第7版の序
本書『現代歯科薬理学』は,歯科薬理学の標準的な教科書として昭和54年に初版が発行された.その後,多くの歯学生に教科書あるいは参考書として利用され,最新の薬理学および関連分野の進歩を取り入れて版を重ねてきた.直近の改訂は平成30年の第6版であり,時代の要請にあわせて大幅な改訂が行われた.しかし,薬理学の進歩と歯科医学を取り巻く環境の変化は早く,記載内容も新しい薬物療法に対応できなくなってきたことから,第7版が企画された.
学生,あるいは臨床に携わる歯科医師からも薬理学の教科書はとっつきにくいと思われがちなので,少しでもわかりやすく臨床につながる教科書にしたいと考え,編集にあたった.基本的には現在使用されている薬物について記載しているが,歴史的な重要性がある薬物や薬理学の実習などで使用されている薬物については記載を残した.薬理学に初めて接する学生が学びやすい順序を重視し,これまでの『現代歯科薬理学』とはかなり異なる章立てとした.薬理学総論と薬理学各論のみとし,歯科薬理学各論を廃したが,歯科薬物療法に直結する章として「口腔内科治療に用いる薬物」を加え,多くの章で歯科臨床との関連や臨床コラムを記載した.さらに,「ゲノム薬理学と医療ビッグデータの活用」,「臨床薬理学」,「薬物と法律」,「代謝性疾患治療薬」,「鎮痛薬」などの章を新設した.執筆は第6版と同様に,歯科大学・歯学部において薬理学教育の先頭に立っておられる先生がたにお願いし,最新の知見を加えつつ学生にとってわかりやすい教科書となるような記述をお願いした.
本書の内容は歯科医師国家試験出題基準(令和5年度)および歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)など,日本の歯学教育の基準となるべき提言に沿っている.これらの提言に関連する項目がわかりやすいように国試コラムとして各章末にまとめた.また,最近の歯科医師国家試験で出題された語句は索引にてゴシックで強調したので,勉学の参考にしていただきたい.さらに,以前に増して和漢薬が注目されていることから.本書では歯科適応以外の和漢薬に関しても記載を広げた.
本書は,歯学生の教科書としてだけでなく,歯科医師をはじめ医療従事者として活躍されている方がたの参考となるように,歯科臨床との関係を可及的に記載した.また,薬物相互作用や副作用なども含め歯科臨床と関連の深い薬物については,巻末に付表「主な商品名一覧」として商品名と薬物名との対照表にまとめた.さらに,本書で取り扱う薬物のうち代表的な薬物は,付表「主な掲載薬物一覧」にまとめ,薬物一般名と慣用的な略称との関係もわかりやすく記載した.索引では,薬物が記載されているページをできる限り網羅し,特に詳細に記載されているページはゴシックで明示した.学生ならびに医療従事者の方がたの座右に本書を置いて活用いただければ望外の喜びである.
最後に,第7版はこれまでの『現代歯科薬理学』の延長にある.歴代の編集委員,執筆にあたった各位に深甚なる謝意を表する.
令和5年12月
編集委員
鈴木邦明 兼松 隆
戸苅彰史 筑波隆幸
青木和広 八田光世
補遺
『現代歯科薬理学』初版〜第7版:発刊,改訂にかかわる編集方針などの概略
本書の初版は1979年8月に発刊された.歯学部における薬理学教育を一層充実させる目的で,同学の士の賛同を得て本書の刊行が企図された.初版では,昭和42年改訂歯科大学学長会議,歯学教育問題調査会編“歯科薬理学教授要綱“(これは主として歯科臨床で繁用される薬物に関するもの)ならびに昭和48年,全国歯科大学・歯学部の薬理学講座担当教官の合意によって補訂した“歯科薬理学教授要綱”に準拠して一応の内容項目の選定が行われた.各項目は,それぞれの専門分野にしたがって分担執筆されており,現代の歯科薬理学の水準が把握されるように工夫され,歯学における薬理学教育の大先達の岡田正弘先生(日本学士院会員)より「Goodman-Gilmanに匹敵する“現代歯科薬理学”が生まれた」との序文を賜った.編集責任者は,小椋秀亮(当時,東京医科歯科大学教授),小倉保己(当時,東北大学教授)である.
第2版は初版から10年を経て1989年6月に発刊された.昭和59年改訂の歯学教授要綱(歯科大学学長会議 歯学教授要綱改訂委員会)に掲げられている歯科薬理学教授要綱の教授項目に準拠したかたちで編集されたものである.また昭和61年6月に第十一改正日本薬局方が公布されたので,これに基づいて薬物名を統一した点,および当時厚生省において進められていた歯科口腔用剤の再評価が従来臨床で使用されてきた多くの歯科用医薬品に及んできたので,その再評価結果を取り入れて編集作業が行われている点も特色といえる.オータコイド,救急用薬剤,ホルモン,ビタミンなどの多くの新項目が追加された.編集責任者は初版と同じく小椋,小倉の2教授である.
第3版は第2版から9年を経て1998年3月に発刊された.平成6年に改訂された『歯科大学学長会議/歯科医学教授要綱,歯科薬理学』の教授項目に準拠したかたちで編集されていることと,平成8年4月に公布された第十三改正日本薬局方に基づいて薬物名を原則的に統一されている.また,各専門領域から新しい分担執筆者に加わっていただき,従来からの執筆者の分担領域を一部変更し,さらに歯科臨床的視点からの解説も加えられた.編集責任者は,小椋と,新たに加藤有三(当時,長崎大学教授),篠田 壽(当時,東北大学教授)が加わった.
第4版は第3版から7年を経て2005年9月に発刊された.この間,「歯科医学教授要綱」の大改訂,「歯科医師国家試験出題基準」の4回目の改訂,平成13年3月に提出された「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の報告に基づいたモデル・コア・カリキュラムの設定,ならびに平成17年度からのCBT試験実施が予定された.これらの教育環境の変化に適切に対応した.また,時代背景として歯科臨床において,齲蝕予防の進展による齲蝕の減少,高齢者や全身性疾患を伴う患者の増加などに対応して大きく変化しつつあり,従来にも増して全身管理の知識を深めることが,歯科医師に対して強く求められた.時代の要請に沿うべく,2つの新しい章「ゲノム薬理」,「組織再生と薬物」を設けた.また,実験薬理学に関する代表的薬物は積極的に収載したが,特に臨床に使われる薬物については,現在わが国で実際に臨床適用されている薬物を中心に収載した.編集委員は,小椋,加藤,篠田と,新たに大谷啓一(当時,東京医科歯科大学教授)が加わった.
第5版は第4版から7年を経て2012年2月に発刊された.「歯科医学教育モデル・コア・カリキュラム:教育内容ガイドライン(平成19年版)」をベースに項目立てを行ったと同時に,平成17年度より実施されている「臨床実習前の共用試験(CBT試験)」への標準的な学習・知識を提供できる内容となっている.さらに,平成19年に大幅な改訂が行われた「歯科医学教授要綱」の薬理学(生体と薬物)の内容を最大限に盛り込んだ.平成22年版「歯科医師国家試験出題基準」への対応も行った.当時の歯学教育の基準となるべきこれらの提言を全て吸収し学習項目の整理を行った.また,歯科臨床薬理学とも言うべき「医薬品適用上の注意」に関して充実させ,学生諸氏が臨床現場において薬物応用の基礎知識を得られるようにした.薬物名に関しては,従来使用されている一般名を記述していることが多いが,日本医薬品一般名称データベースならびに平成23年に刊行された第十六改正日本薬局方にある局方名との対応表を巻末に付けた.編集委員は,加藤,篠田,大谷と,新たに鈴木邦明(当時,北海道大学教授),戸苅彰史(当時,愛知学院大学教授)が加わった.
第6版は第5版から6年を経て2018年2月に発刊された.超高齢社会を背景にチーム医療を基盤とした歯科医療が求められ,新しい薬物治療にも対応できるように構成されている.歯科医学を学ぶ学生への知識の教授のみならず,歯科医師をはじめ医療従事者として現在活躍されている方々への参考になるように,アップデートした.新しい章として「ゲノム薬理学とiPS細胞」,「歯科における漢方薬」を追加した.また,各章の冒頭に「学修目標とポイント」,「本章のキーワード」を挙げ,基礎的・臨床的話題を解説する「コラム」欄を随所に設けた.さらに薬物名を医薬品一般名で表記した.平成30年版歯科医師国家試験出題基準,平成28年度改訂版歯学教育モデル・コア・カリキュラムに沿った内容となっている.編集委員は,大谷,鈴木,戸苅と,新たに青木和広(東京医科歯科大学教授),兼松 隆(九州大学教授),筑波隆幸(長崎大学教授)が加わった.
第7版は第6版から6年を経て2024年1月に発刊された.薬理学の進歩と歯科医学を取り巻く環境の変化に対応できるように構成されている.従来の薬理学総論,薬理学各論および歯科薬理学各論とする3部構成から,歯科薬理学各論を廃した2部構成とし,必要に応じて各論の章ごとに歯科臨床との関連や臨床コラムを記載し,新しく「口腔内科治療に用いる薬物」の章も加えた.臨床につながる教科書として,歯学生に留まらず,歯科医師をはじめ医療従事者として活躍されている方々にも参考となる工夫を凝らすとともに,薬物名と商品名の対照表「主な商品名一覧」なども設けた.さらに令和5年版歯科医師国家試験基準および歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に沿った内容とし,関連する章末には国試コラムを新設し,その内容を記載している.編集委員は,鈴木,戸苅,青木,兼松,筑波と,新たに八田光世(福岡歯科大学教授)が加わった.
本書『現代歯科薬理学』は,歯科薬理学の標準的な教科書として昭和54年に初版が発行された.その後,多くの歯学生に教科書あるいは参考書として利用され,最新の薬理学および関連分野の進歩を取り入れて版を重ねてきた.直近の改訂は平成30年の第6版であり,時代の要請にあわせて大幅な改訂が行われた.しかし,薬理学の進歩と歯科医学を取り巻く環境の変化は早く,記載内容も新しい薬物療法に対応できなくなってきたことから,第7版が企画された.
学生,あるいは臨床に携わる歯科医師からも薬理学の教科書はとっつきにくいと思われがちなので,少しでもわかりやすく臨床につながる教科書にしたいと考え,編集にあたった.基本的には現在使用されている薬物について記載しているが,歴史的な重要性がある薬物や薬理学の実習などで使用されている薬物については記載を残した.薬理学に初めて接する学生が学びやすい順序を重視し,これまでの『現代歯科薬理学』とはかなり異なる章立てとした.薬理学総論と薬理学各論のみとし,歯科薬理学各論を廃したが,歯科薬物療法に直結する章として「口腔内科治療に用いる薬物」を加え,多くの章で歯科臨床との関連や臨床コラムを記載した.さらに,「ゲノム薬理学と医療ビッグデータの活用」,「臨床薬理学」,「薬物と法律」,「代謝性疾患治療薬」,「鎮痛薬」などの章を新設した.執筆は第6版と同様に,歯科大学・歯学部において薬理学教育の先頭に立っておられる先生がたにお願いし,最新の知見を加えつつ学生にとってわかりやすい教科書となるような記述をお願いした.
本書の内容は歯科医師国家試験出題基準(令和5年度)および歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)など,日本の歯学教育の基準となるべき提言に沿っている.これらの提言に関連する項目がわかりやすいように国試コラムとして各章末にまとめた.また,最近の歯科医師国家試験で出題された語句は索引にてゴシックで強調したので,勉学の参考にしていただきたい.さらに,以前に増して和漢薬が注目されていることから.本書では歯科適応以外の和漢薬に関しても記載を広げた.
本書は,歯学生の教科書としてだけでなく,歯科医師をはじめ医療従事者として活躍されている方がたの参考となるように,歯科臨床との関係を可及的に記載した.また,薬物相互作用や副作用なども含め歯科臨床と関連の深い薬物については,巻末に付表「主な商品名一覧」として商品名と薬物名との対照表にまとめた.さらに,本書で取り扱う薬物のうち代表的な薬物は,付表「主な掲載薬物一覧」にまとめ,薬物一般名と慣用的な略称との関係もわかりやすく記載した.索引では,薬物が記載されているページをできる限り網羅し,特に詳細に記載されているページはゴシックで明示した.学生ならびに医療従事者の方がたの座右に本書を置いて活用いただければ望外の喜びである.
最後に,第7版はこれまでの『現代歯科薬理学』の延長にある.歴代の編集委員,執筆にあたった各位に深甚なる謝意を表する.
令和5年12月
編集委員
鈴木邦明 兼松 隆
戸苅彰史 筑波隆幸
青木和広 八田光世
補遺
『現代歯科薬理学』初版〜第7版:発刊,改訂にかかわる編集方針などの概略
本書の初版は1979年8月に発刊された.歯学部における薬理学教育を一層充実させる目的で,同学の士の賛同を得て本書の刊行が企図された.初版では,昭和42年改訂歯科大学学長会議,歯学教育問題調査会編“歯科薬理学教授要綱“(これは主として歯科臨床で繁用される薬物に関するもの)ならびに昭和48年,全国歯科大学・歯学部の薬理学講座担当教官の合意によって補訂した“歯科薬理学教授要綱”に準拠して一応の内容項目の選定が行われた.各項目は,それぞれの専門分野にしたがって分担執筆されており,現代の歯科薬理学の水準が把握されるように工夫され,歯学における薬理学教育の大先達の岡田正弘先生(日本学士院会員)より「Goodman-Gilmanに匹敵する“現代歯科薬理学”が生まれた」との序文を賜った.編集責任者は,小椋秀亮(当時,東京医科歯科大学教授),小倉保己(当時,東北大学教授)である.
第2版は初版から10年を経て1989年6月に発刊された.昭和59年改訂の歯学教授要綱(歯科大学学長会議 歯学教授要綱改訂委員会)に掲げられている歯科薬理学教授要綱の教授項目に準拠したかたちで編集されたものである.また昭和61年6月に第十一改正日本薬局方が公布されたので,これに基づいて薬物名を統一した点,および当時厚生省において進められていた歯科口腔用剤の再評価が従来臨床で使用されてきた多くの歯科用医薬品に及んできたので,その再評価結果を取り入れて編集作業が行われている点も特色といえる.オータコイド,救急用薬剤,ホルモン,ビタミンなどの多くの新項目が追加された.編集責任者は初版と同じく小椋,小倉の2教授である.
第3版は第2版から9年を経て1998年3月に発刊された.平成6年に改訂された『歯科大学学長会議/歯科医学教授要綱,歯科薬理学』の教授項目に準拠したかたちで編集されていることと,平成8年4月に公布された第十三改正日本薬局方に基づいて薬物名を原則的に統一されている.また,各専門領域から新しい分担執筆者に加わっていただき,従来からの執筆者の分担領域を一部変更し,さらに歯科臨床的視点からの解説も加えられた.編集責任者は,小椋と,新たに加藤有三(当時,長崎大学教授),篠田 壽(当時,東北大学教授)が加わった.
第4版は第3版から7年を経て2005年9月に発刊された.この間,「歯科医学教授要綱」の大改訂,「歯科医師国家試験出題基準」の4回目の改訂,平成13年3月に提出された「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の報告に基づいたモデル・コア・カリキュラムの設定,ならびに平成17年度からのCBT試験実施が予定された.これらの教育環境の変化に適切に対応した.また,時代背景として歯科臨床において,齲蝕予防の進展による齲蝕の減少,高齢者や全身性疾患を伴う患者の増加などに対応して大きく変化しつつあり,従来にも増して全身管理の知識を深めることが,歯科医師に対して強く求められた.時代の要請に沿うべく,2つの新しい章「ゲノム薬理」,「組織再生と薬物」を設けた.また,実験薬理学に関する代表的薬物は積極的に収載したが,特に臨床に使われる薬物については,現在わが国で実際に臨床適用されている薬物を中心に収載した.編集委員は,小椋,加藤,篠田と,新たに大谷啓一(当時,東京医科歯科大学教授)が加わった.
第5版は第4版から7年を経て2012年2月に発刊された.「歯科医学教育モデル・コア・カリキュラム:教育内容ガイドライン(平成19年版)」をベースに項目立てを行ったと同時に,平成17年度より実施されている「臨床実習前の共用試験(CBT試験)」への標準的な学習・知識を提供できる内容となっている.さらに,平成19年に大幅な改訂が行われた「歯科医学教授要綱」の薬理学(生体と薬物)の内容を最大限に盛り込んだ.平成22年版「歯科医師国家試験出題基準」への対応も行った.当時の歯学教育の基準となるべきこれらの提言を全て吸収し学習項目の整理を行った.また,歯科臨床薬理学とも言うべき「医薬品適用上の注意」に関して充実させ,学生諸氏が臨床現場において薬物応用の基礎知識を得られるようにした.薬物名に関しては,従来使用されている一般名を記述していることが多いが,日本医薬品一般名称データベースならびに平成23年に刊行された第十六改正日本薬局方にある局方名との対応表を巻末に付けた.編集委員は,加藤,篠田,大谷と,新たに鈴木邦明(当時,北海道大学教授),戸苅彰史(当時,愛知学院大学教授)が加わった.
第6版は第5版から6年を経て2018年2月に発刊された.超高齢社会を背景にチーム医療を基盤とした歯科医療が求められ,新しい薬物治療にも対応できるように構成されている.歯科医学を学ぶ学生への知識の教授のみならず,歯科医師をはじめ医療従事者として現在活躍されている方々への参考になるように,アップデートした.新しい章として「ゲノム薬理学とiPS細胞」,「歯科における漢方薬」を追加した.また,各章の冒頭に「学修目標とポイント」,「本章のキーワード」を挙げ,基礎的・臨床的話題を解説する「コラム」欄を随所に設けた.さらに薬物名を医薬品一般名で表記した.平成30年版歯科医師国家試験出題基準,平成28年度改訂版歯学教育モデル・コア・カリキュラムに沿った内容となっている.編集委員は,大谷,鈴木,戸苅と,新たに青木和広(東京医科歯科大学教授),兼松 隆(九州大学教授),筑波隆幸(長崎大学教授)が加わった.
第7版は第6版から6年を経て2024年1月に発刊された.薬理学の進歩と歯科医学を取り巻く環境の変化に対応できるように構成されている.従来の薬理学総論,薬理学各論および歯科薬理学各論とする3部構成から,歯科薬理学各論を廃した2部構成とし,必要に応じて各論の章ごとに歯科臨床との関連や臨床コラムを記載し,新しく「口腔内科治療に用いる薬物」の章も加えた.臨床につながる教科書として,歯学生に留まらず,歯科医師をはじめ医療従事者として活躍されている方々にも参考となる工夫を凝らすとともに,薬物名と商品名の対照表「主な商品名一覧」なども設けた.さらに令和5年版歯科医師国家試験基準および歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に沿った内容とし,関連する章末には国試コラムを新設し,その内容を記載している.編集委員は,鈴木,戸苅,青木,兼松,筑波と,新たに八田光世(福岡歯科大学教授)が加わった.
薬理学 総論 A.医薬品と薬理作用
1章 薬理作用(戸苅彰史)
I 薬物と医療
II 薬物療法の種類
III 薬理作用の様式
IV 薬理作用の基本形式
V 薬理作用の分類
2章 用量と薬理作用(兼松 隆)
I 用量-反応関係
1.段階的用量-反応関係
2.量子的用量-反応関係
3.薬物の用量を表す用語
II 治療係数
3章 薬物の投与経路・適用法(見正道)
I 投与経路と投与方法
II 経口投与
III 注射投与
IV その他の投与方法
4章 薬物動態(筑波隆幸)
I 薬物動態
1.定義
2.血中濃度-時間曲線
II 薬物の吸収
1.薬物の細胞膜通過
2.吸収におけるpHの影響
3.吸収における脂溶性と水溶性
4.バイオアベイラビリティ
III 薬物の分布
IV 薬物の代謝
1.薬物代謝反応
2.薬物代謝酵素
3.抱合反応
4.代謝酵素の誘導と阻害
5.プロドラッグ
V 薬物の排泄
5章 薬物の効果に影響する諸因子(青木和広)
I 生体側の因子
II 薬物側の因子
III 人の責任分担や心理などに関与する因子
6章 薬物の連用(小林真之)
I 耐性
1.酵素誘導
2.脱感作
3.過感受性
II 薬物依存
1.薬物依存の形成機序
2.身体依存,精神依存,離脱症候
3.薬物乱用
4.薬物中毒
III 薬物の蓄積
7章 薬物の併用・相互作用(小林真之)
I 薬物の併用
1.協力作用
2.拮抗作用
II 薬物相互作用
1.薬力学的相互作用
2.薬物動態学的相互作用
8章 薬物による副作用・有害作用・有害事象(青木和広)
I 副作用と有害作用・有害事象の定義
1.副作用および有害作用の定義
2.有害事象の定義
II 有害作用および有害事象の種類と機序
1.薬物の有害作用および有害事象の種類
2.有害作用および有害事象の機序
III 薬物による口腔領域の有害作用
IV 副作用・有害事象への対応
1.予知と回避
2.副作用・有害事象への薬物治療
9章 医薬品適用上の注意(筒井健夫)
I 妊婦に対する薬物投与
1.妊娠中の薬物療法の注意事項
2.薬物の胎盤通過性
II 授乳婦に対する薬物投与
1.母乳への薬物の移行性
2.哺乳による薬物移行
3.授乳中の女性に投与が禁忌もしくは授乳の一時停止が必要な主な薬物
III 小児に対する薬物投与
1.小児の薬物動態
2.小児薬用量の設定
3.小児に特有な有害作用
IV 高齢者に対する薬物投与
V 全身疾患を有する患者への薬物投与
10章 ゲノム薬理学と医療ビッグデータの活用(佐々木由香,野ア中成)
I ゲノム薬理学とは
II iPS細胞を用いた創薬
III がんゲノム医療
IV AI創薬
V 個人情報
11章 臨床薬理学(二藤 彰)
I 医薬品の開発
1.新薬の開発プロセス
2.後発医薬品
II 臨床薬物動態学
III 個別化医療および治療薬物モニタリング
1.個別化医療
2.治療薬物モニタリング
IV 医薬品の適用と処方箋
1.医薬品の適用
2.処方箋
3.内服薬処方箋の記載方法
4.リフィル処方箋
V 医薬品・医療機器の安全対策
1.医薬品・医療機器の安全性の確保
2.医薬品による健康被害
3.薬害とそれに対する対応
4.医薬品や医療機器の安全な使用
12章 薬物と法律(岡元邦彰)
I 医薬品医療機器等法
II 日本薬局方
III 医薬品の種類
IV 医薬品の管理および法規
V 医薬品の保管
13章 薬理作用の機序(若森 実)
I 薬物受容体とリガンド
1.作動薬
2.拮抗薬
3.余剰受容体
II 受容体を介する薬理作用
1.細胞膜受容体
2.細胞質および核内受容体
III 受容体を介さない薬理作用
1.膜輸送タンパク質に作用する薬物
2.酵素に作用する薬物
3.核酸に作用する薬物
4.細胞膜・脂質に作用する薬物
5.代謝拮抗物質による作用
6.物理化学的作用
薬理学 総論 B.薬理作用の機序と生理活性物質
14章 神経伝達物質とオータコイド
I 神経伝達物質(兼松 隆)
1.アミン類
2.抑制性アミノ酸
3.興奮性アミノ酸
II オータコイド(安達一典)
1.生理活性アミン
2.生理活性ペプチド
3.脂質
4.一酸化炭素
III サイトカイン
IV 成長因子
15章 ホルモンと関連薬(佐々木由香,野ア中成)
I ホルモン
1.分類
2.受容体と作用機序
3.ホルモン分泌の調節
II 各種ホルモンの機能亢進症・低下症と治療薬
1.甲状腺ホルモン
2.副甲状腺ホルモン
3.副腎皮質ホルモン
4.副腎髄質ホルモン
III その他のホルモン
16章 ビタミン(田熊一敞)
[総論]
1.ビタミンとは
2.脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン
[各論]
I 脂溶性ビタミン
1.ビタミンA
2.ビタミンD
3.ビタミンE
4.ビタミンK
II 水溶性ビタミン
1.ビタミンB群
2.ビタミンC
薬理学 各論
17章 末梢神経系に作用する薬物(戸苅彰史)
I 末梢神経の分類
1.体性神経系
2.自律神経系
II ニューロン間の情報伝達と薬物
1.アドレナリン作動性神経伝達
2.コリン作動性神経伝達
III 交感神経に作用する薬物
1.アドレナリン作動薬
2.抗アドレナリン薬
3.交感神経ニューロン遮断薬
IV 副交感神経に作用する薬物
1.コリン作動薬
2.抗コリン薬
V 自律神経節に作用する薬物
VI 運動神経と骨格筋に作用する薬物
1.筋収縮を増強する薬物
2.筋弛緩薬
18章 局所麻酔薬(高橋俊介,高橋聡子,吉野文彦,吉田彩佳)
I 局所麻酔薬とは
II 痛覚の伝導と局所麻酔薬の作用機構
1.疼痛による活動電位の発生と伝導
2.局所麻酔薬の作用機序
3.局所麻酔薬の解離型と非解離型の割合
4.作用部位での有効濃度に影響する因子
5.血管収縮薬の併用
III 局所麻酔薬
1.合成局所麻酔薬の開発
2.化学構造による分類
3.主なエステル型局所麻酔薬
4.主なアミド型局所麻酔薬
5.歯科領域で使用される局所麻酔薬
IV 局所麻酔薬の適用法
V 局所麻酔薬の副作用・有害作用
19章 中枢神経系に作用する薬物
I 全身麻酔薬(笠原正貴)
[総論]
1.全身麻酔
2.全身麻酔薬の作用機序
3.吸入麻酔薬
4.静脈麻酔薬
[各論]
1.吸入麻酔薬
2.静脈麻酔薬
II アルコール
III 麻薬性鎮痛薬(三枝 禎)
[総論]
1.痛みの発生と伝導
2.下行性疼痛抑制系による痛みの制御
[各論]
1.麻薬性鎮痛薬
2.麻薬性鎮痛薬の関連事項
3.非麻薬性オピオイド鎮痛薬
4.オピオイド拮抗薬
IV 催眠鎮静薬,抗不安薬(兼松 隆,溝上顕子)
[総論]
1.催眠鎮静薬
2.抗不安薬
[各論]
1.ベンゾジアゼピン系薬物
2.バルビツール酸系薬物
3.その他
V 抗てんかん薬
VI 向精神薬(田熊一敞)
1.抗精神病薬
2.抗不安薬
3.抗うつ薬
4.気分安定薬
VII 中枢興奮薬(吾郷由希夫)
VIII Parkinson病治療薬
IX 脳循環代謝改善薬
X 認知症治療薬
20章 循環器に作用する薬物(小笠原正人)
I 高血圧症治療薬
1.血圧調節因子と高血圧の病態生理
2.高血圧治療薬
II 心不全治療薬
1.心不全の病因と病態生理
2.心不全治療薬
III 抗不整脈薬
IV 狭心症治療薬
1.虚血性心疾患の原因と病態生理
2.狭心症治療薬
V 循環器作動薬と歯科臨床
1.抗腫瘍薬と心疾患
2.高齢者の高血圧と薬物
21章 腎臓に作用する薬物(見正道)
I 腎臓の構造と機能
1.尿生成の過程
2.尿生成を調節するホルモン
II 利尿薬
1.ループ利尿薬
2.チアジド系利尿薬
3.炭酸脱水酵素阻害薬
4.カリウム保持性利尿薬
5.浸透圧利尿薬
6.バソプレシンV2受容体拮抗薬
III 利尿薬の注意点
IV 抗利尿薬
22章 呼吸器系に作用する薬物(小笠原正人)
I 気管支喘息治療薬
1.気管支喘息の病態生理
2.気管支平滑筋の収縮・弛緩と気管支喘息治療薬の種類
3.気管支喘息治療薬の特徴・作用機序と副作用・服薬指導
II 慢性閉塞性肺疾患治療薬
III 鎮咳薬
IV 去痰薬
V 呼吸促進薬
VI 呼吸器系に作用する薬物と歯科臨床
1.喫煙の有害性と禁煙補助薬
23章 消化器系に作用する薬物(八田光世)
I 消化性潰瘍治療薬
1.消化性潰瘍
2.消化性潰瘍治療薬
II 健胃消化薬
III 消化管運動改善薬
IV 鎮痙薬
V 止瀉薬
VI 整腸薬
VII 下剤
VIII 利胆薬
IX 肝庇護薬
X 消化器系に作用する薬物と歯科臨床
24章 血液および造血器に作用する薬物(仲村健二郎)
I 止血薬
1.止血-線溶機構
2.全身性止血薬
3.局所性止血薬
II 抗血栓薬
1.血栓症
2.抗血小板薬
3.抗凝固薬
4.血栓溶解薬
III 貧血に用いられる薬物
IV 血液および造血器に作用する薬物と歯科臨床
25章 免疫機能に影響する薬物(竹内 弘)
I 免疫とは
1.免疫反応
2.免疫にかかわるサイトカイン
3.アレルギー反応
4.免疫機能に影響する薬物の主な対象疾患
II 免疫抑制薬
1.細胞増殖阻害薬
2.リンパ球機能阻害薬
3.生物学的製剤
III 免疫賦活薬
IV アレルギーの治療薬
1.抗ヒスタミン薬
2.抗アレルギー薬
3.糖質コルチコイド
V 抗リウマチ薬
1.免疫抑制薬
2.免疫調節薬
3.生物学的製剤
VI 免疫系に作用する薬物と歯科臨床
26章 抗腫瘍薬(柏俣正典)
I 腫瘍とその薬物療法
II 化学療法薬,ホルモン療法薬,分子標的治療薬
1.アルキル化薬
2.代謝拮抗薬
3.抗腫瘍性抗生物質
4.微小管阻害薬
5.白金化合物
6.トポイソメラーゼ阻害薬
7.ホルモン療法薬
8.分子標的治療薬
III 抗腫瘍薬と歯科臨床
27章 代謝性疾患治療薬
I 糖尿病治療薬(八田光世)
1.血糖調節とインスリン
2.糖尿病
3.糖尿病治療薬
4.糖尿病治療薬と歯科臨床
II 骨代謝と骨粗鬆症治療薬(飯村忠浩)
1.骨代謝
2.カルシウム代謝調節ホルモン
3.リン代謝調節ホルモン
4.骨粗鬆症
5.骨粗鬆症治療薬
6.その他の骨組織作動薬
7.骨粗鬆症治療薬と歯科臨床
III 脂質代謝と脂質異常症治療薬(岡元邦彰)
1.脂質代謝と脂質異常症
2.脂質異常症治療薬
3.脂質異常症治療薬と歯科臨床
IV 尿酸代謝と高尿酸血症・痛風治療薬
1.高尿酸血症・痛風
2.急性発作治療薬
3.尿酸降下薬
4.高尿酸血症・痛風治療薬と歯科臨床
28章 抗炎症薬(十川紀夫)
I 炎症の基本概念
II 炎症の経過と炎症性病理変化
III 炎症のケミカルメディエーター
1.生体アミン類
2.エイコサノイド
3.血漿キニン類
4.その他
IV ステロイド性抗炎症薬
1.主なSAIDs
2.SAIDsの作用機序
3.SAIDsの薬理作用と適応症
4.SAIDsの副作用と非適用患者
V 非ステロイド性抗炎症薬
1.酸性NSAIDsの作用機序と薬理作用
2.酸性NSAIDsの副作用・有害作用
3.酸性NSAIDsの薬物相互作用
4.酸性NSAIDsの分類
5.塩基性NSAIDs
VI 抗炎症薬と歯科臨床
1.NSAIDs投与時の特別な注意事項
2.アスピリン喘息と治療薬
29章 鎮痛薬(吾郷由希夫)
I 非ステロイド性抗炎症薬
II 解熱鎮痛薬
1.ピリン系
2.非ピリン系
III 麻薬性鎮痛薬
1.モルフィナン系オピオイド
2.フェニルピペリジン系オピオイド
3.その他
IV 片頭痛治療薬
1.急性期治療薬
2.予防薬
V 神経障害性疼痛治療薬
1.イオンチャネル遮断薬
2.抗うつ薬
3.トラマドール塩酸塩
4.ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液
VI 鎮痛薬と歯科臨床
30章 救急用薬物(笠原正貴)
I 救急時に使用される薬物
1.呼吸器系に作用する薬物
2.循環器系に作用する薬物
II 歯科治療中に起こる全身的偶発症の治療
31章 抗感染症薬
I 抗感染症薬の基礎的事項,作用機序,耐性獲得機序,副作用(筑波隆幸)
1.抗感染症薬の基礎的事項
2.抗感染症薬の作用機序
3.耐性獲得の機序
4.抗感染症薬の生体内分布
5.抗感染症薬の副作用
6.抗感染症薬による副現象
II 主な抗菌薬(佐藤友昭,富田和男)
1.サルファ薬
2.β-ラクタム系抗菌薬
3.アミノグリコシド系抗菌薬
4.マクロライド系抗菌薬
5.リンコマイシン系抗菌薬
6.テトラサイクリン系抗菌薬
7.クロラムフェニコール系抗菌薬
8.ペプチド系抗菌薬
9.ピリドンカルボン酸系抗菌薬
10.ホスホマイシン系抗菌薬
11.抗結核薬
III 抗真菌薬(工藤保誠)
1.ポリエン系抗真菌薬
2.アゾール系抗真菌薬
3.キャンディン系抗真菌薬
4.フルオロピリジン系抗真菌薬
5.その他の抗真菌薬
IV 抗ウイルス薬
1.単純ヘルペスウイルスおよび水痘・帯状疱疹ウイルス治療薬
2.サイトメガロウイルス治療薬
3.インフルエンザウイルス治療薬
4.B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス治療薬
5.HIV治療薬
6.新型コロナウイルス治療薬
32章 消毒に用いる薬物(三枝 禎)
[総論]
I 消毒に用いられる薬物
II 院内感染の防止と消毒
III 消毒薬の用途と特徴
1.用途・使用法
2.特徴:消毒薬の作用に影響を与える因子
IV 滅菌・消毒の対象となる器具の分類
V 消毒水準分類からみた消毒薬
VI 消毒薬の作用機序
VII 消毒薬の効力の比較
[各論]
I 酸化剤
II ハロゲン系
1.次亜塩素酸系
2.ヨードホール・ヨード系
III アルコール類
IV アルデヒド類
V フェノール類
VI 精油類
VII 第四級アンモニウム塩
VIII クロルヘキシジングルコン酸塩
IX 両性界面活性剤
X その他の消毒薬
1.有機色素類
2.重金属
XI B型肝炎ウイルスの消毒
XII ヒト免疫不全ウイルスおよび新型コロナウイルスの消毒
XIII 消毒薬と歯科臨床
33章 唾液腺に作用する薬物(谷村明彦)
I 唾液の生理作用
II 唾液の分泌機構
III 唾液分泌の調節に関与する受容体と細胞内情報伝達
1.Ca2+をセカンドメッセンジャーとする細胞内情報伝達系
2.cAMPをセカンドメッセンジャーとする細胞内情報伝達系
IV 唾液分泌を促進する薬物と口腔乾燥症の治療薬
1.口腔乾燥症治療薬
2.副作用として唾液分泌を促進する薬物
V 唾液分泌を阻害する薬物
VI 唾液腺に作用する薬物と歯科臨床
34章 口腔内科治療に用いる薬物(北川善政)
I 口腔内科で用いる治療薬
II 代表的な疾患に対する治療法
1.ウイルス感染症
2.口腔カンジダ症
3.口腔扁平苔癬
4.皮膚の慢性水疱症
5.アフタ・再発性アフタ
6.口角炎
7.毛舌
8.白板症
9.口腔乾燥症
10.味覚障害
35章 歯内治療に用いる薬物(菅谷 勉)
I 歯内治療と薬物
II 歯髄鎮痛・鎮静薬
III 象牙質知覚過敏症治療薬
IV 覆髄薬
V 生活断髄薬
VI 根管の化学的清掃薬
VII 根管消毒薬
VIII 根管充填材
36章 歯周治療に用いる薬物(菅谷 勉)
I 歯周病と歯周治療の概要
II 洗口剤と歯磨剤
1.主成分
2.有効性
3.副作用
III 抗菌薬
1.抗菌薬の局所適用
2.経口抗菌薬
IV 歯周組織再生に用いられる薬物と材料
37章 齲蝕予防薬(八田光世)
I フッ化物とは
II フッ化物による齲蝕予防
1.齲蝕予防の機序
2.フッ化物の臨床応用
III フッ化物の過剰摂取による影響
1.急性中毒
2.慢性毒性
38章 和漢薬(漢方薬)(M村和紀)
I 漢方とは
II 漢方の特徴
1.和漢薬の構成
2.漢方の診断および治療法
3.証を決定するための概念
III 生薬および和漢薬の副作用・有害作用
1.単一生薬の副作用・有害作用
2.和漢薬の副作用・有害作用
IV 和漢薬と西洋薬との相互作用
V 和漢薬適用上の注意
VI 全身疾患で頻用される和漢薬
1.呼吸器疾患
2.消化器疾患
3.産婦人科領域疾患
4.泌尿器疾患
5.精神,神経疾患
VII 歯科保険適用の和漢薬
臨床コラム
薬物と薬剤(製剤)
剤形
生体内生理活性物質による生体機能の多彩な調節
Gタンパク質共役型受容体と平滑筋収縮
アドレナリンの血圧反転
局所麻酔の注意すべき生体反応
アセトアルデヒド代謝能とALDH2の遺伝子多型
歯科診療における静脈内鎮静法
抗てんかん薬と三叉神経痛
パパベリン
イレッサ(R)
薬剤関連顎骨壊死:MRONJ
アスピリンの抗血小板作用とアスピリンジレンマ
症状の重篤化に伴う心停止への対応
チゲサイクリン
口腔カンジダ症
強酸性電解水
速乾性擦式消毒剤
微量有効作用
参考文献
付表 主な掲載薬物一覧
付表 主な商品名一覧
索引
1章 薬理作用(戸苅彰史)
I 薬物と医療
II 薬物療法の種類
III 薬理作用の様式
IV 薬理作用の基本形式
V 薬理作用の分類
2章 用量と薬理作用(兼松 隆)
I 用量-反応関係
1.段階的用量-反応関係
2.量子的用量-反応関係
3.薬物の用量を表す用語
II 治療係数
3章 薬物の投与経路・適用法(見正道)
I 投与経路と投与方法
II 経口投与
III 注射投与
IV その他の投与方法
4章 薬物動態(筑波隆幸)
I 薬物動態
1.定義
2.血中濃度-時間曲線
II 薬物の吸収
1.薬物の細胞膜通過
2.吸収におけるpHの影響
3.吸収における脂溶性と水溶性
4.バイオアベイラビリティ
III 薬物の分布
IV 薬物の代謝
1.薬物代謝反応
2.薬物代謝酵素
3.抱合反応
4.代謝酵素の誘導と阻害
5.プロドラッグ
V 薬物の排泄
5章 薬物の効果に影響する諸因子(青木和広)
I 生体側の因子
II 薬物側の因子
III 人の責任分担や心理などに関与する因子
6章 薬物の連用(小林真之)
I 耐性
1.酵素誘導
2.脱感作
3.過感受性
II 薬物依存
1.薬物依存の形成機序
2.身体依存,精神依存,離脱症候
3.薬物乱用
4.薬物中毒
III 薬物の蓄積
7章 薬物の併用・相互作用(小林真之)
I 薬物の併用
1.協力作用
2.拮抗作用
II 薬物相互作用
1.薬力学的相互作用
2.薬物動態学的相互作用
8章 薬物による副作用・有害作用・有害事象(青木和広)
I 副作用と有害作用・有害事象の定義
1.副作用および有害作用の定義
2.有害事象の定義
II 有害作用および有害事象の種類と機序
1.薬物の有害作用および有害事象の種類
2.有害作用および有害事象の機序
III 薬物による口腔領域の有害作用
IV 副作用・有害事象への対応
1.予知と回避
2.副作用・有害事象への薬物治療
9章 医薬品適用上の注意(筒井健夫)
I 妊婦に対する薬物投与
1.妊娠中の薬物療法の注意事項
2.薬物の胎盤通過性
II 授乳婦に対する薬物投与
1.母乳への薬物の移行性
2.哺乳による薬物移行
3.授乳中の女性に投与が禁忌もしくは授乳の一時停止が必要な主な薬物
III 小児に対する薬物投与
1.小児の薬物動態
2.小児薬用量の設定
3.小児に特有な有害作用
IV 高齢者に対する薬物投与
V 全身疾患を有する患者への薬物投与
10章 ゲノム薬理学と医療ビッグデータの活用(佐々木由香,野ア中成)
I ゲノム薬理学とは
II iPS細胞を用いた創薬
III がんゲノム医療
IV AI創薬
V 個人情報
11章 臨床薬理学(二藤 彰)
I 医薬品の開発
1.新薬の開発プロセス
2.後発医薬品
II 臨床薬物動態学
III 個別化医療および治療薬物モニタリング
1.個別化医療
2.治療薬物モニタリング
IV 医薬品の適用と処方箋
1.医薬品の適用
2.処方箋
3.内服薬処方箋の記載方法
4.リフィル処方箋
V 医薬品・医療機器の安全対策
1.医薬品・医療機器の安全性の確保
2.医薬品による健康被害
3.薬害とそれに対する対応
4.医薬品や医療機器の安全な使用
12章 薬物と法律(岡元邦彰)
I 医薬品医療機器等法
II 日本薬局方
III 医薬品の種類
IV 医薬品の管理および法規
V 医薬品の保管
13章 薬理作用の機序(若森 実)
I 薬物受容体とリガンド
1.作動薬
2.拮抗薬
3.余剰受容体
II 受容体を介する薬理作用
1.細胞膜受容体
2.細胞質および核内受容体
III 受容体を介さない薬理作用
1.膜輸送タンパク質に作用する薬物
2.酵素に作用する薬物
3.核酸に作用する薬物
4.細胞膜・脂質に作用する薬物
5.代謝拮抗物質による作用
6.物理化学的作用
薬理学 総論 B.薬理作用の機序と生理活性物質
14章 神経伝達物質とオータコイド
I 神経伝達物質(兼松 隆)
1.アミン類
2.抑制性アミノ酸
3.興奮性アミノ酸
II オータコイド(安達一典)
1.生理活性アミン
2.生理活性ペプチド
3.脂質
4.一酸化炭素
III サイトカイン
IV 成長因子
15章 ホルモンと関連薬(佐々木由香,野ア中成)
I ホルモン
1.分類
2.受容体と作用機序
3.ホルモン分泌の調節
II 各種ホルモンの機能亢進症・低下症と治療薬
1.甲状腺ホルモン
2.副甲状腺ホルモン
3.副腎皮質ホルモン
4.副腎髄質ホルモン
III その他のホルモン
16章 ビタミン(田熊一敞)
[総論]
1.ビタミンとは
2.脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン
[各論]
I 脂溶性ビタミン
1.ビタミンA
2.ビタミンD
3.ビタミンE
4.ビタミンK
II 水溶性ビタミン
1.ビタミンB群
2.ビタミンC
薬理学 各論
17章 末梢神経系に作用する薬物(戸苅彰史)
I 末梢神経の分類
1.体性神経系
2.自律神経系
II ニューロン間の情報伝達と薬物
1.アドレナリン作動性神経伝達
2.コリン作動性神経伝達
III 交感神経に作用する薬物
1.アドレナリン作動薬
2.抗アドレナリン薬
3.交感神経ニューロン遮断薬
IV 副交感神経に作用する薬物
1.コリン作動薬
2.抗コリン薬
V 自律神経節に作用する薬物
VI 運動神経と骨格筋に作用する薬物
1.筋収縮を増強する薬物
2.筋弛緩薬
18章 局所麻酔薬(高橋俊介,高橋聡子,吉野文彦,吉田彩佳)
I 局所麻酔薬とは
II 痛覚の伝導と局所麻酔薬の作用機構
1.疼痛による活動電位の発生と伝導
2.局所麻酔薬の作用機序
3.局所麻酔薬の解離型と非解離型の割合
4.作用部位での有効濃度に影響する因子
5.血管収縮薬の併用
III 局所麻酔薬
1.合成局所麻酔薬の開発
2.化学構造による分類
3.主なエステル型局所麻酔薬
4.主なアミド型局所麻酔薬
5.歯科領域で使用される局所麻酔薬
IV 局所麻酔薬の適用法
V 局所麻酔薬の副作用・有害作用
19章 中枢神経系に作用する薬物
I 全身麻酔薬(笠原正貴)
[総論]
1.全身麻酔
2.全身麻酔薬の作用機序
3.吸入麻酔薬
4.静脈麻酔薬
[各論]
1.吸入麻酔薬
2.静脈麻酔薬
II アルコール
III 麻薬性鎮痛薬(三枝 禎)
[総論]
1.痛みの発生と伝導
2.下行性疼痛抑制系による痛みの制御
[各論]
1.麻薬性鎮痛薬
2.麻薬性鎮痛薬の関連事項
3.非麻薬性オピオイド鎮痛薬
4.オピオイド拮抗薬
IV 催眠鎮静薬,抗不安薬(兼松 隆,溝上顕子)
[総論]
1.催眠鎮静薬
2.抗不安薬
[各論]
1.ベンゾジアゼピン系薬物
2.バルビツール酸系薬物
3.その他
V 抗てんかん薬
VI 向精神薬(田熊一敞)
1.抗精神病薬
2.抗不安薬
3.抗うつ薬
4.気分安定薬
VII 中枢興奮薬(吾郷由希夫)
VIII Parkinson病治療薬
IX 脳循環代謝改善薬
X 認知症治療薬
20章 循環器に作用する薬物(小笠原正人)
I 高血圧症治療薬
1.血圧調節因子と高血圧の病態生理
2.高血圧治療薬
II 心不全治療薬
1.心不全の病因と病態生理
2.心不全治療薬
III 抗不整脈薬
IV 狭心症治療薬
1.虚血性心疾患の原因と病態生理
2.狭心症治療薬
V 循環器作動薬と歯科臨床
1.抗腫瘍薬と心疾患
2.高齢者の高血圧と薬物
21章 腎臓に作用する薬物(見正道)
I 腎臓の構造と機能
1.尿生成の過程
2.尿生成を調節するホルモン
II 利尿薬
1.ループ利尿薬
2.チアジド系利尿薬
3.炭酸脱水酵素阻害薬
4.カリウム保持性利尿薬
5.浸透圧利尿薬
6.バソプレシンV2受容体拮抗薬
III 利尿薬の注意点
IV 抗利尿薬
22章 呼吸器系に作用する薬物(小笠原正人)
I 気管支喘息治療薬
1.気管支喘息の病態生理
2.気管支平滑筋の収縮・弛緩と気管支喘息治療薬の種類
3.気管支喘息治療薬の特徴・作用機序と副作用・服薬指導
II 慢性閉塞性肺疾患治療薬
III 鎮咳薬
IV 去痰薬
V 呼吸促進薬
VI 呼吸器系に作用する薬物と歯科臨床
1.喫煙の有害性と禁煙補助薬
23章 消化器系に作用する薬物(八田光世)
I 消化性潰瘍治療薬
1.消化性潰瘍
2.消化性潰瘍治療薬
II 健胃消化薬
III 消化管運動改善薬
IV 鎮痙薬
V 止瀉薬
VI 整腸薬
VII 下剤
VIII 利胆薬
IX 肝庇護薬
X 消化器系に作用する薬物と歯科臨床
24章 血液および造血器に作用する薬物(仲村健二郎)
I 止血薬
1.止血-線溶機構
2.全身性止血薬
3.局所性止血薬
II 抗血栓薬
1.血栓症
2.抗血小板薬
3.抗凝固薬
4.血栓溶解薬
III 貧血に用いられる薬物
IV 血液および造血器に作用する薬物と歯科臨床
25章 免疫機能に影響する薬物(竹内 弘)
I 免疫とは
1.免疫反応
2.免疫にかかわるサイトカイン
3.アレルギー反応
4.免疫機能に影響する薬物の主な対象疾患
II 免疫抑制薬
1.細胞増殖阻害薬
2.リンパ球機能阻害薬
3.生物学的製剤
III 免疫賦活薬
IV アレルギーの治療薬
1.抗ヒスタミン薬
2.抗アレルギー薬
3.糖質コルチコイド
V 抗リウマチ薬
1.免疫抑制薬
2.免疫調節薬
3.生物学的製剤
VI 免疫系に作用する薬物と歯科臨床
26章 抗腫瘍薬(柏俣正典)
I 腫瘍とその薬物療法
II 化学療法薬,ホルモン療法薬,分子標的治療薬
1.アルキル化薬
2.代謝拮抗薬
3.抗腫瘍性抗生物質
4.微小管阻害薬
5.白金化合物
6.トポイソメラーゼ阻害薬
7.ホルモン療法薬
8.分子標的治療薬
III 抗腫瘍薬と歯科臨床
27章 代謝性疾患治療薬
I 糖尿病治療薬(八田光世)
1.血糖調節とインスリン
2.糖尿病
3.糖尿病治療薬
4.糖尿病治療薬と歯科臨床
II 骨代謝と骨粗鬆症治療薬(飯村忠浩)
1.骨代謝
2.カルシウム代謝調節ホルモン
3.リン代謝調節ホルモン
4.骨粗鬆症
5.骨粗鬆症治療薬
6.その他の骨組織作動薬
7.骨粗鬆症治療薬と歯科臨床
III 脂質代謝と脂質異常症治療薬(岡元邦彰)
1.脂質代謝と脂質異常症
2.脂質異常症治療薬
3.脂質異常症治療薬と歯科臨床
IV 尿酸代謝と高尿酸血症・痛風治療薬
1.高尿酸血症・痛風
2.急性発作治療薬
3.尿酸降下薬
4.高尿酸血症・痛風治療薬と歯科臨床
28章 抗炎症薬(十川紀夫)
I 炎症の基本概念
II 炎症の経過と炎症性病理変化
III 炎症のケミカルメディエーター
1.生体アミン類
2.エイコサノイド
3.血漿キニン類
4.その他
IV ステロイド性抗炎症薬
1.主なSAIDs
2.SAIDsの作用機序
3.SAIDsの薬理作用と適応症
4.SAIDsの副作用と非適用患者
V 非ステロイド性抗炎症薬
1.酸性NSAIDsの作用機序と薬理作用
2.酸性NSAIDsの副作用・有害作用
3.酸性NSAIDsの薬物相互作用
4.酸性NSAIDsの分類
5.塩基性NSAIDs
VI 抗炎症薬と歯科臨床
1.NSAIDs投与時の特別な注意事項
2.アスピリン喘息と治療薬
29章 鎮痛薬(吾郷由希夫)
I 非ステロイド性抗炎症薬
II 解熱鎮痛薬
1.ピリン系
2.非ピリン系
III 麻薬性鎮痛薬
1.モルフィナン系オピオイド
2.フェニルピペリジン系オピオイド
3.その他
IV 片頭痛治療薬
1.急性期治療薬
2.予防薬
V 神経障害性疼痛治療薬
1.イオンチャネル遮断薬
2.抗うつ薬
3.トラマドール塩酸塩
4.ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液
VI 鎮痛薬と歯科臨床
30章 救急用薬物(笠原正貴)
I 救急時に使用される薬物
1.呼吸器系に作用する薬物
2.循環器系に作用する薬物
II 歯科治療中に起こる全身的偶発症の治療
31章 抗感染症薬
I 抗感染症薬の基礎的事項,作用機序,耐性獲得機序,副作用(筑波隆幸)
1.抗感染症薬の基礎的事項
2.抗感染症薬の作用機序
3.耐性獲得の機序
4.抗感染症薬の生体内分布
5.抗感染症薬の副作用
6.抗感染症薬による副現象
II 主な抗菌薬(佐藤友昭,富田和男)
1.サルファ薬
2.β-ラクタム系抗菌薬
3.アミノグリコシド系抗菌薬
4.マクロライド系抗菌薬
5.リンコマイシン系抗菌薬
6.テトラサイクリン系抗菌薬
7.クロラムフェニコール系抗菌薬
8.ペプチド系抗菌薬
9.ピリドンカルボン酸系抗菌薬
10.ホスホマイシン系抗菌薬
11.抗結核薬
III 抗真菌薬(工藤保誠)
1.ポリエン系抗真菌薬
2.アゾール系抗真菌薬
3.キャンディン系抗真菌薬
4.フルオロピリジン系抗真菌薬
5.その他の抗真菌薬
IV 抗ウイルス薬
1.単純ヘルペスウイルスおよび水痘・帯状疱疹ウイルス治療薬
2.サイトメガロウイルス治療薬
3.インフルエンザウイルス治療薬
4.B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルス治療薬
5.HIV治療薬
6.新型コロナウイルス治療薬
32章 消毒に用いる薬物(三枝 禎)
[総論]
I 消毒に用いられる薬物
II 院内感染の防止と消毒
III 消毒薬の用途と特徴
1.用途・使用法
2.特徴:消毒薬の作用に影響を与える因子
IV 滅菌・消毒の対象となる器具の分類
V 消毒水準分類からみた消毒薬
VI 消毒薬の作用機序
VII 消毒薬の効力の比較
[各論]
I 酸化剤
II ハロゲン系
1.次亜塩素酸系
2.ヨードホール・ヨード系
III アルコール類
IV アルデヒド類
V フェノール類
VI 精油類
VII 第四級アンモニウム塩
VIII クロルヘキシジングルコン酸塩
IX 両性界面活性剤
X その他の消毒薬
1.有機色素類
2.重金属
XI B型肝炎ウイルスの消毒
XII ヒト免疫不全ウイルスおよび新型コロナウイルスの消毒
XIII 消毒薬と歯科臨床
33章 唾液腺に作用する薬物(谷村明彦)
I 唾液の生理作用
II 唾液の分泌機構
III 唾液分泌の調節に関与する受容体と細胞内情報伝達
1.Ca2+をセカンドメッセンジャーとする細胞内情報伝達系
2.cAMPをセカンドメッセンジャーとする細胞内情報伝達系
IV 唾液分泌を促進する薬物と口腔乾燥症の治療薬
1.口腔乾燥症治療薬
2.副作用として唾液分泌を促進する薬物
V 唾液分泌を阻害する薬物
VI 唾液腺に作用する薬物と歯科臨床
34章 口腔内科治療に用いる薬物(北川善政)
I 口腔内科で用いる治療薬
II 代表的な疾患に対する治療法
1.ウイルス感染症
2.口腔カンジダ症
3.口腔扁平苔癬
4.皮膚の慢性水疱症
5.アフタ・再発性アフタ
6.口角炎
7.毛舌
8.白板症
9.口腔乾燥症
10.味覚障害
35章 歯内治療に用いる薬物(菅谷 勉)
I 歯内治療と薬物
II 歯髄鎮痛・鎮静薬
III 象牙質知覚過敏症治療薬
IV 覆髄薬
V 生活断髄薬
VI 根管の化学的清掃薬
VII 根管消毒薬
VIII 根管充填材
36章 歯周治療に用いる薬物(菅谷 勉)
I 歯周病と歯周治療の概要
II 洗口剤と歯磨剤
1.主成分
2.有効性
3.副作用
III 抗菌薬
1.抗菌薬の局所適用
2.経口抗菌薬
IV 歯周組織再生に用いられる薬物と材料
37章 齲蝕予防薬(八田光世)
I フッ化物とは
II フッ化物による齲蝕予防
1.齲蝕予防の機序
2.フッ化物の臨床応用
III フッ化物の過剰摂取による影響
1.急性中毒
2.慢性毒性
38章 和漢薬(漢方薬)(M村和紀)
I 漢方とは
II 漢方の特徴
1.和漢薬の構成
2.漢方の診断および治療法
3.証を決定するための概念
III 生薬および和漢薬の副作用・有害作用
1.単一生薬の副作用・有害作用
2.和漢薬の副作用・有害作用
IV 和漢薬と西洋薬との相互作用
V 和漢薬適用上の注意
VI 全身疾患で頻用される和漢薬
1.呼吸器疾患
2.消化器疾患
3.産婦人科領域疾患
4.泌尿器疾患
5.精神,神経疾患
VII 歯科保険適用の和漢薬
臨床コラム
薬物と薬剤(製剤)
剤形
生体内生理活性物質による生体機能の多彩な調節
Gタンパク質共役型受容体と平滑筋収縮
アドレナリンの血圧反転
局所麻酔の注意すべき生体反応
アセトアルデヒド代謝能とALDH2の遺伝子多型
歯科診療における静脈内鎮静法
抗てんかん薬と三叉神経痛
パパベリン
イレッサ(R)
薬剤関連顎骨壊死:MRONJ
アスピリンの抗血小板作用とアスピリンジレンマ
症状の重篤化に伴う心停止への対応
チゲサイクリン
口腔カンジダ症
強酸性電解水
速乾性擦式消毒剤
微量有効作用
参考文献
付表 主な掲載薬物一覧
付表 主な商品名一覧
索引