推薦の序
私の教え子,王 財源君は東洋医学概論の教鞭をとりながら中医学の基礎の一端となる重要な臓腑(蔵象)学説を,学生に理解しやすいように究明し著書にされ,この度出版されることになりました.
原稿を見せていただき,端的にいって非常に理解しやすく,良く書かれているのが何よりでした.中医学基礎理論を理解できるように書くことが非常に困難であることは私にも良く理解できます.困難だからといって西洋医学の学問を参考にすることはよいとして,主軸のように教育することは間違っていると思います.中医学を学ぶ者にはそれなりの専門書を理解することは当然であり,難解な古典理論を克服することが大切で,それゆえに学ぶ学生諸氏には研究心を高めることを私は常に念願しております.西洋医学にしても多くの難解を克服した結果,現代のように検査機器が開発され,飛躍的に進歩するに至っております.この研究・究明心が鍼灸医学を学ぶ者には必要ではないでしょうか.例えば,西洋・東洋医学を通じて基本的診察法はと問えば四診(望・問・聞・切)であると答えるでしょう.しかし鍼灸師にこの病人はどのように診療されましたかと問うてみて,順序だてて理解を得られるような答えが少ないというのは,中医学の基本となる古典理論が十分に理解会得されていないからだと思われます.その点,本書は中医学説の一端ではありますが,難解な古典理論を理解しやすく,しかも診療法の指針となるように書かれており,鍼灸医学を学ぶ者の手引き書として,特におすすめいたします.
前 明治鍼灸大学・明治東洋医学院漢方概論教諭
岡田 勝
第三版の序
本書は1999 年に初版を上梓して以来,研究や教育に従事する先生方,また,東洋医学を学ぶ多くの学生さんたちに愛読されてきました.しかし,伝統医学が日本の文化と風土に吸収されているかというと,そうでもなく,「東洋医学は難しい」という声は未だあとを絶ちません.
現在,日本国内における伝統医学はいつの間にか形骸化し,幻影となってその存在すら疑わしいという岐路に立ちつつあります.これらは異なる思想や文化に対する無認識,無理解をどう乗り越え,智恵をいかに育み,開発してゆくかということが根本的に議論され尽くしていない点にあります.今日,鍼と灸の概念を物理刺激として捉え,機械化し,定量化することにより,誰にでも使えるものにしたという利点については,多くの研究者や教育者の共感を生みました.ところが,一部の学問が硬直化したことにより,そこには伝統医学に根付いた哲学観が抜け落ち,本来の目的である,身心両面より治すといった全人的な治療を進めるにあたり,一部の術者がすでに限界を感じていることは,誰しもが気付いていることでしょう.本書はこれらの状況を踏まえて改訂しました.
第3 版の特徴は以下の5 点です.
(1)随所に『黄帝内経』『難経』などの原文を加えた.(2)初学者の習熟度を深めるためにチャート図を増やした.また,一部に国家試験にも対応できるように表を加えた.(3)灸の総数は『鍼灸甲乙経』を典拠文献とした.(4)参考,引用文献の見直しを行い,読者が入手可能な書籍を提示した.(5)東洋療法学校協会編『東洋医学概論』と『東洋医学臨床論』への学習意欲を高めるパイプ役として再度編集した.
拙著は蔵府学説を中心に執筆していますが,蔵府は体表と繋がりがある経絡という存在を介して体内の情報を外部に伝え,四肢百骸に影響を与えるため,臨床においては,経絡や経穴の情報(反応)を選択肢として利用することも肝要であります.中国では経絡学と蔵象学(蔵府学)は異なった教科で成り立っています.日本の教育システムでは,中国と同様の異なったカリキュラムを組むことは学校教育の時間数からも難しく,また他の教科と連携することも難しい局面に置かれています.これらのことから概論と臨床理論を結びつけるための一つの手段として拙著を利用して戴ければ幸甚です.まだまだ不備な所はありますが,今後,読者の意見を頂きながら加筆,訂正を行う所存です.
最後になりましたが,第3 版の上梓にあたり,忍耐強く編集作業を引き受けて下さった医歯薬出版(株)第一出版部の竹内大氏にこの場を借りて謝辞を申し上げます.
平成24 年12 月
関西医療大学 保健医療学部 自然科学ユニット
王 財源
改訂の序
“蔵象“ は《黄帝内経》のなかですでに記述され,歴代の医家らによって,社会的な背景をもとにして解釈が加えられました.1962 年湖北省で開催された中国湖北中医学院第2 回中医学習班において,ドクターのグループは「蔵象学説より,わが国における医学の理論体系を考えよ.」と提唱しました.これは蔵象学理論が中医学理論の核心を成す部分であることを力説したものです.“蔵象” は中医学理論に述べられている五臓六腑の機能のことで,西洋医学でいう内臓,臓器とは異なっています.ツ鉄樵氏は「黄帝内経の五蔵とは,血肉の五臓では非ず.」と,生きた人間に出現する生理的な活動で,生命活動の一部であることを指摘しています(『群経見智録』).
しかし,“蔵象” の考え方が複雑なために,東洋医学的な概念が日常生活に染みこんでいない日本の人には理解が困難であり,西洋医学と異なった生理学,病理学の考え方が,西洋医学を主軸とする日本で,受け入れることが可能だろうかと…….
そこで“蔵象” 理論を現代に甦らせ,現代人が理解しやすいように執筆してみました.ところが初期の原稿は万年筆で執筆していたため,筆者が阪神淡路大震災の時に,倒れた花瓶の水によりインクが滲んでしまって使えなくなりました.その後「失われた」原稿は本学卒業生のご協力により,再度執筆させていただき,1999 年の夏に初版が出版され,多くの医師,鍼灸師の先生方,学生,ならびに学校関係者の方々にご愛読していただきました.また,多くのご意見を賜り,今回はさらに内容を充実させ,増補版として第2 版を出版するはこびとなりました.
第2 版の特徴として,鑑別診断点と本書に記されている配穴を表にして資料編として付け加え,基礎理論のチェックポイント,扉絵の登場人物に著書,功績の簡単な説明を加え,病証の進行図をさらに詳しくしました.
本書の出版にあたり多くの人々にお世話になりました.扉絵の作品を使用することを快諾下さった上海中医薬大学の李鼎教授,楼紹来先生,色々とご指導いただいた関西鍼灸大学の諸先生方,また森川和宥先生,本学卒業生の石井昌明先生,菊井由紀子さん,友松真奈美さん,天野総子さん,川野原亜樹さん,大橋康人君,並びに担当編集の医歯薬出版株式会社の吉田邦男氏にこの場を借りて謝辞を申し上げます.
平成15 年3 月
王 財源
はじめに
祖父の楊敬蘭は中国江蘇省鎮江市高資の出身で,鍼灸治療や漢方薬を用いて多くの疾患を治していたようです.特に呼吸器系の病気が得意で,元来中国には存在しなかった漢方処方を作り出しました.当時は鉄の針を用いて治療し,銀質のものは手には入らなかったそうです.残念なことにその時に使用していた鉄針は,筆者が阪神大震災により紛失してしまいました.
また,その頃に執筆を終えた臨床臓腑学も,震災時に花瓶が倒れ,原稿のほとんどを万年筆で執筆していたために,インクが滲んでしまいました.そして再度の執筆したものが本書であります.
私が学生の頃,当時,漢方概論の指導をして下さったのは経絡治療を主とする岡田勝先生でした.岡田先生は漢方を初心者にわかりやすく講義され,その頃に経絡治療を教えていただきました.臨床においても漢方的な見方を具体的に説明いただき,四診法を主とした東洋医学的な診断方法など多くの臨床を教わりました.同時に大阪医科大学麻酔科,故・兵頭正義教授に師事し,ペインクリニックにおける鍼灸の治療を学びました.その後,中国に帰国して広州中医薬大学で学び,付属病院鍼灸科の劉炳権氏に師事しました.一旦,日本に戻った後,再度上海への留学を決め,現在の上海中医薬大学の王世恵医師に師事しました.
日本では,中国の本科留学を終えた学生諸氏でも中国と違って鍼灸師が漢方薬を扱えません.ですから,難解な弁証方法を学んでも机上の学問で終わってしまい,その能力を発揮できずにいるのが現状です.
中国人には東洋医学的な概念が日常生活に染み込んでいますが,日本人は西洋文化の影響を強く受けて今日に至っているため,日本人が東洋医学的な感覚を理解することは少し困難なようです.
このように,本書は難解な中国医学をより具体的に私たちの日常生活との関係を明確にすることで,日本人にも理解しやすいようにと執筆しました.
本書の出版にあたり多くの人々にお世話になりました.扉絵作品を使用することを快諾下さった上海中医薬大学の李鼎教授,楼紹来先生,色々とご指導いただいた関西鍼灸短期大学鍼灸臨床教室及び鍼灸基礎教室の諸先生方,また森川和宥先生,石井昌明先生,菊井由紀子さん,友松真奈美さん,天野聡子さん,大橋康人君,並びに担当編集者の医歯薬出版株式会社の吉田邦男氏にこの場を借りて謝辞を申し上げます.
王 財源
私の教え子,王 財源君は東洋医学概論の教鞭をとりながら中医学の基礎の一端となる重要な臓腑(蔵象)学説を,学生に理解しやすいように究明し著書にされ,この度出版されることになりました.
原稿を見せていただき,端的にいって非常に理解しやすく,良く書かれているのが何よりでした.中医学基礎理論を理解できるように書くことが非常に困難であることは私にも良く理解できます.困難だからといって西洋医学の学問を参考にすることはよいとして,主軸のように教育することは間違っていると思います.中医学を学ぶ者にはそれなりの専門書を理解することは当然であり,難解な古典理論を克服することが大切で,それゆえに学ぶ学生諸氏には研究心を高めることを私は常に念願しております.西洋医学にしても多くの難解を克服した結果,現代のように検査機器が開発され,飛躍的に進歩するに至っております.この研究・究明心が鍼灸医学を学ぶ者には必要ではないでしょうか.例えば,西洋・東洋医学を通じて基本的診察法はと問えば四診(望・問・聞・切)であると答えるでしょう.しかし鍼灸師にこの病人はどのように診療されましたかと問うてみて,順序だてて理解を得られるような答えが少ないというのは,中医学の基本となる古典理論が十分に理解会得されていないからだと思われます.その点,本書は中医学説の一端ではありますが,難解な古典理論を理解しやすく,しかも診療法の指針となるように書かれており,鍼灸医学を学ぶ者の手引き書として,特におすすめいたします.
前 明治鍼灸大学・明治東洋医学院漢方概論教諭
岡田 勝
第三版の序
本書は1999 年に初版を上梓して以来,研究や教育に従事する先生方,また,東洋医学を学ぶ多くの学生さんたちに愛読されてきました.しかし,伝統医学が日本の文化と風土に吸収されているかというと,そうでもなく,「東洋医学は難しい」という声は未だあとを絶ちません.
現在,日本国内における伝統医学はいつの間にか形骸化し,幻影となってその存在すら疑わしいという岐路に立ちつつあります.これらは異なる思想や文化に対する無認識,無理解をどう乗り越え,智恵をいかに育み,開発してゆくかということが根本的に議論され尽くしていない点にあります.今日,鍼と灸の概念を物理刺激として捉え,機械化し,定量化することにより,誰にでも使えるものにしたという利点については,多くの研究者や教育者の共感を生みました.ところが,一部の学問が硬直化したことにより,そこには伝統医学に根付いた哲学観が抜け落ち,本来の目的である,身心両面より治すといった全人的な治療を進めるにあたり,一部の術者がすでに限界を感じていることは,誰しもが気付いていることでしょう.本書はこれらの状況を踏まえて改訂しました.
第3 版の特徴は以下の5 点です.
(1)随所に『黄帝内経』『難経』などの原文を加えた.(2)初学者の習熟度を深めるためにチャート図を増やした.また,一部に国家試験にも対応できるように表を加えた.(3)灸の総数は『鍼灸甲乙経』を典拠文献とした.(4)参考,引用文献の見直しを行い,読者が入手可能な書籍を提示した.(5)東洋療法学校協会編『東洋医学概論』と『東洋医学臨床論』への学習意欲を高めるパイプ役として再度編集した.
拙著は蔵府学説を中心に執筆していますが,蔵府は体表と繋がりがある経絡という存在を介して体内の情報を外部に伝え,四肢百骸に影響を与えるため,臨床においては,経絡や経穴の情報(反応)を選択肢として利用することも肝要であります.中国では経絡学と蔵象学(蔵府学)は異なった教科で成り立っています.日本の教育システムでは,中国と同様の異なったカリキュラムを組むことは学校教育の時間数からも難しく,また他の教科と連携することも難しい局面に置かれています.これらのことから概論と臨床理論を結びつけるための一つの手段として拙著を利用して戴ければ幸甚です.まだまだ不備な所はありますが,今後,読者の意見を頂きながら加筆,訂正を行う所存です.
最後になりましたが,第3 版の上梓にあたり,忍耐強く編集作業を引き受けて下さった医歯薬出版(株)第一出版部の竹内大氏にこの場を借りて謝辞を申し上げます.
平成24 年12 月
関西医療大学 保健医療学部 自然科学ユニット
王 財源
改訂の序
“蔵象“ は《黄帝内経》のなかですでに記述され,歴代の医家らによって,社会的な背景をもとにして解釈が加えられました.1962 年湖北省で開催された中国湖北中医学院第2 回中医学習班において,ドクターのグループは「蔵象学説より,わが国における医学の理論体系を考えよ.」と提唱しました.これは蔵象学理論が中医学理論の核心を成す部分であることを力説したものです.“蔵象” は中医学理論に述べられている五臓六腑の機能のことで,西洋医学でいう内臓,臓器とは異なっています.ツ鉄樵氏は「黄帝内経の五蔵とは,血肉の五臓では非ず.」と,生きた人間に出現する生理的な活動で,生命活動の一部であることを指摘しています(『群経見智録』).
しかし,“蔵象” の考え方が複雑なために,東洋医学的な概念が日常生活に染みこんでいない日本の人には理解が困難であり,西洋医学と異なった生理学,病理学の考え方が,西洋医学を主軸とする日本で,受け入れることが可能だろうかと…….
そこで“蔵象” 理論を現代に甦らせ,現代人が理解しやすいように執筆してみました.ところが初期の原稿は万年筆で執筆していたため,筆者が阪神淡路大震災の時に,倒れた花瓶の水によりインクが滲んでしまって使えなくなりました.その後「失われた」原稿は本学卒業生のご協力により,再度執筆させていただき,1999 年の夏に初版が出版され,多くの医師,鍼灸師の先生方,学生,ならびに学校関係者の方々にご愛読していただきました.また,多くのご意見を賜り,今回はさらに内容を充実させ,増補版として第2 版を出版するはこびとなりました.
第2 版の特徴として,鑑別診断点と本書に記されている配穴を表にして資料編として付け加え,基礎理論のチェックポイント,扉絵の登場人物に著書,功績の簡単な説明を加え,病証の進行図をさらに詳しくしました.
本書の出版にあたり多くの人々にお世話になりました.扉絵の作品を使用することを快諾下さった上海中医薬大学の李鼎教授,楼紹来先生,色々とご指導いただいた関西鍼灸大学の諸先生方,また森川和宥先生,本学卒業生の石井昌明先生,菊井由紀子さん,友松真奈美さん,天野総子さん,川野原亜樹さん,大橋康人君,並びに担当編集の医歯薬出版株式会社の吉田邦男氏にこの場を借りて謝辞を申し上げます.
平成15 年3 月
王 財源
はじめに
祖父の楊敬蘭は中国江蘇省鎮江市高資の出身で,鍼灸治療や漢方薬を用いて多くの疾患を治していたようです.特に呼吸器系の病気が得意で,元来中国には存在しなかった漢方処方を作り出しました.当時は鉄の針を用いて治療し,銀質のものは手には入らなかったそうです.残念なことにその時に使用していた鉄針は,筆者が阪神大震災により紛失してしまいました.
また,その頃に執筆を終えた臨床臓腑学も,震災時に花瓶が倒れ,原稿のほとんどを万年筆で執筆していたために,インクが滲んでしまいました.そして再度の執筆したものが本書であります.
私が学生の頃,当時,漢方概論の指導をして下さったのは経絡治療を主とする岡田勝先生でした.岡田先生は漢方を初心者にわかりやすく講義され,その頃に経絡治療を教えていただきました.臨床においても漢方的な見方を具体的に説明いただき,四診法を主とした東洋医学的な診断方法など多くの臨床を教わりました.同時に大阪医科大学麻酔科,故・兵頭正義教授に師事し,ペインクリニックにおける鍼灸の治療を学びました.その後,中国に帰国して広州中医薬大学で学び,付属病院鍼灸科の劉炳権氏に師事しました.一旦,日本に戻った後,再度上海への留学を決め,現在の上海中医薬大学の王世恵医師に師事しました.
日本では,中国の本科留学を終えた学生諸氏でも中国と違って鍼灸師が漢方薬を扱えません.ですから,難解な弁証方法を学んでも机上の学問で終わってしまい,その能力を発揮できずにいるのが現状です.
中国人には東洋医学的な概念が日常生活に染み込んでいますが,日本人は西洋文化の影響を強く受けて今日に至っているため,日本人が東洋医学的な感覚を理解することは少し困難なようです.
このように,本書は難解な中国医学をより具体的に私たちの日常生活との関係を明確にすることで,日本人にも理解しやすいようにと執筆しました.
本書の出版にあたり多くの人々にお世話になりました.扉絵作品を使用することを快諾下さった上海中医薬大学の李鼎教授,楼紹来先生,色々とご指導いただいた関西鍼灸短期大学鍼灸臨床教室及び鍼灸基礎教室の諸先生方,また森川和宥先生,石井昌明先生,菊井由紀子さん,友松真奈美さん,天野聡子さん,大橋康人君,並びに担当編集者の医歯薬出版株式会社の吉田邦男氏にこの場を借りて謝辞を申し上げます.
王 財源
推薦のことば
推薦の序
第三版の序
改訂の序
はじめに
本書の特徴,記号の見方
第1章 基礎概論-人体のなかの小宇宙という考え方-
A 中国伝統医学とは
B 中国文化の一端としての医学
C 鍼治療の発見
D 伝承医学への発展
E 学説の提唱
F 陰と陽(その1・調和)
G 陰と陽(その2・属性)
H 陰と陽(その3・消長)
I 陰と陽(薬膳食の中にも生きている)
J 気と血と津液(その1)
K 気と血と津液(その2)
第2章 蔵象概論-中医学的な病気の原因-
A 中医学でいう臓腑(蔵府)
B 弁証とは
C 蔵象学説とは
D 蔵象学説の発展
E 病気の原因─外因と内因
F 蔵象学の特徴
G 経絡学説について
H 五行学説の特徴
I 五行学説と蔵象学(その1 管理エリア)
J 五行学説と蔵象学(その2 人体への応用)
K 配穴における考え方
L 経絡と臓腑は一体不二
M 漢方について
第3章 蔵象各論-五臓六腑の性質とはたらき〔生理〕-
1 心と小腸 循環器の働きと精神活動をつかさどる
健康な時は……心の働き/小腸の働き
働きが弱ると……血脈/神志/舌/汗/小腸
2 心包と三焦 形がなくて,働きだけがある臓腑
健康な時は……心包の働き/三焦の働き
働きが弱ると……上焦/中焦/下焦
3 肝と胆 思考活動と決断,血量のコントロールをつかさどる
健康な時は……肝の働き/胆の働き
働きが弱ると……血/筋/目/疏泄/胆
4 脾と胃 消化吸収と排泄,血流のコントロールをつかさどる
健康な時は……脾の働き/胃の働き
働きが弱ると……運化,昇清作用/統血作用/気の生成
肌肉,口唇,四肢/胃
5 肺と大腸 呼吸作用と防衛作用をつかさどる
健康な時は……肺の働き/大腸の働き
働きが弱ると……気/皮毛/鼻・咽喉/大腸
6 腎と膀胱 発育成長,生殖活動,水分代謝をつかさどる
健康な時は……腎の働き/膀胱の働き
働きが弱ると……精/命門/脳と骨髄/耳と二陰/水液/納気/膀胱/奇恒の腑
第4章 臓腑病証各論-臓腑が病むということ〔病理〕-
1 心と小腸の病証
心病証の進行図
体質
腹診
A.心小腸虚寒証
心気虚/心陽虚/心陽暴脱/心血虚/心陰虚
B.心小腸実熱証
心火亢盛/心血お阻/痰迷心竅/痰火擾心
心,小腸経の要穴
2 心包と三焦の病証
心包経と三焦経の流注
腹診
A.心包三焦虚寒証
B.心包三焦実熱証
心包,三焦経の要穴
3 肝と胆の病証
肝胆病証の進行図
体質
腹診
A.肝胆虚寒証
肝血虚/肝陰虚
B.肝胆実熱証
肝気鬱結/肝火上炎/肝陽上亢/寒滞肝脈/肝胆湿熱
C.肝風内動証
肝陽化風/熱極生風/血虚生風
肝,胆経の要穴
4 脾と胃の病証
脾胃病証の進行図
体質
腹診
A.脾胃虚寒証
脾気虚/脾陽虚/脾気下陥・中気下陥/脾不統血/脾陰虚/胃陰虚/胃気虚
B.脾胃実熱証
寒湿困脾/脾胃湿熱/胃寒証/胃熱証/食滞胃かん
脾,胃経の要穴
5 肺と大腸の病証
肺大腸病証の進行図
体質
腹診
A.肺大腸虚寒証
肺気虚/肺陰虚
B.肺大腸実熱証
風寒犯肺/風熱犯肺/痰熱壅肺/痰湿阻肺/燥邪犯肺
肺,大腸経の要穴
6 腎と膀胱の病証
腎膀胱病証の進行図
体質
腹診
A.腎膀胱虚寒証
腎精不足/腎気不固/腎陽虚/腎陰虚
B.腎膀胱実熱証
膀胱湿熱
腎,膀胱の要穴
第5章 臓腑間病弁証学-臓腑間のバランスが崩れるということ-
1 心肺気虚証(心肺両虚証)
病因と症状/主な症状/診察と治療
2 心脾気血両虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
3 心肝血虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
4 心腎不交証(心腎陰虚,陰虚火旺証)
病因と症状/主な症状/診察と治療
5 心腎陽虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
6 脾肺気虚証(肺脾両虚証)
病因と症状/主な症状/診察と治療
7 肝火犯肺証(木火刑金)
病因と症状/主な症状/診察と治療
8 腎不納気証(肺腎気虚証)
病因と症状/主な症状/診察と治療
9 肺腎陰虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
10 肝脾不和証(肝気犯脾証)
病因と症状/主な症状/診察と治療
11 肝胃不和証-1(肝気犯胃)
病因と症状/主な症状/診察と治療
12 肝胃不和証-2(肝火犯胃)
病因と症状/肝胃不和の特徴/主な症状/診察と治療
13 脾腎陽虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
14 肝腎陰虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
第6章 代表的な疾患と治療方法-具体的な病気の考え方と配穴について-
A 臨床における中国医学的な治療方法
B 同病異治的な治療法
C 急則治標,緩則治本
D 弁証と治療
E 臓腑は四肢百骸につながる
1 腰部痛
風寒湿型/炎症性型/腎虚型/お血型/整形外科的分類
2 五十肩
共通常用穴/風寒湿型/肩凝型/痛u型/胸u型/お血型/整形外科的分類/応用
3 足関節疾患
肝腎両虚型/気血両虚型/寒湿型/風湿型/お血型/血虚型/その他
4 頭部痛
a.外感性……風寒型/風熱型/風湿型
b.内傷型……肝陽上亢型/気虚気血両虚型/血虚型/血お型/痰濁型/部位別における頭痛/その他
5 四肢疼痛
風邪阻絡型/寒邪阻絡型/湿邪阻絡型/熱邪阻絡型/湿熱阻絡型/気血両虚型/肝腎両虚型/症状による局所取穴/リウマチの取穴/簡易u証の見分け方
6 四肢強直
風寒湿阻絡型/湿熱阻絡型/風邪入侵型/痰火動風型/肝陽化風型/肝腎両虚型/血お気滞型/陽虚型
7 頚椎疾患
外感風湿型/風熱侠痰型/捻傷型/落枕型/整形外科的分類による配穴/応用
8 顔面痙攣
肝気鬱結型/肝血虚型/風邪阻絡型/風痰阻絡型/肝風内動型/その他
9 顔面麻痺
風邪外襲型/肝風内動型/肝気鬱結型/気血両虚型/風痰阻絡型/その他
10 肥満症
痰湿内鬱型/気虚型
11 消痩
脾胃気虚型/気血両虚型/肺陰虚型/胃熱型/肝火型/虫積型
12 疲労倦怠感
暑熱傷気型/脾虚湿困型/気血両虚型
13 歯痛
風熱型/風寒型/胃熱型/虚火型/気虚型/齲歯型/その他
14 肋間神経痛
少陽型/痰飲型/肝気鬱結型/血お型/肝胆湿熱型/肝陰虚型/その他
15 心悸
心気虚型/心陽虚型/心血虚型/心陰虚型/驚恐擾心型/心血お阻型/痰火擾心型/水気凌心型/その他
16 便秘
胃腸実熱型/肝脾気滞型/脾肺気虚型/脾腎陽虚型/血虚陰虚型/その他
17 陰萎
腎陽虚型/心脾両虚型/驚恐傷腎型/湿熱下注型/肝阻気機型/その他
18 不眠症
心陰虚型/心腎不交型/心脾気血両虚型/心胆気虚型/肝胆火旺型/痰火擾心型/心火旺盛型/余熱擾膈型/その他
19 下肢静脈瘤
湿熱お滞型/寒湿お滞型/気虚血お型
20 ヘルペス
熱盛湿鬱型/熱毒灼営型/脾虚湿毒型/気虚血お型/その他
21 精神障害
陽明熱盛型/肝胆鬱火型/痰火上擾型/血お内阻型/その他
22 癲癇
痰火型/風痰型/痰お型/血虚型/腎虚型/その他
23 健忘
腎精不足型/心腎不交型/心脾両虚型/痰濁擾心型/お血衝心型/その他
24 めまい
肝陽化風型/陰虚陽亢型/心脾両虚型/中気不足型/腎精不足型/痰濁中阻型/その他
25 中風
a.《中臓腑》“臓腑にあたる”……閉証型/脱証型
b.《中経絡》“経絡にあたる”(肝腎陰虚,風陽上擾証)……風中経絡型/肝陽化風型
26 三叉神経痛
風熱挟痰阻絡型/風寒挟痰阻絡型/肝鬱化火型/気虚血お型
27 感冒
風熱型/風寒型/陽虚型/陰虚型/その他/経穴薬薫療法
28 腹瀉
湿熱型/寒湿型/食積型/肝脾不和型/熱結傍流型/脾虚型/腎陽虚型/その他
参考文献
資料編
索引
推薦の序
第三版の序
改訂の序
はじめに
本書の特徴,記号の見方
第1章 基礎概論-人体のなかの小宇宙という考え方-
A 中国伝統医学とは
B 中国文化の一端としての医学
C 鍼治療の発見
D 伝承医学への発展
E 学説の提唱
F 陰と陽(その1・調和)
G 陰と陽(その2・属性)
H 陰と陽(その3・消長)
I 陰と陽(薬膳食の中にも生きている)
J 気と血と津液(その1)
K 気と血と津液(その2)
第2章 蔵象概論-中医学的な病気の原因-
A 中医学でいう臓腑(蔵府)
B 弁証とは
C 蔵象学説とは
D 蔵象学説の発展
E 病気の原因─外因と内因
F 蔵象学の特徴
G 経絡学説について
H 五行学説の特徴
I 五行学説と蔵象学(その1 管理エリア)
J 五行学説と蔵象学(その2 人体への応用)
K 配穴における考え方
L 経絡と臓腑は一体不二
M 漢方について
第3章 蔵象各論-五臓六腑の性質とはたらき〔生理〕-
1 心と小腸 循環器の働きと精神活動をつかさどる
健康な時は……心の働き/小腸の働き
働きが弱ると……血脈/神志/舌/汗/小腸
2 心包と三焦 形がなくて,働きだけがある臓腑
健康な時は……心包の働き/三焦の働き
働きが弱ると……上焦/中焦/下焦
3 肝と胆 思考活動と決断,血量のコントロールをつかさどる
健康な時は……肝の働き/胆の働き
働きが弱ると……血/筋/目/疏泄/胆
4 脾と胃 消化吸収と排泄,血流のコントロールをつかさどる
健康な時は……脾の働き/胃の働き
働きが弱ると……運化,昇清作用/統血作用/気の生成
肌肉,口唇,四肢/胃
5 肺と大腸 呼吸作用と防衛作用をつかさどる
健康な時は……肺の働き/大腸の働き
働きが弱ると……気/皮毛/鼻・咽喉/大腸
6 腎と膀胱 発育成長,生殖活動,水分代謝をつかさどる
健康な時は……腎の働き/膀胱の働き
働きが弱ると……精/命門/脳と骨髄/耳と二陰/水液/納気/膀胱/奇恒の腑
第4章 臓腑病証各論-臓腑が病むということ〔病理〕-
1 心と小腸の病証
心病証の進行図
体質
腹診
A.心小腸虚寒証
心気虚/心陽虚/心陽暴脱/心血虚/心陰虚
B.心小腸実熱証
心火亢盛/心血お阻/痰迷心竅/痰火擾心
心,小腸経の要穴
2 心包と三焦の病証
心包経と三焦経の流注
腹診
A.心包三焦虚寒証
B.心包三焦実熱証
心包,三焦経の要穴
3 肝と胆の病証
肝胆病証の進行図
体質
腹診
A.肝胆虚寒証
肝血虚/肝陰虚
B.肝胆実熱証
肝気鬱結/肝火上炎/肝陽上亢/寒滞肝脈/肝胆湿熱
C.肝風内動証
肝陽化風/熱極生風/血虚生風
肝,胆経の要穴
4 脾と胃の病証
脾胃病証の進行図
体質
腹診
A.脾胃虚寒証
脾気虚/脾陽虚/脾気下陥・中気下陥/脾不統血/脾陰虚/胃陰虚/胃気虚
B.脾胃実熱証
寒湿困脾/脾胃湿熱/胃寒証/胃熱証/食滞胃かん
脾,胃経の要穴
5 肺と大腸の病証
肺大腸病証の進行図
体質
腹診
A.肺大腸虚寒証
肺気虚/肺陰虚
B.肺大腸実熱証
風寒犯肺/風熱犯肺/痰熱壅肺/痰湿阻肺/燥邪犯肺
肺,大腸経の要穴
6 腎と膀胱の病証
腎膀胱病証の進行図
体質
腹診
A.腎膀胱虚寒証
腎精不足/腎気不固/腎陽虚/腎陰虚
B.腎膀胱実熱証
膀胱湿熱
腎,膀胱の要穴
第5章 臓腑間病弁証学-臓腑間のバランスが崩れるということ-
1 心肺気虚証(心肺両虚証)
病因と症状/主な症状/診察と治療
2 心脾気血両虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
3 心肝血虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
4 心腎不交証(心腎陰虚,陰虚火旺証)
病因と症状/主な症状/診察と治療
5 心腎陽虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
6 脾肺気虚証(肺脾両虚証)
病因と症状/主な症状/診察と治療
7 肝火犯肺証(木火刑金)
病因と症状/主な症状/診察と治療
8 腎不納気証(肺腎気虚証)
病因と症状/主な症状/診察と治療
9 肺腎陰虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
10 肝脾不和証(肝気犯脾証)
病因と症状/主な症状/診察と治療
11 肝胃不和証-1(肝気犯胃)
病因と症状/主な症状/診察と治療
12 肝胃不和証-2(肝火犯胃)
病因と症状/肝胃不和の特徴/主な症状/診察と治療
13 脾腎陽虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
14 肝腎陰虚証
病因と症状/主な症状/診察と治療
第6章 代表的な疾患と治療方法-具体的な病気の考え方と配穴について-
A 臨床における中国医学的な治療方法
B 同病異治的な治療法
C 急則治標,緩則治本
D 弁証と治療
E 臓腑は四肢百骸につながる
1 腰部痛
風寒湿型/炎症性型/腎虚型/お血型/整形外科的分類
2 五十肩
共通常用穴/風寒湿型/肩凝型/痛u型/胸u型/お血型/整形外科的分類/応用
3 足関節疾患
肝腎両虚型/気血両虚型/寒湿型/風湿型/お血型/血虚型/その他
4 頭部痛
a.外感性……風寒型/風熱型/風湿型
b.内傷型……肝陽上亢型/気虚気血両虚型/血虚型/血お型/痰濁型/部位別における頭痛/その他
5 四肢疼痛
風邪阻絡型/寒邪阻絡型/湿邪阻絡型/熱邪阻絡型/湿熱阻絡型/気血両虚型/肝腎両虚型/症状による局所取穴/リウマチの取穴/簡易u証の見分け方
6 四肢強直
風寒湿阻絡型/湿熱阻絡型/風邪入侵型/痰火動風型/肝陽化風型/肝腎両虚型/血お気滞型/陽虚型
7 頚椎疾患
外感風湿型/風熱侠痰型/捻傷型/落枕型/整形外科的分類による配穴/応用
8 顔面痙攣
肝気鬱結型/肝血虚型/風邪阻絡型/風痰阻絡型/肝風内動型/その他
9 顔面麻痺
風邪外襲型/肝風内動型/肝気鬱結型/気血両虚型/風痰阻絡型/その他
10 肥満症
痰湿内鬱型/気虚型
11 消痩
脾胃気虚型/気血両虚型/肺陰虚型/胃熱型/肝火型/虫積型
12 疲労倦怠感
暑熱傷気型/脾虚湿困型/気血両虚型
13 歯痛
風熱型/風寒型/胃熱型/虚火型/気虚型/齲歯型/その他
14 肋間神経痛
少陽型/痰飲型/肝気鬱結型/血お型/肝胆湿熱型/肝陰虚型/その他
15 心悸
心気虚型/心陽虚型/心血虚型/心陰虚型/驚恐擾心型/心血お阻型/痰火擾心型/水気凌心型/その他
16 便秘
胃腸実熱型/肝脾気滞型/脾肺気虚型/脾腎陽虚型/血虚陰虚型/その他
17 陰萎
腎陽虚型/心脾両虚型/驚恐傷腎型/湿熱下注型/肝阻気機型/その他
18 不眠症
心陰虚型/心腎不交型/心脾気血両虚型/心胆気虚型/肝胆火旺型/痰火擾心型/心火旺盛型/余熱擾膈型/その他
19 下肢静脈瘤
湿熱お滞型/寒湿お滞型/気虚血お型
20 ヘルペス
熱盛湿鬱型/熱毒灼営型/脾虚湿毒型/気虚血お型/その他
21 精神障害
陽明熱盛型/肝胆鬱火型/痰火上擾型/血お内阻型/その他
22 癲癇
痰火型/風痰型/痰お型/血虚型/腎虚型/その他
23 健忘
腎精不足型/心腎不交型/心脾両虚型/痰濁擾心型/お血衝心型/その他
24 めまい
肝陽化風型/陰虚陽亢型/心脾両虚型/中気不足型/腎精不足型/痰濁中阻型/その他
25 中風
a.《中臓腑》“臓腑にあたる”……閉証型/脱証型
b.《中経絡》“経絡にあたる”(肝腎陰虚,風陽上擾証)……風中経絡型/肝陽化風型
26 三叉神経痛
風熱挟痰阻絡型/風寒挟痰阻絡型/肝鬱化火型/気虚血お型
27 感冒
風熱型/風寒型/陽虚型/陰虚型/その他/経穴薬薫療法
28 腹瀉
湿熱型/寒湿型/食積型/肝脾不和型/熱結傍流型/脾虚型/腎陽虚型/その他
参考文献
資料編
索引