やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 2000年4月からの介護保険制度施行以来,介護福祉士の資質向上を図るため,介護福祉士養成施設の教育課程の改正が行われました.
 それにともない2002年8月には,社会福祉振興・試験センターより介護福祉士国家試験の「出題基準・合格基準」が明確に示されました.
 介護福祉士資格取得者数は年々増加の傾向にありますが,高齢化が進むなか,自立支援をふまえた,個々のニーズに応じたサービスの提供ができる介護福祉士が求められるようになってきました.
 このような状況のなかで,2005年度より介護福祉士養成施設が主体となり,介護福祉士実技試験免除のための介護技術講習会を開始することとなりましが,従来の実技試験がなくなったわけではありません.
 本書は,32時間の実技講習だけでなく,実技試験を受けるにあたり,ICFの理念に沿った新しい考えかたを内容に取り入れ,より具体的にまとめたものです.
 介護講習会の実技演習・実技試験対策に向け,本書を介護に関する考えかたの習慣づけや原則に沿った介護技術の学習等に活用していただければ幸いです.
 2006年12月
 介護福祉士国家試験実技試験対策研究会 代表
 介護福祉士
 藤本 令子
I 実技試験受験のための基礎知識
 実技試験出題基準項目
  介護福祉士『受験の手引』を請求する場合の郵便はがき記載例
 実技試験出題基準と学習の進めかた
  1.ICF(国際生活機能分類)の理念に沿った介護過程の展開とは
  2.ICFの理念に沿った介護過程の展開手順
  3.実技試験における学習の進めかた
  4.実技試験における介護過程の展開手順
  5.実技試験における介護技術の展開手順
 問題把握のためのイメージトレーニング─現場での事例から
  1.「排泄の事例」を使っての説明
  2.実技の組み立てと流れ
  3.チェックリストの考えかた
 実技試験会場の実際
  1.実技試験受験の手順
  2.受験上の心得
  3.実技に関する留意点
II 実技試験の徹底分析―既出問題と演習問題―
 第14回介護福祉士国家試験実技問題
 第15回介護福祉士国家試験実技問題
 第16回介護福祉士国家試験実技問題
 第17回介護福祉士国家試験実技問題
 第18回介護福祉士国家試験実技問題
 演習問題 A
 演習問題 B
 演習問題 C
 演習問題 D
III 実技試験のポイント
 介護の原則
  1.安全・安楽
  2.自立支援(持てる能力の活用)
  3.個人の尊厳(プライバシーの保護)
 健康状況の把握
  1.利用者の健康状況の把握
  2.介護者の健康管理
 環境整備
  1.室内環境
  2.ベッド
 身体介護
  1.体位と体位変換
  2.移乗動作
  3.移動・歩行介助
  4.食事の介助
  5.排泄の介助
  6.保清の介助
  7.衣服の着脱(片麻痺の場合)
  8.整容の介助