序
国民誰しも健康で快適な生活，すなわちQOL（クオリティオブライフ）の向上を願い，歯科医療に対する関心も高くなりつつあります．また，歯科医学の進歩もめざましく，これに伴って歯科医療も高度化，多様化してきました．
これからの歯科医師が社会の期待に真に応えるためには，医療人として“インフォームドコンセント”に基づいた患者と医師の関係を確立するとともに，まずもって基本的な歯科診療能力を十分に修得しておかなければなりません．さらに，歯科医師として生涯研修に向けての基盤づくりも必要となります．
平成18年(2006)度から，卒後の歯科医師臨床研修が義務化されることになりました．現在，各歯科大学・歯学部において，卒前の臨床実習が必ずしも十分とはいえない状況もあり，この卒後研修はきわめて重要な役割を果たすことになるでしょう．
卒後の臨床研修の目的は，幅広い知識をきちんと整理して，基本にのっとった確かな技術を習得し，安全な歯科医療を提供できるようになることと言ってよいでしょう．それにはまず，医療人の一員としてふさわしい態度や礼儀をしっかりと身につけ，患者さんから信頼されるようにならなければなりません．また，歯科医療における技術の向上は，実践以外に他に方法はありません．
そのための具体的な行動目標は，以下のとおりです．
(1)歯科医師として好ましい態度を身につけ，患者および家族とのよりよい人間関係を確立する．
(2)全人的な視点から得られた情報を理解し，それに基づいた総合治療計画を立案する．
(3)歯科疾患の障害の予防，および治療における基本的技術を身につける．
(4)一般的によく遭遇する応急処置と，頻度の高い歯科治療処置が確実に実施できる．
(5)歯科診療時の全身的な偶発事故に適切に対応できる．
(6)自ら行った処置の経過を観察・評価し，診断と治療を常にフィードバックする態度を身につける．
(7)専門的知識や高度先進的技術に目を向け，生涯研修の意欲への動機づけができる．
(8)歯科医師の社会的役割を認識し，実践する．
各臨床研修施設には，それぞれの特徴を生かした研修プログラムが用意されています．いずれにおいても，所期の研修成果が得られるかどうかは，ひとえに自ら学ぼうとする姿勢にかかっているのは言うまでもありません．あらゆる機会をとらえて，指導医に指示・指導を仰ぎつつ，何事にも積極的に取り組んで下さい．また，研修の進行状況を自らを客観的に点検，評価して，足らざるところを補っていくことも大切です．
本シリーズには，卒後臨床研修の間に，そして歯科医師として卒後10年までに修得しておかなければならない歯科診療に関する事項がすべて網羅されています．そして，イラスト，カラー写真を中心にその内容が簡潔に，しかも分かりやすく解説されています．
執筆者には，臨床教育や一般歯科臨床に経験豊富な各分野の先生方にお願いいたしました．チェアーサイドでも気軽に使えるので，ぜひ積極的に活用して下さい．また，卒前の臨床実習の参考書としても有用と思います．
本シリーズは，医歯薬出版（株）の創業80周年記念出版物（本巻4巻・別巻2巻）として企画され，本書は第1巻「患者の診かたと歯科診療」，第2巻「歯・歯髄・歯周組織の疾患」に引き続き，シリーズの第3巻です．
本書には，咬合・咀嚼障害および顎・口腔領域の疾患の基本的な診断法，そして具体的な術式・治療法が，系統だって分かりやすく記載されています．本書が，日々の歯科臨床において活用され，卒後の臨床研修の実があがることを編者一同，心から願っています．
最後に，本書の刊行に尽力いただいた編集部の牧野和彦氏，ならびに編集部の皆さんに深甚なる感謝の意を表します．
2001年11月 編者一同
国民誰しも健康で快適な生活，すなわちQOL（クオリティオブライフ）の向上を願い，歯科医療に対する関心も高くなりつつあります．また，歯科医学の進歩もめざましく，これに伴って歯科医療も高度化，多様化してきました．
これからの歯科医師が社会の期待に真に応えるためには，医療人として“インフォームドコンセント”に基づいた患者と医師の関係を確立するとともに，まずもって基本的な歯科診療能力を十分に修得しておかなければなりません．さらに，歯科医師として生涯研修に向けての基盤づくりも必要となります．
平成18年(2006)度から，卒後の歯科医師臨床研修が義務化されることになりました．現在，各歯科大学・歯学部において，卒前の臨床実習が必ずしも十分とはいえない状況もあり，この卒後研修はきわめて重要な役割を果たすことになるでしょう．
卒後の臨床研修の目的は，幅広い知識をきちんと整理して，基本にのっとった確かな技術を習得し，安全な歯科医療を提供できるようになることと言ってよいでしょう．それにはまず，医療人の一員としてふさわしい態度や礼儀をしっかりと身につけ，患者さんから信頼されるようにならなければなりません．また，歯科医療における技術の向上は，実践以外に他に方法はありません．
そのための具体的な行動目標は，以下のとおりです．
(1)歯科医師として好ましい態度を身につけ，患者および家族とのよりよい人間関係を確立する．
(2)全人的な視点から得られた情報を理解し，それに基づいた総合治療計画を立案する．
(3)歯科疾患の障害の予防，および治療における基本的技術を身につける．
(4)一般的によく遭遇する応急処置と，頻度の高い歯科治療処置が確実に実施できる．
(5)歯科診療時の全身的な偶発事故に適切に対応できる．
(6)自ら行った処置の経過を観察・評価し，診断と治療を常にフィードバックする態度を身につける．
(7)専門的知識や高度先進的技術に目を向け，生涯研修の意欲への動機づけができる．
(8)歯科医師の社会的役割を認識し，実践する．
各臨床研修施設には，それぞれの特徴を生かした研修プログラムが用意されています．いずれにおいても，所期の研修成果が得られるかどうかは，ひとえに自ら学ぼうとする姿勢にかかっているのは言うまでもありません．あらゆる機会をとらえて，指導医に指示・指導を仰ぎつつ，何事にも積極的に取り組んで下さい．また，研修の進行状況を自らを客観的に点検，評価して，足らざるところを補っていくことも大切です．
本シリーズには，卒後臨床研修の間に，そして歯科医師として卒後10年までに修得しておかなければならない歯科診療に関する事項がすべて網羅されています．そして，イラスト，カラー写真を中心にその内容が簡潔に，しかも分かりやすく解説されています．
執筆者には，臨床教育や一般歯科臨床に経験豊富な各分野の先生方にお願いいたしました．チェアーサイドでも気軽に使えるので，ぜひ積極的に活用して下さい．また，卒前の臨床実習の参考書としても有用と思います．
本シリーズは，医歯薬出版（株）の創業80周年記念出版物（本巻4巻・別巻2巻）として企画され，本書は第1巻「患者の診かたと歯科診療」，第2巻「歯・歯髄・歯周組織の疾患」に引き続き，シリーズの第3巻です．
本書には，咬合・咀嚼障害および顎・口腔領域の疾患の基本的な診断法，そして具体的な術式・治療法が，系統だって分かりやすく記載されています．本書が，日々の歯科臨床において活用され，卒後の臨床研修の実があがることを編者一同，心から願っています．
最後に，本書の刊行に尽力いただいた編集部の牧野和彦氏，ならびに編集部の皆さんに深甚なる感謝の意を表します．
2001年11月 編者一同
I 咬合・咀嚼障害の基本的治療法
1 ブリッジと部分床義歯の適応症（星合和基・田中貴信）
1．ブリッジと部分床義歯の適応症の比較
2．臨床診断に必要なもの
2 ブリッジの支台歯形成（三浦宏之）
1．準備するもの
2．装着方向の決定
3．形成の要点
4．手順（術式）
5．マージンの位置と形態
6．平行測定
3 ブリッジの印象採得と咬合採得（石橋寛二・古川良俊）
1．個歯トレーを用いた精密印象法
2．個歯トレーを用いない精密印象法
3．トランスファーコーピングを用いた多数支台歯の印象法
4．咬合採得材の種類と特徴
5．咬頭嵌合位が明確な場合の咬合採得法
6．咬頭嵌合位が不明確な場合の咬合採得法
7．あらたに顎位を設定する場合の咬合採得法
4 テンポラリーブリッジのつくり方（畑 好昭）
1．口内法
2．模型法
5 ブリッジの適合チェック（試適・調整）（川和忠治・菅沼岳史）
1．準備するもの
2．臼歯部ブリッジ
3．前歯部ブリッジ
6 部分床義歯の設計の要点（野首孝祠・池邉一典）
1．部分床義歯の必要条件
2．部分床義歯設計の考え方
3．支持機構の設定
4．把持機構の設定
5．維持機構の設定
6．連結機構の設定
7．咬合の設計
8．精度の問題
7 片側遊離端欠損症例に補綴処理を行う意義（河野正司・金田 恒）
1．臨床の場で
2．咀嚼の評価
3．片側咀嚼
4．片側遊離端欠損症例の場合
8 部分床義歯の概形印象（出崎義規・中村好徳）
1．口腔内診査
2．印象用器具・材料
3．トレーの調整
4．印象材のトレーへの盛り方
5．印象採得時の注意点
6．印象材の撤去
7．研究用模型
9 部分床義歯の個人トレーのつくり方（石上友彦・月村直樹）
1．利点
2．準備するもの
3．個人トレーの製作手順
10 部分床義歯の印象採得（五十嵐順正）
1．部分床義歯の印象の目的
2．印象採得の前準備
3．印象技法
11 部分床義歯の咬合採得（清野和夫）
1．Eichnerの分類
2．咬合支持域がすべて，あるいは3つ存在し，模型で咬合関係を容易に再現できる場合
3．咬合支持域が部分的に失われているもの，あるいは全部失われているが，前歯部の咬合接触が存在する場合
4．咬合支持域がすべて失われ，残存歯に咬合接触がなく，患者固有の咬合を再現できない場合
12 部分床義歯の適合チェック（井上 宏）
1．メタルフレームの口腔内試適と適合チェック
2．メタルフレームの適合チェックの方法
3．メタルフレームの咬合チェック
4．完成義歯床の適合チェック
5．義歯のリコール時の適合チェック
13 全部床義歯の概形印象（川良美佐雄）
1．概形印象とは
2．準備する器材
3．アルジネート印象法
4．モデリングコンパウンド印象法
5．使用中の義歯を用いた印象法
6．研究用模型の製作
14 全部床義歯の個人トレーのつくり方（櫻井 薫）
1．準備するもの
2．手順・要点
15 全部床義歯の印象採得（守川雅男）
1．全部床義歯の印象領域
2．準備するもの
3．印象術式
16 全部床義歯の咬合採得（前田芳信・十河基文）
1．準備するもの
2．咬合採得の手順と要点
3．咬合採得の実際
17 全部床義歯の仮床試適（三浦美文・川崎貴生）
1．準備するもの
2．仮床試適の手順
18 全部床義歯の適合チェック（池田和博・平井敏博）106
1．アンダーカット部および義歯床粘膜面の点検
2．義歯の維持に関する点検
3．義歯床粘膜面の適合に関する点検
4．咬合関係の点検
5．中心咬合位（人工歯による咬頭嵌合位）における義歯床粘膜面の適合状態の確認
6．患者指導
7．転帰
19 義歯の修理（佐藤博信・松浦尚志）112
1．不適切な義歯床粘膜面および床縁形態の修理
2．床破折の修理
3．クラスプの修理
4．鉤歯の修理
5．人工歯脱離や破折の修理
20 義歯のリライニングとリベース（細井紀雄）118
1．リライニングの方法
2．部分床義歯のリライニング
3．全部床義歯，オーバーデンチャーのリライニング
4．リベース
5．軟質裏層材によるリライニング
21 顎関節症（覚道健治）126
1．診断法
2．顎関節症の診断基準
3．顎関節症と鑑別を要する疾患
4．症型分類の進め方
5．各症型の臨床像
6．治療の進め方の基本概念
7．薬物療法における薬物の選択基準
8．理学療法
9．スプリント療法（スタビリゼーション型スプリント）
II 顎・口腔領域疾患の基本的治療法
22 切開・縫合（植木輝一）138
1．切開
2．縫合
23 抜歯の基本（西田紘一）146
1．患者への説明
2．体位と姿勢
3．抜歯鉗子と抜歯挺子の持ち方
4．術後の説明と術後経過
5．抜歯治療の流れ
24 上顎部の抜歯の基本術式（下郷和雄）150
1．上顎前歯の抜歯
2．上顎小臼歯の抜歯
3．上顎大臼歯の抜歯
付．抜歯後出血
25 下顎部の抜歯の基本術式（西田絃一）154
1．準備するもの
2．術式の要点
3．抜歯鉗子を用いる場合の術式
4．抜歯挺子（エレベーター）を用いる場合の術式
26 埋伏智歯の抜歯の基本術式（柿澤 卓）158
1．準備するもの
2．下顎埋伏智歯の抜歯
3．上顎埋伏智歯の抜歯
27 口腔内消炎手術（木下文夫）164
1．問診
2．診査
3．検査
4．麻酔
5．試験穿刺
6．準備するもの
7．切開・ドレナージ
8．後処置
付1．口腔粘膜に腫瘍を発症する局所的原因疾患
付2．注意をはらうべき全身的疾患
28 頬・口唇・舌小帯整形手術（古郷幹彦）172
1．上唇小帯の異常
2．舌小帯の異常
3．頬小帯の異常
4．下唇小帯の異常
29 歯槽骨整形術（福田仁一）178
1．準備するもの
2．術式
30 抜歯窩再F爬術（岡野篤夫）182
1．抜歯窩の正常な治癒経過
2．抜歯後の治癒不全をきたすと考えられるおもな症状と原因
3．準備する器具
4．術式
文献
索引
ワンポイントアドバイス
ブリッジの適用：前歯部での要件
ブリッジの適用：臼歯部での要件
ブリッジの選択を第一義的に！
アドバイス
曲面形態
二面形成
テーパー
平行測定
レジン個歯トレーのつくり方
チェアーサイドでつくるブリッジ
チェックバイト
合着・接着
前ろう着・後ろう着
研究用模型の読み方
支台歯の補綴前処置
すれ違い咬合症例への対応
クラスプの選択
RPIクラスプ
咀嚼能力の評価について
咀嚼能力の評価について：新しい咀嚼試験法
トレーサイズの選択
トレー挿入時の注意点
常温重合レジンの扱い方（筆積み法）
ワイヤークラスプの維持力
印象法の選択に困ったとき
既製トレーの選択
個人トレー法
最近のシリコーン印象材
オルタードキャスト法
人工歯の選択
メタルフレーム（metal frame）
アドバイス
市販されている床適合材
アドバイス
概形印象
概形印象において気泡や欠落が生じやすい部位
トレー辺縁が露出しやすい部位
有歯顎印象
印象圧
モデリングコンパウンド印象
研究用模型
良い個人トレーとは
床基礎面の印象方法（表現方法）
床辺縁の印象方法（表現方法）
床研磨面の印象方法（表現方法）：フレンジテクニック
各領域形成にもっとも適した印象法
トレーの十分なエアー乾燥を！
なぜ，トレーを回転させるようにして口腔へ挿入するの?
注意！
トレー辺縁の長さのチェックと調整を！
注意！
復習しよう！ 後臼歯隆起の補綴的利用法は?
注意！
なぜだろう?
知っておこう！
注意！
厳重注意！
なぜ，遁路は辺縁形成前につけておいてはならないの?
印象材の等量になぜ，それほどこだわる必要があるの?
知っておこう！
咬合採得の失敗の原因とその対策
口唇周囲に緊張があると顎位が変位
エステティックライン
咬合床が浮き上がって適合
上下顎咬合床に記入すべき標示線
Hanauの公式
パウンドライン
顎舌骨筋線と人工歯
下顎顎堤傾斜部
コルベン状
筋圧中立帯
S.P.A.要素
チェックバイト法
パラトグラム
義歯の構造と機能的役割
適合試験材
機械的感覚受容器
プラーク層の除去
義歯があたって痛いとき
石膏を早く硬化させるためには
修理しやすいコンビネーションクラスプ
義歯が緩くて外れるときの応急処置
メタルボンドのポーセレンが破折したとき
義歯修理に欠かせない接着材料
リライニング時の注意
金属床義歯のリライニング
顎関節症IIIb型の顎運動および内視鏡所見
顎関節症IIIb型急性クローズドロック症例の進展
切開の注意点
縫合上の注意点
抜歯鉗子・挺子の握り方と術者の立つ位置
抜歯挺子（エレベーター）の滑脱防止
正中過剰埋伏歯の抜歯
抜歯を中止するとき
抜歯鉗子による偶発損傷
下顎骨の固定が十分に得られないとき
使用器材について/158,159
下歯槽神経麻痺が予想されるときの対応
抗生物質の選択(1)：種類をどうするか?
抗生物質の選択(2)：経口か点滴か?
腫瘍との鑑別に注意
上唇小帯の付着部変化
歯間離開の手術
舌小帯の手術
ドライソケット
1 ブリッジと部分床義歯の適応症（星合和基・田中貴信）
1．ブリッジと部分床義歯の適応症の比較
2．臨床診断に必要なもの
2 ブリッジの支台歯形成（三浦宏之）
1．準備するもの
2．装着方向の決定
3．形成の要点
4．手順（術式）
5．マージンの位置と形態
6．平行測定
3 ブリッジの印象採得と咬合採得（石橋寛二・古川良俊）
1．個歯トレーを用いた精密印象法
2．個歯トレーを用いない精密印象法
3．トランスファーコーピングを用いた多数支台歯の印象法
4．咬合採得材の種類と特徴
5．咬頭嵌合位が明確な場合の咬合採得法
6．咬頭嵌合位が不明確な場合の咬合採得法
7．あらたに顎位を設定する場合の咬合採得法
4 テンポラリーブリッジのつくり方（畑 好昭）
1．口内法
2．模型法
5 ブリッジの適合チェック（試適・調整）（川和忠治・菅沼岳史）
1．準備するもの
2．臼歯部ブリッジ
3．前歯部ブリッジ
6 部分床義歯の設計の要点（野首孝祠・池邉一典）
1．部分床義歯の必要条件
2．部分床義歯設計の考え方
3．支持機構の設定
4．把持機構の設定
5．維持機構の設定
6．連結機構の設定
7．咬合の設計
8．精度の問題
7 片側遊離端欠損症例に補綴処理を行う意義（河野正司・金田 恒）
1．臨床の場で
2．咀嚼の評価
3．片側咀嚼
4．片側遊離端欠損症例の場合
8 部分床義歯の概形印象（出崎義規・中村好徳）
1．口腔内診査
2．印象用器具・材料
3．トレーの調整
4．印象材のトレーへの盛り方
5．印象採得時の注意点
6．印象材の撤去
7．研究用模型
9 部分床義歯の個人トレーのつくり方（石上友彦・月村直樹）
1．利点
2．準備するもの
3．個人トレーの製作手順
10 部分床義歯の印象採得（五十嵐順正）
1．部分床義歯の印象の目的
2．印象採得の前準備
3．印象技法
11 部分床義歯の咬合採得（清野和夫）
1．Eichnerの分類
2．咬合支持域がすべて，あるいは3つ存在し，模型で咬合関係を容易に再現できる場合
3．咬合支持域が部分的に失われているもの，あるいは全部失われているが，前歯部の咬合接触が存在する場合
4．咬合支持域がすべて失われ，残存歯に咬合接触がなく，患者固有の咬合を再現できない場合
12 部分床義歯の適合チェック（井上 宏）
1．メタルフレームの口腔内試適と適合チェック
2．メタルフレームの適合チェックの方法
3．メタルフレームの咬合チェック
4．完成義歯床の適合チェック
5．義歯のリコール時の適合チェック
13 全部床義歯の概形印象（川良美佐雄）
1．概形印象とは
2．準備する器材
3．アルジネート印象法
4．モデリングコンパウンド印象法
5．使用中の義歯を用いた印象法
6．研究用模型の製作
14 全部床義歯の個人トレーのつくり方（櫻井 薫）
1．準備するもの
2．手順・要点
15 全部床義歯の印象採得（守川雅男）
1．全部床義歯の印象領域
2．準備するもの
3．印象術式
16 全部床義歯の咬合採得（前田芳信・十河基文）
1．準備するもの
2．咬合採得の手順と要点
3．咬合採得の実際
17 全部床義歯の仮床試適（三浦美文・川崎貴生）
1．準備するもの
2．仮床試適の手順
18 全部床義歯の適合チェック（池田和博・平井敏博）106
1．アンダーカット部および義歯床粘膜面の点検
2．義歯の維持に関する点検
3．義歯床粘膜面の適合に関する点検
4．咬合関係の点検
5．中心咬合位（人工歯による咬頭嵌合位）における義歯床粘膜面の適合状態の確認
6．患者指導
7．転帰
19 義歯の修理（佐藤博信・松浦尚志）112
1．不適切な義歯床粘膜面および床縁形態の修理
2．床破折の修理
3．クラスプの修理
4．鉤歯の修理
5．人工歯脱離や破折の修理
20 義歯のリライニングとリベース（細井紀雄）118
1．リライニングの方法
2．部分床義歯のリライニング
3．全部床義歯，オーバーデンチャーのリライニング
4．リベース
5．軟質裏層材によるリライニング
21 顎関節症（覚道健治）126
1．診断法
2．顎関節症の診断基準
3．顎関節症と鑑別を要する疾患
4．症型分類の進め方
5．各症型の臨床像
6．治療の進め方の基本概念
7．薬物療法における薬物の選択基準
8．理学療法
9．スプリント療法（スタビリゼーション型スプリント）
II 顎・口腔領域疾患の基本的治療法
22 切開・縫合（植木輝一）138
1．切開
2．縫合
23 抜歯の基本（西田紘一）146
1．患者への説明
2．体位と姿勢
3．抜歯鉗子と抜歯挺子の持ち方
4．術後の説明と術後経過
5．抜歯治療の流れ
24 上顎部の抜歯の基本術式（下郷和雄）150
1．上顎前歯の抜歯
2．上顎小臼歯の抜歯
3．上顎大臼歯の抜歯
付．抜歯後出血
25 下顎部の抜歯の基本術式（西田絃一）154
1．準備するもの
2．術式の要点
3．抜歯鉗子を用いる場合の術式
4．抜歯挺子（エレベーター）を用いる場合の術式
26 埋伏智歯の抜歯の基本術式（柿澤 卓）158
1．準備するもの
2．下顎埋伏智歯の抜歯
3．上顎埋伏智歯の抜歯
27 口腔内消炎手術（木下文夫）164
1．問診
2．診査
3．検査
4．麻酔
5．試験穿刺
6．準備するもの
7．切開・ドレナージ
8．後処置
付1．口腔粘膜に腫瘍を発症する局所的原因疾患
付2．注意をはらうべき全身的疾患
28 頬・口唇・舌小帯整形手術（古郷幹彦）172
1．上唇小帯の異常
2．舌小帯の異常
3．頬小帯の異常
4．下唇小帯の異常
29 歯槽骨整形術（福田仁一）178
1．準備するもの
2．術式
30 抜歯窩再F爬術（岡野篤夫）182
1．抜歯窩の正常な治癒経過
2．抜歯後の治癒不全をきたすと考えられるおもな症状と原因
3．準備する器具
4．術式
文献
索引
ワンポイントアドバイス
ブリッジの適用：前歯部での要件
ブリッジの適用：臼歯部での要件
ブリッジの選択を第一義的に！
アドバイス
曲面形態
二面形成
テーパー
平行測定
レジン個歯トレーのつくり方
チェアーサイドでつくるブリッジ
チェックバイト
合着・接着
前ろう着・後ろう着
研究用模型の読み方
支台歯の補綴前処置
すれ違い咬合症例への対応
クラスプの選択
RPIクラスプ
咀嚼能力の評価について
咀嚼能力の評価について：新しい咀嚼試験法
トレーサイズの選択
トレー挿入時の注意点
常温重合レジンの扱い方（筆積み法）
ワイヤークラスプの維持力
印象法の選択に困ったとき
既製トレーの選択
個人トレー法
最近のシリコーン印象材
オルタードキャスト法
人工歯の選択
メタルフレーム（metal frame）
アドバイス
市販されている床適合材
アドバイス
概形印象
概形印象において気泡や欠落が生じやすい部位
トレー辺縁が露出しやすい部位
有歯顎印象
印象圧
モデリングコンパウンド印象
研究用模型
良い個人トレーとは
床基礎面の印象方法（表現方法）
床辺縁の印象方法（表現方法）
床研磨面の印象方法（表現方法）：フレンジテクニック
各領域形成にもっとも適した印象法
トレーの十分なエアー乾燥を！
なぜ，トレーを回転させるようにして口腔へ挿入するの?
注意！
トレー辺縁の長さのチェックと調整を！
注意！
復習しよう！ 後臼歯隆起の補綴的利用法は?
注意！
なぜだろう?
知っておこう！
注意！
厳重注意！
なぜ，遁路は辺縁形成前につけておいてはならないの?
印象材の等量になぜ，それほどこだわる必要があるの?
知っておこう！
咬合採得の失敗の原因とその対策
口唇周囲に緊張があると顎位が変位
エステティックライン
咬合床が浮き上がって適合
上下顎咬合床に記入すべき標示線
Hanauの公式
パウンドライン
顎舌骨筋線と人工歯
下顎顎堤傾斜部
コルベン状
筋圧中立帯
S.P.A.要素
チェックバイト法
パラトグラム
義歯の構造と機能的役割
適合試験材
機械的感覚受容器
プラーク層の除去
義歯があたって痛いとき
石膏を早く硬化させるためには
修理しやすいコンビネーションクラスプ
義歯が緩くて外れるときの応急処置
メタルボンドのポーセレンが破折したとき
義歯修理に欠かせない接着材料
リライニング時の注意
金属床義歯のリライニング
顎関節症IIIb型の顎運動および内視鏡所見
顎関節症IIIb型急性クローズドロック症例の進展
切開の注意点
縫合上の注意点
抜歯鉗子・挺子の握り方と術者の立つ位置
抜歯挺子（エレベーター）の滑脱防止
正中過剰埋伏歯の抜歯
抜歯を中止するとき
抜歯鉗子による偶発損傷
下顎骨の固定が十分に得られないとき
使用器材について/158,159
下歯槽神経麻痺が予想されるときの対応
抗生物質の選択(1)：種類をどうするか?
抗生物質の選択(2)：経口か点滴か?
腫瘍との鑑別に注意
上唇小帯の付着部変化
歯間離開の手術
舌小帯の手術
ドライソケット