はじめに
セラモメタルクラウンが臨床に登場してから，すでに30年が経過している．この間，審美的，機能的両面からの確実な成果により，最近ではベーシックな歯冠補綴法として臨床に完全に定着した感がある．歯科技工士学校の教育の場でもその理論と製作法がカリキュラムに加えられてから久しく，いまや歯科技工士必携の技術といえる．
特に，最近では関連材料の改良とともに，その製作技術は長足に進歩し，より自然な生命感のある色調を表現するためのさまざまな技術も開発されて，口腔内でよく調和したすばらしいセラモメタルクラウンが製作されるようになった．
しかしながら，患者や歯科医師の不満も依然として多く，一部ではセラモメタルクラウンの限界を感じ，新しい材料やシステムに期待を寄せる者もまれではない．これは一つにはセラモメタルクラウンが，同じ材料を使用しながらも術者の技量により，その結果が大きな差となって表れるからである．
ところで，セラモメタルクラウンを構造的に分解してみると，まず土台となる支台歯形態，金属によるフレーム，金属色を遮断するオペーク層，そして象牙色，エナメル色からなる歯冠色で構成される．そしてセラモメタルクラウンの機能的，生理的，あるいは審美的な成果はこれらのどの一つが不十分であっても達せられない．
そこで本書では，より高度なセラモメタルクラウンを製作するために，セラモメタルクラウンの利点，欠点，また材料学的な知識を十分に知ったうえで，上記の構造的なステップに従って技工上の実際面での実力を養うことができるように，各章ごとに造詣の深い執筆者にわかりやすく解説していただいた．
よって，本書を一読すれば，前歯から臼歯に至るまでのセラモメタルクラウンの理工学的な裏付けから実際の臨床における製作技術までが，より簡単に習得できるものと確信している．
なお，本書とともに本シリーズ7巻の「セラモメタルブリッジ」を併読していただけば，セラモメタルクラウンの知識はより確実なものとなろう．
セラモメタルクラウンが臨床に登場してから，すでに30年が経過している．この間，審美的，機能的両面からの確実な成果により，最近ではベーシックな歯冠補綴法として臨床に完全に定着した感がある．歯科技工士学校の教育の場でもその理論と製作法がカリキュラムに加えられてから久しく，いまや歯科技工士必携の技術といえる．
特に，最近では関連材料の改良とともに，その製作技術は長足に進歩し，より自然な生命感のある色調を表現するためのさまざまな技術も開発されて，口腔内でよく調和したすばらしいセラモメタルクラウンが製作されるようになった．
しかしながら，患者や歯科医師の不満も依然として多く，一部ではセラモメタルクラウンの限界を感じ，新しい材料やシステムに期待を寄せる者もまれではない．これは一つにはセラモメタルクラウンが，同じ材料を使用しながらも術者の技量により，その結果が大きな差となって表れるからである．
ところで，セラモメタルクラウンを構造的に分解してみると，まず土台となる支台歯形態，金属によるフレーム，金属色を遮断するオペーク層，そして象牙色，エナメル色からなる歯冠色で構成される．そしてセラモメタルクラウンの機能的，生理的，あるいは審美的な成果はこれらのどの一つが不十分であっても達せられない．
そこで本書では，より高度なセラモメタルクラウンを製作するために，セラモメタルクラウンの利点，欠点，また材料学的な知識を十分に知ったうえで，上記の構造的なステップに従って技工上の実際面での実力を養うことができるように，各章ごとに造詣の深い執筆者にわかりやすく解説していただいた．
よって，本書を一読すれば，前歯から臼歯に至るまでのセラモメタルクラウンの理工学的な裏付けから実際の臨床における製作技術までが，より簡単に習得できるものと確信している．
なお，本書とともに本シリーズ7巻の「セラモメタルブリッジ」を併読していただけば，セラモメタルクラウンの知識はより確実なものとなろう．
はじめに 青嶋 仁……1
2 セラモメタルクラウンとは 坂 清子……3
定義……4
材料学的考察……5
1．陶材……5
2．合金……8
3．合金と陶材との焼付け機構……12
4．結合に関するその他の因子……14
3 支台歯形態 川和忠治……17
基本的な支台歯形態……18
1．前歯部の支台歯形態……19
2．臼歯部の支台歯形態……20
唇側における歯頚部辺縁形態……20
4 メタルコーピングの製作 渡辺清志……23
メタルコーピングデザイン……24
1．メタルコーピングの基本的要件……24
2．前歯部メタルコーピング……26
3．臼歯部メタルコーピング……28
マージン部の形態……30
1．カラータイプ……30
2．カラーレスタイプ……30
ワックスパターンの製作……32
1．歯冠形態の再現……32
2．窓あけ（カットバック）……34
5 埋没 渡辺清志……41
スプルーイング……42
埋没……47
6 鋳造リングの加熱，鋳造 渡辺清志……51
鋳造リングの加熱……52
鋳造……53
鋳造体の掘り出し……56
7 メタルコーピングの調整 大谷吉広……59
焼付面の研削……62
1．焼付面に，ポーセレンと結合するのに最も適した表面形状を与える……62
2．メタルコーピングの形態や厚みの修正……70
焼付面のサンドブラスティング……71
メタルコーピングの洗浄……78
ディギャッシング（1回目）……80
酸処理……82
ディギャッシング（2回目）……85
8 ポーセレンの築盛と焼成 相澤昭男……89
コンデンス……90
1．表面張力について……90
2．陶材粉末の粒度分布と収縮について……91
3．コンデンス法……92
オペークポーセレン……95
歯頚部色ポーセレンの築盛……101
歯冠色ポーセレンの築盛……104
1．象牙色ポーセレンの築盛……105
2．エナメル色ポーセレンの築盛……110
3．透明ポーセレンの築盛……111
焼成……114
9 形態修正 青嶋 仁……117
形態修正……118
10 キャラクタリゼーション 青嶋 仁……127
キャラクタリゼーションの方法……128
1．表面ステイン……128
2．多色築盛法……128
3．内部ステインテクニック……128
表面ステイン……129
1．歯頚部色の調整……129
2．白帯の表現……129
3．切縁部象牙質構造の色調表現……129
4．エナメルクラック，ヘアラインの表現……130
5．切縁部透明感の調整……130
表面ステインの実際……130
内部ステインテクニック……134
1．オペークおよびマージンポーセレン上のステイン……134
2．象牙色・エナメル色ポーセレン上のステイン……134
内部ステインの実際……135
症例I……136
症例II……137
11 ポーセレンマージン 鈴木輝吉……139
歯型製作……140
メタルコーピングの製作……141
マージンポーセレンの種類……147
マージンポーセレンの強度……147
マージンポーセレンの築盛……149
歯冠色ポーセレンの築盛と焼成……155
マージンの補正……162
12 臼歯部セラモメタルクラウンの製作 澤田満穂……167
メタルコーピングの製作……168
オペークポーセレンの築盛，焼成……170
歯頚部色・歯冠色ポーセレンの築盛，焼成……172
1．歯頚部色ポーセレンの築盛……173
2．象牙色ポーセレンの築盛……174
3．エナメル色ポーセレンの築盛……177
形態修正，グレージング……180
参考文献……185
索引……187
2 セラモメタルクラウンとは 坂 清子……3
定義……4
材料学的考察……5
1．陶材……5
2．合金……8
3．合金と陶材との焼付け機構……12
4．結合に関するその他の因子……14
3 支台歯形態 川和忠治……17
基本的な支台歯形態……18
1．前歯部の支台歯形態……19
2．臼歯部の支台歯形態……20
唇側における歯頚部辺縁形態……20
4 メタルコーピングの製作 渡辺清志……23
メタルコーピングデザイン……24
1．メタルコーピングの基本的要件……24
2．前歯部メタルコーピング……26
3．臼歯部メタルコーピング……28
マージン部の形態……30
1．カラータイプ……30
2．カラーレスタイプ……30
ワックスパターンの製作……32
1．歯冠形態の再現……32
2．窓あけ（カットバック）……34
5 埋没 渡辺清志……41
スプルーイング……42
埋没……47
6 鋳造リングの加熱，鋳造 渡辺清志……51
鋳造リングの加熱……52
鋳造……53
鋳造体の掘り出し……56
7 メタルコーピングの調整 大谷吉広……59
焼付面の研削……62
1．焼付面に，ポーセレンと結合するのに最も適した表面形状を与える……62
2．メタルコーピングの形態や厚みの修正……70
焼付面のサンドブラスティング……71
メタルコーピングの洗浄……78
ディギャッシング（1回目）……80
酸処理……82
ディギャッシング（2回目）……85
8 ポーセレンの築盛と焼成 相澤昭男……89
コンデンス……90
1．表面張力について……90
2．陶材粉末の粒度分布と収縮について……91
3．コンデンス法……92
オペークポーセレン……95
歯頚部色ポーセレンの築盛……101
歯冠色ポーセレンの築盛……104
1．象牙色ポーセレンの築盛……105
2．エナメル色ポーセレンの築盛……110
3．透明ポーセレンの築盛……111
焼成……114
9 形態修正 青嶋 仁……117
形態修正……118
10 キャラクタリゼーション 青嶋 仁……127
キャラクタリゼーションの方法……128
1．表面ステイン……128
2．多色築盛法……128
3．内部ステインテクニック……128
表面ステイン……129
1．歯頚部色の調整……129
2．白帯の表現……129
3．切縁部象牙質構造の色調表現……129
4．エナメルクラック，ヘアラインの表現……130
5．切縁部透明感の調整……130
表面ステインの実際……130
内部ステインテクニック……134
1．オペークおよびマージンポーセレン上のステイン……134
2．象牙色・エナメル色ポーセレン上のステイン……134
内部ステインの実際……135
症例I……136
症例II……137
11 ポーセレンマージン 鈴木輝吉……139
歯型製作……140
メタルコーピングの製作……141
マージンポーセレンの種類……147
マージンポーセレンの強度……147
マージンポーセレンの築盛……149
歯冠色ポーセレンの築盛と焼成……155
マージンの補正……162
12 臼歯部セラモメタルクラウンの製作 澤田満穂……167
メタルコーピングの製作……168
オペークポーセレンの築盛，焼成……170
歯頚部色・歯冠色ポーセレンの築盛，焼成……172
1．歯頚部色ポーセレンの築盛……173
2．象牙色ポーセレンの築盛……174
3．エナメル色ポーセレンの築盛……177
形態修正，グレージング……180
参考文献……185
索引……187