やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第7版の序
 本書は1981年にその初版が刊行された.その頃,わが国では歯科放射線学を系統的に扱った教科書は少なく,外国語の関連図書を参考にしながら,各大学で独自に資料を準備して講義や実習を行っていた.一方で,放射線医学の進歩や「歯科医学教授要綱」の度重なる改訂を経験する中で,歯科における放射線医学の標準的な教科書の必要性が高まってきた.最近では「歯科医師国家試験出題基準」が医療の進歩と高齢化社会などの時代を反映して定期的に見直されており,さらに,患者を対象とした臨床実習を始める前に,歯学生の能力を保証するための共用試験の公的化が始まろうとしており,その前提となる「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」の立案とその適切な運用には多大な労力が費やされてきた.
 こうした時代を反映して,本書も度重なる改訂を行って,2018年に第6版を刊行した.さらに昨今の医療技術の進歩はめざましく,医療情報のデジタル化,X線検出器の進歩,CT/MRIの高度化と応用範囲の拡大,超音波診断や核医学の発展,人工知能(AI)の医療への適用,がんの放射線治療機器の高精密化に伴う適応の拡大などがあり,これらは歯科・口腔領域における画像診断と放射線治療にも大いに影響を及ぼしている.今般の改訂ではこうした新たに得られた知識を積極的に取り入れるようにした.
 さて,わが国の歯科医療の大部分は個人経営の小規模な歯科医院が担っている.X線撮影の準備から画像の取得,そして読影までを一人の歯科医師が行うことが多い.この一連の作業の基本を,卒業前までに修得する必要があり,ここで口内法撮影の手技を詳細に解説する理由でもある.同時に,X線が身近で多用されるのも歯科医院の特徴であり,放射線の人体への影響から始まって,歯科医院における適切なX線の活用に至る広い見識が歯科医師には求められる.本書はこれらをその基本から理解できるように編集されている.
 卒業前の学生を対象として編んだ教科書ではあるが,卒後臨床研修と歯科放射線認定医・専門医レベルに対応できるように編集されている.したがって,使用にあたっては先達に相談しながら,適宜,取捨選択して学習されることが望まれる.本書が歯科医師を目指す学生諸君とすでに歯科医療を専門とする方にとっても,座右の書として活用されることを切に望む次第である.
 2024(令和6)年2月
 編集委員一同


第6版の序
 本書は,わが国の歯学部学生に幅広く利用される標準的な教科書として編集されている.いずれの章も,その領域の先端の先生方に執筆を 依頼し,その原稿を本書の編集担当者の合意で,必要に応じて加筆や修正をお願いすることにより,偏りや誤りのないように配慮されている.
 前回の改訂はおよそ5年前で,この間の放射線医学の進歩は目覚ましいものがあった.ことにデジタル系の普及,MRIの撮像技術の進歩とそれに伴う医学利用範囲の拡張,PETの普及と高精度化による顎口腔領域での臨床活用の拡大,がんの放射線治療技術の進化と適応の拡大,低線量放射線被曝の生体影響に関する基礎研究の進歩などに加え,歯科に特異的な分野として,歯科用コーンビームCTの普及と装置の高度化,これに伴いその活用法に変遷がみられたことである.今回の改訂では,特にこのような領域について,大幅な変更や追加がなされた.
 さて近年,歯科を含む医療分野では診療ガイドラインの概念が一般化した.ガイドラインは医師と患者がそれぞれの状況下で適切な意思決定が行えるよう支援するのがその役割である.したがって,ガイドラインは科学的な根拠に基づいていなければならず,Evidence-based Medicine(EBM)ともよばれる.放射線診療においても,画像診断と放射線治療に関わる数多くのガイドラインが提示されている.わが国の診療ガイドラインセンターともいうべきMindsは,医学系学会の編集したガイドラインを評価・選定してそのWebサイトに公開している.歯科診療ガイドラインは歯科放射線のそれも含めて,少数ではあるが掲載されている.これとは別に,欧米には歯科放射線に関わるガイドラインが数多く提示されており,歯科における画像診断を進めるときの参考になる.本書ではその点にも留意した.
 本書の読者の対象はこれまでもそうであったように,歯学部の学生諸君であるが,歯科臨床研修医や日本歯科放射線学会認定医・専門医を目指す諸君にも活用できるよう編集している.したがって,学生諸君にはやや高度な内容を含むことになるが,いずれは歯科医師として,あるいは医療を専門とする社会人として活躍することを考えれば,この程度の内容はいまの時点で把握しておいたほうがよいと考える.本書が将来を背負う諸君の座右の書として活用されることを切に願う次第である.
 2018(平成30)年1月
 編集委員一同


第5版の序
 本書が世に出てから,すでに30有余年が過ぎた.その間,疾病構造の変化や医療技術の進歩は医療サービスのあり方も含めて,医療・歯科医療に大きな変化をもたらした.一方で,わが国は未曽有の災害を体験し,包括的な医学・医療の重要性を再認識した.
 本書が5,6年ごとに改訂を重ねる理由でもあるが,「歯科放射線学」は医学・歯科医学の一分野として,社会の変化と無関係ではありえない.齲蝕や歯周疾患,歯の欠損や喪失といった歯科疾患においては,高齢者の増加や治療技術の向上とともに,診断法にも30年前とは異なった視点が求められ,同時により高い信頼度が求められている.一方,デジタル時代の到来以来,CTやMRI,核医学といった画像診断においても革新的な技術が開発されて医療に直接的に貢献し,今後もとめどなく進歩することが予想されている.このような技術革新は,人びとの健康増進と疾病予防・治療の改善に貢献してはじめて評価されるものであるが,そのためには数多くの質の高い臨床研究が同時に求められる.
 こうしてみると,医学・医療は若い学生諸君にとって,その身を投ずるに値するきわめて魅力的な分野だといえる.「歯科放射線学」はそのなかのほんの小さな一分野にすぎないが,そこには医学・医療を理解するために必要なさまざまな要素がちりばめられていることに気づくであろう.本書を編集するにあたって,執筆者の先生方には,それぞれの領域における最新の研究・診療成果を正確に反映するようにお願いした.それは本書をステップとして,学生諸君がいっそうの高みを目指してほしいからである.道しるべが曖昧では,無用な遠回りをしたり,場合によっては道を失うからである.
 いまの時代,さまざまな情報源があり,インターネットで適切なキーワードを検索すれば,数多くの情報を得ることができる.しかし,単純化しすぎたためにその本質を見失いかねない表現や,全く誤った内容が示されることもあり,時には意図的に一定の結論となるような偏った記述さえ見受けられる.そこで,学生諸君に望むことは,まずは情報を受け止めて,その後,これをじっくり吟味する余裕をもってほしいということである.こうした機会を重ねることで,人としての知性が育まれる.知性は医療人に求められる最も大切な素養の一つである.
 本書はわが国の歯学部学生を対象として書かれたものであるが,学生諸君のいっそうの学習を促す内容も含まれている.また,臨床研修医の参考書としても活用でき,歯科放射線認定医・専門医を目指すときの入門書としても利用できる.若い諸君の輝かしい未来に,本書が多少とも役立つことができれば,編者として大きな喜びである.
 2013(平成25)年9月
 編集委員一同


第4版の序
 本書は1982年初版の歴史ある書である.1995年,2000年と版を重ね,このたびの改訂で第4版となるが,その間,時代の第一人者の先生方が執筆されてきた.改訂のたびに時代の進歩を反映した新しい内容を加えるとともに,その質の充実を図ってきた.このたびの改訂の主眼も学生諸君にとって読みやすく,検索しやすいことと同時に,何よりも最新の情報を正確に記載することにあった.現在のカリキュラムでは,専門学問分野である「歯科放射線学」や「口腔放射線医学」として系統的な授業が行われているが,一方では,たとえば疾患別に各専門領域が参加する統合科目のなかで,画像診断や放射線治療が授業されることもある.また,学生の学習意欲を向上させるために,将来,歯科医師として出会うであろう事例をもとにした授業が行われるが,そのような授業では,放射線医療が断片的に提示されることとなる.したがって,歯科放射線医療・医学を系統的に学ぶ場合であっても,関連事項としてその一部を調べる場合であっても,その学習が効果的に行えるような工夫がこの種の教科書には求められる.また,学生の最大の関心ごとである共用試験のCBTやOSCE,歯科医師国家試験などの受験準備の学習にも役立つことも必要である.本書は以上のことも考慮して編集された.
 したがって,本書は歯科医師になるために必要な放射線医療・医学を学ぶための入門書であるが,初期臨床研修に必要な事項も含まれている.しかし,学生・臨床研修医としてさらに深くこの領域を学習する場合や歯科放射線診療の専門医を目指す場合には,専門分野の先生方の指導を仰いで,適切な書物を参照してほしい.本書の読者が生涯を通じて学習し続けることのできる思慮深い歯科医師になることを願う次第である.
 2006(平成18)年5月
 編集者一同


第3版の序
 歯科医学教育は,現在,「曲がり角」にきているといわれている.これはわが国だけではなく先進諸国に共通している.その背景には,(1)歯科の疾病構造が変化したこと,(2)口腔衛生に対する人々の意識が変化したこと,(3)歯科医学研究が進歩したこと,(4)歯科医師の数が過剰なこと,などがある.こうした状況の変化に対して教育そのものが,従来どおりの型でいいはずがない.そこで新しい歯科医学教育についての提言が様々な書籍や論文で数多くなされ,歯科医学を含む医学教育そのものについて,より状況に即した効率的な手法が提起されている.
 しかし,一方では大学には教育理念があり,それは大学の間でも異なっているため,新しい教育の目標やそこに到達する過程もまた異なったものとなるであろう.
 こういう状況での教科書とはどういうものになるのであろうか.教科書はいつの時代であっても,その時代における標準を示すものでなくてはならない.そこでは現時点で確立された概念を明確に示すことが重要である.同時に,近い将来において重要となるであろう事項についても言及すべきであろう.したがって「曲がり角」にきた歯科医学教育ではあるが,教科書としての役割には大きな変化はないということになるであろう.
 さて,歯学部の学生が理解しておくべき内容と範囲については,歯科医学教授要綱(歯科大学学長・歯学部長会議編集)が参考となる.しかし,要綱は基本概念とともに教授項目が示されているに過ぎない.したがって教える先生方は要綱を意識しながら,その先生の教育・臨床・研究の経験を背景にして,必要と判断した内容を教授することになる.そこには先生方の個性が反映されることになる.
 教科書を編集するときには,それぞれの領域で活躍されている数多くの先生方に執筆していただく.考え方がそれぞれの先生で異なるので,その編集では,どこかで調整をしなければならない.この教科書では初めての試みとして,各章の執筆をお二人の先生の共著となるように依頼した.また私ども編集者は著者の方に多くのご無理をお願いし,記述ができるだけ平易になるように書き足していただいたり,せっかく書いたものを削除させていただいたりした.このようにして,できる限りバランスのとれた教科書となるように努力したつもりである.その結果,(1)こうした変革の時代にふさわしく,(2)従来からの重要で基本的なことを重視しながら,(3)新しい項目を積極的に取り入れた「歯科放射線学」の教科書となった.
 学生諸君,臨床研修医諸君,一般臨床医の方々は,本書を座右におくことにより,歯科放射線学をより深く,確実に理解できるものと確信している.
 なお,本書の執筆にあたり,先人が残された数多くの資料や図表を積極的に利用させていただいた.本書への転載を了解していただいた内外の著者や出版社の方々に心より感謝の意を表したい.読者の皆さんには,それらの図表が誰のものかがその場でわかるようにするため,出典を明らかにしておいた.
 本書が多くの方々に利用されることを願って,序とさせていただく.
 2000(平成12)年7月1日
 レントゲンによるX線の発見から105年経った年に
 編集者一同


第2版の序
 進歩してやまない歯科医学のなかにあって,歯科放射線学のアンダーグラジュエートの成書として1982年に出版された本書も,十数年を経て改訂の必要が生じた.
 その準備が,従来の執筆者と新しくお願いした専門の方々とともに数年前から進んでいたが,最新の装置の進歩,放射線防護関連法規の改正など,時代の変遷に対応しているうちに月日が過ぎてしまった.また,その間に教育,研修面でも,厚生省関係の「歯科医師国家試験出題基準」が平成5年6月に改訂され,さらに平成6年4月には文部省関係の歯科大学学長会議「歯科医学教授要綱」が改訂されるなどの大きな改革があった.
 したがって,本書ではこれらの新しい基準に沿って内容を充実させ,編集を進めた.
 改訂では,とくにつぎの点に重点をおいた.
 (1)放射線物理的項目はできるだけ臨床に必要な知識とした.
 (2)新しい画像診断装置の項を増やした.
 (3)歯の画像診断の範囲を広げ,また顎骨病変では鑑別診断にも注意した.
 (4)放射線障害防止法は,平成元年4月から施行された医療法のほか,ICRP(国際放射線防護委員会)1990年勧告も一部取り入れた.
 (5)臨床実地的な画像診断と,最新の理学療法も参考として付した.
 いずれにしても,歯科放射線学は各科の診療に必要な検査資料を提供するための学問としてみられることが多い.しかし,医科の放射線学と同様,CT,MRI,超音波などの新しい装置,RIや造影手技のほか,これらを利用して得られた画像に対する診査,さらに放射線治療,レーザー治療など,歯科放射線学の担当する範囲は広くて奥深い.
 このため,歯科放射線学会でも専門医の必要性が注目されている.この意味も含めて本書が学生諸君の教科書にとどまらず,ポストグラジュエート研修のための参考書としてもみていただければ幸いである.
 平成7年4月
 古本啓一
 菊地 厚



 最近,歯科放射線学に関する成書が比較的多く出版されるようになった.これは放射線が臨床各科の診療体系の中で広く利用され,これに伴って診断的な面はもちろん,基礎的な面も網羅した歯科放射線の解説書が必要とされるようになったためといえる.
 また,X線を含めて画像診断の進歩は電離放射線,RI(放射性同位元素)のみならず,ME(医用電子)の領域まで拡大されており,放射線機器その他の最新の診療機器に対する広い知識が今日的に必要となり,さらに,放射線障害防止の問題が社会的にも注目され,当然のことながら放射線の管理措置なしでは,放射線の利用ができなくなった現状も注意しなければならないことである.
 一方,これらの諸点は大学の歯科放射線学のカリキュラムの面を通して歯科医師国家試験にも反映されているため,本書はとくにアンダーグラジュエートの知識を習得する意味で,教科書的な構想のもとで企画された.
 もっとも,大学では教科書がすべてではなく,むしろ各教授のオートノミイが尊重されることが大切であり,このため,各執筆者には比較的専門とされる分野を担当していただくこととなったが,執筆の進んだ段階で各章が個性に富んだものとなった.このことは,本書の一つの特徴ともいえる.いずれにしても,現時点における大学の教授要綱にのっとったすべてが展開されているはずである.
 その他の特徴として……,
 1)基礎的な章は,歯科放射線学の根幹となるものであり,このためポストグラジュエート的な事項を含めて,詳記した.
 2)良いX線撮影フィルムを得るため,X線撮影法,現像操作の理論的な面のみならず具体的な面も含めた.
 3)放射線治療,核医学などの放射線医学のうち関係事項を包含した.
 4)歯学は全身の一環であるため,隣接医学の一端にもふれた.
 なお,用語については“スタフネ口腔X線診断学“,“口腔X線診断図譜”の中で用いられている専門語を参照した.
 本書は編集責任者のほか,東与光,黒柳錦也,前多一雄,尾澤光久,山本昭(ABC順)の各教授の分担によるものであるが,その他多くの人たちの協力でまとめられたものであり,諸先生方の御尽力に心から厚く感謝申し上げます.また,企画,製作にあたって終始お世話をいただいた医歯薬出版株式会社に深く感謝します.
 なお,記述にあたっては多くの諸先輩の著者に負うところが大きく,巻末にそれらの一部を記載し,あらためて感謝の意を表した.
 学問は日進月歩であり,一日として止まるところを知らないとさえいえる.本書も今後改訂を重ね歯科放射線学の進歩と歩を合わせながら発展して行きたいと思っている.アンダーグラジュエートの座右書として,学生諸君あるいは一般歯科医の方々のために本書が役立てば誠に幸いである.
 昭和56年11月8日
 古本啓一
 菊地 厚
第1章 放射線と歯科医療
 1 放射線と医療(岡野友宏)
  1)はじめに
  2)X線の発見とX線撮影の進歩
  3)X線単純撮影法とその展開
  4)二次元から三次元画像,そして機能診断
  5)放射線によるがんの治療
  6)歯科における放射線医学の発展
  7)放射線診療の専門化
 2 歯科放射線学の教育ガイドライン(角 忠輝)
第2章 放射線とその性質
 1 放射線の物理(渡邊 裕)
  1)原子の構造
   (1)ボーアの原子モデル
   (2)原子の表し方
   (3)原子の大きさ
  2)放射線
   (1)励起と電離
   (2)放射線の主な種類と分類
  3)放射性壊変
   (1)原子核壊変の様式
   (2)放射能
  4)X線とその発生
   (1)制動X線
   (2)特性X線
 2 放射線の量・単位とその測定(渡邊 裕)
  1)線量とその単位
   (1)カーマ(J kg-1,Gy)
   (2)照射線量(C kg-1,R)
   (3)吸収線量(J kg-1,Gy)
  2)線量の測定
   (1)気体の電離を利用した測定器
   (2)半導体検出器(semiconductor detector)
   (3)シンチレーション計数器(scintillation counter)
   (4)蛍光ガラス線量計(radiophotoluminescence glass dosimeter)
   (5)光刺激ルミネセンス線量計(optically stimulated luminescence dosimeter:OSLD)
   (6)写真フイルム(photographic film)
  3)モニタリング用の測定器
   (1)環境モニタリング
   (2)個人モニタリング
  4)放射線防護に関する量
   (1)等価線量(J kg-1,Sv)
   (2)実効線量(J kg-1,Sv)
 3 放射線の生物学的影響(三浦雅彦・佐々木武仁)
  1)放射線影響発現過程
   (1)物理学的過程
   (2)化学的過程
   (3)生物学的過程
  2)細胞に対する影響
   (1)細胞死の発現
   (2)細胞生存率曲線
   (3)細胞損傷からの回復
   (4)細胞致死効果の修飾因子
   (5)細胞死および突然変異の機構
  3)組織および臓器に対する放射線影響
   (1)組織幹細胞の放射線感受性
   (2)早期組織反応
   (3)晩期組織反応
   (4)放射線治療における正常組織反応
   (5)急性放射線症候群
 4 人体に対する放射線影響(島田義也)
  1)放射線影響の分類
  2)組織反応(確定的影響)と確率的影響
   (1)組織反応(確定的影響)
   (2)確率的影響
  3)低線量放射線被曝の疫学調査
   (1)原爆被爆
   (2)チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故
   (3)小児CT(分割被曝)
   (4)胎児検査による被曝
  4)歯科放射線のリスク
 5 医療における放射線防護(岡野友宏)
  1)放射線の線源別にみた被曝線量
  2)医療における被曝
  3)放射線防護の考え方
  4)医療被曝の管理と防護
  5)患者被曝低減への最近の活動
  6)医療従事者の防護
   (1)環境の管理
   (2)個人の管理
  7)病棟や在宅診療におけるX線撮影
第3章 X線投影画像の形成
 1 X線撮影装置とX線像の形成(原田卓哉・岡野友宏)
  1)X線撮影装置
  2)X線と生体との相互作用:被写体コントラストの形成
   (1)X線と物質との相互作用
   (2)被写体コントラストの形成
  3)散乱線とその除去
  4)X線の投影と画像への影響
   (1)像の拡大
   (2)ひずみ
   (3)半影
   (4)接線効果
   (5)重積
 2 デジタル撮影
  1)デジタル画像の形成(勝又明敏)
   (1)画素
   (2)標本化と量子化
   (3)解像度と空間分解能
   (4)コントラスト分解能(濃度分解能)
   (5)デジタル画像のデータ量
   (6)画像データの種類
  2)歯科用デジタルX線画像診断システム(勝又明敏)
   (1)デジタルX線システムの構成
   (2)歯科用デジタルX線画像診断システムの特徴
  3)半導体X線検出器(勝又明敏)
   (1)半導体X線検出の原理
   (2)歯科口内法撮影用半導体検出器
   (3)フォトンカウンティング検出器
  4)イメージングプレートX線検出器(勝又明敏)
   (1)イメージングプレートの原理
   (2)歯科用イメージングプレートシステム
  5)デジタル画像の観察(吉浦一紀)
  6)デジタル画像の画質とその評価(吉浦一紀)
   (1)物理的画質
   (2)診断学的画質
 3 フィルムによる撮影(松田幸子)
  1)X線フィルム
  2)蛍光増感紙
  3)X線写真処理
  4)写真濃度と照射線量の関係
  5)X線写真処理の実際
   (1)処理の手順
   (2)自動現像処理
  6)X線写真の観察
第4章 X線撮影法と画像検査
 1 口内法X線撮影(小林 馨・五十嵐千浪)
  1)歯科口内法用X線装置
   (1)ヘッド
   (2)操作パネル
   (3)支柱,アーム
  2)投影の原則
  3)撮影の実際
   (1)頭部の固定
   (2)検出器の位置づけ
   (3)投影角度の決定
  4)咬翼法
  5)咬合法
   (1)撮影法
   (2)X線画像
  6)小児の口内法X線撮影
  7)口内法X線画像:歯と周囲組織X線像の正常解剖
   (1)歯と歯周組織
   (2)口内法X線画像に描出される周囲の構造物
 2 パノラマX線撮影(勝又明敏)
  1)撮影の原理とX線装置
   (1)細隙撮影(スキャノグラム)
   (2)断層撮影(トモグラフィ)
   (3)回転運動
   (4)断層域
  2)障害陰影
   (1)ゴーストイメージ
   (2)アーチファクト
   (3)前歯の不鮮明な画像
   (4)適切なパノラマX線画像と位置づけ不良の画像
  3)パノラマX線撮影の実際
   (1)撮影準備
   (2)患者位置づけ
   (3)撮影(X線照射)
  4)パノラマX線画像の正常解剖
  5)パノラマX線撮影のバリエーション
   (1)顎関節パノラマ四分割撮影
   (2)歯列直交撮影
   (3)パノラマトモシンセシス法
   (4)部分パノラマ撮影
 3 歯科用コーンビームCT
  1)歯科用コーンビームCTの原理と構成(新井嘉則)
  2)歯科用コーンビームCTの撮影と適応(新井嘉則)
   (1)撮影
   (2)適応
   (3)撮影条件の最適化
  3)ボリュームデータの取り扱い(荒木和之)
   (1)多断面画像再構成法(multiplanar reformation;MPR)
   (2)サーフェスレンダリング(surface rendering;SR,shaded surface display;SSD)
   (3)ボリュームレンダリング(volume rendering;VR)
   (4)最大値投影法(maximum intensity projection;MIP)
   (5)レイサム法(ray sum)
 4 顔面頭蓋部撮影(櫻井 孝・泉 雅浩)
  1)体位・基準線と投影法
   (1)撮影体位・X線投影方向・基準線(面)
   (2)投影法
  2)顔面頭蓋部X線撮影装置と検出器
  3)頭部後前方向撮影(postero-anterior projection;P-A投影法)
   (1)目的
   (2)撮影法
  4)Waters撮影法(Waters' projection)
   (1)目的
   (2)撮影法
  5)頭部X線規格撮影法(cephalometric radiography;cephalography)
  6)顎関節の撮影
   (1)側斜位経頭蓋撮影法(lateral oblique transcranial projection)
   (2)眼窩下顎枝方向撮影法(orbitramus projection,眼窩下顎頭方向撮影法;orbitocondylar projection)
 5 X線断層撮影法(荒木和之)
  1)X線断層撮影法の原理
  2)トモシンセシス
 6 造影検査(久富美紀)
  1)造影検査とは
  2)造影剤とその有害事象
   (1)造影剤
   (2)有害事象
  3)口腔顎顔面領域における適用
 7 CT(コンピュータ断層撮影)
  1)CTの原理と装置(西山秀昌)
  2)CT値(西山秀昌)
  3)CT像の表示(西山秀昌)
  4)CTでのピクセル,ボクセルと部分容積効果(西山秀昌)
  5)アーチファクト(西山秀昌)
  6)造影CT(筑井 徹)
  7)CTの適応(筑井 徹)
 8 MRI
  1)MRIの原理(亀田浩之・箕輪和行)
   (1)核スピンと水素原子核
   (2)核磁気共鳴反応と緩和現象
   (3)画像構成法(イメージング)
   (4)パルスシークエンス
   (5)k空間
  2)MRIの画像コントラストと画像診断(亀田浩之・箕輪和行)
   (1)画像コントラスト
   (2)物質の弁別
   (3)脂肪抑制像
   (4)造影検査
   (5)拡散強調像
   (6)アーチファクト
  3)MRIによる検査(後藤多津子・泉 雅浩)
   (1)MRI装置の成り立ち
   (2)MRI装置の設置
   (3)MRI検査の注意事項
  4)MRIの適応(後藤多津子・泉 雅浩)
   (1)MRIの利点
   (2)MRIの欠点
  5)症例(後藤多津子・泉 雅浩)
  6)その他のMRI(後藤多津子・泉 雅浩)
   (1)MRA(MR Angiography)
   (2)MR spectroscopy
   (3)機能的MRI(functional MRI)
  7)MRIの展望(後藤多津子・泉 雅浩)
 9 CT,MRIの顔面・頸部の正常解剖〔(間)隙を含む〕(森本泰宏・小田昌史)
 10 超音波検査法(US)(林 孝文)
  1)周波数・音速・音響インピーダンス
  2)反射・散乱・透過・減衰
  3)超音波の発生と超音波診断装置
   (1)超音波の発生と送受信
   (2)分解能
   (3)表示モード
  4)超音波所見とアーチファクト
   (1)反射と内部エコー,スペックルパターン
   (2)音響陰影,外側陰影,後方エコー増強
   (3)多重反射,サイドローブ
  5)ドプラ法(ドプラモード)
  6)ハーモニックイメージング
  7)エラストグラフィ
  8)超音波診断の適応
 11 核医学検査
  1)シンチグラフィ・シングルフォトンエミッションCT<SPECT>の原理と装置(小椋一朗)
  2)ポジトロンエミッション断層撮影法(PET)の原理と装置(中村 伸)
  3)口腔顎顔面領域における適応
   (1)骨シンチグラフィ・骨SPECT(小椋一朗)
   (2)唾液腺シンチグラフィ・唾液腺SPECT(小椋一朗)
   (3)PETによるがんの検査(中村 伸)
   (4)核医学検査の被曝線量(小椋一朗・中村 伸)
 12 interventional radiologyと内視鏡(中山英二)
  1)歯科におけるinterventional radiology
  2)歯科における内視鏡検査
 13 画像検査における医療安全(勝又明敏)
  1)医療安全管理と画像検査
  2)画像診断装置の安全管理
  3)画像の品質管理
  4)X線撮影時の感染対策
   (1)感染対策の考え方
   (2)口内法X線撮影の感染対策
   (3)歯科用デジタルX線撮影の感染防止
   (4)口外法X線撮影およびほかの画像検査時の感染防止
 14 医療情報とデジタル画像の統合(田中良一)
  1)診療録などの電子化
  2)医療情報システムと病院情報システム
  3)医療情報システムの標準化
  4)DICOM標準規格による画像および画像通信の標準化
  5)医療情報の統合
  6)遠隔画像診断
第5章 画像診断
 1 診断入門
  1)診療における意思決定過程(岡野友宏・小林 馨)
  2)診断学における正確度(岡野友宏・小林 馨)
   (1)正診と誤診
   (2)診断の適中度
   (3)観察者動作曲線を利用した正診度の評価
  3)口腔疾患におけるX線検査法の選択とその基準(岡野友宏・小林 馨)
   (1)齲蝕
   (2)歯周疾患
   (3)歯内療法
   (4)歯科矯正治療
   (5)炎症性ないし顎骨の腫瘤性病変
   (6)上顎洞の病変
   (7)顎関節の疾患
   (8)唾液腺の病変
  4)X線画像の読影(岡野友宏・小林 馨)
   (1)読影の原則
   (2)口内法X線画像の観察
   (3)パノラマX線画像の観察
  5)X線画像所見の表現(岡野友宏・小林 馨)
   (1)部位
   (2)大きさ
   (3)形
   (4)境界と辺縁
   (5)内部
   (6)周囲構造への影響
  6)コンピュータ支援による画像診断(有地淑子)
   (1)コンピュータ支援検出/診断(computeraided detection/diagnosis)
   (2)医科領域でのCAD適応例
   (3)歯科放射線領域でのCAD適応
   (4)人工知能(artificial intelligence;AI)
   (5)ディープラーニング(deep learning,深層学習)
   (6)ディープラーニングによる画像認識タスク
   (7)画像生成系AI
   (8)AI開発の方向性
 2 齲蝕(河合泰輔)
  1)齲蝕とその画像検査法
  2)齲蝕のX線検査と画像所見
   (1)齲蝕のX線検査法
   (2)齲蝕の画像所見
   (3)歯根面の齲蝕(根面齲蝕)
   (4)乳歯の齲蝕
 3 歯髄・根尖病変と歯内療法(飯久保正弘・小嶋郁穂)
  1)歯髄・根尖病変と画像検査法
  2)歯髄・根尖病変の画像所見
   (1)歯髄の画像所見
   (2)根尖病変の画像所見
  3)歯内療法におけるX線画像の活用
   (1)治療計画の立案と歯内療法の適応
   (2)根管長の測定
   (3)経過観察
   (4)歯科用コ-ンビ-ムCTの活用
 4 歯周疾患(鬼頭慎司・大祐聖・酒井(井澤)真希)
  1)歯周病と画像検査法
   (1)口内法エックス線画像
   (2)パノラマエックス線画像
   (3)歯科用コーンビームCT
   (4)全身用CT
   (5)MRI
   (6)18F-FDG-PET/CT
  2)歯周疾患の画像所見
 5 歯の異常(松本邦史・新井嘉則)
  1)数の異常
   (1)歯数の過剰(過剰歯)
   (2)歯数の不足(無歯症)
   (3)歯根の数の異常
  2)形および大きさの異常
   (1)形の異常
   (2)大きさの異常(巨大歯,矮小歯)
  3)形成異常
   (1)エナメル質の形成異常
   (2)象牙質の形成異常
   (3)歯牙異形成症
  4)萌出の異常
   (1)萌出時期の異常
   (2)萌出状態の異常
  5)歯の退行性変化
   (1)象牙粒(歯髄結石)
   (2)新生象牙質
   (3)歯の内部吸収,外部吸収
 6 顎骨とその周囲の炎症(有地淑子・有地榮一郎)
  1)画像診断の役割
  2)顎骨の炎症
   (1)急性期・亜急性期の骨髄炎
   (2)慢性期の骨髄炎
   (3)薬剤関連顎骨疾患
   (4)放射線性骨壊死
  3)顎骨の周囲軟組織の炎症
   (1)蜂窩織炎と膿瘍
   (2)外歯瘻・内歯瘻
   (3)歯性感染の顎骨周囲軟組織への進展
   (4)皮下気腫
   (5)肉芽腫性炎
 7 顎骨の嚢胞・腫瘍(有地榮一郎・小林 馨・有地淑子)
  1)画像検査法
  2)嚢胞
   (1)炎症性歯原性嚢胞
   (2)歯原性ならびに非歯原性発育性嚢胞
  3)歯原性腫瘍
   (1)歯原性悪性腫瘍
   (2)良性上皮性歯原性腫瘍
   (3)良性上皮間葉混合性歯原性腫瘍
   (4)良性間葉性歯原性腫瘍
  4)骨・軟骨腫瘍
   (1)悪性顎顔面骨腫瘍ならびに軟骨腫瘍
   (2)良性顎顔面骨腫瘍ならびに軟骨腫瘍
  5)線維性骨ならびに骨軟骨腫様病変
   (1)骨形成線維腫
   (2)線維性異形成症
   (3)セメント質骨性異形成症
  6)巨細胞病変と骨嚢胞
   (1)中心性巨細胞肉芽腫
   (2)ケルビズム
   (3)動脈瘤様骨嚢胞
   (4)単純性骨嚢胞
  7)その他の腫瘍性病変
   (1)血管腫
   (2)神経鞘腫
   (3)ランゲルハンス細胞組織球腫症
  8)その他の病変
   (1)静止性骨空洞
   (2)骨硬化症,内骨症,外骨症
 8 口腔・頸部の軟組織疾患(林 孝文)
  1)口腔・頸部の解剖
  2)画像診断法
  3)嚢胞
   (1)ラヌーラ(ガマ腫)
   (2)類皮嚢胞,類表皮嚢胞
   (3)鰓嚢胞
   (4)甲状舌管嚢胞
  4)良性腫瘍
  5)リンパ節の疾患
   (1)リンパ節の構造
   (2)頸部リンパ節の解剖(分類)
   (3)頸部リンパ節の疾患
   (4)頸部リンパ節の画像診断
 9 口腔領域の悪性腫瘍
  1)はじめに(林 孝文)
   (1)疫学
   (2)病期分類
  2)上皮性悪性腫瘍(林 孝文)
   (1)扁平上皮癌
   (2)腺系の癌
   (3)遠隔転移の診断
  3)非上皮性悪性腫瘍(中山英二)
   (1)未分化多形肉腫(undifferentiated pleomorphic sarcoma)
   (2)骨肉腫(osteosarcoma)
   (3)軟骨肉腫(chondrosarcoma)
   (4)横紋筋肉腫(rhabdomyosarcoma)
   (5)形質細胞腫瘍(plasma cell tumour)
   (6)悪性黒色腫(malignant melanoma)
   (7)悪性リンパ腫(malignant lymphoma)
  4)転移性腫瘍(中山英二)
 10 唾液腺の病変(角 美佐・高木幸則)
  1)唾液腺の解剖
   (1)大唾液腺
   (2)小唾液腺
  2)正常唾液腺のCTおよびMR像
   (1)CT像
   (2)MR像
  3)唾液腺腫瘍
   (1)唾液腺腫瘍の発生部位
   (2)唾液腺腫瘍の組織型
   (3)唾液腺腫瘍の画像診断
   (4)代表的な唾液腺腫瘍
  4)唾液腺の嚢胞
   (1)ラヌーラ(ranula)
   (2)リンパ上皮性嚢胞(lymphoepithelial cyst)
  5)唾液腺の炎症
   (1)感染性唾液腺炎
   (2)唾石症(sialolithiasis)
   (3)Sjogren症候群(Sjogren syndrome)
   (4)IgG4関連涙腺・唾液腺炎(IgG4-related dacryoadenitis and sialadenitis:IgG4-DS)
 11 顎関節の病変(小林 馨・五十嵐千浪)
  1)顎関節の解剖
  2)顎関節の疾患
   (1)外傷
   (2)炎症
   (3)腫瘍および腫瘍類似疾患
   (4)先天異常・発育異常
   (5)顎関節強直症
   (6)顎関節症
   (7)進行性(特発性)下顎頭吸収
   (8)開口制限を生じるその他の疾患
 12 上顎洞の病変(金田 隆)
  1)上顎洞の解剖
  2)上顎洞の各画像検査法のポイント
   (1)口内法およびパノラマX線検査のポイント
   (2)上顎洞の単純X線検査
   (3)上顎洞のCT検査(CBCT検査も含む)のポイントと正常像
   (4)上顎洞のMRI検査のポイントと正常像
  3)上顎洞の正常画像解剖
   (1)パノラマX線検査
   (2)P-A投影法およびWaters撮影法
   (3)上顎洞の正常CTおよびMRI
  4)代表的な上顎洞疾患の画像所見
   (1)上顎洞炎
   (2)上顎洞の真菌症
   (3)貯留嚢胞
   (4)術後性上顎嚢胞
   (5)上顎洞に進展した歯原性嚢胞
   (6)上顎洞の良性腫瘍等
   (7)悪性腫瘍
  5)歯科医師として知っておくべき耳鼻科領域の内視鏡手術
  6)歯科インプラント時のサイナスリフト
 13 歯と顎骨の外傷(田中達朗・勝又明敏)
  1)画像検査の選択と適応
  2)歯と歯槽骨の外傷
  3)顎・顔面の外傷
   (1)下顎骨の骨折
   (2)顔面・上顎骨の骨折
   (3)顎関節の骨折
   (4)外傷の経過と予後
 14 顎骨に異常をきたす主として全身に関連する疾患(有地栄一郎・飯久保正弘・小嶋郁穂)
  1)内分泌障害・代謝障害
   (1)副甲状腺機能異常
   (2)甲状腺機能異常
   (3)副腎機能異常
   (4)下垂体機能異常
  2)骨系統疾患・症候群
   (1)鎖骨頭蓋骨異形成症(鎖骨頭蓋異骨症)
   (2)大理石骨病
   (3)McCune-Albright症候群(多骨性線維性異形成症)
   (4)骨形成不全症
   (5)第一第二鰓弓症候群
   (6)下顎顔面異骨症(Treacher-Collins症候群)
   (7)頭蓋顔面異骨症
   (8)口腔・顔面・指趾症候群(OFD症候群)
   (9)基底細胞母斑症候群
   (10)家族性大腸ポリープ症
   (11)Robinシークエンス(Pierre Robin症候群)
   (12)Papillon-Lefevre症候群
   (13)von Recklinghausen病
   (14)外胚葉異形成症
   (15)軟骨形成不全
   (16)ガーゴイリズム,Hurler症候群
   (17)Down症候群
   (18)ピクノディスオストーシス
  3)その他の疾患
   (1)くる病と骨軟化症
   (2)骨ページェット病
   (3)SAPHO症候群
 15 歯と顎の成長とその障害(香川豊宏)
  1)歯の発育年齢
  2)骨の発育年齢
  3)頭部X線規格撮影法による計測
  4)顎骨の成長障害
 16 加齢に伴う変化(田口 明)
  1)骨と血管の変化
   (1)骨の変化と骨粗鬆症
   (2)血管の変化と動脈硬化
  2)パノラマX線画像による骨粗鬆症および動脈硬化の評価法
   (1)骨粗鬆症の評価法
   (2)動脈硬化の評価法
 17 摂食嚥下機能の評価と診断(勝又明敏・飯田幸弘)
  1)嚥下機能の評価法
  2)ビデオ嚥下造影(VF)検査の方法
  3)VF画像の解釈
  4)誤嚥性肺炎
 18 歯科インプラントの検査(内藤宗孝)
  1)歯科インプラントとその適応
  2)歯科インプラントにおけるX線検査法
   (1)初診時のX線撮影
   (2)歯科インプラント術前画像検査法
   (3)歯科インプラント埋入後の検査
   (4)経過観察
 19 胸部X線画像:全身との関わり(田中良一)
  1)胸部正常画像
  2)胸部異常像の診断
第6章 がんの放射線治療
 1 腫瘍に対する放射線の作用(三浦雅彦)
  1)固形腫瘍の組織構造と癌幹細胞の特性
   (1)固形腫瘍の組織構造
   (2)血管新生
   (3)癌幹細胞モデル
  2)固形腫瘍の放射線感受性
   (1)固形腫瘍の治癒率
   (2)腫瘍の放射線感受性に影響を与える因子
 2 放射線治療の概念と治療機器(村上秀明)
  1)放射線治療とは
  2)放射線治療の目的
   (1)根治的放射線治療
   (2)緩和的放射線治療
  3)放射線治療の方法
   (1)外部照射法
   (2)小線源治療
   (3)RIを用いた内用療法
  4)有害事象の軽減と照射の精度を高める技術
   (1)多分割コリメータ(Multi-leaf collimator;MLC)
   (2)強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy;IMRT)
   (3)画像誘導放射線治療(Image Guided Radiation Therapy;IGRT)
  5)放射線併用療法
   (1)抗癌剤などとの併用療法
   (2)手術との併用療法
 3 頭頸部放射線治療の実際(柿本直也)
  1)頭頸部癌
  2)口腔癌
   (1)口唇癌
   (2)頬粘膜癌
   (3)歯肉癌
   (4)硬口蓋癌
   (5)舌癌
   (6)口底癌
  3)口腔隣在組織癌
   (1)上顎洞癌
   (2)唾液腺癌
  4)頸部リンパ節転移
 4 放射線治療に伴う有害事象と患者の管理(勝良剛詞)
  1)放射線治療に伴う副作用
   (1)有害事象と組織の放射線感受性
   (2)口腔領域の有害事象
  2)頭頸部放射線治療患者の歯科治療・口腔管理
   (1)口腔管理の目的
   (2)頭頸部放射線治療患者における口腔管理の実際
   (3)放射線治療後の歯科治療での注意点
第7章 法歯学と歯科X線画像
 (橋本正次)
  1)法歯学におけるX線画像の役割
  2)個人識別とX線画像
   (1)歯科的検査
   (2)歯科的個人識別
  3)X線画像を用いた個人識別事例
   【事例1】大地震被害者の個人識別
   【事例2】事件被害者の個人識別
   【事例3】白骨死体の歯科的特徴の比較による個人識別
   【事例4】白骨死体の特徴的な補綴装置による個人識別
   【事例5】身元不明死体の解剖学的な特徴による個人識別
  4)骨のX線撮影方法

 付表
 参考文献
 索引