用いる用語について紹介した.次の4つの章では,接合子の形成に始まり,基本的な器官と器官系の形成で終わる胚子発生について述べられている.特異的器官と器官系の発生は順序立てて記載し,胎児期,胎盤と胎児膜,ならびにヒト先天異常の原因について述べた章が続く.各章の終わりには,古典的な論文および最近の研究論文を含む文献があげられている.
 Keith L.Moore
 Vid Persaud

謝辞
 『人体発生学』は,広く医学,歯学を学ぶ学生,ならびに他の健康科学を学ぶ学生に広く利用されている.世界中の大学教授ならびに学生から,著者が受け取る提言,批判,および論評は,この教科書を改善するのに役立っている.このような本では,付図が基本的に重要である.多くの同僚が,快く医療の現場から臨床例の写真を著者らに提供してくださっている.
 われわれは,各章を厳しく論評し,本書を改善するのにあたりご提案をくださり,新しい付図を提供していただいた次の同僚に感謝の意をささげる(アルファベット順に記す).マニトバ,ウィニぺグ,マニトバ大学人体解剖学細胞科学教室,Dr.Judy Anderson;マニトバ,ウィニぺグ,マニトバ大学歯学部歯科診断学口腔外科学教室,Dr.Stephen Ahing;ケンタッキー,ルイスビル,ルイスビル大学医学部,Dr.Kunwar Batnagar;ウィスコンシン,ミルウォーキー,ウィスコンシン医科大学細胞生物学,神経生物学,解剖学教室,Dr.David L.Bolender;ノバスコチア,ハリファックス,ダルハウージー大学解剖学神経生物学教室,Dr.Boris Kablar;マニトバ,ウィニぺグ,マニトバ大学小児科学,子供の健康,生化学,医学遺伝学教室,Dr.Albert Chudley;ノバスコチア,ハリファックス,ダルハウージー大学歯学部,Dr.Blaine M.Cleghorn;マニトバ,ウィニぺグ,マニトバ大学病理学教室,Dr.Marc Del Bigio;ニューヨーク,ニューヨーク,マウントサイナイ医科大学小児外科学部門,Dr.Stephen E.Dolgin;ルイジアナ,ニューオルリーンズ,ルイジアナ州立大学医学部細胞生物学解剖学教室,Dr.Raymond Gasser;ニューヨーク,ニューヨーク,ニューヨーク大学再建形成外科学研究所,Dr.Barry Grayson;ノースダコタ,グランドフォークス,サウスダコタ大学解剖学細胞生物学教室,Dr.Byron Grove;ノバスコチア,ハリファックス,ダルハウージー大学生物学教室,Dr.Brian K.Hall;ジョージア,オウガスタ,ジョージア医科大学細胞生物学解剖学教室,Dr.Mark W.Hamrick;メリーランド,ボルチモア,メリーランド大学産科婦人科学,生殖科学教室 Dr.Christopher Harman;ブリティシュコロンビア,バンクーバー,ブリティシュコロンビア大学病理学教室,Dr.Dagmar Kalousek;マニトバ,ウィニぺグ,マニトバ大学人体解剖学細胞科学教室,Dr.Tom Klonisch;ジョージア,オーガスタ,ジョージア医科大学細胞生物学解剖学教室,Dr.David J.Kozlowski;オンタリオ,ロンドン,ウェストオンタリオ大学医学部Dr.Peeyush Lala;マサチューセッツ,ボストン,ベスイスラエル長老派教会医学センター,Dr.Deborah Levine;マニトバ,ウィニぺグ,マニトバ大学放射線科学教室,Dr.Edward A.Lyons;ウェールズ,カーディフ,カーディフ大学カーディフ生物学部,Prof.Bernard J.Moxham;マサチューセッツ,ボストン,ハーバード大学医学部外科頭顔部外科センター,Dr.John Mulliken;インディアナ,ブルーミングトン,インディアナ大学解剖学細胞生物学教室,Dr.Valerie Dean O'Loughlin;アイオワ,デモイン,デモイン大学,Dr.Maria Patestas;グレナダ,セントジョージ大学解剖学教室,Prof.T. S.Ranganathan;マニトバ,ウィニぺグ,マニトバ大学産科婦人科学生殖科学教室,Dr.Gregory Reid;オンタリオ,トロント,トロント大学小児病院小児科学教室,Dr.Norman Rosenblum;マニトバ,ウィニぺグ,マニトバ大学歯学部口腔生物学教室,Dr.J.Elliott Scott;カリフォルニア,サンディエゴ,カリフォルニア大学産婦人科学教室,Dr.Robert Semo;ワシントン,シアトル,子供病院地域医療センター,研究准教授,Dr.Joseph Siebert;日本,京都,京都大学解剖学発生生物学教室,塩田浩平博士;ノースダコタ,グランドフォークス,アルトル健康システム,Dr.Gerald Smyser;オンタリオ,オタワ,オタワ大学,イーストオンタリオ子供病院小児総合外科部門,Dr.Pierre Soucy;アラバマ,バーミンガム,バーミンガムアラバマ大学,小児病院,Dr.Richard Shane Tubbs;ドイツ,ゲティンゲン,ゲティンゲン大学,Prof.Christoph Viebahn;ネバダ,レノ,ネバダ医科大学生理学細胞生物学教室,Christopher von Bartheld氏;オンタリオ,トロント,トロント大学外科学教室,解剖学部門,Dr.Michael Wiley;マニトバ,ウィニぺグ,マニトバ大学生物学教室,Dr.Donna L.Young.
 新しい付図は,アリゾナ,ファウンテンヒルの電子作図グループ社社長,Hans Neuhart氏により作図された.一連の素晴らしい作図はエマントラス社により制作され,技巧的に見直していただいたことを,ウィスコンシン,ミルウォーキー,ウィスコンシン医科大学細胞生物学,神経生物学解剖学教室,Dr.David L.Bolenderに感謝を捧げる.
 医学編集局長Ms.Inta Ozols,および出版者Ms.Madelene Hydeに,本書について見識,励まし,提案をいただいたことに感謝したい.また,本書の編集を担当していただいたMs.Kathryn DeFrancescoに,専門的なアドバイスや熟練した編集技術をいただいたことに感謝する.さらに,付図作成に協力してくださったMs.Carol Emeryに感謝したい.最後に,本書の出版にかかわったスタッフ,特にプロジェクトマネージャーのMs.Bryan Haywardと出版マネジャーのMs.Linnea Hermansonに特に感謝を捧げる.この『人体発生学』の新版は,これらの人々の専門的なご尽力と技術的な見識の賜物である.
 Keith L.Moore
 Vid Persaud

第1版のはしがき
 解剖学を教える時間が次第に減少されるにつれて,発生学を正式に教える時間は,はなはだしく削減されてきた.この削減は,近代医学において,発生学が占める重要性が増加してきていることを考える時,きわめて残念なことである.現在発行されている発生学の教科書の大部分は,短期の講座にはあまりにも詳細で,この魅力的な学問に対して初歩の学生に興味を持たせることができない.
 本書は,学生に,将来役に立つ基礎を与えるつもりで,人体発生学の核心*の講座のために書いた挿図入りのノートがその始まりである.予期したよりも,このノートが医学生以外の学生,開業医,および発生学を利用する分野の臨床家から大いに歓迎された.著者はこのノートを臨床的にみた発生学という教科書に発展させるように強く要望された.
 この教科書の目的は,ヒトの発生とそれに関連ある事項の摘要を記述することである.各章には,発生過程の比較的簡潔な説明が記述してあるが,詳細を知りたい学生のために多くの参考文献がつけてある.第1章を除いて,各章には,主要事項の要約がつけてある.発生学と成人に見られる人体解剖学,組織学,病理学,産科学,小児科学および外科学との橋渡しをするべく努力した.各器官系の先天性奇形は最もよく見られるものを強調して記述し,1章の全部を使って先天性奇形の原因について論議し,記述した.発生学を学ぶ初歩の学生が最も困ることは,発生過程とその時期的変化を想像し,目のあたりに見るように具象化することができないことである.そこで,本書では惜し気なく挿図を使って説明した.大部分の挿絵は模型図であり,若干に着色し,また,講義中黒板を使って考え方や過程を説明するように,発生の逐次的段階を示すようにした.沢山の写真もまた,ちょうど臨床講義で症例報告をする時に用いられるのと同じように使用した.
 教科書の内容は,主として,(1)重要点を強調し,(2)反対の意見,学説を論議し,(3)概念や過程を要約する目的に用いられている.本文中基礎的あるいは核心的事項は普通の組み方で印刷し,重要性の少ない事項は,字下げしてあるか,脚注とした.使用した用語は,主に,1970年8月レニングラードで行われた第9回国際解剖学会によって承認された発生学用語(Nomina Embryologica)に従った.若干の例において,意味の明解度や,用語使用上の調和一貫性から再考を要すると思われた場合には,旧用語を用いたり,カッコ内に記載した.臨床的に一般に用いられている用語のある場合,同義語あるいは語源を脚注に付記した.
 本書記述中,自然科学者John Rayが17世紀に言った,“何か物事を説明するのに,多くの言葉を使う人は,あたかも“こうイカ”が自分の墨の中に隠れるようなものである“という言葉と,よく引用される中国の諺の“百聞は一見にしかず”を座右の銘とした.
 Winnipeg,Canada
 KEITH L.MOORE
 訳者代表まえがき
 第8版のはしがき
 謝辞
 第1版のはしがき
第1章 ヒトの発生への序章
 発生の期間
 発生学用語
 発生学の意義
 歴史的重要事項
  人体発生学に対する古代の考え方
  中世の発生学
  文芸復興期
 遺伝学とヒトの発生
 ヒトの発生における分子生物学
 発生学で用いられる記述用語
 臨床に関連した問題
第2章 ヒトの発生の初期:第1週
 生殖子形成
 減数分裂
 精子形成
 卵子形成
  卵子の出生前期における成熟過程
  卵子の出生後期における成熟過程
 生殖子の比較
 子宮,卵管および卵巣
  子宮
  卵管
  卵巣
 女性の生殖周期
 卵巣周期
  卵胞の発育
  排卵
  黄体
 月経周期
  月経周期の各期
 生殖子の輸送
  卵細胞の輸送
  精子の輸送
 精子の成熟
 生殖子の生存能力
 受精
  受精の各段階
  受精
 接合子の卵割
 胚盤胞の形成
 第1週の要約
 臨床に関連した問題
第3章 二層性胚盤の形成:第2週
 着床の完了と胚子発生の継続
 羊膜腔,胚盤,および臍小胞の形成
 絨毛膜嚢の発生
 胚盤胞の着床位置
 着床の要約
 発生第2週の要約
 臨床に関連した問題
第4章 胚葉の形成と初期の組織および器官の分化:第3週
 腸胚形成:胚葉の形成
 原始線条
  原始線条の運命
 脊索突起と脊索
 尿膜
 神経胚形成:神経組織の形成
  神経板と神経管
  神経堤の形成
 体節の発生
 胚内体腔の発生
 心臓血管系の初期発生
  脈管形成と血管新生
  原始心臓血管系
 絨毛膜絨毛の発生
 第3週の要約
 臨床に関連した問題
第5章 器官形成期:第4週から第8週まで
 胚子発生の段階
 胚子の折り畳み
  正中面における胚子の折り畳み
  水平面における胚子の折り畳み
 胚葉由来の構造物
 胚子発生の制御
 第4週から第8週における重要点
  第4週
  第5週
  第6週
  第7週
  第8週
 胚子齢の推定
 第4週から第8週の要約
 臨床に関連した問題
第6章 胎児期:第9週から出生まで
 胎児齢の推定
  妊娠の三半期
  胎児の測定と外見上の特徴
 胎児期の重要点
  第9〜12週
  第13〜16週
  第17〜20週
  第21〜25週
  第26〜29週
  第30〜34週
  第35〜38週
 分娩予定日
 胎児の発育に影響を及ぼす因子
  紙巻きタバコの喫煙
  多胎妊娠
  アルコールおよび密造薬
  子宮胎盤血液循環不全および胎児胎盤血液循環不全
  遺伝要因と発育遅延
 胎児の状態を把握する方法
  超音波検査
  診断的羊水穿刺
  αフェトプロテインの定量
  分光光度計分析
  絨毛膜絨毛標本採取
  性染色質型
  細胞培養と染色体解析
  胎児輸血法
  胎児鏡検査法
  経皮的臍帯血採取法
  コンピュータ断層撮影法と核磁気共鳴映像法
  胎児監視法
 胎児期の要約
 臨床に関連した問題
第7章 胎盤と胎膜
 胎盤
  脱落膜
  胎盤の発生
  胎盤循環
  胎盤膜
  胎盤の機能
  侵襲的腫瘍様構造としての胎盤
  妊娠中の子宮の発育
 分娩
  娩出後の胎盤および胎膜
  臍帯
 臍小胞(卵黄嚢)131
  臍小胞の意義
  臍小胞の運命
 尿膜
  多胎妊娠
  双胎および胎児膜
  二卵性双生児
  一卵性双生児
  他の型の多胎妊娠
 胎盤と胎膜の要約
 臨床に関連した問題
第8章 体腔,腸間膜および横隔膜
 胚子の体腔
  腸間膜
  胚子の体腔の分割
 横隔膜の発生
  横中隔
  胸膜腹膜
  食道の背側間膜
  外側体壁からの筋性の内方への成長
  横隔膜の位置の変化と神経支配
 体腔の発生の要約
 臨床に関連した問題
第9章 咽頭器官
 咽頭弓
  咽頭弓の構成要素
 咽頭嚢
  咽頭嚢から由来する構造物
 咽頭溝
 咽頭膜
 甲状腺の発生
  甲状腺の組織発生
 舌の発生
  舌乳頭と味蕾
  舌の神経支配
 唾液腺の発生
 顔面の形成
 顔の発生の要約
 鼻腔の発生
  副鼻腔
 口蓋の発生
  一次口蓋
  二次口蓋
 咽頭器官の要約
 臨床に関連した問題
第10章 呼吸器系
 呼吸器系の原基
 咽頭の発生
 気管の発生
 気管支および肺の発生
  肺の成熟
 呼吸器系の要約
 臨床に関連した問題
第11章 消化器系
 前腸
  食道の発生
  胃の発生
  網嚢
  十二指腸の発生
  肝臓および胆汁器官の発生
  膵臓の発生
  脾臓の発生
 中腸
  中腸ループの回転
  盲腸と虫垂突起
 後腸
  排泄腔
  肛門管
 消化器系の要約
 臨床に関連した問題
第12章 尿生殖器系
 泌尿器系の発生
  腎臓および尿管の発生
  膀胱の発生
  尿道の発生
 副腎の発生
 生殖器系の発生
  性腺の発生
  生殖管の発生
  男性生殖管および付属腺の発生
  女性生殖管および付属腺の発生
  子宮と腟の発生
 外生殖器の発生
  男性外生殖器の発生
  女性外生殖器の発生
 鼠径管の発生
 精巣および卵巣の移動
  精巣の下降
  卵巣の下降
 泌尿生殖器系の要約
 臨床に関連した問題
第13章 心臓循環器系
 心臓および血管の初期発生
  心臓に連結する静脈の発生と運命
  卵黄嚢動脈および臍動脈の運命
 心臓のさらなる発生
  原始心臓を通る循環
  原始心臓の分割
  静脈洞の変化
  心臓の刺激伝達系
 心臓と大血管の奇形
 咽頭弓動脈からできる構造物
  第1対咽頭弓動脈からできる構造物
  第2対咽頭弓動脈からできる構造物
  第3対咽頭弓動脈からできる構造物
  第4対咽頭弓動脈からできる構造物
  第5対咽頭弓動脈の運命
  第6対咽頭弓動脈からできる構造物
  咽頭弓動脈の奇形
 胎児循環と新生児循環
  胎児循環
  移行期の新生児循環
  胎児の血管構造物の派生物
 リンパ系の発生
  リンパ嚢およびリンパ管の発生
  胸管
  リンパ節の発生
  リンパ球の発生
  脾臓および扁桃の発生
 心臓循環器系の要約
 臨床に関連した問題
第14章 骨格系
 骨と軟骨の発生
  軟骨の組織発生
  骨の組織発生
  膜内骨化
  軟骨内骨化
 関節の発生
  線維性連結
  軟骨性連結
  滑膜性連結
 軸骨格の発生
  脊柱の発生
  肋骨の発生
  胸骨の発生
  頭蓋の発生
  新生児の頭蓋
  出生後の頭蓋の成長
 付属肢骨格の発生
 骨格系の要約
 臨床に関連した問題
第15章 筋系
 骨格筋の発生
  筋板
  咽頭弓の筋
  眼筋
  舌筋
  四肢筋
 平滑筋の発生
 心筋の発生
 筋系の要約
 臨床に関連した問題
第16章 体肢
 体肢発生の初期段階
 体肢発生の最終段階
  体肢の皮膚の神経支配
  体肢に分布する血管
 体肢の奇形
 体肢発生の要約
 臨床に関連した問題
第17章 神経系
 神経系の起源
 脊髄の発生
  脊髄神経節の発生
  脊髄髄膜の発生
  脊髄の位置の変化
  神経線維の髄鞘形成
  脊髄の先天異常
 脳の発生
  脳屈
  後脳
  脈絡叢と脳脊髄液
  中脳
  前脳
 脳の先天異常
 末梢神経系の発生
  脊髄神経
  脳神経
 自律神経系の発生
  交感神経系
  副交感神経系
 神経系の要約
 臨床に関連した問題
第18章 眼と耳
 眼およびその関連構造物の発生
  網膜の発生
  毛様体の発生
  虹彩の発生
  水晶体の発生
  眼房の発生
  角膜の発生
  脈絡膜と強膜の発生
  眼瞼の発生
  涙腺の発生
 耳の発生
  内耳の発生
  中耳の発生
  外耳の発生
 眼の発生の要約
 耳の発生の要約
 臨床に関連した問題
第19章 外皮系
 皮膚と皮膚の派生物の発生
  表皮
  真皮
  皮膚の腺
  毛の発生
  爪の発生
  歯の発生
 外皮系の要約
 臨床に関連した問題
第20章 ヒトの先天性解剖学的異常あるいは先天性欠損
 先天性欠損の分類
 先天異常学―発生異常の研究
 遺伝要因による異常
  染色体数の異常
  染色体の構造的異常
  突然変異遺伝子による異常
  発生におけるシグナル伝達経路
 環境要因による異常
  奇形発生における基本原則
  ヒトでの催奇形因子
 多因子遺伝による異常
 ヒトの先天性解剖学的異常あるいは出生時欠損の要約
 臨床に関連した問題
第21章 発生中によくみられる情報伝達
 モルフォゲン
  レチノイン酸
  トランスフォーミング増殖因子β/骨形成タンパク
  ヘッジホッグ
  Wnt/β-カテニン伝達経路
 ノッチ-デルタ伝達経路
 転写因子
  Hox/Homeobox タンパク
  Pax遺伝子
  塩基性へリックス-ループ-へリックス(bHLH)転写因子
 受容体チロシンキナーゼ
  共通する特徴
  受容体チロシンキナーゼによる血管新生の制御
 発生期に用いられる共通のシグナル伝達経路の要約

 臨床に関連した問題の回答
 索引
  和文索引
  欧文索引