やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第3版 発刊に寄せて
 日本口腔顔面痛学会では,このたび『口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック第3版』を発刊することになりました.本ガイドブック編集委員会 篠田雅路委員長をはじめとする編集委員の先生方,ご執筆頂きました先生方には大変お世話になりまして,深甚なる謝意を申し上げます.
 さて,日本口腔顔面痛学会は平成25年7月に本ガイドブック第1版を,平成28年9月に第2版を出版しました.これらは,口腔顔面痛の教科書としまして,歯科医師をはじめとする医療関係者や歯学生の理解を深めるうえで多大な成果をもたらしました.その結果,皆様がご存知のように,歯科医師国家試験出題基準に神経障害性疼痛,非歯原性歯痛が収載されることになり,実際に出題されております.また,歯学生の教育の基準であるモデル・コア・カリキュラムにも口腔顔面痛に関する項目が多く取り上げられております.
 第2版を出版後,国際口腔顔面痛分類の発表,国際疼痛学会における痛みの定義改訂,痛覚変調性疼痛の紹介など,口腔顔面痛の分野は大きく進展致しました.また,口腔顔面痛理解のための基礎研究,臨床研究も着実に進展しております.そのため,日本口腔顔面痛学会では口腔顔面痛の現状をアップデートする必要性を認識しまして,第3版の出版に至った次第です.
 改訂にあたりましては,掲載事項を十分に吟味し,基礎・臨床の領域を網羅するようにしました.第3版におきましても,これまでと同様に体系的な学習,知識の習得が可能となるように設定しておりますので,各項目の内容が充実していることを感じて頂けるものと考えております.
 歯学生の皆さんにおきましては,本書を通しまして,口腔顔面痛の理解を深めて頂き,口腔顔面痛の基礎研究や臨床の素晴らしさを感じて頂くことを希望しております.多くの歯科医院を受診しても解決策が見出せなかった「痛み」が緩解したときの患者さんの感謝の言葉は筆舌に尽くし難いものであり,医療者冥利に尽きるものです.また,歯科医師の先生方におかれましても患者さんの救済につながる治療を行って頂けますことを祈念しております.
 最後になりますが,日本口腔顔面痛学会理事長として第3版の発刊に際して,巻頭言を執筆する機会を与えて頂いたことを,光栄に感じております.日本口腔顔面痛学会は,痛みに苦しむ患者さんのために活発な活動を継続しておりまして,誇らしく感じますとともに,今後の活動も大変期待できると認識しております.
 令和5年7月
 日本口腔顔面痛学会理事長 松香芳三


第3版 序文
 この度,『口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック第2版』を全面改訂し,第3版を上梓することができました.本ガイドブック編集委員会委員ならびに執筆を担当された先生方をはじめ,発刊にご尽力いただいた多くの方々に厚く感謝申し上げます.
 さて,第1版,第2版では口腔顔面痛の臨床・研究を牽引してきた先生方に執筆を依頼し,本ガイドブックは日本初のすばらしい口腔顔面痛のバイブルとして定着しました.時が経つのは早いもので,平成25年の第1版の発刊以来10年が経過し,これまで口腔顔面痛の臨床・研究を牽引してきた先生が徐々に第一線を退きつつあります.一方,この10年で口腔顔面痛の臨床・研究の裾野が大きく広がり,多くの若い先生方が口腔顔面痛の臨床・研究に関心を持つようになりました.さらに,平成24年度の歯科医師国家試験出題基準の改定で口腔顔面痛が出題項目に採用されて以来,毎年のように口腔顔面痛関連の問題が国家試験に出題されるようになりました.今では,全国の歯学部学生に口腔顔面痛教育がなされ,若い歯科医師にとって口腔顔面痛の知識はなじみ深いものとなっています.そこで,第3版では次世代の口腔顔面痛の臨床・研究に携わる新進気鋭の先生方に執筆を依頼して世代交代を図るとともに,一般歯科医師ならびに口腔顔面痛専門医が習得すべき事項を拡充しました.さらに,国際疼痛学会は平成29(2017)年に神経メカニズム的な観点から,新たに「痛み」を侵害受容性疼痛,神経障害性疼痛と痛覚変調性疼痛に分類し,令和2(2020)年に「痛み」の定義を41年ぶりに改定しました.この事項も第3版にしっかり盛り込んでいます.そのため,『口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック第3版』は厚くなったうえ物価高騰の影響もあり,値上げすることとなってしまい大変心苦しく思います.しかしながら,本ガイドブックはすべての項目で完成度の高い内容をなっておりますので,読者の皆様にはご納得いただけるものと確信しております.
 最後になりますが,本ガイドブックが多くの口腔顔面痛臨床医ならび研究者に活用され,ますます口腔顔面痛の臨床・研究の発展に寄与し,ひいては口腔顔面痛に苦しむ方々にとって福音となることをお祈りいたします.
 令和5年7月
 日本口腔顔面痛学会ガイドブック編集委員会委員長
 篠田雅路


第2版 発刊に寄せて
 この度,日本口腔顔面痛学会編として『口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック第2版』を上梓することとなりました.編集委員会の皆様,ご執筆いただいた先生方の努力の賜物であり,心から感謝申し上げます.とりわけ矢谷編集委員長のご尽力に敬意を表します.また医歯薬出版株式会社には企画・編集で大変にお世話になり,改めて感謝申し上げます.
 さて,本学会では平成25年7月に,『口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック』を発刊しました.わが国初の口腔顔面痛の教科書であり,これまで体系づけて記されていなかった口腔顔面痛,非歯原性歯痛のメカニズム,診断と治療を解説した成書として大きなインパクトを歯科界にもたらしました.その結果,皆様ご存知のように,歯科医師国家試験出題基準にも神経障害性疼痛,非歯原性歯痛が収載され,実際の出題もなされるようになりました.コアカリキュラムの改訂に当たっても,当然のことながら本領域がしっかりと包含されるようになります.またすでに各大学においては口腔顔面痛の教育が進められています.
 そのため第1版は,上梓から3年足らずで既印刷分が売り切れる事態となりました.増刷するか,改訂する,医歯薬出版株式会社と学会執行部で何度か話し合いを持ちました.第1版は皆で手分けして全力で執筆・編集いたしましたが,少々気にかかっていたところがあったため,発刊からまだ3年しか経っておりませんが全面改訂を行うこととした次第です.
 改訂に当たっては,まずは掲載事項を吟味し,臨床的に必要な口腔顔面痛の領域を網羅しております.そのため掲載項目は第1版と比べ格段に充実しているものと思います.また目次も整理し,体系的な学習,知識の習得が可能となるようになっております.さらに何といっても,各項目の内容が大変に充実していることに,読者の皆様はお気づきになられることでしょう.
 歯学生諸君には,本書から歯科にとって大きな領域を占める口腔顔面痛への理解を深めていただきたいと思います.さらに,口腔顔面痛に専門的に対応する歯科医師への道へ誘うことができればとも思います.また本書を手に取っていただきました諸先生方におかれましては,本書を活用していただき,口腔顔面痛でお困りの患者様へ,適切な医療を提供されるよう祈念いたします.
 最後になりますが,日本口腔顔面痛学会理事長として第1版に引き続き,第2版の発刊に際しても巻頭言を書く機会を持てたこと,大変に光栄に思っております.本学会は会員数も少ない小規模の学会ですが,本書の発刊も含め,会員の皆様の情熱で大変にアクティブに,また効果的に活動をしていることを誇りに思います.
 平成28年9月
 日本口腔顔面痛学会理事長 佐々木啓一


第2版 序文
 この度,『口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック』を全面的に改訂し,第2版を上梓することができました.編集に力を注いでくださいました日本口腔顔面痛学会のガイドブック委員会の皆様ならびにご執筆の労を取っていただいた諸先生方に厚くお礼申し上げます.
 本書は,ICOP 2016(第21回日本口腔顔面痛学会学術大会,第16回アジア頭蓋下顎障害学会学術大会,国際疼痛学会Special Interest Group on Orofacial Pain2016共催学会)に合わせて発刊することとしたため,執筆者の皆様には短期間での執筆ならびに編集校正作業を強いることとなりましたが,すべての方々に全面的な協力をいただき,何とかICOP 2016開催前に発刊にこぎつけることができました.ここに改めて執筆者の方々ならびに医歯薬出版株式会社の関係各位に深謝いたします.
 編集にあたっては,歯科医学生やこれから顎口腔顔面領域の疼痛について学ぶ方々の学習の便宜を図るため,各章に学習目標を設けるとともに,日本口腔顔面痛学会の認定医取得を目指す方々や口腔顔面痛の各領域の専門家の方々まで幅広く活用いただけるように図表を多く取り入れ,最新のエビデンスを記載することを執筆者の方々にお願いしました.その結果,第1版と比較してより包括的で充実した内容となり,口腔顔面痛に関する成書として他に比類のない完成度となりましたことは委員長として望外の喜びです.
 本書が痛みの初学者の学習を助け,痛みの研究者の研究に役立ち,さらに痛みの臨床の最前線に立っている方々の臨床に活用されることを願い,さらに口腔顔面の痛みに苦しむ人々の快癒につながることを願って序文とします.
 平成28年9月
 日本口腔顔面痛学会ガイドブック委員会委員長
 矢谷博文


第1版 発刊に寄せて
 このたび多くの先生方のご尽力と医歯薬出版株式会社のご協力により,日本口腔顔面痛学会編として『口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック』を発刊することができました.疼痛の機序から具体的な口腔顔面痛治療までを系統立ててまとめた,わが国では初の口腔顔面痛の教科書となります.このようなときに理事長を務めさせていただき大変光栄に思うとともに,諸先生方のご貢献に深く感謝申し上げます.
 皆様ご存じのように,分子生物学や分子イメージングをはじめとして生命科学領域の研究手法が大きく発展し,疼痛に関する理解は近年,著しい進歩をみています.それに伴い口腔顔面部の疼痛に関する考え方も大きく転換し,歯痛を含めた口腔顔面痛という概念が形成されました.しかしながら,今なお疼痛,特に慢性疼痛に関する考え方は日々進化しており,口腔顔面痛への理解,そして治療法も日進月歩しています.そのため口腔顔面痛の病態,機序,治療法を正しく理解することは,長らく治療,研究に携わってきた者にとっても難しく,ましてやこれから口腔顔面痛の臨床,研究に取り組もうとする若い歯科医師,医師には大変ハードルの高いものとなっていました.
 そのようななかで,たしかにこれまでにも口腔顔面痛について記した書籍はありましたが,最新の知見に基づいて系統立った学習を行ううえでは適さないものとなっています.そこで日本口腔顔面痛学会では,わが国唯一の専門学会の使命として,口腔顔面痛に対する正しい知識を口腔顔面痛に対応する歯科医師,医療者へ供与し,口腔顔面痛に苦しむ患者が有効な治療を享受し得ることを目的として,本書を編纂しました.
 口腔顔面痛そのものが,いまだすべてが解明された疾患ではなく,日々新たな知見が見出されている状況ですので,本書の記載が必ずしも十分であるとはいえません.学問の進歩に応じ,順次改訂していく必要性を認識しています.しかし,これまで多くの口腔顔面痛患者が原因不明とされたり,あるいは誤った診断がなされ,不適切な治療がなされてきた不幸な状況を脱却するためには,より多くの歯科医師,医師が口腔顔面痛への正しい認識を持つことが重要です.本書は,現在まで口腔顔面痛に対応されてきた方々がこれまでの知識を整理するうえで,またこれから学習される方々が系統立った知識を得るうえで大変有用であるものと確信しています.
 歯科医師国家試験出題基準の平成24年度改訂により,口腔顔面痛が出題項目として初めて採用されました.本書が口腔顔面痛のスタンダードな教科書として育ち,人々の安寧な生活の保障,QOL向上に資することを祈念しております.
 平成25年7月
 日本口腔顔面痛学会理事長 佐々木啓一


第1版 序文
 平成21年に日本口腔顔面痛学会が合併発足以来,わが国の実情に合ったテキストの作成を活動項目の一つとしてきました.平成23年度,厚生労働省の科学研究費活動として「慢性の痛み対策研究事業」における“「痛み」に関する教育と情報提供システムの構築”で,大阪大学医学部の柴田政彦先生らが中心となり医療関連の教育コンテンツの構築が始まりました.24年度重点項目として歯学部向けの疼痛教育コンテンツの整備にも着手することとなり,急ピッチで顎口腔顔面領域の疼痛教育コンテンツの制作が推進されました.この作業と並行して,新たな顎口腔顔面領域の痛みについての教科書作成の企画が日本口腔顔面痛学会の理事会・評議員会で決定されました.それを受け教育啓発委員会が中心となり,教科書のコンセプト,体裁,項目立てと執筆者の選出などを企画・立案し推進しました.
 平成25年2月24日には,制作された歯学部向けの疼痛教育コンテンツの評価セミナーが慶應義塾大学病院大会議室で開催され,70名あまりの参加者のもと,コメント,提案,修正指摘など白熱したやり取りが行われました.この際に出た各種意見を参考に疼痛教育コンテンツと教科書を修正し完成度の高いものに仕上げました.
 『口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック』の編集にあたり,歯科医学生をはじめ,これから顎口腔顔面領域の疼痛について学ぶ方々,日本口腔顔面痛学会の認定医を目指す方々,各領域の専門家の方々まで幅広く活用いただけるように図表を多く取り入れ,簡潔明瞭に記載することを執筆者の方々にお願いしました.また,さらに執筆依頼に際して,発刊を第18回日本口腔顔面痛学会(会長 柿木隆介先生.平成25年7月開催)に合わせたため,短期間での執筆ならびに編集校正作業を強いることとなり,関係された方々に多大なるご迷惑をおかけ致しました.私どもからの無理難題な依頼にも快諾いただき,発刊に向けて多大なるご尽力とご協力をいただきました執筆者の方々と,医歯薬出版株式会社はじめ関係各位に深く感謝を申し上げます.
 最後に本書が多くの方々の学習・臨床や研究のお役に立ち,活用され,そのなかから更なる新たな知見が見つかり,痛みで苦しむ多数の人々が1日も早く痛みから解放されることをお祈り申し上げます.
 平成25年7月
 日本口腔顔面痛学会
 『口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック』編集委員会
 今村佳樹,岩田幸一,金銅英二,佐久間泰司,谷口威夫,松香芳三,矢谷博文,和嶋浩一(委員長)
 教育啓発委員会
 篠田雅路,谷口威夫,矢谷博文,和嶋浩一,金銅英二(委員長)
第1部 口腔顔面痛のメカニズム
 1.痛みの定義(篠田雅路)
  1)痛みとは
  2)侵害刺激と痛み感覚
  3)痛みの分類
 2.口腔顔面痛の神経解剖(金銅英二)
  1)末梢神経系
  2)中枢神経系
 3.痛みの末梢メカニズム(小野堅太郎)
  1)侵害受容ニューロンの構造と支配
  2)侵害受容ニューロンにおける活動電位発生
  3)侵害受容の感覚情報処理
  4)三叉神経節レベルでの疼痛メカニズムへの寄与
 4.痛みの中枢メカニズム(林 良憲)
  1)延髄および上部頸髄
  2)視床
  3)腕傍核
  4)大脳
  5)グリア細胞
 5.痛み関連脳内神経ネットワーク(岡田明子)
  1)痛み関連脳内神経ネットワークとは
  2)各脳領域の役割
  3)脳機能測定装置による研究
 6.痛みの修飾機構(金銅英二,奥村雅代)
  1)末梢性感作
  2)中枢性感作
  3)上位中枢神経からの制御
 コラム 歯髄細胞とニューロンの機能連関からみた象牙質/歯髄複合体の疼痛(澁川義幸)
第2部 口腔顔面痛の病態
 1.侵害受容性疼痛(人見涼露)
  1)末梢性機序
  2)中枢性機序
 2.神経障害性疼痛(岡本圭一郎)
  1)痛みのメカニズム
  2)神経障害性疼痛モデル
  3)末梢神経メカニズム
  4)中枢神経メカニズム
 3.痛覚変調性疼痛(矢島愛美)
  1)第三の痛みの機序分類─痛覚変調性疼痛
  2)末梢神経系の病態生理
  3)中枢神経系の病態生理
  4)痛みのメカニズム
 4.がん性疼痛(小野堅太郎)
  1)末梢性機序
  2)中枢性機序
 5.関連痛(篠田雅路)
  1)発症機構
  2)口腔顔面領域にみられる関連痛
 6.心理状態と痛み(宮地英雄)
  1)「痛み」と「精神・心理学的側面」の関係
  2)口腔顔面領域の「痛み」における精神・心理学的特徴
  3)痛みの治療における精神・心理学的側面からのアプローチ
 7.ストレスと痛み(岡本圭一郎,長谷川真奈)
  1)ストレス誘発痛の末梢神経メカニズム
  2)ストレス誘発痛の中枢神経メカニズム
  3)ストレス誘発痛へのアプローチ
 8.痛みの性差(田代晃正)
  1)性差が生じる痛みについて
  2)性差のある痛みが生じるおもな疾患
 9.睡眠と痛み(石垣尚一)
  1)痛みが睡眠に及ぼす影響
  2)睡眠が痛みに及ぼす影響
  3)痛みの臨床における睡眠の評価
 10.痛みの個人差(福田謙一)
  1)生理的要因
  2)遺伝的要因
第3部 口腔顔面痛の評価と診断
 1.疼痛構造化問診(村岡 渡)
  1)疼痛構造化問診とは
  2)疼痛構造化問診の目的と評価
  3)疼痛構造化問診の実際
 2.痛みの測定・評価(野間 昇)
  1)総論
  2)痛みの一元的評価(スケール法)
  3)マギル痛み質問票(McGill Pain Questionnaire:MPQ)
  4)定量的感覚検査(QST)
  5)測定項目,測定方法
 3.脳神経の診察(大久保昌和)
  1)なぜ脳神経の診察が必要か
  2)脳神経の検査法
 4.口腔顔面痛の分類と臨床推論(野間 昇)
  1)口腔顔面痛の分類
  2)臨床推論とは
  3)まとめ
 5.痛みの特徴と評価(坂本英治)
  1)痛み患者の心理社会的評価
  2)評価について
第4部 口腔顔面痛の治療(総論)
 1.薬物療法(左合徹平)
  1)総論
  2)口腔顔面痛治療に用いる薬剤
  資料 口腔顔面痛治療に用いる薬剤
 2.局所麻酔薬(岡田明子)
  1)局所麻酔薬の作用機序
  2)局所麻酔薬としての局所作用とNaチャネル阻害薬としての全身作用
  3)局所麻酔薬を用いた鑑別診断
 3.神経ブロック(椎葉俊司)
  1)星状神経節ブロック
  2)三叉神経ブロック
  3)トリガーポイント注射
  4)大後頭神経ブロック
  5)翼口蓋神経節ブロック
 4.東洋医学的治療法(山ア陽子)
  1)東洋医学における基礎概念
  2)診察および診断法
  3)漢方治療
  4)鍼・灸治療
 5.物理療法(築山能大)
  1)温熱療法
  2)寒冷療法
  3)マッサージ療法
  4)電気療法
  5)レーザー療法
  6)超音波療法
  7)鍼治療
 6.運動療法
  1)運動療法の基礎(島田明子)
  2)口腔顔面痛の運動療法(島田明子)
  3)推奨される運動療法(島田明子)
  4)全身運動と痛み(岡本圭一郎,長谷川真奈)
 7.認知行動療法(土井 充)
  1)心身相関とストレス
  2)慢性痛患者の認知行動特性
  3)痛みの悪循環と痛覚変調性疼痛
  4)認知行動療法の実際
 8.アプライアンス療法(小川 徹)
  1)アプライアンス療法とは
  2)スタビリゼーションアプライアンス
第5部 口腔顔面痛の治療(各論)
 1.歯原性歯痛(北村知昭,鷲尾絢子)
  1)発症機序
  2)病態生理
  3)診察・検査と診断
  4)治療
 2.非歯原性歯痛(松香芳三)
  1)発症機序
  2)病態生理,診察・検査と診断,治療
 3.咀嚼筋痛障害(小見山 道)
  1)発症機序
  2)病態生理
  3)診察・検査と診断
  4)治療
 4.顎関節痛障害(小見山 道,矢谷博文)
  1)発症機序
  2)病態生理
  3)診察・検査と診断
  4)治療
 5.顎関節円板障害(矢谷博文,小見山 道)
  1)発症機序
  2)病態生理
  3)診察・検査と診断
  4)治療
 6.変形性顎関節症(前川賢治)
  1)疫学と自然経過
  2)発症機序
  3)徴候,画像所見と診断
  4)鑑別診断
  5)治療
 7.三叉神経痛(井川雅子)
  1)診察
  2)診断
  3)治療
 8.帯状疱疹後神経痛(坂本英治)
  1)帯状疱疹とは
  2)発症機序
  3)病態生理
  4)診断
  5)治療
  6)予防
 9.外傷性神経障害(西須大徳,臼田 頌,村岡 渡)
  1)はじめに
  2)発症機序
  3)病態生理
  4)診察・検査と診断
  5)治療
  6)おわりに
 10.口腔灼熱痛症候群(大久保昌和)
  1)口腔灼熱痛症候群の定義と診断基準
  2)発症機序,病態生理
  3)診察・検査と診断
  4)BMS患者の治療
 コラム 歯科医師が口腔顔面痛診療を行う際に注意すべき法的問題(佐久間泰司)
第6部 口腔顔面痛の関連疾患
 1.全身疾患と口腔顔面痛(松香芳三)
  1)中枢性脳卒中後疼痛
  2)心臓疾患
  3)巨細胞性動脈炎
  4)帯状疱疹後痛
  5)精神疾患または心理社会的要因
  6)腫瘍,多発性硬化症
  7)ジストニア・ジスキネジア
 2.精神疾患に起因する慢性痛(山田和男)
  1)慢性痛と「身体化」症状(これまでの考え方)
  2)「身体症状症,疼痛が主症状のもの」(新しい疾患概念)
  3)「痛覚変調性疼痛(nociplastic pain)」との関係
  4)「身体症状症,疼痛が主症状のもの」の治療
 3.頭痛と口腔顔面痛(小出恭代,大久保昌和)
  1)一次性頭痛の診断と治療
  2)口腔顔面痛に関連する二次性頭痛
  3)特発性口腔顔面痛
  4)外傷後三叉神経障害性疼痛
 4.ジストニアとジスキネジア(小川 徹)
  1)ジストニアとジスキネジアとは
  2)ジストニアとジスキネジアの定義
  3)ジストニアの症状
  4)ジストニアの分類
  5)口腔領域のジストニア(ジスキネジアを含む)
  6)ジストニア・ジスキネジアの診断,治療
 5.緩和ケア(上野尚雄,八岡和歌子)
  1)緩和ケアとは
  2)がん性疼痛に対する鎮痛薬治療(WHO方式がん疼痛治療法)
  3)鎮痛薬治療以外の治療法
  4)まとめ(緩和ケアの要点)

 索引