序
本書は,発刊以来すでに5年以上の歳月が経ち,私たちの生活環境を潤す電気・情報・機械の技術や具体的家電製品も,日ごとの進歩と,開発,普及が行われてきた.それで,ここに,新しい技術や情報などをおりこみ,また,初版本の記述のいたらなさを補い,改訂版を出版することになりました.
あなたが将来,小さなわが子から「冷蔵庫はどうして冷えるの?」と尋ねられたとき,きちんと答えられるだろうか.それとも「わかんない」と逃げ出してしまうのだろうか.
昭和30年代はじめのころには,家庭にはミシン,洗濯機,白黒テレビなど,わずかな家電機械しか普及しておらず,動力伝達は,歯車やリンクといった機械的要素によるものが多く,電気的要素も働きの確認できる製品で構成され,機械的にも電気的にもその構造や仕組みを容易に理解できるものが多かった.それゆえ,家庭科教員免状の取得をめざす学生を対象にした「家庭機械・電気」の講義においても,初期のころは,構成部品とその機械や電気的な基礎理論を中心に展開し,その応用例をあげて解説する程度でよかったし,テキストもそうした内容のものが多かった.
しかし,現在家庭に普及している家電機械の多くは,IC基板を心臓部とする製品が多く,機械的要素による動力伝達を行わないものも多く見られるようになってきた.また,電話,ワープロ,パソコンといった生活情報を得るための情報機械も多く普及しており,「家庭機械・電気」の講義においては,いわゆる家電機械にとどまらず,家庭情報機械も含めて講義される時代になった.書名を「家庭電気・情報・機械」としたゆえんである.
いま,私たちの家庭には,多機能(携帯)電話機,ワープロ,パソコン,食器洗い機,ビデオカメラとテープレコーダ,自動焦点カメラ,CDシステム,ほかにはファジィ理論に基づく新しい家電機械など,一昔前にはなかった家電機械があふれているが,さらに21世紀の近未来には,マルチメディアによってホームオートメーション(HA)化された時代がやってこようとしている.
あなたは,これら家庭電気機械や情報機械のなかに使いこなせない機械はないだろうか.その機械の原理を知って使うのと,そうでなくて使うのでは,おのずから生活に上手下手が生じる.本書では,100種類近くの家電機械や情報機械を食生活環境,住生活環境,衣生活環境の3分野に分類して取り上げ,これら機械の個々の原理と構造,取り扱いなどをわかりやすく解説するとともに,随時,これらに関連する基礎理論などを21項目のSUPPLEMENTとして取り上げて付記した.
さて,本書における著述の展開方法は,はじめに基礎理論でなく機械ありきとした.
これは,本書で扱う家電機械などの多くは身辺に存在して容易にイメージできるものであり,これらの個々の機械の原理・構造・取り扱いなどを述べたあとに,それについての関連情報であるmemoや基礎的理論などをまとめたSUPPLEMENTを述べたほうが,読者の理解を容易にすると考えたからである.
なお,場合によっては,個々の家電機械の原理・構造・取り扱いなどだけを読み,memoやSUPPLEMENTは省略して読んでもよいと考える.
本書では,図表を多く掲載し,理論を展開するにあたり箇条書きを用いて表記した.これは多くの読者にとって,一見して見やすく,理解しやすく,学ぶにも都合がよいと考えたからである.
「家庭電気・情報・機械」の講義科目は,家庭科教員免許状の取得をめざす学生にとって重要な科目であるが,それ以外の者にとっても,本書のSUPPLEMENT「マルチメディア時代のデータ通信社会」の項(p.78〜79)でも詳しく述べたように,21世紀のホームオートメーション(HA)時代の生活をエンジョイするための知識にとどまらず,生きていくための必須科目になりつつあると思われる.
2000年1月1日 松山正彦
本書は,発刊以来すでに5年以上の歳月が経ち,私たちの生活環境を潤す電気・情報・機械の技術や具体的家電製品も,日ごとの進歩と,開発,普及が行われてきた.それで,ここに,新しい技術や情報などをおりこみ,また,初版本の記述のいたらなさを補い,改訂版を出版することになりました.
あなたが将来,小さなわが子から「冷蔵庫はどうして冷えるの?」と尋ねられたとき,きちんと答えられるだろうか.それとも「わかんない」と逃げ出してしまうのだろうか.
昭和30年代はじめのころには,家庭にはミシン,洗濯機,白黒テレビなど,わずかな家電機械しか普及しておらず,動力伝達は,歯車やリンクといった機械的要素によるものが多く,電気的要素も働きの確認できる製品で構成され,機械的にも電気的にもその構造や仕組みを容易に理解できるものが多かった.それゆえ,家庭科教員免状の取得をめざす学生を対象にした「家庭機械・電気」の講義においても,初期のころは,構成部品とその機械や電気的な基礎理論を中心に展開し,その応用例をあげて解説する程度でよかったし,テキストもそうした内容のものが多かった.
しかし,現在家庭に普及している家電機械の多くは,IC基板を心臓部とする製品が多く,機械的要素による動力伝達を行わないものも多く見られるようになってきた.また,電話,ワープロ,パソコンといった生活情報を得るための情報機械も多く普及しており,「家庭機械・電気」の講義においては,いわゆる家電機械にとどまらず,家庭情報機械も含めて講義される時代になった.書名を「家庭電気・情報・機械」としたゆえんである.
いま,私たちの家庭には,多機能(携帯)電話機,ワープロ,パソコン,食器洗い機,ビデオカメラとテープレコーダ,自動焦点カメラ,CDシステム,ほかにはファジィ理論に基づく新しい家電機械など,一昔前にはなかった家電機械があふれているが,さらに21世紀の近未来には,マルチメディアによってホームオートメーション(HA)化された時代がやってこようとしている.
あなたは,これら家庭電気機械や情報機械のなかに使いこなせない機械はないだろうか.その機械の原理を知って使うのと,そうでなくて使うのでは,おのずから生活に上手下手が生じる.本書では,100種類近くの家電機械や情報機械を食生活環境,住生活環境,衣生活環境の3分野に分類して取り上げ,これら機械の個々の原理と構造,取り扱いなどをわかりやすく解説するとともに,随時,これらに関連する基礎理論などを21項目のSUPPLEMENTとして取り上げて付記した.
さて,本書における著述の展開方法は,はじめに基礎理論でなく機械ありきとした.
これは,本書で扱う家電機械などの多くは身辺に存在して容易にイメージできるものであり,これらの個々の機械の原理・構造・取り扱いなどを述べたあとに,それについての関連情報であるmemoや基礎的理論などをまとめたSUPPLEMENTを述べたほうが,読者の理解を容易にすると考えたからである.
なお,場合によっては,個々の家電機械の原理・構造・取り扱いなどだけを読み,memoやSUPPLEMENTは省略して読んでもよいと考える.
本書では,図表を多く掲載し,理論を展開するにあたり箇条書きを用いて表記した.これは多くの読者にとって,一見して見やすく,理解しやすく,学ぶにも都合がよいと考えたからである.
「家庭電気・情報・機械」の講義科目は,家庭科教員免許状の取得をめざす学生にとって重要な科目であるが,それ以外の者にとっても,本書のSUPPLEMENT「マルチメディア時代のデータ通信社会」の項(p.78〜79)でも詳しく述べたように,21世紀のホームオートメーション(HA)時代の生活をエンジョイするための知識にとどまらず,生きていくための必須科目になりつつあると思われる.
2000年1月1日 松山正彦
1 食生活環境に関する家電機械
1:冷凍・冷蔵機器
1・電気冷蔵庫
2・その他の冷却方式
SUPPLEMENT-1 導体,絶縁体,半導体
SUPPLEMENT-2 フロンガスと地球環境問題
SUPPLEMENT-3 家庭電化製品のW数一覧
2:温蔵機器
1・温蔵庫
SUPPLEMENT-4 電気式発熱の原理
3:調理機器
1・ガスこんろ
2・電気こんろ
SUPPLEMENT-5 電気と電子
3・電子レンジ
SUPPLEMENT-6 電 波
4・炊飯器
SUPPLEMENT-7 温度制御
5・電磁調理器
6・トースタ
7・電気ポット
8・パーコレータ
9・その他
4:動力機器
1・ミキサ
2・ジューサ
SUPPLEMENT-8 必要と不要な家電製品
3・ディスポーザ
4・食器洗い機
5・その他
5:環境衛生機器
1・殺菌灯
2 住生活環境に関する家電機械
1:空調冷房機器
1・クーラ
SUPPLEMENT-9 家庭への電気供給
SUPPLEMENT-10 家電機械と省エネルギ
2・除湿機
3・扇風機
4・空気清浄機
2:暖房機器
1・室内暖房機器
2・加湿機
3・サーキュレータ
4・やぐらごたつ
5・電気毛布
6・保温洗浄便座
3:掃除機器
1・掃除機
SUPPLEMENT-11 電気エネルギから運動エネルギへ
SUPPLEMENT-12 家庭用の単相モータ
SUPPLEMENT-13 周波数と家庭電化製品
4:室内照明機器
1・蛍光灯
SUPPLEMENT-14 インバータ
2・白熱電球
3・その他の照明器具
5:音響・映像機器
1・テレビ
SUPPLEMENT-15 家庭電化製品の部品
2・ビデオテープレコーダ
3・ビデオカメラ
4・ステレオ
5・CDシステム
6・ビデオディスク
7・ラジオ
8・自動焦点一眼レフカメラ
9・エレクトロニック写真
6:通信・情報機器
1・電話機
SUPPLEMENT-16 マルチメディア時代のデータ通信社会
2・コンピュータ
SUPPLEMENT-17 2進数
3・パソコン
SUPPLEMENT-18 ファジィ理論に基づく家電製品
7:文書関連機器
1・ワープロ
2・その他
8:美容・健康機器
1・美容機器
2・健康・衛生機器
3 衣生活環境に関する家電機械
1:縫製機器
SUPPLEMENT-19 機械要素
2:洗濯・乾燥機器
1・洗濯機
2・脱水機
3・衣服乾燥機
SUPPLEMENT-20 新素材
4・アイロン
SUPPLEMENT-21 身近な特許と実用新案
参考文献
索引
1:冷凍・冷蔵機器
1・電気冷蔵庫
2・その他の冷却方式
SUPPLEMENT-1 導体,絶縁体,半導体
SUPPLEMENT-2 フロンガスと地球環境問題
SUPPLEMENT-3 家庭電化製品のW数一覧
2:温蔵機器
1・温蔵庫
SUPPLEMENT-4 電気式発熱の原理
3:調理機器
1・ガスこんろ
2・電気こんろ
SUPPLEMENT-5 電気と電子
3・電子レンジ
SUPPLEMENT-6 電 波
4・炊飯器
SUPPLEMENT-7 温度制御
5・電磁調理器
6・トースタ
7・電気ポット
8・パーコレータ
9・その他
4:動力機器
1・ミキサ
2・ジューサ
SUPPLEMENT-8 必要と不要な家電製品
3・ディスポーザ
4・食器洗い機
5・その他
5:環境衛生機器
1・殺菌灯
2 住生活環境に関する家電機械
1:空調冷房機器
1・クーラ
SUPPLEMENT-9 家庭への電気供給
SUPPLEMENT-10 家電機械と省エネルギ
2・除湿機
3・扇風機
4・空気清浄機
2:暖房機器
1・室内暖房機器
2・加湿機
3・サーキュレータ
4・やぐらごたつ
5・電気毛布
6・保温洗浄便座
3:掃除機器
1・掃除機
SUPPLEMENT-11 電気エネルギから運動エネルギへ
SUPPLEMENT-12 家庭用の単相モータ
SUPPLEMENT-13 周波数と家庭電化製品
4:室内照明機器
1・蛍光灯
SUPPLEMENT-14 インバータ
2・白熱電球
3・その他の照明器具
5:音響・映像機器
1・テレビ
SUPPLEMENT-15 家庭電化製品の部品
2・ビデオテープレコーダ
3・ビデオカメラ
4・ステレオ
5・CDシステム
6・ビデオディスク
7・ラジオ
8・自動焦点一眼レフカメラ
9・エレクトロニック写真
6:通信・情報機器
1・電話機
SUPPLEMENT-16 マルチメディア時代のデータ通信社会
2・コンピュータ
SUPPLEMENT-17 2進数
3・パソコン
SUPPLEMENT-18 ファジィ理論に基づく家電製品
7:文書関連機器
1・ワープロ
2・その他
8:美容・健康機器
1・美容機器
2・健康・衛生機器
3 衣生活環境に関する家電機械
1:縫製機器
SUPPLEMENT-19 機械要素
2:洗濯・乾燥機器
1・洗濯機
2・脱水機
3・衣服乾燥機
SUPPLEMENT-20 新素材
4・アイロン
SUPPLEMENT-21 身近な特許と実用新案
参考文献
索引