やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第5版訳者の序

 原著は4年ごとに改訂が重ねられている.
 1996年に第4版の日本語版が出版され,正確に4年後の西暦2000年に第5版が出版されたことは訳者一同喜ばしいかぎりである.本書は歯学を志す世界中の学生に口腔組織全般にわたる最新の学問知識を,しかもわかりやすく解説した教科書として6カ国以上の言語に翻訳されて出版されている.このことは本書が口腔組織学の1つのワールド・スタンダードになっていることを物語っている.
 日進月歩の生命科学の分野では専門が高度に細分化され,口腔に関する最新の知識をすべての分野で概観することはもはや非常に困難であり,4年ごとに改訂され最新の知識を網羅した本書は,口腔領域の成書として教育・研究に携わる関係者にとっても重要な一冊となっている.
 第5版では2つの章が削除されたものの,内容的にもかなり高度で新しい学説もふんだんに取り入れられており,カラーページ(口絵)の新設,“問題と論点”と題するコラムの新設,各章に関連する総説の紹介など前版にない目新しい改訂が施されている.さらに,写真の印刷状態についても大幅な改善がなされている.
 本書が単に歯学部学生だけでなく,大学院生をはじめこれから研究を始める者にとっても研究の指針を得る参考書として大いに役立つことを期待している.この点,第4版に比べて参考文献の数が大幅に削減されたことは残念ではあるが,前版以後に発表された論文は第5版に網羅されており,この点は心強い.
 第5版の発行にあたり,前版以上の良書となるべく読者諸兄のご意見を頂戴できれば幸いである.最後に,第4版に引き続いて発行にご協力いただいた医歯薬出版編集部の牧野和彦氏および諸氏に心からお礼申し上げる.
 2001年3月 川崎堅三

第5版の序

 5版を重ねる本書はイタリア,韓国,ポルトガル,日本,そしてスペインで発行され,世界各地の歯学部学生に受け入れられ,また認知されていることは私にとって望外の喜びである.したがって前版までに確立された客観的事実を重視した記載様式を今回の版においても引き続き継承することとし,歯の発生,構造,機能とそれに関連する組織の詳細な最新知識を網羅した.
 一方,いくつかの大幅な改訂も行った.章の順序の入れ替えや2つの章の削除などである.削除した章は上皮と間葉の相互関係についての章で,現在ではかなり明瞭に定義されてきており,独立した章を割いてスポットをあてる必要もないと思われる.また,歯の表面の被覆物に関する章は,組織学の教科書で独立した章として取り扱うことは斬新なものであったが,歯のプラークなどに関する生物学的知見もかなり蓄積してきたので,もはや組織学の教科書のなかで扱うことは必要ないと思われる.
 参考文献は次の2つの理由で大幅に削減した.1つは学生諸君が参考文献を利用する頻度がかなり少ないこと,また,もう1つの理由はより正確で詳細な総説の出版が増えてきたからである.必要な総説は推薦図書としてまとめて記載してあるので,読者はより詳細な資料を自分自身で検索することも可能であろう.本版の新しい特徴は“問題と論点“のコラムで,いまだ議論の余地のあるテーマについて特別に欄を設けて採り上げた.そのなかのいくつかは私自身が,また,他は著名な共著者にお願いした.“問題と論点”は今後の臨床歯科医学の進むべき指針を示している.
 また今版から8枚のカラーページを初めて導入した.各ページは6枚の写真で構成されており,学生諸君の厳しい要求を十分満たすことを期待している.一方で,多くの透過型および走査型電子顕微鏡写真が白黒で掲載されている.これは形態学で重要な電子顕微鏡のテクノロジーがいかに進歩,発展してきたかの足跡を示すものである.
 初版の最大の特徴は,JackDale氏によるすばらしいイラストであり(このような特徴をもつ本書はexcellencefordistinguishedachievementinthecommunicatingartsinChicagoを受賞した),初版の序において私自身,このDale氏の芸術的才能にめぐり逢えた幸運と,彼も歯科医学の教育に携わる者であったことが本書のイラストによる教育効果を一層高めていることを強調した.これらのイラストの1つ1つが組織の本質をいかに的確に表現しているかという価値判断は,時間による淘汰という厳しい基準に委ねられ,そして評価されてきたが,弛みない科学知識の進歩のなかでそのいくつかのイラストは変更を余儀なくされた.幸いに第5版ではさらにもう一人の才能あふれるDr.WalterYim氏に加わって「ただいた.WalterYim氏もまた歯科医学の教育者の一人であり,JackDale氏によるオリジナルのイラストに一層磨きをかけてくれた.また,本版ではDr.Squir氏とともに第16章の口腔粘膜の章の改訂に携わったDr.Finkelstein氏の協力も得ることができた.
 前回の版ではイラストの印刷状態について多くのご叱正を頂戴したが,本版ではこの点について最大限の注意を払ったつもりである.
 このような改訂を行った第5版が,今後も歯科医学を志す学生諸君の座右の書として引き続き愛読されることを心から願っている.
 A.R.TenCate

謝辞

 まず本書の完成にご助力いただいたすべての方々に感謝申し上げる.そして世界中に広がる同僚が快く写真の掲載のための複写をお寄せいただいたことにお礼申し上げなければならない.また,エナメル質の発生と構造に貴重なご助言をいただいたLeeds大学のColinRobinson氏とR.C.Shore氏,唾液腺,石灰化,そして顎関節の章でご助言いただいたToront大学のJaroSodeck氏とGeorgeZarb氏に感謝申し上げる.
 骨の成長と発育の章で懇切なる査読とご助言をいただいたJohanHeersche氏とEmileRossouw氏,また,貴重なイラストの作成にご尽力いただいたDouglasWagner氏,RitaBaeur氏,SteveBirani氏にも厚くお礼申し上げる.
 私自身の40年以上の教育生活で,多くの出典から多数のカラースライドを蓄積し,それらのいくつかはカラーページの編集に使わせていただいた.したがって,残念ながらもはやそれらの出典について正確に記載することは不可能となってしまった.もしそのような図にお気づきになった場合には,次世代を担うトロント大学の歯科学生および世界中の多くの歯科学生の目にとまり,そして将来役立つことをもってご容赦願いたい.

第4版の序

 この本は4年間隔で改訂しているが,とりわけはじめてこの口腔組織学を学ぶ学生諸君にとって,はたして4年ごとの改訂ペースは最新の情報を提供するのに十分なものだろうか.私は専門分野の科学教育においては学生諸君に最新の学問知識をやさしく,そしてわかりやすく提供することが最も重要なことであると信じている.さもなければ大学機関での歯科医学の専門教育を否定することになってしまう.
 現在,I.A.D.R.(国際歯科研究学会)での年間の研究報告は2,500編にのぼる.この量は,この本の改訂間隔の4年間に換算すると10,000編にも達する.もちろんこれらの研究報告のすべてが口腔組織学,生理学に関連するものとは限らないが,改訂の必要な新たな知見の蓄積はかなりなものがあり,この意味でもこの本の改訂間隔の4年は長すぎることはあっても決して短すぎることはないと思っている.
 今回の改訂にあたっても多数の最新の写真やイラストを加えたが,本来教科書とは常に新しい知識や所見によって更新されるべきものであると私は考えている.今回の改訂が基礎的事項を網羅し,しかも最新の研究状況や研究における論点を反映した改訂となって,この本を利用する学生諸君の学習に役立つことを切に希望する.
 A.R.TenCate

3版の序

 ブラックここ十年のうちに第3版を出版する必要性にせまられたことは,読者の要望が強かったことの反映にほかならない.このことは,口腔組織学の教科書にはいろいろな種類があるわけであるから,歯学部の学生が第1版および第2版の構成および内容を評価してくれたと理解される.“故障がなければ直すな(Ifitain'tborkedon'tfixit)”という前提に基づき,この第3版では抜本的な改訂は行わないこととしたが,内容を充実して大学院レベルに引き上げようという誘惑には強いものがあった.したがって,改訂版は内容に最新の知識を取り入れることに努め,はじめて口腔の組織学を学ぶ学部学生が,最も新しく,簡潔で明快な内容で勉強されることを望むものである.
 A.R.TenCate

2版の序

 教科書の第2版を出版する機会を得るということは常に喜ばしいことである.すなわち,初版では避けることができない誤りを訂正し,欠陥を補う機会が与えられ,薄弱である校閲者によって指摘された部分を強化し,最近の知見を補遺することができるからである.これらはすべて改めておいた.写真や図の質は改善し,学生の要望に応えてできるだけ多くの名称を記入することとした.すべての章に新しい知見を加えたが,特にコラーゲンおよび石灰化の章は2章に分離し,骨に関する章はかなり充実させた.また,顎関節,および歯の組織の修復と再生に関する章を新たに追加した.
 このような改訂を実施するにあたり,この教科書が学部学生のためのものであるという認識は至上のものであったが,学生にとっても,この教科書を組織学の知識を得るための用いようとするひとびとにとっても,この分野においての新しい知識とは何かということを知る権利がある.この教科書がどちらのひとびとの目的にも役立てば幸いである.
 A.R.TenCate

序説

 厳密な意味では,口腔組織学は歯と口腔内およびその周囲の構造の顕微解剖学を取り扱う学問である.しかし,ほとんどの学校で教えているように,伝統的にこの教科は,口腔組織の発生および生理の一部をも扱うのが常である.このような伝統が生まれたのには相当の理由がある.発生学,生理学,および組織学の教科書は,医学生を念頭において記されてきたもので,現状も然りであるが,口腔組織は簡単にしか取り扱われていない.したがって,特に歯科学生に向いた教科書の要望が高いにもかかわらず,近年まで上記の各教科をまとめた教科書は適当なものがなかった.歯の組織学の知識が深まるにつれて,口腔内の組織の発生学的ならびに機能的観点を単一の教科書にまとめることが課題となった.
 勿論,知見が著しく増加した現在では,歯の組織学と歯の発生学・生理学とを過去のようなやり方で結びつける理由はもはや存在せず,それぞれの独立分野の教科書は独自の原則を貫いているのが現状である.それが正しいことかもしれないが,この教科書はその名が示すように,伝統的な教授法からは逸脱していない.これは構造を正しく理解するためには,その発生と機能を無視することはできないという信念に基づくためである.次にこの教科書の刊行の意義が問題となる.集約的調査の結果,この教科を扱っている教師の多くは,新しい学部学生向けの教科書の出現の必要性を感じていることがわかった.その理由は主として,過去の学部学生向けの教科書が,版を重ねるにつれてしだいに大学院レベルになっているためである.
 今回新しい学部学生向けの教科書を刊行する機会を与えられたに際し,この機会を利用して多年の教育経験と,同僚と親しく議論を闘わせた結果培われた,いくつかのアイデアを盛り込むことにした.そのアイデアの1つに,教科全体を概観するような序説を載せることである.学生が最初に教科全体についての認識を与えられれば,同一の事項に関し将来さらに詳細に学ぶときに理解するのに優位な立場に立つであろう.この行き方は多少繰り返しになる難点はあるが,教育理論学者が指摘するように,繰り返しということは手堅い教育技術であると考えれば,妥当な線ではないかと考える.もう1つのアイデアは,一般組織学で扱うべき問題の章を起こし,この章は歯科学生に特に配慮したものであると同時に,標準的医学部学生向けの組織学教科書ではあまり触れていない事項を取り上げることにしたことである.
 さらに,歯科学生のカリキュラムに定着しているとはいえない2つの題目,すなわち顎および顔面の成長,および歯垢について記すことが許された.歯の組織学の教科書には昔から顔面および顎の発生は取り上げられていた.しかしこの両者の成長をもあわせて考慮されていることはまれであった.“成長を対象に考える”ことは臨床歯科学の基本的原則であり,多くの成長現象は組織学的に表現しうるのであるから,この問題に関する詳細な1章を設けることは正当であるばかりでなく,むしろ絶対に必要なことである.理論的には,この章は発生学の章に引き続いておくべきであるが,この教科書では2つの理由により巻末においた.巻末におくことにより,それ以前に骨,および骨の改造現象に関する章を入れることができる.しかし,もっと重要なことは,学生がこの章に達する時期には,顔面の成長を理解するに足る十分な肉眼解剖学の知識を得ているはずであるからである.
 歯の歯垢の本態を正しく理解し,その歯の齲蝕および歯周疾患の病因の中心的役割が評価されるようになったのは,ここ10年かそこら前からにすぎない.他の多くの教科,特に微生物学が,歯垢を自己の分野で取り扱うべきあると主張しているが,歯垢はむしろ歯の正常構造であるという考えのもとに,歯垢の構造に関する1章を設けた.
 この教科書を作成するに際して考慮したもう1つの重要なことは,臨床との関連性であって,この教科が臨床に応用されうる性質をもっていることを強調することには十分な理由がある.しかし,このことは容易な仕事ではない.こフ教科書を用いる学生は,まだ臨床歯科学についてはごく表面的な知識しか持ち合わせていないからである.学生は一般に,教えられた組織学と,臨床歯科学に関する自己の限られた知識とを関連させることしかできず,臨床的事項が詳細に過ぎると“木を見て森を見ず”ということになりかねない.したがって臨床的応用性は,ごく一般的に,簡単に触れざるを得ない.
 編集を開始するにあたっての重大な決意は,この教科書全体にわたって文体と難易度を一定にすることであった.多くの複数執筆者の手になる本は,文体も学問的レベルもまちまちで,学生が読むのは困難である.この難題を解決するため,執筆者には学部学生教育に十分な経験を有し,学生の求めていることを把握しているような方を厳選した.ここで,すべての章の学問的レベルとスタイルの統一を図って,私が厳密に編集し,要すれば書き直しを要求するほどの特権を持つことに合意をみた.しかし,この至上命令を押しつけられるのは自尊心が許さないと考えるような執筆者は1人もいなかった.したがって,何かこの書に批判すべき点があればそれは私に向けられるべきであって,私が謝辞を捧げるべき同僚に批判を向けるのは,不適当であり,かつ不公平であろう.
 次に,図の問題がある.組織学というものは主として視覚に訴える教科であって,このことは学生が組織学の実習の際に,常に図譜を参考にしていることからも明らかである.したがって,この教科書では,なるべく多くの模式図と画質の高い写真で図示し,できれば,光学顕微鏡を用いて観察した平常の実習時の組織像を,透過型および走査型電子顕微鏡による所見と対比することにした.この場合,第二の問題点が生ずる.組織を人体材料に限るか,動物種を問わず最適の材料を用いるべきか,の問題である.人体材料には,特に電子顕微鏡的研究の目的には固定が悪く,図にするには不適当である場合が多い.結局,可能であり,かつ画質が満足できれば人体材料を用いるが,さもなければそのかわりに,霊長類(サル)の材料を用いることにした.研究の便宜上,齧歯類を用いて良好な写真を載せた研究報告は多いが,この本では,写真に示したいポイントが,霊長類にもあてはまることが確実である場合に限り,齧歯類の材料を用いた.もしこの本が江湖の好評を博すようなことでもあれば,改訂の際に,人体材料を用いた写真を提供していただけるような同学の士を求めるつもりである.このような方法でもなければ,教授目的にかなうほど良質な,人体材料を用いた写真を集める機会はないであろう.この本の模式図は十分に豊富である.ときには,いかるな写真も及ばないほど的確にポイントをついたものもあり,この点で,JackDale博士の才能に巡り合ったことは幸せであった.歯科医であり,矯正学の専門家であり,しかも教師でもある人材にイラストを依頼できるということは,めったにないことである.彼が課題の本質を理解していることにより,すべての図解に深みを与えた結果となっている.
 コンセンサスが得られなかったのは,参考文献の問題である.学部学生用の教科書の本文に引用文献を入れることは,読みにくさを増すため,本書では入れないことにしたが,これについては反論も多かった.参考文献はどのくらいの数を載せれば十分なのであろうか.実用主義者として,また元の文献までたどって調べる学生はほとんどいない(歯学部のカリキュラムは過重であり,学生が志しても時間がないのが現状である)という理由で,主要な文献だけの簡単なリストだけをつけるというのが編者の意図であった.しかし,各教科の担当者がより詳細な参考文献を要求し,したがって,より詳細な文献リストをつけることを希望したため,編者はやむを得ずこれに従ったしだいである.このような希望を出した教科担当者は,文献については学生に適切な指示を与えてくださることを望む.
 結論として,この序説に記した指導原則に沿って,専門過程1年生のカリキュラムにある,解剖学,生化学,生理学の内容の多くを結ぶ教科である組織学に対し,この本が歯学部学生にその内容を紹介し,かつ,この教科を学ぶ意欲を燃やすことを望んでいる.また,学生がしだいに多くの臨床的事項を学ぶにつれて,この本に記さている内容を思い返し,歯科臨床に応用してくれることを希望するものである.
 A.R.TenCate
第1章 口腔組織の構造/矢嶋俊彦…1
 口腔…1
 歯…1
  エナメル質/3 象牙質/5 歯髄/5
 歯の支持組織…6
  歯根膜/7 セメント質/8
 口腔粘膜…8
  歯肉/9 唾液腺/10
 顎骨…10
 顎関節…11

第2章 一般発生学/高橋 理…13
 胚細胞の形成と受精…13
 出生前の発生…15
 誘導,反応能,そして分化…15
 三層性胚盤の形成…19
 神経管の形成,屈曲と胚葉の運命…23
 胚子の屈曲…24
 神経堤…27

第3章 頭部,顔面と口腔の発生学/明坂年隆…31
 頭部の形成…32
 鰓弓(咽頭弓)と一次口腔…34
  鰓溝と咽頭嚢の運命/36 鰓弓の解剖学/37 顔面諸突起の癒合/37
 顔面の形成…39
  口蓋の形成/43
 舌の形成…46
 頭蓋の発生…47
 下顎骨と上顎骨の発生…50
  下顎骨の発生/51 上顎骨の発生/57 切歯骨の問題点/57 上・下顎骨の発生に関する共通点/58
 顎関節の発生…58
 先天性奇形…59

第4章 細胞骨格,細胞間結合と線維芽細胞/豊島邦昭…63
 細胞骨格…63
  細胞間結合/65 上皮と結合組織との間の結合/67 アポトーシス/67
 線維芽細胞…68
  繊維芽細胞の構造/69 収縮と運動/70 細胞間結合/71 多様性/71 加齢変化/72
 分泌産物…73
  コラーゲン/73 コラーゲン合成と会合/76 エラスチン,オキシタラン,エラウニンおよびレチクリン/82 プロテオグリカン/83 糖タンパク/85 インテグリン/85

第5章 硬組織の形成と破壊/岩井康智…89
 硬組織形成…89
  細胞/89 有機性基質/90 無機質/90
 石灰化…91
  結晶の成長/95 二次的な結晶核形成/97
 アルカリ性ホスファターゼ…98
 無機質の石灰化部への輸送路…98
  無機質の存在部位/100
 硬組織における成長線…100
 硬組織の吸収…101

第6章 歯とその支持組織の発生/豊島邦昭…105
 一次上皮帯…105
  唇溝堤/107 歯堤/108
 歯の発生開始…109
 蕾状期…111
 帽状期(増殖期)…111
 鐘状期(組織分化と形態分化)…114
 エナメル結節,エナメル索,エナメル陥凹…116
  歯胚の微細構造/116 鐘状期の歯乳頭/119 歯堤の分断と歯冠の外形の決定/120
 発生初期における神経と血管の分布…124
  血管の分布/124 神経の分布/125
 永久歯列の形成…125
 硬組織形成あるいは歯冠形成期…126
 歯根の形成…131
 歯の萌出…133
 歯の支持組織の形成…134

第7章 骨/飯島忠彦…137
 肉眼レベルの骨の組織学…138
 骨に関する用語法の変遷…140
 骨の細胞…140
  骨芽細胞/141 骨細胞/144 破骨細胞/147 骨の細胞の起源/147
 骨の発生…148
  軟骨性骨形成/148 膜性骨形成/153 縫合部での骨の成長/156
 骨の更新…158

第8章 象牙質の形成/戸田善久,柿澤佳子…165
 象牙質形成の様式…165
 象牙芽細胞の分化…166
 象牙芽細胞の組織学…170
  分泌期象牙芽細胞/170 移行期象牙芽細胞/172 休止期象牙芽細胞/173
 外表象牙質の形成…173
 生理的原生(髄周)象牙質の形成…178
 血液供給…180
 石灰化の制御…181
 石灰化様式…181
 象牙質の成長線…183
 管内象牙質の形成…184
 歯根象牙質の形成…186
 象牙芽細胞の移動…187
 コルフの線維の問題点…188
 第二および第三象牙質形成…190

第9章 象牙質・歯髄複合体/戸田善久,柿澤佳子…193
 生理学的特徴…193
 基本構造…193
  原生象牙質/195 第二象牙質/195 第三象牙質/196 象牙前質/197
 原生象牙質の組織学…198
  象牙細管/199 管内(周)象牙質/201 硬化象牙質/202 管間象牙質/203 球間象牙質/203 成長線/206 トームスの顆粒層/209
 エナメル象牙境…209
 セメント象牙境…209
 歯髄…211
  象牙芽細胞/211 線維芽細胞/227 末分化外胚葉性間葉細胞/227マクロファージ/227 リンパ球/228 樹状細胞/228 基質/228
 血管ならびにリンパ管系の分布…230
 象牙質・歯髄複合体の神経支配…233
 象牙質の知覚…237
 髄石…241
 加齢に伴う変化…242
 周囲刺激に対する反応…244

第10章 エナメル質の形成/脇田 稔…249
 エナメル質形成の分泌相…250
  エナメルタンパク/250 エナメル質の石灰化/254
 光学顕微鏡下のエナメル質形成…257
 電子顕微鏡下のエナメル質形成…260
  形態発生期/260 分化期/260 分泌期-エナメル質合成/263 成熟期/266 保護期/267 無機質の通過経路/269 エナメル質の形成障害/270

第11章 エナメル質の構造/脇田 稔…273
 エナメルの物理的な特性…274
 エナメル質の構造…275
  エナメル小柱/276 小柱の相互関係/282 レッチウス条/283横紋/284 ハンター・シュレーゲル条/286 捻転エナメル質/286 エナメル叢とエナメル葉/288 エナメル象牙境とエナメル紡錘/290 エナメル質表面/290
 加齢変化…291
 臨床的意義…292
  フッ素添加/292 酸処理/292

第12章 歯周組織の発生/名和橙黄雄…295
 セメント質形成…295
  原生セメント質の形成/299 第二セメント質の形成/301
 ヘルトビッヒ上皮鞘の運命…304
 歯槽骨の形成…305
 歯根膜の形成…306
 神経と血管の発生…308
 歯・歯肉境の形成…309

第13章 歯周組織/名和橙黄雄…317
 セメント質…317
  セメント質の分類/317 セメントエナメル境/322
 歯根膜…323
  歯根膜の細胞成分/326 線維成分/331 基質/335 血管分布/336 神経支配/337 歯槽骨/340
 歯・歯肉境…346
  上皮の分類/346 結合組織の組成/351 血管分布/354 神経支配/354
 歯周組織の機能…356
  接着/357 知覚/359

第14章 歯の生理的移動:萌出と脱落/山本茂久…361
 萌出前の歯の移動…362
 歯の萌出運動…365
  組織学的特徴/365 歯の萌出運動の機構/366
 歯の萌出後の移動…371
  成長に対する適応/371 咬耗を補う移動/371 隣接面の摩耗に対する適応/372
 歯の脱落…373
  破歯細胞/376
 圧力…378
  脱落形式/381
 歯の異常な移動…384
 歯の矯正学的移動…386

第15章 唾液腺/武田正子…393
 唾液の機能…394
  保護/394 緩衝/395 消化/395 味覚/395 抗菌作用/395 歯の保全/395 組織の修復/396
 唾液腺の解剖…396
 唾液腺の発生…397
 唾液腺の構造…400
  漿液細胞/403 粘液細胞/407 筋上皮細胞/410
 導管系…412
  介在部/412 線条部/415 導管/419
 結合組織…420
 神経支配…421
 血管分布…424
 加齢に伴う変化…424
 臨床的考察…424
 小唾液腺…425
 大唾液腺のまとめ…426
  耳下腺/426 顎下腺/427 舌下腺/427

第16章 口腔粘膜/川崎堅三…431
 口腔粘膜の機能…431
  保護/431 感覚/432 分泌/432 熱の調節/432
 口腔粘膜の構成…432
  臨床上の特徴/432
 組織構成と腺…435
 口腔上皮…438
  上皮の増殖/438 上皮の成熟/439 上皮細胞の超微細構造/443 成熟過程における細胞動態/445 透過と吸収/452 口腔上皮の非角化細胞/452 メラノサイトと口腔の色素形成/453 ランゲルハンス細胞/455 メルケル細胞/455 炎症細胞/456 非角化細胞と角化細胞の相互関係/457
 上皮と固有層の境界…457
 固有層…460
  細胞/460 線維と基質/465
 血管分布…465
 神経支配…467
 構造の変異…471
  咀嚼粘膜/471 被覆粘膜/473 特殊粘膜/474 茸状乳頭/476 糸状乳頭/476 葉状乳頭/477 有郭乳頭/477
 口腔粘膜の境界…477
  粘膜皮膚境/477 粘膜歯肉境/477
 口腔粘膜の発生…479
 加齢に伴う変化…481

第17章 顎関節/川崎堅三…483
 関節の分類…483
  線維性の連結/483 軟骨性の連結/484 滑膜性の連結(狭義の関節)/486
 関節の型…486
 関節の発生…487
 関節に関与する骨…489
 関節に付属する軟骨…491
 関節包,靭帯および関節円板…493
 滑膜…496
 関節運動に関与する筋…497
  筋収縮/497 運動単位/499 咀嚼運動に関与する筋/502
 関節の生体機構…505
 関節の神経支配…507
 顎関節の血管分布…509

第18章 歯の組織の修復と再生/長門俊一…511
 皮膚の修復…511
  上皮の反応/511 結合組織の反応/512
 エナメル質の修復…516
 象牙質・歯髄複合体の修復…516
 齲蝕…518
 窩洞形成…522
 抜歯後の修復…523
 歯根膜の修復…524
 口腔S膜の修復…525

第19章 小児顔面の成長と発育/後藤仁敏…527
 ヒト顔面形態の基礎知識…527
 顔面型…533
 顔の輪郭…536
 男性と女性の顔…538
 加齢に伴う変化…539
 顔面成長の基礎概念…541
  大きさの増加と改造/542 位置移動の過程/548
 骨と軟骨…549
 成長の経過…549
 咬合弯曲…562
 下顎頭と成長…565

和文索引…567
欧文索引…572