第2版の序文
1988年に制定された『歯科衛生士試験出題基準』が,このたび(1999年4月)改訂された.今回の改訂は,今後5〜6年以内に予定される歯科衛生士養成の修業年限延長(2年以上から3年以上へ)による『出題基準』大改訂までの,いわば暫定措置として行われた.しかも,現在,歯科衛生士学校・養成所で使われている「歯科衛生士教本」をはじめとした教科書の内容を,一部あと追い的に反映した性格をも持つ,小改訂といえる.
今回の『出題基準』改訂の内容を見ると,
(1) 用語の言い換え
(2) 項目の配列や内容などが整理されたもの
(3) 新たに加えられた項目
(4) 項目が他の科目にもわたるようになったもの
などである.
この新しい『出題基準』は,2000年3月の国家試験から適用される.
また,1999年3月に実施された国家試験は,
(1) 状況設定問題が増えた
(2) 組み合わせ問題で,3項目のものが出題された
(3) カラーの口腔内写真を見て答える問題が出された
などの点で従来とは傾向が変わった.
本書「歯科衛生士試験オリジナル問題集 初版」は,改訂前の『出題基準』に沿って編集されており,問題も各科目の大項目ごとに配列されている.
そこで,本書も,改訂された出題基準に沿うようにすると同時に,国家試験の新しい出題傾向をも加味し,急きょ改訂した.
さらに厳しくなることが予想される国家試験の対策に本書を十分に活用され,全員が所期の目的を達成されるよう祈念している.
1999年11月 歯科衛生士試験問題研究会
第1版の序文
歯科保健医療をとりまく環境は,疾病構造の変化あるいは少子高齢化社会を見据えながら,大きく変遷している.
保健医療制度の見直しも積極的に実施されているなかで,歯科領域の保健・医療・福祉の充実をいかに進展させていくかが,今後の課題となっている.
歯科衛生士は,歯科衛生士法の規定により予防処置,診療補助ならびに保健指導を行う専門職であり,とくに国民の口腔保健の向上に担う役割への期待は,かつてないほど大きいものがある.
歯科衛生士を目指す諸姉は,このような社会的背景を踏まえて,その期待に応える歯科衛生士となるべく勉学に励んでおられるものと思う.歯科衛生士として必要な基礎的知識を確実なものとして,国家試験に合格され,臨床あるいは地域などで存分に活躍していただきたい.
本書は,国家試験の受験を控えた諸姉が,最終的に自らの知識を整理・確認するとともに,国家試験問題を解答するときの“解法のコツ”をも習得できるように,諸姉の身になってつくられたものである.
問題は,すべて新作(オリジナル)問題であり,当然のことながら過去の国家試験出題傾向を徹底的に分析し,さらに歯科衛生士国家試験出題基準を網羅して,各項目のなかで出題頻度の高い重要項目から問題作成がなされている.
解答・解説は,“問題解法のコツ“から類似問題に対応するための“関連学習”まで端的にまとめあげ,国家試験受験直前まで役立つように配慮してある.
本書を手にされた諸姉が,これを上手に利用することにより,所期の目的を達成されるよう心より祈念している.
1997年9月 歯科衛生士試験問題研究会
本書の特徴
1)問題はすべてオリジナルで,過去の歯科衛生士試験(以下,国家試験)の出題傾向,難易度等を分析し,また今後の出題予想をも加味して,1999年4月に改訂された「歯科衛生士試験出題基準[(財)歯科医療研修振興財団]」(以下,「出題基準」)に準拠して作成したものである.
2)問題の形式は,国家試験の出題形式に従った.
3)問題の配列は,「出題基準」の大項目(該当部分を掲載)に沿った.
4)学習をチェックするために,「出題基準」の小項目ごとにを付した.
5)「解法への学習」では,その問題を解くにあたって必要な知識,あるいは解法への考え方を記述した.
6)「関連学習」では,その問題に関連して押さえておくべき項目をあげた.
7)専門用語に関しては,原則として「出題基準」に準拠し,文部省の「学術用語集」も参考にした.
参考までに「出題基準」の各科目ごとに掲載されている“出題方針”を示す.
「解剖学及び生理学」
1 解剖学は,人体の構造と組織の大要及び口腔の構造並びにその周囲組織についての知識を試問する.
2 生理学は人体の生理の概要並びに歯と口腔についての生理の知識を試問する.
「病理学,微生物学及び薬理学」
1 病理学,微生物学及び薬理学はそれぞれの基本的な知識について試問する.
2 口腔領域の粘膜疾患,奇形,嚢胞,腫瘍は歯科臨床大要においても出題する.
3 齲蝕や歯周疾患の病因論は口腔衛生学においても出題する.
4 消毒及び滅菌の具体的手法については,歯科予防処置及び歯科診療補助で出題する.
5 歯科用の常用薬物は歯科臨床大要においても出題する.
「口腔衛生学」
1 口腔衛生学は,歯と口腔の疾病異常の予防及び保健指導,並びに地域歯科保健活動に関して必要な事項の知識について試問する.
2 歯科保健指導及び口腔保健教育の具体的方法については保健指導で出題する.
「衛生学・公衆衛生学(衛生行政・社会福祉を含む)」
1 衛生学・公衆衛生学は,公衆衛生に関する全般的な知識について試問し,併せて衛生行政及び社会福祉などの法令制度についても試問する.
2 歯科医師法,歯科衛生士法,医療法,地域保健法,母子保健法,学校保健法,労働安全衛生法などの関連事項についても出題する.
3 衛生統計関係項目については口腔衛生学で出題する.
「栄養指導」
1 栄養指導は,栄養学及びそれに関連する生化学の基本的知識について試問する.
2 栄養指導は歯科保健に関連の深い事項について出題する.
3 栄養指導及び食生活指導の実技的な項目は保健指導において出題する.
「歯科臨床大要」
1 歯科臨床大要は,歯科臨床概論,歯科保存学,歯科補綴学,口腔外科学,小児歯科学及び矯正歯科学の知識について試問する.ただし,歯科衛生士が業務を行うのに必要な知識の範囲に限定するように留意する.
2 歯科診療における共同動作に関連する事項は歯科診療補助において出題する.
3 病因論等,歯科医学に関する知識については病理学,微生物学及び薬理学又は口腔衛生学で出題する.
「歯科予防処置」
1 歯科予防処置は,予防の術式等,技能に関連する事項について試問する.
2 設問に写真,模式図等を取り入れるなど出題形式について考慮する.
3 口腔衛生学,歯科臨床大要,歯科診療補助及び歯科保健指導等の関連科目との調整に留意する.
「歯科診療補助」
1 歯科診療補助は,歯科衛生士の業務についての単なる知識ではなく,技能に関連する事項について試問する.
2 歯科診療における共同動作,術式,患者への対応及び材料,薬品,器具の取扱いについては,この科目で出題する.
「保健指導」
1 保健指導は業務の実施に当たって必要な基礎的知識及び技能について試問する.
2 写真,図,模式図等を豊富に取り入れるなど,具体的に技能を評価できるように出題の形式を工夫する.
3 口腔衛生学,歯科臨床大要及び栄養指導等の関連科目との調整に留意する.
1988年に制定された『歯科衛生士試験出題基準』が,このたび(1999年4月)改訂された.今回の改訂は,今後5〜6年以内に予定される歯科衛生士養成の修業年限延長(2年以上から3年以上へ)による『出題基準』大改訂までの,いわば暫定措置として行われた.しかも,現在,歯科衛生士学校・養成所で使われている「歯科衛生士教本」をはじめとした教科書の内容を,一部あと追い的に反映した性格をも持つ,小改訂といえる.
今回の『出題基準』改訂の内容を見ると,
(1) 用語の言い換え
(2) 項目の配列や内容などが整理されたもの
(3) 新たに加えられた項目
(4) 項目が他の科目にもわたるようになったもの
などである.
この新しい『出題基準』は,2000年3月の国家試験から適用される.
また,1999年3月に実施された国家試験は,
(1) 状況設定問題が増えた
(2) 組み合わせ問題で,3項目のものが出題された
(3) カラーの口腔内写真を見て答える問題が出された
などの点で従来とは傾向が変わった.
本書「歯科衛生士試験オリジナル問題集 初版」は,改訂前の『出題基準』に沿って編集されており,問題も各科目の大項目ごとに配列されている.
そこで,本書も,改訂された出題基準に沿うようにすると同時に,国家試験の新しい出題傾向をも加味し,急きょ改訂した.
さらに厳しくなることが予想される国家試験の対策に本書を十分に活用され,全員が所期の目的を達成されるよう祈念している.
1999年11月 歯科衛生士試験問題研究会
第1版の序文
歯科保健医療をとりまく環境は,疾病構造の変化あるいは少子高齢化社会を見据えながら,大きく変遷している.
保健医療制度の見直しも積極的に実施されているなかで,歯科領域の保健・医療・福祉の充実をいかに進展させていくかが,今後の課題となっている.
歯科衛生士は,歯科衛生士法の規定により予防処置,診療補助ならびに保健指導を行う専門職であり,とくに国民の口腔保健の向上に担う役割への期待は,かつてないほど大きいものがある.
歯科衛生士を目指す諸姉は,このような社会的背景を踏まえて,その期待に応える歯科衛生士となるべく勉学に励んでおられるものと思う.歯科衛生士として必要な基礎的知識を確実なものとして,国家試験に合格され,臨床あるいは地域などで存分に活躍していただきたい.
本書は,国家試験の受験を控えた諸姉が,最終的に自らの知識を整理・確認するとともに,国家試験問題を解答するときの“解法のコツ”をも習得できるように,諸姉の身になってつくられたものである.
問題は,すべて新作(オリジナル)問題であり,当然のことながら過去の国家試験出題傾向を徹底的に分析し,さらに歯科衛生士国家試験出題基準を網羅して,各項目のなかで出題頻度の高い重要項目から問題作成がなされている.
解答・解説は,“問題解法のコツ“から類似問題に対応するための“関連学習”まで端的にまとめあげ,国家試験受験直前まで役立つように配慮してある.
本書を手にされた諸姉が,これを上手に利用することにより,所期の目的を達成されるよう心より祈念している.
1997年9月 歯科衛生士試験問題研究会
本書の特徴
1)問題はすべてオリジナルで,過去の歯科衛生士試験(以下,国家試験)の出題傾向,難易度等を分析し,また今後の出題予想をも加味して,1999年4月に改訂された「歯科衛生士試験出題基準[(財)歯科医療研修振興財団]」(以下,「出題基準」)に準拠して作成したものである.
2)問題の形式は,国家試験の出題形式に従った.
3)問題の配列は,「出題基準」の大項目(該当部分を掲載)に沿った.
4)学習をチェックするために,「出題基準」の小項目ごとにを付した.
5)「解法への学習」では,その問題を解くにあたって必要な知識,あるいは解法への考え方を記述した.
6)「関連学習」では,その問題に関連して押さえておくべき項目をあげた.
7)専門用語に関しては,原則として「出題基準」に準拠し,文部省の「学術用語集」も参考にした.
参考までに「出題基準」の各科目ごとに掲載されている“出題方針”を示す.
「解剖学及び生理学」
1 解剖学は,人体の構造と組織の大要及び口腔の構造並びにその周囲組織についての知識を試問する.
2 生理学は人体の生理の概要並びに歯と口腔についての生理の知識を試問する.
「病理学,微生物学及び薬理学」
1 病理学,微生物学及び薬理学はそれぞれの基本的な知識について試問する.
2 口腔領域の粘膜疾患,奇形,嚢胞,腫瘍は歯科臨床大要においても出題する.
3 齲蝕や歯周疾患の病因論は口腔衛生学においても出題する.
4 消毒及び滅菌の具体的手法については,歯科予防処置及び歯科診療補助で出題する.
5 歯科用の常用薬物は歯科臨床大要においても出題する.
「口腔衛生学」
1 口腔衛生学は,歯と口腔の疾病異常の予防及び保健指導,並びに地域歯科保健活動に関して必要な事項の知識について試問する.
2 歯科保健指導及び口腔保健教育の具体的方法については保健指導で出題する.
「衛生学・公衆衛生学(衛生行政・社会福祉を含む)」
1 衛生学・公衆衛生学は,公衆衛生に関する全般的な知識について試問し,併せて衛生行政及び社会福祉などの法令制度についても試問する.
2 歯科医師法,歯科衛生士法,医療法,地域保健法,母子保健法,学校保健法,労働安全衛生法などの関連事項についても出題する.
3 衛生統計関係項目については口腔衛生学で出題する.
「栄養指導」
1 栄養指導は,栄養学及びそれに関連する生化学の基本的知識について試問する.
2 栄養指導は歯科保健に関連の深い事項について出題する.
3 栄養指導及び食生活指導の実技的な項目は保健指導において出題する.
「歯科臨床大要」
1 歯科臨床大要は,歯科臨床概論,歯科保存学,歯科補綴学,口腔外科学,小児歯科学及び矯正歯科学の知識について試問する.ただし,歯科衛生士が業務を行うのに必要な知識の範囲に限定するように留意する.
2 歯科診療における共同動作に関連する事項は歯科診療補助において出題する.
3 病因論等,歯科医学に関する知識については病理学,微生物学及び薬理学又は口腔衛生学で出題する.
「歯科予防処置」
1 歯科予防処置は,予防の術式等,技能に関連する事項について試問する.
2 設問に写真,模式図等を取り入れるなど出題形式について考慮する.
3 口腔衛生学,歯科臨床大要,歯科診療補助及び歯科保健指導等の関連科目との調整に留意する.
「歯科診療補助」
1 歯科診療補助は,歯科衛生士の業務についての単なる知識ではなく,技能に関連する事項について試問する.
2 歯科診療における共同動作,術式,患者への対応及び材料,薬品,器具の取扱いについては,この科目で出題する.
「保健指導」
1 保健指導は業務の実施に当たって必要な基礎的知識及び技能について試問する.
2 写真,図,模式図等を豊富に取り入れるなど,具体的に技能を評価できるように出題の形式を工夫する.
3 口腔衛生学,歯科臨床大要及び栄養指導等の関連科目との調整に留意する.
問題編目次
基礎編/1
解剖学…………3
組織・発生学…………6
口腔解剖学…………8
生理学…………12
病理学…………17
微生物学…………24
薬理学…………30
口腔衛生学…………35
衛生学・公衆衛生学及び衛生行政・社会福祉…………46
栄養指導…………54
歯科臨床大要編/61
歯科臨床概論…………63
歯科保存学…………66
歯科補綴学…………74
口腔外科学…………78
小児歯科学…………85
矯正歯科学…………90
歯科予防処置歯科診療補助・保健指導編/95
歯科予防処置…………97
歯科診療補助…………108
保健指導…………128
写真…………143
解答編目次
基礎編/1
解剖学…………3
組織・発生学…………6
口腔解剖学…………8
生理学…………14
病理学…………20
微生物学…………27
薬理学…………35
口腔衛生学…………45
衛生学・公衆衛生学及び衛生行政・社会福祉…………58
栄養指導…………68
歯科臨床大要編/79
歯科臨床概論…………81
歯科保存学…………85
歯科補綴学…………95
口腔外科学…………102
小児歯科学…………113
矯正歯科学…………120
歯科予防処置歯科診療補助・保健指導編/127
歯科予防処置…………129
歯科診療補助…………144
保健指導…………163
基礎編/1
解剖学…………3
組織・発生学…………6
口腔解剖学…………8
生理学…………12
病理学…………17
微生物学…………24
薬理学…………30
口腔衛生学…………35
衛生学・公衆衛生学及び衛生行政・社会福祉…………46
栄養指導…………54
歯科臨床大要編/61
歯科臨床概論…………63
歯科保存学…………66
歯科補綴学…………74
口腔外科学…………78
小児歯科学…………85
矯正歯科学…………90
歯科予防処置歯科診療補助・保健指導編/95
歯科予防処置…………97
歯科診療補助…………108
保健指導…………128
写真…………143
解答編目次
基礎編/1
解剖学…………3
組織・発生学…………6
口腔解剖学…………8
生理学…………14
病理学…………20
微生物学…………27
薬理学…………35
口腔衛生学…………45
衛生学・公衆衛生学及び衛生行政・社会福祉…………58
栄養指導…………68
歯科臨床大要編/79
歯科臨床概論…………81
歯科保存学…………85
歯科補綴学…………95
口腔外科学…………102
小児歯科学…………113
矯正歯科学…………120
歯科予防処置歯科診療補助・保健指導編/127
歯科予防処置…………129
歯科診療補助…………144
保健指導…………163