やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに
 クラウンブリッジ補綴学は,歯の実質欠損や欠損に対して,生体に調和した人工材料を用いて歯の形態,機能,審美性を適切に回復し,患者の健康を維持,増進させることを目的としており,歯科臨床では高頻度治療の1つとしてあげられます.
 2018年に『クラウンブリッジ補綴学第5版』に準拠した歯科医師国家試験対策の参考書として上梓された本書の初版は,好評をもって迎えられ,今日まで刷を重ねて4刷に至っております.この間,デジタル技術の進歩や新しいメタルフリー材料の登場によりクラウンブリッジ補綴学の日常臨床は刻一刻と変化しており,歯学生には知識や情報のアップデートとその整理が求められます.
 このようなことを踏まえ,以下の点を考慮して本書の改訂を進めました.
 (1)標準的なクラウンブリッジ補綴学の教科書である『クラウンブリッジ補綴学第6版』に準拠し,要点を理解しやすいように表や図を新たに追加・修正した.
 (2)学術用語については,『歯科補綴学専門用語集第5版』(日本補綴歯科学会編)に準拠しつつ,歯科医師国家試験出題基準との整合性を図りながら,本書内で用語の統一をした.
 (3)すでにクラウンブリッジ診療で臨床応用されている新素材や新機材については,新たに追記した.
 (4)学生が出題範囲を把握するために本書の内容と最新の令和5年版歯科医師国家試験出題基準との対応表を加えた.
 本書が,これからも歯学生の卒前教育の教材として幅広く活用され,技術革新が進むクラウンブリッジ補綴学への理解がいっそう深まればこの上ない喜びです.
 2022年10月
 木本克彦
 星 憲幸
Chapter 1 総論
 I.クラウンブリッジによる治療の利点と欠点
 II.下顎位と下顎運動
 III.咬合
 IV.欠損による病態
 V.クラウンブリッジ補綴治療に必要な検査
 VI.クラウンブリッジの要件
Chapter 2 治療計画の立案
 I.クラウンブリッジ治療の流れ
 II.クラウンの種類と特徴
 III.ブリッジの種類と構成
 IV.クラウンブリッジ補綴治療の流れ
Chapter 3 臨床操作
 I.前処置
 II.支台築造
 III.支台歯形成
 IV.プロビジョナルレストレーション
 V.印象採得
 VI.顎間関係の記録と情報伝達
 VII.試適,装着
 VIII.術後管理
Chapter 4 技工操作
 I.作業用模型
 II.ワックスパターン(ろう型)形成(ワックスアップ)
 III.埋没,鋳造,研磨,ろう付け
 IV.CAD/CAM
 付録 歯科医師国家試験出題基準対応表
 文献
 索引